CoffeeLakeのXPS 8930の強化版!
第1弾レビュー!DELL XPSタワー スペシャルエディション
CoffeeLake設計のXPS 8930の強化版、XPSタワー スペシャルエディションを紹介する(2018年3月時点)。販売名は紛らわしいだけなので、ここでは便宜上コンピューターモデル名を使い、XPS 8930スペシャルエディションと呼ぶ。基本ベースはXPS 8930と同じだが、さらに高性能パーツが選択できる強化モデル。
PCケースの格上げとして、フロントパネルはアルミ製、上面排気ファンは大口径の12センチ角ファンを搭載している。(ノーマル版は9センチ角ファン)。マザーボードは共通のため、装備するオンボード端子は同じ。電源も変わらず460Wなので、最高構成では心許ない容量なのがデメリット。当サイトでは2017年に先々代にあたるXPS 8910スペシャルエディション(Skylake設計)をレビューしたが、見たところPCケースそのものはそのまま流用しているようだ。
2018年3月レビュー CoffeeLake |
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※2018年3月25日時点のレビュー。最新情報はDELLサイトにてご確認を。
レビュー時点の構成例
レビュー時点のXPS 8930 スペシャルエディションでは、倍率ロックフリーのCore i7-8700Kが搭載できる。 グラフィックカードは最大でNVIDIA GeForce GTX 1080の搭載(NVIDIAサイトでは最小限必要な電力500Wとある)。しかし、Core i7-8700Kのオーバークロック用途も考えると、それで電源ユニット460Wでいいのだろうかと懸念が残る。その場合はもっと容量の大きいATX電源に換装すべきだと思うが、今回のレビュー構成ではないので検証できず。
XPS 8930スペシャルエディションでハイエンド構成にするなら、ALIENWAREシリーズを検討したほうがいいかもしれない。CPUとグラフィック以外は概ねXPS 8930と共通。排気ファンが大口径12センチ角を採用しており、XPS 8930より空冷システムが格上げされている。
CPU |
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グラフィック |
※構成ベースの販売であり、パーツの組み合わせは制限される。 |
XPS 8930スペシャルエディションの、デザインと構造
XPS 8930では光沢ブラックだが、スペシャルエディションではアルマイト加工のアルミ・フロントパネル。ちょっとばかりリッチな気分を楽しめる。
従来のミニタワーとしてXPS 8900と並べてみた様子。一回りコンパクトになっている事がわかる。特に奥行きが短くなっている上、排気ファンが上面にあるため効率的な排熱仕様であり、設置もしやすくなった。
表面はサンドブラストの梨地でさらっとした手触り。DELLロゴは斜めにラインの入った金属のエンブレムが取り付けられている。溝の銀シールを貼っているXPS 8930とは雰囲気がだいぶ違う。
左下のXPSロゴも同様で、エンブレムが取り付けられている。
装備端子
さすがにこの厚みすべてがアルミではなく、1mm厚ほどのアルミを加工して被せてある状態。ぱっと見ただけではわからないけど。光学ドライブのベゼル部分もちゃんとアルミである。
装備端子はXPS 8930と変わらない。SDカードスロット(SD、SDHC、SDXC)、ヘッドセット端子、マイク端子、USB Type-C(USB3.1-Gen1)×1基、USB3.1(Gen1)端子×3基を装備する。前面のUSB3.1はすべてGen1なので、転送速度はUSB3.0と同じ5Gbpsである。SDカードは少し突き出た状態で収まる。
XPS 8930とスペシャルエディションでは、背面を比べてもまったく同じ。USB2.0端子×2基、USB3.1(Gen1)端子×3基、USB3.1(Gen2)端子、USB Type-C(USB3.1-Gen2)。有線LAN端子はギガビットイーサー。アナログ・オーディオ端子では5.1chに対応。なお、グラフィックカードを搭載するので使用しないが、オンボードのディスプレイ出力に「HDMI 1.4端子、Display Port 端子」を装備している。
USB3.1では速度の異なるGen1とGen2が混在しているので、ちゃんと把握しておこう。
※初心者向けに、周辺機器とつなぐ端子の知識を、パソコンの接続端子(シリアルバス規格)で解説。
※ディスプレイと接続する端子の知識を、パソコンのディスプレイ端子で解説。
※オーディオ端子についての知識は、サウンドデバイスで扱われる、主な装備端子で解説。
