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CoffeeLake設計、そこそこのハイ・パフォーマンスと拡張性、コンパクトミニタワー!
DELL Vostro 3000シリーズ ミニタワー(3670)レビュー
CoffeeLake設計のVostro 3000シリーズ ミニタワーこと、Vostro 3670(コンピューターモデル名)をレビューする。レビュー時点での最高構成では、Core i7-8700+GeForce GTX 1050が搭載できるため、ビジネスマシンとしてはそこそこハイパフォーマンスのモデルである。PCケースファンを搭載しないが、パッシブダクトを採用しており、集中的にCPUを空冷するエアーフローとなっている。搭載する290W電源は80PLUS BRONZE認証。
内部構造がかなりシンプルでありながら、「スリム光学ドライブ、3.5インチ×1基、2.5インチ×2基、M.2スロット×1基」のストレージ拡張性を持つ。(ストレージの拡張性としては電源構造の都合で制限があるが、それは後述する)。デメリットとして装備端子や拡張スロットが乏しいが、ミニタワーの系統でありながら従来よりも非常にコンパクト化しており設置しやすくなった。フロントパネルの違いだけで構造はInspironデスクトップ(3670)とほぼ一致するが、設定された構成などが異なる。
2018年7月論評 CoffeeLake |
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※2018年7月18日時点のレビュー。手元の実機レポートであり、仕様は各々の選択により異なる。
DELLの製品名について
DELLサイトにある「販売名」は統一性がなく、さらに新旧モデルの区別も困難。そのため唯一無二のコンピューターモデル名で確認する必要がある。詳しくは「DELL製品の把握は、コンピューターモデル名を知ること」を参照。
当方レビューに関する注意事項
※レビュー時点、レビュー実機の情報であるため、購入された場合の一致性は保証していない。
※標準搭載や仕様変更などの最新情報はDELLサイトにてご確認を。
※感想は個人的見解である。※風景に写っている周辺機器等は、DELLと関係ない物もある。
※法人向けモデルの場合でも、個人ユーザーが購入することは可能(注文は個人名の記入でOK)。
構成例(CoffeeLake設計)
レビュー時点における構成例。Core i5-8400またはCore i7-8700を搭載する。グラフィックカードではGeForce GT 710か、GeForce GTX 1050 の搭載であるが、GeForce GT 710にするくらいなら非搭載(内蔵グラフィック)のままで十分だと思われる。レビュー時点ではDELLのサポートは1TB HDDのみだが、M.2 スロットを実装しているので自前でM.2 SSDの搭載はできる。3.5インチベイ×1基、2.5インチベイ×2基あるので、ストレージの拡張性はわりと良い。※ただし制約があるのが問題
CPU | Coffee Lake
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グラフィック |
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ストレージ |
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備考 |
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ワイヤレス | Dell ワイヤレス 1707 カード (802.11bgn + Bluetooth 4.0, 1x1) |
光学ドライブ | スリム型光学ドライブ(9.5mm厚) |
電源 | 290W電源ユニット(80PLUS BRONZEの電源を採用) 電源ユニットの形状はATX電源だが、出力およびコネクタが特殊で8ピンのATXメインコネクタ(マザーボード用)を採用している。SATA電源は電源ユニットからではなくマザーボードを経由してからの出力となっている。アマゾンで24ピン⇒8ピン変換コネクタ(DELL用)が売られているので、導入すれば市販ATX電源の換装は可能かと思われる。(未検証なので保証はしない)。 |
サイズ (公称値) |
幅: 160 mm × 奥行き: 290 mm × 高さ: 374 mm / 最小重量 約6.4kg、/ 最小重量: 5.27 kg (DELLサイトでは2つ公称していて意味不明) |
※レビュー時点の構成例。採用パーツやベンダーは供給状況により異なる。
※構成ベースの販売であり、パーツの組み合わせは制限される。
今回手元にあるVostro 3670実機の構成スペック。CPU・GPU・メインメモリ・ストレージ・光学ドライブ・マザーボード・OSなどの詳細である。チップセットはインテルB360。
装備インターフェース
