DELL XPS 8500の内部構造を公開
XPS 8500のサイドパネルを開けて内部の構造をチェック。ミニタワーといえど「光学ドライブベイ2基、HDDベイ2基」の拡張性！DELLの保証対象外ですが、独自のカスタマイズも物理的に可能です。
XPS 8500のサイドパネルを開ける
もちろんメーカー保証対象外ですが、DELLのカスタマイズになかったパーツをユーザー自身で搭載することができます。パソコンはメーカー製といえど大半が共通規格ですので、いろいろと楽しめます。
XPS 8500の左側面が、内部アクセスするためのサイドパネルとなっています。サイドパネルの下方にグラフィックカード用の吸気口、そしてXPS のエンボス加工ロゴが見られます。
手回しネジで工具レス
サイドパネルは手回しネジによって固定されているので、工具ドライバなしで開け閉めができます。セキュリティケーブルロックやパドロック・ホールが設置されているので、サイドパネルを開けさせないセキュリティ対策もされています。手回しネジを外した後、引き手を持ち後方にスライドします。
サイドパネルは隅が深めに折り返してあり、まずまずの剛性があります。絶賛するほどではありませんが、扇いでも簡単にはしならないので合格でしょう。
XPS 8500のサイドパネルを開けました。XPS 8500はミニタワーという比較的コンパクトな筐体でありながらハイパフォーマンスな構成を可能としているため、パーツがぎっしり詰まった印象です。現在はSATAケーブルが主流でスリムですので、大してエアーフローの妨げにならず、XPS 8500においても特に問題はないと思われます。ただ、自分で部品交換する場合は、密集しているので作業しづらいこともあり、近隣パーツを一旦外してから行う場合が多そうです。
PCケース背面の排気ファン。9センチ角ファンです。。
グラフィックカードを外して、マザーボードの全体をチェックします。見たところMicroATXといった感じです。
XPS 8500の拡張スロットはPCI Express × 16が1つ、PCI Express × 1を3つ装備。
Ivy Bridge設計なのでPCI Express 3.0対応。SandyBridge設計のPCI Express 2.0よりも約2倍の転送速度です。AMD Radeon HD 7000シリーズはPCI Express 3.0対応なので、新しいグラフィックカードほどパフォーマンスを引き出すことができます。
PCI Express × 16の左斜め上には、PCI Express Mini Cardスロットがあり、オプションのワイヤレスLANカード（WLAN）が搭載されています。
SATAコネクタが4つ。現在接続されている2つのコネクタはSATA3.0（6Gbps）対応。
SATAコネクタの上にはmSATAスロットがあり、今回はインテル スマート・レスポンス・テクノロジー（ISRT）でカスタマイズしているので32GB SSDを搭載。
CPU周りには耐久性の高い固体コンデンサを採用。CPU周りにあるVRMは5フェーズあるので安定が期待できます。その他のところはアルミ電解コンデンサが多いです。
そしてメモリスロットは4基あり、今回は12GB （2GBx2+4GBx2）DDR3 SDRAM メモリを搭載しています。前世代では1333MHzが主流でしたが、1600MHzへとメモリスピードがアップ。
XPS 8500の拡張ベイ～中級者に十分な拡張性
光学ドライブベイ（5.25インチベイ）が2基、その下では3.5インチベイ（もともとFDD用）が1基。自分でSSDを取り付ける気なら、2.5⇒3.5インチマウンタを付けて、3.5インチベイ（もともとFDD用）の空きを活用できます。
そしてHDDベイはマウンタ式でHDDを2台まで搭載できる拡張性となっています。
HDDマウンタが付いているものの、一台目のHDDは側面プレートに直で固定されています。HDDマウンタも側面プレートにインチネジで固定されています。側面プレートにはパンチング穴があり、HDDの基板を放熱しています。
光学ドライブの着脱
XPS 8500のフロントパネルは4本のツメで固定されています。光学ドライブの着脱では、フロントパネルを外します。前面にも無数の吸気口が施されていることが確認できます。
光学ドライブを固定しているのは左側面のミリネジ2本。左側面のミリネジ穴は突起物でロックされる機構なので、ネジは2本だけでいいのです。2台目の光学ドライブを搭載するなら、金属プレートをニッパーで切り取ります。
3.5インチ外部ベイがありますが、XPS 8500のフロントパネルが塞がっているので、ここは外部コンタクト用には活用できません。
460WのATX電源を搭載するXPS 8500
XPS 8500の背部の上にATX電源ユニットを搭載しています。総容量は460Wで、中級クラスといったところですね。サイズは幅150×高さ86×奥行140mmなので、同じサイズの電源ユニットを購入すれば独自のカスタマイズも可能です。
DELLの既存電源がどうこうというわけでなく、パソ兄さんは80PLUSの市販ATX電源に換装する場合が多いです。電源ユニットはそもそも壊れやすいパーツです。2年ごとに交換してもおかしくないと言われるくらいなので、DELLの既存電源はバックアップに取っておきます。市販の電源はパソコンを買い換えるたびに換装しています。
XPS 8500既存電源の仕様を確認します。パソコンの電源は+12Vがメインとなりますが、XPS 8500の仕様ラベルを見ると「+12VA、+12VB、+12VC」の3系統あります。それぞれ「18A、16A、8A」の最大出力。+12Vのトータルは385Wです。
厳密には+12Vや+5V、+3.3Vといった各系統の出力も見なくてはいけないのですが、電源総容量の目安として「高負荷時でも総合出力の70％くらいでとどまる状態」といわれます。FF14のベンチマークテスト時ではピーク時で200W前後の消費電力でしたので、総合出力の約52％というところです。ゲームPCには500Wが好ましいといいますが、目安としては合格ラインかと思われます。
SATA電源コネクタ が4つ、PCI Express電源コネクタ6ピン×2つ。DELLの電源ユニットはケーブルの長さがその機種にぴったり合わせてあるので、自作PCの電源に使いまわすならあまり向かないです。延長ケーブルが必要になる場合が多いです。
グラフィックカード（AMD Radeon HD 7870）の装着
今回搭載しているグラフィックカードはAMD Radeon HD 7870 2GB DDR5です。その装着の様子をレポートいたします。販売時期によって搭載できるグラフィックカードは変化すると思われますが、2012年6月レビュー時点ではAMD Radeon HD 7870が最高カスタマイズです。
XPS 8500ではすべての拡張カードがひとつの固定金具で固定される構造です。固定金具はインチネジ1本で締めてあります。AMD Radeon HD 7870は厚みのあるグラフィックカードなので2スロット専有します。そのため、PCI Express × 1がひとつ隠れてしまい使えなくなります。
AMD Radeon HD 7870では輸送時の安全のためか、グラフィックカードを支える固定具が取り付けられています。PCI Express電源コネクタ （6ピン×2つ）がグラフィックカードの補助電源として接続されています。手前にPCI Express電源コネクタがあるので抜き差し作業はやりやすいです。
AMD Radeon HD 7870は後方に放熱フィンがついており、けっこうな奥行きがあります。それにしても、ここまで大型なサイズがよく入ったものだ・・。モニタ出力端子には、DVI、HDMI、miniDisplayPortを2つ装備します。
XPS 8500はミニタワー型といえど、大型なグラフィックカードを収納するスペースが確保されています。
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