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CoffeeLake設計(第8世代Coreプロセッサ)のミドルレンジ・デスクトップ
DELL XPS タワー(XPS 8930)のレビュー
2017年10月24日に発売したCoffeeLake設計のXPSタワーこと、XPS 8930をレビューする。デスクトップPCでは例年人気のタイプである。2018年3月から2019年8月までの間に、構成の異なる計5台の実機を調査してきた。時期により変更された項目もあるので、時系列には注意していただきたい。
XPS 8930にはノーマル版とスペシャル版があるが、マザーボードは同じでチップセットはZ370。システムは同じと理解していい。選択できるカスタマイズの違いだけである。2019年にはCoffeeLake Refreshに互換対応し、第9世代Core i7の搭載が可能となった。
なお、初期のスペシャル版ではPCケースに「アルミ・フロントパネル、12センチ角ファン搭載」というプレミアム性があったが、後期は廃止されて格下げされている。それであれば、シンプルにXPS 8930で一本化してもらいたいのが本音である。(マニュアルおよびサポート管理では一本化している)
XPS タワー(XPS 8930)の、レビュー項目
- XPS 8930のレビュー 構成:Core i7-8700 + GeForce GTX 1060 ※2018年3月
- XPS 8930の内部構造 ※2018年3月
- 第2弾(CoffeeLake Refresh互換) 構成:Core i7-9700 + GeForce GTX 1660 Ti ※2019年8月
強化版!XPS タワー・スペシャルエディション(XPS 8930)
- XPS 8930 スペシャルエディション 構成:Core i7-8700 + GeForce GTX 1070 ※2018年3月
- 第2弾 構成 : Core i7-8700K + GeForce GTX 1080 ※2018年6月
- 第3弾(CoffeeLake Refresh互換) 構成:Core i7-9700 + GeForce RTX 2060 ※2019年8月
ベンチマークテスト比較
第1弾 XPS 8930(ノーマル版):Core i7-8700 + GeForce GTX 1060
2018年3月調査時点では第8世代 Core i7-8700を搭載しており、6コア12スレッドのハイパフォーマンスを堪能できる。内部構造の工夫で従来のミニタワー型よりも奥行きが短くなっており、設置性が向上している。排熱に効率的な上面排気ファンを搭載。3.5インチHDDベイ×3基、M.2スロット×1基持ち、ストレージの拡張性が高い。スリム型の光学ドライブも搭載している。XPS 8930の強化カスタマイズ版として、「XPS タワー・スペシャルエディション」のモデルもある。当サイトでは2016年に先々代にあたるXPS 8910(Skylake)をレビューしたが、見たところPCケースそのものはそのまま流用しているようだ。
なお、CoffeeLakeからCore i7やi5のメインストリームCPUが6コアとなる。過去、4コアのCore 2 Quadをメインストリームだったとするなら、約11年ぶりの物理コア増加と言える。これもPC買い替えのタイミングとも言える。
2018年3月論評 CoffeeLake |
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※2018年3月25日時点のレビュー。本製品の発売日は2017年10月24日である。
当方レビューに関する注意事項
※レビュー時点、レビュー実機の情報であるため、購入された場合の一致性は保証していない。※標準搭載や仕様変更などの最新情報はDELLサイトにてご確認を。※感想は個人的見解である。※風景に写っている周辺機器等は、DELLと関係ない物もある。※法人向けモデルの場合でも、個人ユーザーが購入することは可能(注文は個人名の記入でOK)。
DELLの製品名について
DELLサイトにある「販売名」は統一性がなく、さらに新旧モデルの区別も困難。そのため唯一無二のコンピューターモデル名で確認する必要がある。詳しくは「DELL製品の把握は、コンピューターモデル名を知ること」を参照。
XPS タワー(XPS 8930)スペシャルエディションとは
XPS 8930の強化版でVR対応モデルとして、XPS 8930スペシャルエディションがある(販売名はXPSタワー・スペシャルエディション)。フロントパネルがアルミであり、見た目のプレミアム感が少し違う。グラフィックカードなど、ここで紹介しているXPS 8930よりもさらに高パフォーマンスなパーツが選択できる。
仕様および、インターフェースなどの概要
XPS 8930および、XPS 8930スペシャルエディションも筐体デザインは同じだが、スペシャルエディションではアルミ製のフロントパネルを採用しており、プレミアム感を高めている。またXPS 8930の排気ファンは9センチ角ファンだが、スペシャルエディションでは大口径12センチ角ファンを搭載している。それ以外、デザインや拡張性に関しては共通である。電源ユニットも同じく460Wで+12Vの内訳も同じであった。