全体把握のため、付属のクイックスタートガイドからVostro 3670の装備端子などをチェックする。
Vostro 3670の前面および背面。
Inspiron 3670とベースが同じなので、装備端子も共通。主要端子としては前面にUSB3.1-Gen1が2基、背面ではUSB2.0端子×4基。ギガビットイーサーLAN端子を装備。オンボードディスプレイ出力にVGA端子・HDMI端子を装備しているが、グラフィックカードの搭載となるため使用しない。
拡張スロットのブラケットが4基あるが、マザーボードでは「PCI Express x1が2基、 x16が1基」の計3基なのでそこは留意すべし。 デスクトップ機にしては装備端子がやや乏しい印象。USB Type-C端子やUSB3.1-Gen2、PowerShare対応とかがないので、必要であればもう少し上位機種を検討したほうがいいだろう。。
インターフェースの補足説明
※USB3.1-Gen1の転送速度はUSB3.0と同じ5Gbps(理論値)だが、電源供給力は高い。
※初心者向けに、周辺機器とつなぐ端子の知識を、パソコンの接続端子(シリアルバス規格)で解説。
※ディスプレイと接続する端子の知識を、パソコンのディスプレイ端子で解説。
※アナログ音声端子の色分けなどの基礎知識は、サウンドデバイス知識ガイドで解説。
NVIDIA GeForce GTX 1050搭載では、ディスプレイ出力にDVI端子、HDMI端子、Display Port 端子が装備される。最下部には電源ユニットの配置。ATX電源規格と同じネジ位置だが、出力ケーブルが独特でATXコネクタが24ピンではなく8ピンとなっていた。アマゾンで売っていた24⇒8ピン変換コネクタ「Dell Optiplex 3020 7020電源マザーボードアダプタケーブル」が使えそうな気がするが未検証。電源を換装するにしても、左上のネジ位置の周辺はプレートの面積が広めなので電源コネクタの位置は気をつけたほうがよさそう。
ピンポイント拡大。ピラミッド型に窪んだ箇所の左側は防塵メッシュの通気口。
左右側面と天井の様子。左側面の通気口では2箇所あり、CPUのパッシブダクト用とストレージ(HDD)近くの配置である。
Waves MaxxAudio Pro搭載
サウンドチューニングにWaves MaxxAudio Proを搭載。内蔵型で出力の弱い小型スピーカーでも、デジタル処理で効果的なサウンドを展開するサウンド補正技術。 ゲームサウンドでは良好な結果を残しているのだとか。ユーティリティソフトを使ってイコライザー調整ができる。
ネットワークとストレージ
デバイスマネージャーでネットワークコントローラーをチェック。無線LANではQualcomm製で802.11b/g/n 対応、そして有線LANではギガビットイーサネットに対応している。ストレージでは3.5インチHDD(シーゲート製のST1000DM010-2EP102)を搭載しており、パフォーマンスは上記の通り。
【 過去PCと比較 : SSD / HDD 各規格・接続による、ストレージ・パフォーマンス 】
ベンチマークテスト(Core i7-8700+GeForce GTX 1050)
Core i7-8700のスペック。内蔵グラフィックとしてインテル UHD グラフィックス630を統合している。
GeForce GTX 1050のスペック。
Core i7-8700+GeForce GTX 1050構成のVostro 3670では、以下の結果となった。フルHD(1920 × 1080)でも楽にこなしているため、さらに高い設定も可能。思ったよりもGeForce GTX 1050は使える印象を持った。
ディスプレイ出力をグラフィックカードからではなく、マザー(オンボード)から出力したら内蔵グラフィック(インテル UHD グラフィックス630)で動作したので、3タイトルだけベンチマークテストを行った。備考として掲載しておく。
2018年7月論評 CoffeeLake |
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スコア またはFPS |
※備考 内蔵GPU にて |
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター (1280×720 標準(ノートPC) DirectX 11 フルスクリーン) |
18460 | 4450 | |
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター (1920 × 1080 最高品質 DirectX 11 フルスクリーン) |
6931 | - | |
ドラゴンクエストX: 2013年~ Ver.1.10 (1920 × 1080 最高品質 ウィンドウ) |
19490 | - | |
Ver.1.51 (1920 × 1080 最高品質 ウィンドウ) | 19964 | - | |
ラストレムナント~2009年 (1920 × 1080 フルスクリーン) |
