GPU(グラフィック・コントローラ)解説のTOP
パソコンでは、人間が理解しやすいように情報をグラフィック化しているので、私たちはOSを通じて視覚的に操作できます。アイコンやファイルの移動など視覚による直感操作です。このグラフィック化を担っているのがグラフィック・コントローラであり、一般的にはグラフィックとか、GPU(Graphics Processing Unit)と呼んでいます。グラフィックでは、2Dと3Dとそれぞれの処理があります。
特に美麗な本格3Dゲームを楽しむなら、OS基本操作どころのグラフィック処理ではなく、ホームエンターテインメントで最高峰の負荷です。3Dゲームでは、プレイヤーの動きやカメラアングルの変更をリアルタイムで処理しなくて端りません。この処理が遅いとコマ落ちで快適なゲームプレイはできません。そのため、グラフィックコントローラの性能を重視するユーザーは、CG制作や本格3Dゲームをする中級者以上です。
※グラフィックコントローラの役割は、3Dゲームのような高度な3D処理や、ライトな例ではOSやアプリ操作の2D処理です。
コスト高の単体GPUと、コスト安の統合型GPU
そもそもグラフィック・コントローラことGPU(Graphics Processing Unit)は、CPUの兄弟みたいな存在です。汎用的に計算する頭脳がCPUで、グラフィック専門の頭脳がGPUというわけです。コンピュータの計算を得意分野で分業しているのです。例えると、「営業チームがCPUで、美術チームがGPU」みたいな。
ただしパソコンのGPUには2タイプあります。パーツ単体で存在する「単体GPU」と、CPUやチップセットといった中枢パーツに統合された「統合型GPU」です。
単体GPUは、「単体グラフィック、ディスクリートGPU」と呼ばれることもあります。単体でパソコン搭載するため、コスト高となりますが、その分、統合型GPU搭載のパソコンよりも高性能になります。単体GPUの性能はピンきりでコストをかけるほど高性能になります。
一方、統合型GPUでは、「統合グラフィック、内蔵GPU、オンボードグラフィック」と呼ばれ、統合という性質上、CPUなどの中枢パーツを搭載している時点で自動的に搭載されています。2010年ごろからCPUに統合されたのですが、それ以前はチップセット(ノースブリッジ)に統合されていました。同世代で比べるなら単体GPUに勝ることはありませんが、次世代のCPUになるたび統合型GPUの性能も向上しています。
コスト安なので、ビジネスユーザーやビギナー向けのパソコンで採用されていますが、ブルーレイや地デジが扱える性能ですので、本格的に3Dゲームや動画編集をしないのであれば、ほとんどのユーザーはこれで充分と思われます。
単体GPU(グラフィックカード)
パソコン購入のシーンでは「単体GPU」という言葉を目にしないかもしれません。主に「グラフィックカードの搭載」という形で目にします。そして仕様では、グラフィックカードに搭載されている半導体のGPU製品名が記載されています。主なGPU製品はNVIDIA社のGeForceシリーズ と AMD(ATI)社のRadeonシリーズです。
※グラフィックカードの別名は、グラフィックボード(グラボ)、ビデオカード、ビデオボート。
本格的に3Dゲームを始めるのであれば、グラフィックカードの搭載は必須であり、また中途半端な性能ではろくに遊べないゲームタイトルがあります。ゲームメーカーの推奨グラフィックを確認したり、有志のベンチマークテスト情報を参考にしましょう。
「単体GPUの搭載=グラフィックカードの搭載」と理解してください。グラフィックカードは、半導体チップのGPUとビデオメモリの構成でなりたつ拡張カードです。(上記写真参照)。GPUが半導体チップの単体で存在するため「単体GPU」って呼ばれるんですね。そしてグラフィックカード上にビデオメモリを持ち、GPUのグラフィック処理に使われるデータが一時的に蓄えられます。(CPUに対するメインメモリみたいな関係です。)
デスクトップパソコンでは、グラフィックカードの着脱ができるので、ユーザーレベルで簡単に換装できます。一方ノートパソコンも形状の違うグラフィックカードですが、ユーザーレベルで換装できるものではありませんし、グラフィックカード自体市販されていません。
ビデオメモリ
ビデオメモリとは、単体GPUが処理するための情報を一時保存するメモリです。本格3Dゲームでは、512MB以上を推奨というのが多いです。推奨スペックを確認しておきましょう。
ビデオメモリには「GDDR3、GDDR4、GDDR5」の規格があり、後者のほうが高速転送です。GDDR5はGDDR3の約5倍、GDDR4の約4倍のデータ転送が可能とされています。
画像出力に必要なビデオメモリとして、Windows Aero表示ではフルHD解像度なら128MB以上が推奨されています。Windows Aero表示の画面解像度と必要なビデオメモリ以下の通り。ゲームをやらないユーザーなら256MBあれば十分です。
- 1280×1024まで 64MB以上
- 1920×1200まで 128MB以上
- 1920×1200以上なら 256MB以上
DirectX
単体GPUにそれぞれ対応しているDirectXのバージョンがあります。DirectXとは、マイクロソフト社が提供するAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)。グラフィックカードの架け橋になるプログラムで、DirectXのバージョンが上がるたびにグラフィック品質が上がっていきます。※このプログラムのひとつで「Direct3D」が3次元のプログラムに関与しています。
ゲームメーカーはDirectXをベースにゲームを制作しており、ゲームをプレイするには単体GPUなどの環境がバージョンに対応しなくてはなりません。 (Windows XPではDirectX9.0まで、Windows VistaからDirectX10~)
半導体チップのGPUは発熱しやすいので、冷却ファンおよび、ヒートシンクが取り付けられています。
