PCケースのエアフローと冷却について
PCケースは単なる箱ではなく、パーツの冷却に関与しています。それがPCケースのエアーフローです。PCケース内での空気の流れで空冷しています。パソコンを購入したらエアーフローを確認しましょう。
ATXケースのエアフロー(空気の流れ)
PCで大きな発熱源になるのは、CPUとグラフィックカード(GPU)です。高性能になるほど大きく発熱する傾向にあります。安定して動作させるためには、冷却が重要になります。通気口が多く、PCケースファンが多いケースは冷却性能が高い分、風切り音が高くなります。逆に通気口もファン数も少ないケースでは、静音性に優れますが冷却性能は劣ります。
正圧タイプと負圧タイプのエアーフロー
エアーフローには、正圧タイプと負圧タイプがあります。簡単に言えば、「正圧タイプ=吸気型、負圧タイプ=排気型」と覚えればいいでしょう。
正圧タイプ
正圧タイプでは「ファンの吸気力が強く、排気力が弱い構成」です。強い吸気で内部の空気圧が高くなるため、スリット(隙間)からも自然に排気していくエアーフローです。
この構造により、ホコリに強いのが「吸気口一点集中」の正圧タイプであり、吸気口に防塵フィルターを付けることでホコリ対策ができます。正圧タイプは高級PCケースでよく見かけられます。しかし、うまく構成しないと偏った部分の冷却になってしまい、広範囲に冷却するには不向きなシステムとされます。
負圧タイプ
一方、負圧タイプでは正圧タイプの逆で、「ファンの排気力が強く、吸気力は弱い」構成です。強い排気で内部の空気圧が低くなるため、スリット(隙間)からも自然に吸気してくるエアーフローです。
負圧タイプはあらゆるスリット(隙間)から吸気してくるのでホコリ対策には不向きです。しかし、自然と多方面から吸気されるため各パーツに冷気が行き渡る傾向にあり、総合的に見ると負圧タイプのほうが広範囲の冷却に有利かと思われます。メーカー製PCでは負圧タイプが多いです。
吸気ファン
主な吸気ファンは、「PCケースの吸気ファン」と「CPU用の空冷ファン」とです。外観からも吸気口の位置を確認しておきましょう。この写真のように「前面吸気口、CPUファン用の吸気口、グラフィックカード用の吸気口」などが確認できます。
前面の吸気ファン
上級者向けのPCケースでは、前面に吸気用のファンを搭載している場合があります。先述した正圧タイプというわけですが、だからといって排気ファンが無いわけではありません。このPCのように吸気ファンと排気ファンを搭載している例は多いです。
要は、完全な二極化ではなく、正圧タイプと負圧タイプのさじ加減があるわけです。そのパワーバランスで、正圧タイプか負圧タイプかを割り振っています。
側面の吸気ファン
開閉用サイドパネルにつけるのが側面ファン。メーカー製PCではあまり見られませんし、積極的に装備されるものでもありません。しかし冷却ファンを増設するなら、まずは側面ファンを取り付けたほうが手っ取り早い冷却性能の向上となります。
CPU用の空冷ファン(吸気)
PCケースのファンではありませんが、CPU空冷ファンの多くは吸気式です。CPUファンにエアーダクト(パッシブダクト)が付いている場合もあります。パッシブダクトは静音性に劣ると言われますが、CPUに集中して空冷できるメリットが有ります。
四角いタイプのパッシブダクト。
CPU用空冷ファンの多くは、「外気を吸気してCPUに風を当てて冷やす仕組み」ですが、パッシブダクトを使ったファンのなかには、稀に「吸い出し式」が存在します。空気の流れが逆となり、CPUの熱を吸い出して外部に出す仕組みです。
排気ファン
排気ファンでは、背面か天井面に配置される場合が多いです。
背面の排気ファン
一般的に多いのは、排気用ファンがPCケースの背面側に設置されるタイプです。9センチ角ファンが多く見られます
天井の排気ファン ~ 煙突効果の空冷タイプ
熱気は上方へ移動する性質(煙突効果)があるので、それを利用したPCケースも有ります。前方から後方へのエアーフローに加え、下方から上方へのエアーフローが作られます。ただし、煙突効果は微々たるものであり、発熱部に直接風を当てるほうが効果が高いようです。
DELLのAlienwareシリーズなどで、天井面に排気口を持つモデルが見られる。
デュアルGPU構成にするようなPCケースの例。天井に大口径ファンを2基搭載。