構造 |
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電源 | 460W ATX電源ユニット |
その他 |
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サイズ(公称値) | 幅: 180mm × 奥行き: 356 mm × 高さ: 386 mm / 重量 約10kg |
装備端子
XPS 8930もスペシャルエディションもマザーボードの型番が同じだったので、プラットフォームは同じと捉えていい。ゆえに装備する端子も共通していた。※グラフィックカードの出力は各々異なる。
SDカードスロット(SD、SDHC、SDXC)、ヘッドセット端子、マイク端子、USB Type-C(USB3.1-Gen1) × 1基、
USB3.1(Gen1)端子 × 3基を装備する。
背面を比べてもまったく同じ。USB端子では次の端子を装備している。USB2.0端子×2基、USB3.1(Gen1)端子×3基、USB3.1(Gen2)端子、USB Type-C(USB3.1-Gen2)。有線LAN端子はギガビットイーサー。アナログ・オーディオ端子では5.1chに対応。なお、グラフィックカードを搭載するので使用しないが、オンボードのディスプレイ出力に「HDMI 1.4端子、Display Port 端子」を装備している。
2018年3月レビュー時点の、採用パーツ例
CoffeeLake設計のプラットフォームであり、スペシャルエディションのほうが、さらに高パフォーマンス構成が可能となっている。スペシャルエディションはVR対応モデルという位置づけ。
XPS 8930
レビュー時点のXPS 8930では搭載できるCPUがCore i7-8700のみ。グラフィックカードは最大でNVIDIA GeForce GTX 1060の搭載となる。ストレージでは M.2型HDDキャッシュとしてインテルOptane メモリーを使う構成が見られる。他に M.2 SSD + 3.5インチHDDのデュアルストレージ構成があるが、M.2 SSDがSATA接続なのか、NVMe(PCI Express接続)なのか明記されていなくて困る。ちなみに手元のレビュー実機ではNVMe SSDであった。 | |
アーキテクチャ | CoffeeLake設計 (チップセット Z370) |
CPU |
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グラフィック |
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ストレージ |
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メモリ | カスタマイズサポート内では、16GB DDR4 メモリまで(最大64 GB) |
光学ドライブ |
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XPS 8930 スペシャルエディション
レビュー時点のXPS 8930 スペシャルエディションでは、倍率ロックフリーのCore i7-8700Kが搭載できる。 グラフィックカードは最大でNVIDIA GeForce GTX 1080の搭載となる。しかし、それで電源ユニット460Wでいいのだろうかと、懸念が残る。その場合はもっと容量の大きいATX電源に換装すべきだと思うが、今回のレビュー構成ではないので検証できず。(NVIDIAサイトでは最小限必要な電力500Wとある。)XPS 8930スペシャルエディションでハイエンド構成にするなら、ALIENWAREシリーズを検討したほうがいいかもしれない。CPUとグラフィック以外は概ね、XPS 8930と共通。 | |
アーキテクチャ | CoffeeLake設計 (チップセット Z370) |
CPU |
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グラフィック |
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※レビュー時点の構成例。採用パーツやベンダーは供給状況により異なる。
※構成ベースの販売であり、パーツの組み合わせは制限される。
以下、XPS 8930のデザインを紹介する。なお、スペシャルエディションのデザインは別ページで後述する。
XPS 8930のデザイン
CoffeeLake仕様のXPSタワー(XPS 8930)のフロントパネルは光沢ブラック。中央よりやや上にあるDELLロゴは、溝に合わせてシルバーのシールが貼られている。メッキを使っていないのはコストダウンのためだろうか。左下にはXPSロゴの印字、右下にインテルシールの貼付。