200.83 | 25.15 | |
ストリートファイター4~2009年 (1920 × 1080 デフォルト 垂直同期OFF フルスクリーン) |
399.47 | 77.50 | |
バイオハザード6~2013年 (1920 × 1080 品質:初期設定 DirectX 9.0c フルスクリーン) |
10542 | - | |
バイオハザード5 (1920 × 1080 DirectX 10 フルスクリーン) |
246.3 | - | |
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド (1920 × 1080 最高品質 DirectX 11 フルスクリーン) |
6983 | - |
※ゲームタイトルのリンクをクリックすると、
当方過去のレビューPCと比較できる。
実機による当方の調査。同構成でも環境により若干の差異はあると思われる。
最新ゲームで高負荷なPC版「FINAL FANTASY XV」ベンチマークでチェック。1280×720解像度で標準品質ならストレスなく遊べるパフォーマンス。これをフルHD(1920 × 1080)にすると、評価は「普通」とあるがカクつきがたびたび起こるので及第点とはいかない。
備考
※3Dゲームでは美麗な描写処理を担うグラフィック(GPU)の性能が重視されるが、CPUも軽視できない。炎、煙、風、速度などの自然現象をシミュレーションする物理演算(エフェクト)や、プレイヤーが操作しないキャラクター(NPC-non player character)を動かすのは人工知能(AI)であり、それはCPUが担う。ゆえにCPUの依存度はゲームの内容による。
消費電力
アイドル時は21W、CINEBENCH R15のマルチスレッドでは158Wのピークを越えた後103Wで安定する。シングルで51W、FINAL FANTASY XVでは107~139Wあたりでの変動が多かった。
CINEBENCH R15によるレンダリングパフォーマンスをチェック。主に第8世代 Core i7-8700性能の指標となる。このVostro 3670ではスコアが1224だったが、他のPCでは1405であるため環境次第でまだ伸びしろがありそう。シングルスレッドでは過去CPUと比較すると高いスコアを出している。
CINEBENCH R15のベンチマークテストとは 3DCG作成ソフト「CINEMA 4D」がベースで、約30万ポリゴンある静止画のレンダリングにかかった時間などでスコアが算出される。CPUを100%稼働させるのでCPU性能指数の目安になる。最大256スレッドまで対応しているため、コア数が多く高クロックのCPUほど有利だが、アーキテクチャの新旧にもよる。なお、搭載グラフィックの性能にはあまり左右されない。 |
【 過去PCと比較 : CINEBENCH R15のレンダリングで、パフォーマンスチェック 】
Vostro 3670の内部構造
Vostro 3670ではPCケースにファンはなく、パッシブダクトを利用したCPUのクーラーファンのみとなる。
内部を正面からみた様子。
80Plus Bronze電源
電源ユニットでは290W。+12Vは2系統あり、それぞれ最大14A、16Aとなっている。何気に「80Plus Bronze電源」である。
電源ユニットの形状はATX電源規格と同じだが、出力およびコネクタが特殊で8ピンのATXメインコネクタ(マザーボード用)を採用している。SATA電源は電源ユニットからではなくマザーボードを経由してからの出力となっている。アマゾンで24ピン⇒8ピン変換コネクタ(DELL用)が売られているので、導入すれば市販ATX電源の換装は可能かと思われる。(未検証なので保証はしない)。
80PLUS BRONZEの電源を採用
「80PLUS」とは、効率指標の共通規格。変換効率で優秀とされる基準は変換率80%であるが、「80PLUS認証」がついた電源ユニットであれば、それをクリアしている。(第三者機関による認証プログラムなので信用性が高い)。
※変換効率とは、「コンセントもとのAC(交流電流)から、PCで使うDC(直流電流)に変換したとき、どれだけ有効に変換できたか」の指数。例えば、変換効率70%なら、残りの30%は「変換時の電力」と熱としてPCに使われず消えている。80PLUSには以下のグレードがある。
グレード | 負荷率20%の場合 (クリアすべく変換効率) |
負荷率50%の場合 (クリアすべく変換効率) |
負荷率100%の場合 (クリアすべく変換効率) |
80PLUS Standard | 80% | 80% | 80% |
80PLUS BRONZE | 82% | 85% | 82% |
80PLUS SILVER | 85% | 88% | 85% |
80PLUS GOLD | 87% | 90% | 87% |
80PLUS PLATINUM | 90% | 92% | 89% |