エントリーモデルのなかには、背面の排気ファンをやめ、「天井面の排気ファン」を採用するものもあります。
ファンのサイズと風量
大きいファンは小さいファンよりもブレードが大きいので、回転数が同じであれば大きいファンのほうが空気の押し出す力が強い傾向にあります。 某レポートでは以下のような結果が得られています。
回転数 | 12センチ角ファン | 9.2センチ角ファン |
1500rpm | 1.7m/s | 1.1m/s |
1000rpm | 0.9m/s | 0.8m/s |
ファン製品とそのスペックの一例を挙げてみました。厚みは25mmの製品が多いです。おおまかに、冷却重視と静音重視のタイプに 分けることができます。 軸の経を小さくしブレードを大きくしたモデルや、超低回転のモデルなど様々なものがあります。 1500 rpm以上になると動作音が気になる場合が多いようです。 2000rpmあたりではわりとうるさく感じます。
製品 | サイズ・厚み | 回転数 | 最大風量 | 動作音 |
Air Pentrator SST-AP121 | 12センチ角・25 mm | 1500 rpm | 35.36 cfm | 22.4 dB |
OWL-FY1238H | 12センチ角・38 | 2400 | 84 | 41 |
KAZE-JYUNI SY1225SL12H | 12センチ角・25 | 1600 | 88.11 | 33 |
APACHE BLACK FN058-1300 | 12センチ角・25 | 1300 | 57.53 | 16.05 |
SF12-S1 | 12センチ角・25 | 450 | 9 | 5 dB |
SF12-S4 | 12センチ角・25 | 1500 | 48 | 17 dB |
大口径ファン (14cm角ファン) |
ブレード面積が大きいので空気の押し出す量が多い。少ない回転数でも冷却効果は高く、静音である。設置ではサイズが大きいので他のパーツと干渉しないように注意が必要。 |
12cm角ファン | 中間 |
小口径ファン (9cm角ファン) |
コンパクトで設置しやすいが、高い冷却効果を得るには高回転となり騒音の原因となる。 |
冷却のために内部ケーブルをまとめるべき?
吸気口や排気口を塞がない限りは、ケーブルが乱雑でも束ねてまとめても内部温度は変わらない。しかし、乱雑だとファンに絡まるトラブルがあるので、束ねてまとめたほうが良い。
PCの設置場所
PC内部にホコリが積もってくると、基板やヒートシンクの放熱妨害となり、エアーフローの妨げにもなります。このことで温度上昇が起き、PCパーツの寿命を縮める原因となります。最悪な場合では漏電が発生し、発火さえ招きかねません。
カーペット上への直置きはリスクが高く、吸気ファンがホコリを大量に吸引してしまう傾向にあります。また床上でもホコリは多いので、できればデスクかラックに置くのが理想です。ラックでなくても頑丈なものであれば台座的なものでも構いません。
喫煙環境はパソコンに良くない
ちなみに10年間タバコを吸っていた環境でのパソコン。あらゆる吸気口にホコリとヤニ汚れでびっしりです。ねっとりしたホコリが吸気口を塞いでしまいます。エアーダスターでは吹き飛ばせず、マザーボードの汚れは拭き取ることができません。
冷却アイテムのひとつ:放熱グリス (熱伝導グリス)
発熱源となるチップにはヒートシンクや空冷ファンなどの放熱器が取り付けられますが、空気を排除して密着接合させるために放熱グリスが塗られます。主成分はシリコンであり、効果を高めるために金属粒子が混入されている場合もあります。(銀を加えたものがシルバーグリス、他、ダイヤモンドや液体金属などもある)
グリスはチップと放熱器間の隙間を埋めるものなので、適切な方法で塗らなければなりません。厚く塗りすぎても薄すぎても熱がうまく伝わりません。経年劣化もあるので長期使用では塗り直しが推奨されます。
放熱グリスの熱伝導率はW/m・kという単位が使われ、数値が高いほど熱伝導率が高く、よく冷える目安となります。某PCパーツメーカーの推奨では「未開封の保存期間は2年、開封後は1年」となっています。また、、一年半ごとに塗り替えることを推奨されています。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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