DELL Inspiron 15R Special Editionのベンチマークテスト
15.6インチ・ライトミドルノートのInspiron 15R Special Edition(システムInspiron 7520)をDELLユーザーパソ兄さんが実機をもってレビュー解説。この記事は2013年7月時点のレビューです。
今回のInspiron 15R Special Editionには、Core i7-3612QMとAMD Radeon HD 7730M 、そして8GB (4GBx2) DDR3メモリを搭載していますが、この構成にてパフォーマンスをチェックしました。
ベンチマークテストする、今回のInspiron 15R Special Edition構成
今回、実機をもとにInspiron 15R Special Editionのパフォーマンスをチェックしてみました。構成は以下のとおりですが、DELLはカスタマイズPCですので、販売時により構成できる内容が変化します。ご理解の上、参考にしてください。2012年7月時点、Inspiron 15R Special Editionをミドルノートと呼ぶにはやや弱いので、当方ではライトミドルノートと呼んでいます。(エントリーに毛が生えたモデル)。遊ぶには厳しいゲームタイトルがありますが、設定解像度 1280×720であれば「ストリートファイター4 やバイオハザード5、デビル メイ クライ4」が遊べるパフォーマンスまでは達しています。
DELL Inspiron 15R Special Edition(7520)の構成2012年5月発売の15.6インチ・ライトミドルノート。Inspiron 15R(5520)のスペシャル版。第3世代Core i5 / i7搭載可能。単体GPUにAMD Radeon HD 7730M搭載。パームレストはマグネシウム合金で、精密エッ チングのハニカムデザイン。USB 3.0端子を4つ装備。PowerShare USB対応。サウンドシステムにWaves MaxxAudio 4 採用。(2012年7月時点) |
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OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit | |
液晶ディスプレイ | 15.6インチ非光沢液晶/(1920x1080) | |
プロセッサ | インテル Core i7-3612QM (2.1GHz, 6MB キャッシュ) ※クロック数最大3.1GHz |
7.5 |
メモリ | 8GB (4GBx2) DDR3-SDRAMメモリ 1600MHz メモリ | 7.7 |
グラフィックス | インテル HDグラフィックス4000 【 グラフィックスのスコアはこちら側 】 ↑ ( AMD Enduro Technologyによる自動切替) ↓ AMD Radeon HD 7730M 2GB DDR3 |
(5.6) |
ゲーム用 グラフィックス |
(6.6) | |
プライマリ ハードディスク |
1TB SATA HDD(5400回転) | 5.6 |
Inspiron 15R Special Editionは、2012年最新設計のIvy Bridge設計で、チップセットはHM77。
今回Inspiron 15R Special Editionに搭載した「Core i7-3612QM」は、4コア実装のクアッドコア。HTテクノロジーによって命令の流れが2系統になるので「8スレッド動作する」ハイパフォーマンスCPUです。ターボ・ブースト・テクノロジー2.0によってクロック数最大3.1GHzまでアップします。
単体GPUにはAMD Radeon HD 7730M 2GB DDR3 を搭載。これはローエンドGPUです。AMD Enduro Technologyによる自動切替があるので、低負荷の時は低消費電力のインテル HDグラフィックス4000に切り替わります。今回のInspiron 15R Special Edition構成に係るテクノロジー解説は以下にまとめました。
Ivy BridgeはSandyBridgeの改良版なので、アーキテクチャ(基本設計)に大きな変化がないものの、新たに22mmプロセスルールの微細化設計となっており、物理的な互換性は保たれています。従来にはなかった3次元構造の「Tri-Gate(トライゲート)トランジスタ」を採用しており、低電圧状態でリーク電流が10分の1に抑えられたとのことです。インテルいわく、前世代よりも同じ消費電力で「性能を約37%アップ」させたとのこと。
※リーク電流とは、電流の漏洩であり水で例えると水漏れのようなもの。リーク電流が増すと消費電力も発熱量も増え、回路を傷める原因となる。つまりIvy Bridgeになって、性能の向上と低消費電力が顕著になったと言えます。
CPUパッケージ内部には命令を実行するコアがあります。シングルコア(1コア)を高クロック化して処理能力を高めると、消費電力と熱暴走の問題があります。そこでマルチコア化(複数コア化)です。クロック数はほとほどにしておいて、CPUコアを増やすことで「仕事を複数同時処理してしまおう」というアイデアです。複数同時処理のことをマルチスレッドといいます。ただし、アプリ側もマルチスレッド対応でないと効果は発揮できません。
HTテクノロジーは擬似的にCPUコア数を倍増させる技術で、1コアに対して2スレッド動作をさせます。4コアであれば8スレッドということです。HTテクノロジーの仕組みは次の通り。
CPUコアには元々、並列処理が可能な演算機構が備わっていますが、1コアに対し命令の流れが1系統だと処理内容によって待機状態の演算機構が生じます。これは勿体無いということで、 命令の流れを2系統にすることで、待機状態の演算機構を極力減らし効率よく処理していきます。1コアに対し命令の流れが2系統なので、2スレッド処理なのです。擬似とはいえ、OSやソフトウェアからは2コアとして認識されます。HTテクノロジーだと1コアがビジーなので物理的に2コアのほうが優位ですが、それでも1コアを有効的に処理させる技術です。
HTテクノロジーによって速度が2倍になるわけではなく、あくまで効率化です。内容にもよりますが、マルチスレッド対応のソフトなら30%ぐらいのパフォーマンスアップを期待してもいいでしょう。