高性能なGPUほど高い熱を持つので、冷却ファンが巨大化していきます。一方、ローエンドのGPUは発熱もそこそこなのでヒートシンクが採用されます。ヒートシンクは熱伝導率の高いアルミ製で、空気に触れる表面積を広くした形状です。ファンではないので風きり音がなく、静音性に優れます。
拡張スロットは、PCI Express × 16
グラフィックカードを装着する拡張スロットはPCI Express × 16。従来の規格である「AGP」からPCI Express×16へと主流がバトンタッチしています。※PCI ExpressはPCIe略されることがあります。
×16というのは構造上のレーン数で、仕様にはx2、x4、x8、x16、x32が存在しますが、グラフィックカードではPCI Express × 16がほとんど。PCI Express ver2.0 の場合、1レーン( × 1)あたり500MB/sの転送速度を持ちます。
PCI Express X1(ver 1.1) | 250MB/s |
PCI Express X1(ver 2.0) | 500MB/s |
PCI Express X16(ver 1.1) | 4,000MB/s |
PCI Express X16(ver 2.0) | 8,000MB/s |
PCI Express × 16の拡張スロットと、グラフィックカードを搭載した例。
モニタ出力端子の確認
グラフィックカード選びでは出力端子の種類を確認しましょう。グラフィックカード搭載した場合、グラフィックカードから出力されるモニタ端子と接続します。
DVI、HDMI、DisplayPortなど装備される端子の種類や数は、グラフィックカード次第です。モニタ出力端子の種類は液晶モニタ編で紹介しています。
複数の出力を持つので、デュアル・ディスプレイにすることができます。
マルチGPU(デュアル・グラフィック)
上級者向けパソコンでは、「PCI Express×16」を2スロット持つ場合があり、グラフィックカードを2枚同時搭載することでパワーアップする使い方ができます。マルチGPUとか、デュアルグラフィックと呼ばれます。これはNVIDIA社では「SLI」、 ATI社では「CrossFire」という技術です。いずれにせよ、コストも消費電力もかかるため一般的ではなく、マニア向けです。
1本で2スロット占拠するグラフィックカードを2本搭載した「マルチGPU」の例。モニタ出力は片方のグラフィックカードがメインとなるので、サブのほうは端子に封がされています。
ロー・プロファイル対応とは
スリム型のデスクトップには、ロー・プロファイル対応というスリムなグラフィックカードが搭載されます。標準型よりもボードの高さが半分ほどでコンパクトです。金属部分(ブラケット)の長さが異なります。
写真の通り、スリム型PCの幅では、標準サイズのグラフィックカードを搭載できません。ロー・プロファイル対応のスリムなグラフィックカードの搭載となります。
ロー・プロファイル対応ではブラケットを交換できるので、標準タイプのグラフィックカードとして扱うこともできます。ロー・プロファイルのグラフィックカードは基板面積が小さいため、ローエンドタイプの製品しかありません。よって、スリム型PCもローエンド機が多くなります。
GPUメーカー
主なGPUメーカーおよび製品は、NVIDIA社のGeForceシリーズ と AMD(ATI)社のRadeonシリーズです。
GPUメーカーがグラフィックカードを製造しているのではなく、パーツメーカーが半導体チップのGPUを買い付けて製造しているわけです。
統合型GPU
統合型GPUのパソコンは、グラフィックカードを搭載していないパソコンです。CPUなどの中枢パーツにグラフィック機能が統合されています。新テクノロジーによって日進月歩で高性能化していますが、同世代の単体GPUに対抗できる性能はありません。専用のビデオメモリを持たないので、メインメモリの空きが使われてしまいます。
構造上、統合型GPUのパソコンではCPUやメインメモリに負担がかかり全体のパフォーマンスダウンになるので、単体GPU搭載のパソコンの方がパフォーマンスが高いというわけです。統合されているので、ニーズにあわせてのカスタマイズもできません。
しかし、コストが安い上、省電力のメリットがあります。3Dゲームや本格的な動画編集をしないライトユーザーなら充分な性能です。それに、必要ないのに単体GPUを搭載して過剰スペックにするのは無駄です。
統合型GPUのパソコンでは、マザーボード直結の出力端子から液晶モニタへとつなぎます。 グラフィックカードがないので、当然のことながらグラフィックカードからのモニタ出力はできません。
(上図・右)チップセットに内蔵する統合型GPUの図解。(上図・左)CPUに内蔵する統合型GPU。
かつてはチップセットに統合型GPUが内蔵されていましたが、現在はCPUに内蔵されています。
チップセットに内蔵する統合型GPU(~2009年頃まで)
(上図・右)2006年~2009年頃まで主力だったプラットフォームのCoreマイクロアーキテクチャ・LGA 775版では、ノースブリッジと呼ばれるチップセットがあり、CPUとメモリを中継する中枢チップでした。このチップセットにグラフィック機能を搭載しており、当時はこれが統合型GPUでした。オンボードグラフィックなんて呼ばれていましたね。
CPUに内蔵する統合型GPU(2010年以降~)
(上図・左)2010年1月に登場した、Nehalemマイクロアーキテクチャ・LGA 1156版(開発コード名:Clarkdale)から、ノースブリッジが廃止され、CPU内にグラフィック機能が統合されました。インテルHDグラフィックスというものです。これ以降、統合型GPUと言えばCPUに内蔵ということになります。CPUに統合されるようになってからは、地デジやブルーレイなどの高精細コンテンツに十分な性能を発揮します。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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