紹介しているXPS 8930スペシャルエディションでは、グラフィックカードにNVIDIA GeForce GTX 1070を搭載している。装備するディスプレイ出力端子は、Display Port 端子×3基、HDMI端子、DVI端子となっている。大型なので2スロット分を占有。
XPS 8930同様、電源ユニットはスイングアームに搭載。3基のHDDベイ。PCケースの構造では上面排気ファン以外はXPS 8930と同じなので、詳しくはXPS 8930の内部レビューで再確認。
大口径12センチ角ファン
XPS 8930との差をつけるための格上げなのか、上面排気ファンには大口径12センチ角ファンが搭載されている。少ない回転数でも効果を発揮するので、比較的静音である。
ATX電源ユニット
XPS 8930スペシャルエディションの電源仕様を確認。460W電源で自作でお馴染みのATX電源規格。前回レビューしたXPS 8930とはメーカーが異なりACBEL製であったが、出力の内訳はまったく同じだった。+12V系統は3つあり、それぞれ最大18A(216W)、16A(192W)、8A(96W)である。+12V系統の合計最大許容は385W。
レビュー時点では、最大構成でNVIDIA GeForce GTX 1080 が搭載できるが、460Wではやや心許ない気がする。NVIDIA サイトでは「消費電力180W、 最小限必要な電力500W電源」とあるが、DELL側で検証はしているだろうから問題はないのだろう。幸いATX電源採用なので、HDDを詰め込んで電力不足が懸念される場合は、サポート外だが自前で換装する手段もある。
グラフィックカードとマザーボード
グラフィックカード、NVIDIA GeForce GTX 1070 8GB GDDR5の搭載。ほぼギリギリのスペースで搭載されている。補助電源に8Pinを接続。
XPS 8930スペシャルエディションのマザーボード。マザーボードに印字されている型番が同じなので、XPS 8930と同じのようだ。レビュー時点では、オーバークロックの倍率ロックフリーを持つ第8世代 Core i7-8700Kが搭載できるが、その場合はCPUクーラーがこれ以上に強力なものに変更される。(後半のページで後述)
Killerネットワーク
DELLサイトによれば、Killerネットワークの搭載は「GeForce® GTX 1070とNVIDIA® GeForce® GTX 1080搭載モデルのみ」とある。今回は該当構成だったので、デバイスマネージャーを確認するとこの通り。有線のギガビットイーサーLANおよび、無線LANに「killer」とある。
Killerコントロールセンターを使えばネットワーク接続をモニタリングでき、とくにオンラインゲームのパフォーマンスを最大化することができる。また、KillerはWindowsが抱えるネットワーク処理の一部を肩代わりする機能を持つ。優先度の設定に基づいてネットワーク帯域幅を最適化、管理する。CPU負荷を低減させ、ネットワークの遅延を抑えるため、とくにオンラインゲームでは安定した通信が確保できる。※Killer開発元のクアルコム・アセロス社は、アメリカの半導体メーカーでLAN関連製品のトップシェアを誇っている。
ベンチマークテスト (Core i7-8700 + GeForce GTX 1070)
43インチ4Kモニタと、XPS 8930スペシャルエディション。ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター を最高品質で4Kとなると、Core i7-8700&GeForce GTX 1070搭載でこのスコア。指標では「とても快適」という結果になった。
他のゲームでは以下の結果となった。
2018年3月論評 CoffeeLake |
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スコア またはFPS |
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター (1920 × 1080 最高品質 DirectX 11 フルスクリーン) |
15403 | |
4K(3840 × 2160)最高品質 DirectX 11 フルスクリーン) |
5204 | |
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド (1920 × 1080 最高品質 DX 11 フルスクリーン) |
16583 | |
バイオハザード6 ~2013年 (1280×720 品質:初期設定 DX 9.0c フルスクリーン) |
29228 | |
バイオハザード6~2013年 (1920 × 1080 品質:初期 DX 9.0c フルスクリーン) |