HTテクノロジーによって命令の流れが2系統になるので1コアが2スレッドとなる。つまり通常4コアであれば8スレッドとなる。2コアなら4スレッド。HTテクノロジーがないCPUはコア数とスレッド数が同じ。
2008年以降、インテルが採用を始めたターボ・ブースト・テクノロジーは、自動でクロック数(動作周波数)を上げる機能です。マルチコア化しても、依然とクロック数の高さがモノをいいます。 マルチコアに対応していないシングル・スレッドのソフトでは、単にクロック数の高いCPUのほうが処理が速いです。 音楽管理ソフト等ではマルチコアに対応していないものが多く、マルチコア化しても恩恵はありません。 そこで役立つのが、ターボ・ブースト・テクノロジーです。 マルチコアが効率的でないと判断されたときは、一部のコアをOFFにして、残った一部のコアのクロック数を上げます。一見、オーバークロックのように思えますが、定格内のクロックアップなので消費電力や発熱のリスクがほとんどありません。
ターボ・ブースト・テクノロジーは、各コアごとにクロックアップしています。(図は4コアの場合)
パワーゲートという、コアごとに電源供給を絶つスイッチがあり、ここで調整しながらクロックアップ調整をしています。1コアを全開にしたり、全コアをそこそこにアップしたりと、プログラムに適したクロックアップをします。
ターボ・ブースト・テクノロジー2.0
2011年のSandyBridge設計以降、ターボ・ブースト・テクノロジー2.0が採用されています。クロックアップの仕組みは各CPUに定められた倍率を変えることです。ターボ・ブースト機能は電流や電力はもちろん、温度を監視した上で倍率を変化させています。電流の量が基準を超えた場合、上昇させた倍率を下げて熱暴走を回避させます。これが従来からあるターボ・ブーストです。しかし、電流量が基準を超えてもすぐに熱が上昇するわけではありません。ターボ・ブースト・テクノロジー2.0ではそのタイムラグを利用し、すぐには倍率を下げません。これが倍率上限を少しでも長く持たせる仕組みで、いわゆる「踏ん張り機能」が追加されています。
AMD Radeon HD 7730M を搭載しているので、対応プログラムではGPGPUが有効になります。単体GPUにはGPGPUという技術があり、画像処理だけでなく汎用処理も行うようになりました。つまり、CPUの仕事までお手伝いするようになっています。動画再生支援機能ではCPUの処理負担を軽減する役割もあります。
Core i7-3612QMでは、インテル HDグラフィックス4000が内蔵されています。CPUに内蔵しているグラフィック機能が「インテルHDグラフィックス」です。AMDやNVIDIAの単体GPUが搭載されていないパソコン製品ではこの「CPUに内蔵のグラフィック」が機能します。内蔵グラフィックといっても「CPUコアとの完全統合化」されているので、従来よりも強力なものとなっています。インテルHDグラフィックス4000では、演算ユニットが前世代(2000・3000)と比べると、12基から16基へと増加しています。Direct X 11のサポートもされています。(前世代はDirect X 10.1まで)。
新たに3次キャッシュが追加されているので、CPUコアと共有しているLLC(Last Level Cashe)のアクセスを減らす改良がされています。そして動画再生支援(ハードウェア・エンコーダ)のQuick Sync Videoがバージョン2.0になっています。3D処理能力、エンコード処理能力とも前世代より向上しているうえ、高負荷時の消費電力も大幅に低下させるなどのパフォーマンスが見られます。
※Intel Quick Sync
Video とは
Quick Sync Videoは動画再生支援機能。動画編集ではデコードとエンコードの処理が機能強化されています。※「MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVC、VC1」のデコードをハードウェア処理。 「MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVCのエンコード」をハードウェア処理。 さらに処理エンジンである「マルチフォーマットコーデック」を大幅強化。ただ、Quick Sync Videoが利用できるのはHDグラフィックが有効時の時のみで、グラフィックカード(単体GPU)を使用しているときは、Intel Quick Sync Videoが機能しません。
NVIDIAのOptimus Technologyに対抗するテクノロジー。内蔵グラフィックスと単体GPU(今回ではAMD Radeon HD 7730M)をソフトウェア上で切り換えて利用する技術です。ライトな使用では低消費電力の内蔵グラフィックス、高度な3Dパフォーマンスが必要なときは比較的電力のかかる単体GPUを利用します。
CINEBENCH R10のベンチマークCINEBENCH R10は、Cinema 4Dをベースとしたベンチマークソフトです。そのCinema 4Dというのは映画・テレビ業界・ゲーム制作・建築で採用されている3Dソフトです。マルチコアに最適化されているので、クロック数の高さだけでなくマルチスレッドでの能力を測ることができます。レンダリングにかかる時間を測定するテストですが、主にCPU性能を比較することができます。 |
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CINEBENCH R10のスコア | ||
CPUベンチマーク | 処理時間⇒1分00秒 スコア⇒14678 |
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OpenGL | スコア⇒5536 | |
【DELL Inspiron 15R Special Edition 評価】 同じくCore i7-3612QMを搭載したXPS 15(L521X)では45秒だったが、それよりも15秒遅い。GPUも多少影響があるのだろうか。それでも過去のパソコンと比べても充分速い処理能力。 |