前面上部にインターフェースを配置。SDカードスロット(SD、SDHC、SDXC)、ヘッドセット端子、マイク端子、USB Type-C(USB3.1-Gen1) × 1基、USB3.1(Gen1)端子×3基を装備する。挿入したUSBメモリなどは前面に突き出すので、低地に置く場合はぶつけたりしないように注意だ。左端に電源ボタンを配置している。
光学ドライブはノートパソコンで使われるスリムドライブ。従来のデスクトップ定番だった5.25インチ型よりも低速だが、省スペース優先の仕様。現在では光学ドライブの重要性が低くなっているので、これも時代の流れだろう。
フロントパネルの側面には吸気口のスリットがある。
XPS 8930の右側面には特に何もなし。塗装されたスチールの側面である。この面が下であれば横置きの接地面にしても問題ないだろう。奥行きが356 mmで従来のミニタワー型よりも短く、設置スペースが少なくて済むのが特長的。光学ドライブをスリム型にしたり、ATX電源をスイングアームに取り付けることで、奥行きを短くすることが実現した。
XPS 8930の左側面では半分がスリットのデザインで、メインの吸気口となっている。この面の外装はポリカーボネート(工業プラスチック)であり、内側にスチールの躯体がある。
天井面の半分が、左側面パネルから続くスリットのデザイン。こちらも外装はポリカーボネートであり、格子になっているスリットはしなるためあまり耐久性はない。不注意で折れやすい箇所でもあるので留意しておこう。
天井のスリット部分は上面排気ファンが取り付けられている。熱は上昇する性質があるため、排気ファンとしてはベストポジションと言える。XPS 8930では空冷ファンの一般的サイズである「9センチ角ファン」が搭載されている。
先代のXPS 8920はどうか知らないが、以前レビューした先々代にあたるXPS 8910では「12センチ角ファン」であり、従来機よりもグレードダウンさせているようだ。そもそもこの筐体は12センチ角ファンでデザインされているが、わざわざ内部スチールのくり抜きを9センチ角に合わせるという、ちょっと嫌がらせに近い。なお、XPS 8930スペシャルエディションでは12センチ角ファンであり、おそらく格差仕様なのだろう。スリットから覗かせている姿がチグハグでちょっとブサイク。
XPS 8930の底面。フロントパネル側の底面に吸気口スリットがある。
背面のオンボード端子では、USB2.0端子×2基、ギガビットイーサー端子。グラフィックカードがあるので使わないが、オンボードのディスプレイ出力に「HDMI端子、Display Port 端子」を装備している。枠で囲っているところが、USB3.1-Gen2で、端子がType-CとAコネクタの2つとなっている。あと、USB3.1(Gen1)端子×3基を装備している。アナログ・オーディオ端子は緑黒橙の3つで5.1chサウンドに対応。
USB3.1では速度の異なるGen1とGen2が混在しているので、ちゃんと把握しておこう。
※初心者向けに、周辺機器とつなぐ端子の知識を、パソコンの接続端子(シリアルバス規格)で解説。
※ディスプレイと接続する端子の知識を、パソコンのディスプレイ端子で解説。
※オーディオ端子についての知識は、サウンドデバイスで扱われる、主な装備端子で解説。
このXPS 8930レビュー機では、グラフィックカードにNVIDIA GeForce GTX 1060を搭載している。装備するディスプレイ出力端子は、Display Port 端子×3基、HDMI端子、DVI端子となっている。大型なので2スロット分を占有。
スペック詳細とパフォーマンス
Core i7-8700
今回レビューしているDELL XPS 8930には、Core i7-8700を搭載している。インテル UHD グラフィックス630を内蔵しているが、XPS 8930はグラフィックカード搭載モデルなので使用しない。Core i7-8700は6コア実装、HTテクノロジーによって12スレッド動作する。ベースクロックは3.2GHzだが、ターボブーストで最大 4.6GHzまでクロックアップする。TDP(熱設計電力)は65W。
Core i7-8700のパフォーマンスをチェックする。CINEBENCH R15のレンダリング(マルチスレッドでは)、スコア「1405」ならびに「1403」。※それぞれXPS 8930ノーマルとスペシャルエディションで測ったもの。前世代であるCore i7-7700のスコア「869」を圧倒的に超えているが、これは6コア/12スレッドというマルチスレッド強化が大きく影響している。
シングルスレッドでは、スコア「199」ならびに「197」。1コアのパフォーマンスも高くなっており、Core i9-7980XEよりもやや上という結果に。
【 過去PCと比較 : CINEBENCH R15のレンダリングで、パフォーマンスチェック 】
GeForce GTX 1060
ここで紹介しているXPS 8930にて搭載しているGeForce GTX 1060と、スペシャル・エディションにて搭載したGeForce GTX 1070のスペック。シェーダー数やバス幅の違いから、パフォーマンスに差があると想像できる。
ゲームのベンチマークテスト(Core i7-8700 + GeForce GTX 1060)
43インチ4Kモニタと、XPS 8930。