23963 | |
バイオハザード5 (1920 × 1080 DirectX 10 フルスクリーン) |
378.7 | |
ドラゴンクエストX: 2013年~ Ver.1.10 (1280×720 標準品質 ウィンドウ) |
20382 | |
Ver.1.51 (1280×720 標準品質 ウィンドウ) | 21932 | |
ドラゴンクエストX: 2013年~ Ver.1.10 (1920 × 1080 最高品質 ウィンドウ) |
20229 | |
Ver.1.51 (1920 × 1080 最高品質 ウィンドウ) | 21519 | |
ラストレムナント~2009年(1280×720 フルスクリーン) | 398.74 | |
ラストレムナント~2009年 (1920 × 1080 フルスクリーン) | 395.10 | |
ストリートファイター4~2009年 (1280 × 720 品質:デフォルト 同期OFF ウィンドウ) |
738.27 | |
ストリートファイター4~2009年 (1920 × 1080 デフォルト 同期OFF フルスクリーン) |
670.18 |
※システム環境などで誤差がある。
※ゲームタイトルのリンク先にて過去PCと比較できるので参考に!
GeForce GTX 1070のスペック
GeForce GTX 1060と、GeForce GTX 1070のスペック比較。(ここで紹介しているXPS 8930スペシャルエディションは、GeForce GTX 1070のほう)。シェーダー数やバス幅の違いから、パフォーマンスに差があると想像できる。
Core i7-8700のパフォーマンス
今回レビューしているDELL XPS 8930スペシャルエディションには、Core i7-8700を搭載している。インテル UHD グラフィックス630を内蔵しているが、XPS 8930はグラフィックカード搭載モデルなので使用しない。Core i7-8700は6コア実装、HTテクノロジーによって12スレッド動作する。ベースクロックは3.2GHzだが、ターボブーストで最大 4.6GHzまでクロックアップする。TDP(熱設計電力)は65W。
Core i7-8700のパフォーマンスをチェックする。CINEBENCH R15のレンダリング(マルチスレッドでは)、スコア「1405」ならびに「1403」。(※それぞれXPS 8930ノーマルとスペシャルエディションで測ったもの)。前世代であるCore i7-7700のスコア「869」を圧倒的に超えているが、これは6コア/12スレッドというマルチスレッド強化が大きく影響している。
シングルスレッドでは、スコア「199」ならびに「197」。1コアのパフォーマンスも高くなっており、Core i9-7980XEよりもやや上という結果に。【 過去PCと比較 : CINEBENCH R15のレンダリングで、パフォーマンスチェック 】
ストレージ・パフォーマンス
今回のXPS 8930スペシャルエディションでは、NVMe SSD(東芝製KXG50ZNV256G)および、データ用の3.5インチHDDとしてシーゲート製ST2000DM001を搭載している。パフォーマンスは上記の通り。
PCI Express接続のNVMe SSDは圧倒的に速い。なお、DELLサイトではM.2 SSDとしか書いていないので、SATAなのかPCI Expressなのかよくわからない。とりあえずレビュー機ではNVMe SSDであるが、それが標準なのかここでは断言できない。(一応、XPS 8930のときもNVMe SSDであったが。)
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XPS タワー(XPS 8930)の、レビュー項目
- XPS 8930のレビュー 構成:Core i7-8700 + GeForce GTX 1060 ※2018年3月
- XPS 8930の内部構造 ※2018年3月
- 第2弾(CoffeeLake Refresh互換) 構成:Core i7-9700 + GeForce GTX 1660 Ti ※2019年8月
強化版!XPS タワー・スペシャルエディション(XPS 8930)
- XPS 8930 スペシャルエディション 構成:Core i7-8700 + GeForce GTX 1070 ※2018年3月
- 第2弾 構成 : Core i7-8700K + GeForce GTX 1080 ※2018年6月
- 第3弾(CoffeeLake Refresh互換) 構成:Core i7-9700 + GeForce RTX 2060 ※2019年8月
ベンチマークテスト比較