負荷率20%、50%、100%のときの変換効率がチェックされる。やはり電源ユニットは負荷率50%のとき、変換効率が良い。80PLUS BRONZE以上は負荷率50%時の変換率が高く設定されている。 なお、電源ユニットならびに80PLUSにこだわるユーザーであれば、80PLUS BRONZE以上がトレンドとなっている。
ドライブベイ
底部に3.5インチドライブが固定されている。マウンタがあるわけでもなく、底面よりダイレクトにネジ止め。
DELLでのサポートはないが、フロントパネルを外したところに2.5インチベイが2基ある。電源ユニットの特異性から既存のままでは増設用として使えない。(SATA電源の問題)
上下に2箇所。2.5インチストレージとネジ穴が一致している。ストレージは当然内側に格納するが、ネジ止めはこの前面から行う。問題なのは電源ユニットからはSATA電源が出ておらず、現状では使用できない。(マザーからSATA電源がでているので、その予備のケーブルがない)。使う場合は市販ATX電源の換装とマザーボード用の給電コネクタの変換が必要になる。
スリム型光学ドライブは9.5mm厚。スリム型光学ドライブベイの「2.5インチ変換マウンタ」が市販されているので、ストレージ用にするのも一興。
フロントパネルの防塵メッシュ。
Vostro 3670のマザーボード。グラフィックカードを外した状態。
Vostro 3670のマザーボードは、Inspironデスクトップ(3670)のマザーと見た目がまったく同じ。ただ、品番が一文字違うのでおそらくUEFIの違いくらいだろう。メモリスロット4基、SATAコネクタは4基。電源ユニットとは8ピンのマザー用電源コネクタ、CPU用のATX12Vコネクタ(4ピン)が接続されている。
SATA電源はマザーボードのコネクタから出力されている構造。コネクタはもう1基あるが、専用ケーブルがない。
PCI Express x1が2基、PCI Express x16が1基。印字を見ると、M.2スロットはPCI Express接続に対応しており、Type2280、2230の搭載ができる。ただし、レビュー時点でDELLでのM.2 SSD搭載サポートはない。
【基礎知識 : M.2スロットおよびM.2 SSD】
GeForce GTX 1050搭載の様子。空冷ファンで厚みがあるので、あと使えるスロットはPCI Express x1の1基のみとなる。
グラフィックカード固定の機構。留め具は蝶番となっており、ビス一本で固定するだけ。
GeForce GTX 1050のグラフィックカード。
付属のキーボードとマウス
DELLデスクトップパソコンに付属のキーボード、KB216t(リンク先に詳細レビュー)。当方の初見はDELL XPS 8900(2015年11月レビュー)導入時。幅440mm×奥行き125mmで、幅は一般的なサイズだが奥行きはわりとコンパクト。XPS 8300に付属していたSK-8165よりも奥行きが3/4くらい短くなっている。ただし、コントロールキーなど一部のキーは兼用になっているため、Fnキーと組み合わせて使うタイプとなる。(ノートパソコンでよく見られるスタイル)。アイソレーションキーボードを採用。全般的に非光沢で梨地のデザイン。指紋でベタベタになるような表面処理はないので、わりと万人好みだろう。キーストロークは3mmあり、デスクトップキーボードとして一般的。
2015年12月にレビューしたInspiron 3650の付属マウスと同じ、MS116t。梨地の表面加工に、ほとんど非光沢で落ち着いたデザイン。左右クリックボタンとホイールだけのスタンダードマウス。標準的なサイズ。なお、当レビューVostro 3670の風景写真では、これらのキーボード&マウスではなく、市販のロジクール製が写っているので、お間違いなく。
CoffeeLake設計のDELL Vostro 3000シリーズ ミニタワーこと、Vostro 3670のレビューは以上。
詳しくはDELLサイトへ
2018年7月論評 CoffeeLake |
レビュー時点での最高構成では、Core i7-8700+GeForce GTX 1050が搭載できるため、ビジネスマシンとしてはそこそこハイパフォーマンスのモデルである。PCケースファンを搭載しないが、パッシブダクトを採用しており、集中的にCPUを空冷するエアーフローとなっている。搭載する290W電源は80PLUS BRONZE認証。 内部構造がかなりシンプルでありながら、「スリム光学ドライブ、3.5インチ×1基、2.5インチ×2基、M.2スロット×1基」のストレージ拡張性を持つ。デメリットとして装備端子や拡張スロットが乏しいが、ミニタワーの系統でありながら従来よりも非常にコンパクト化しており設置しやすくなった。 一番の懸念は電源ユニットの特異性でPC筐体の拡張性をフルに活かせないことである。 |
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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