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター を最高品質で4Kとなると、Core i7-8700&GeForce GTX 1060搭載でこのスコア(3751)。この設定でプレイは可能だが、もう少しスコアを上げたいところだ。XPS 8930ではGeForce GTX 1060が最大なので、それならばスペシャルエディションを検討したほうがよさそうだ。(サポート外であれば、自前でもっと上のグラフィックカードを搭載する手もあるが。)
以下、過去のPCと比較できるように、他のゲームのベンチマークテストを測定してみた。
2018年3月論評 CoffeeLake |
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スコア またはFPS |
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター (1920 × 1080 最高品質 DirectX 11 フルスクリーン) |
12205 | |
4K(3840 × 2160)最高品質 DirectX 11 フルスクリーン) |
3751 | |
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド (1920 × 1080 最高品質 DX 11 フルスクリーン) |
12448 | |
バイオハザード6 ~2013年 (1280×720 品質:初期設定 DX 9.0c フルスクリーン) |
26725 | |
バイオハザード6~2013年 (1920 × 1080 品質:初期 DX 9.0c フルスクリーン) |
19097 | |
バイオハザード5 (1920 × 1080 DirectX 10 フルスクリーン) |
339.8 | |
ドラゴンクエストX: 2013年~ Ver.1.10 (1280×720 標準品質 ウィンドウ) |
20579 | |
Ver.1.51 (1280×720 標準品質 ウィンドウ) | 22040 | |
ドラゴンクエストX: 2013年~ Ver.1.10 (1920 × 1080 最高品質 ウィンドウ) |
20009 | |
Ver.1.51 (1920 × 1080 最高品質 ウィンドウ) | 21263 | |
ラストレムナント~2009年(1280×720 フルスクリーン) | 426.80 | |
ラストレムナント~2009年 (1920 × 1080 フルスクリーン) | 326.44 | |
ストリートファイター4~2009年 (1280 × 720 品質:デフォルト 同期OFF ウィンドウ) |
737.89 | |
ストリートファイター4~2009年 (1920 × 1080 デフォルト 同期OFF フルスクリーン) |
577.41 |
ゲームタイトルのリンク先にて、過去のレビューPCと比較できるので参考に!
付属のマウスとキーボード
6ボタン・レーザーマウスのMOCZUL(リンク先に詳細レビュー)。当方の初見はDELL Studio XPS 8000(2010年レビュー)導入時。細かいことを言うと、型は変わらないがこれまでにDELLロゴ印字の変化などはある。とにかくXPS 8000シリーズの付属マウスとして、付き合いは非常に長い。読み取り解像度(DPI)の設定が可能で、真ん中のボタンを押すことで「400→800→1200→1600 DPI」と4段階に切り替えらる。設定解像度はLEDライトの点灯数で確認できる。
付属のキーボードはKB216t(リンク先に詳細レビュー)。当方の初見はDELL XPS 8900(2015年11月レビュー)導入時。幅440mm×奥行き125mmで、幅は一般的なサイズだが奥行きはわりとコンパクト。XPS 8300に付属していたSK-8165よりも奥行きが3/4くらい短くなっている。アイソレーションキーボードを採用。全般的に非光沢で梨地のデザイン。指紋でベタベタになるような表面処理はないので、わりと万人好みだろう。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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XPS タワー(XPS 8930)の、レビュー項目
- XPS 8930のレビュー 構成:Core i7-8700 + GeForce GTX 1060 ※2018年3月
- XPS 8930の内部構造 ※2018年3月
- 第2弾(CoffeeLake Refresh互換) 構成:Core i7-9700 + GeForce GTX 1660 Ti ※2019年8月
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- XPS 8930 スペシャルエディション 構成:Core i7-8700 + GeForce GTX 1070 ※2018年3月
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