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ストリートファイター4 のベンチマーク2009年にPC版が登場した対戦型格闘ゲーム、ストリートファイター4にてベンチマークテストを行なっています。2次元の操作ではありますが、描写は3Dという珍しいゲームです。高スペックが要求される本格PCゲームの中では、求められるスペックが比較的低めです。 |
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ストリートファイター4のベンチマーク結果 設定解像度 1280×720 ウィンドウ表示 |
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RANK A ⇒ 快適にプレイできる環境。より高度な設定も可能。 スコア 10583 AVERAGE 67.67 FPS |
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(備考)設定解像度 1920×1080 フルスクリーン | ||
RANK C ⇒ プレイできる環境。設定を下げれば快適になる。 スコア 8064 AVERAGE 47.25 FPS |
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【DELL Inspiron 15R Special Edition 評価】 インテル HDグラフィックス4000のノートパソコンで38 FPS前後(1280×720 ウィンドウ表示)なので、単体GPUを搭載しているだけのことはある。グラフィックカードのGeForce GT 620 に近いパフォーマンスでした。 GeForce GT 630Mと比べると、随分下回るスコアなので、ゲームノート入門機にしては少々弱いかな。1920×1080 フルスクリーンでも一応、プレイできる環境まで漕ぎ着けているので、ゲームノートにするのは無謀というわけでもない。 |
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バイオハザード5のベンチマーク2009年9月にPC版が登場した、バイオハザード5のベンチマークテストを行いました。日本ゲーム大賞2009 優秀賞を受賞したゲームであり、NVIDIA社の3D Visionにネイティブ対応した初の立体3D対応ゲーム。
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バイオハザード5 「ベンチマークテストA」の結果 ※DirectX 10 解像度 1280×720 ウィンドウ表示 |
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46.1 fps | RANK B ⇒ 一部の動作で重くなりますが、問題なく動作。 エリア1⇒55.4 エリア2⇒47.0 エリア3⇒39.4 エリア4⇒45.6 |
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ラストレムナントのベンチマークテスト2009年にPC版が登場した「ラストレムナント」でベンチマークテストを実施しました。RPGなのでアクションゲームほどリアルタイム処理にシビアではないものの、ロールプレイングでは異例の最大70体による集団バトルが展開するなど高負荷なゲームです。バトルもイベントシーンも高画質で製作されています。 プレイの目安ですが、45fps以上で普通レベルと判定され標準設定ならストレスなしのプレイが可能。ただし高負荷なシーンでは動作が重くなることがあります。そして、65fps以上なら快適レベルの判定でグラフィックを高めにしても快適な動作です。90fps以上ならグラフィックを最高にしても非常に快適なプレイが可能です。
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ラストレムナントのベンチマーク結果(解像度 1280×720 ウィンドウ表示) | ||
Average FPS | 37.42 | |
デビル メイ クライ4 ベンチマークテスト2008年に発売した「デビル メイ クライ4 」にてベンチマークテストを行いました。家庭ゲーム機では表現できない、多数の敵キャラクターが登場。(PC版のみのモード:LEGENDARY DARK KNIGHT)
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デビル メイ クライ4のスコア(解像度 1280×720 ウィンドウ表示) DirectX 10 | ||
RANK B ⇒ 所々、動作低下の場面がでる可能性あり。 |
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ファイナルファンタジーXIV2010年9月に発売した、ファイナルファンタジーXIVのベンチマークテスト。先を見越した設定となっており、パソコン性能の向上を前提にしているため、要求されるスペックが非常に高いです。当サイトのテストではヒューラン(男)で統一。キャラクターによる負荷率は微々たる差のようです。 スコアの目安ですが【2500~2999】で標準的な動作となります。 それに満たない場合はプレイできても動作が一部または全般に重いと判定されます。なお、【1500 未満】 は動作困難でプレイ不可です。
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ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク スコア | ||
LOW(1280×720) | SCORE = 1412 (動作困難 ) | |
CINEBENCH R10のベンチマーク測定中は、変動があるものの60W近くの消費電力でした。ゲームのベンチマークテスト中ではだいたい70W超えるぐらい。パームレストの温度ですが、1時間ほどベンチ回して気温31度の環境では、右29度、左36.6度でした。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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