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DELL Venue 8 Pro(5830)のパフォーマンスチェック
手元にあるVenue 8 Proの実機にて、2D高精細コンテンツの再生能力、CINEBENCH R10のレンダリング処理能力、ならびに消費電力を調べてみた。
当方のVenue 8 Proレビュー情報は2014年2月時点であり、手元にある実機に基づいた情報です。仕様変更等もあるので、最新情報はDELL公式サイトにてご確認を!
パフォーマンスチェックしたVenue 8 Proの構成
2013年12月発売。Silvermont設計の8インチタブレットPC。解像度1280 × 800、10点マルチタッチに対応する。視野角の広いIPSパネル採用。120万画素Webカメラのほかに、500万画素アウトカメラを内蔵する。最小重量: 395 gと非常に軽く気軽に携帯できる。 Micro USB端子 x 1(電源供給用にも使う)、SDXC対応microSDメモリーカードスロットなどを装備。 CPUに内蔵するグラフィックは、インテルHDグラフィックス。小型タブレットだから言って性能の低さを懸念する必要はない。 |
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OS | Windows 8.1 (32bit) | |
液晶ディスプレイ | 8 インチIPSディスプレイ(1280×800)(10ptタッチ) | |
プロセッサ | Atom Z3740D (2MB キャッシュ, 最大 1.83GHz ) | - |
メモリ | 2GB シングルチャネル DDR3L-RS メモリ | - |
グラフィックス | インテル HD グラフィックス | - |
プライマリハードディスク | 64GB eMMC | - |
Atom Z3740D
Atom Z3740Dは、開発コードネーム,Bay Trail-T で知られる Silvermont設計。 インテルの広報では「Atom Z2000シリーズと比べて約3倍の性能,同一性能なら消費電力は5分の1」 と言っている。22nmプロセス設計でSDP 2.2Wと非常に低消費電力のCPUである。
Atom Z3740Dは64bitOS対応CPUであるが、ビジネスユーザーを考慮してのことか、Venue 8 Proでは32bitOSとなっている。統合しているGPUはインテル HD グラフィックス 。
Atom Z3740Dは何気に4コア実装のクアッドコアであり、 マルチスレッドに強い。動作周波数は1.33 GHzとさほど高くはないが、 最大1.83 GHz までクロックアップする。最大メモリーサイズ 2 GB と決まっているので、メモリ容量はVenue 8 Proの仕様というよりも必然的なもの。
Atom Z3740Dの上位に4 GBメモリに対応する「Atom Z3740」があるが、Venue 8 Proでは採用されていない。8インチタブレットの用途として、そこまでのスペックは必要ないと判断したからであろうか?
64GB eMMC
ストレージには64GB eMMCを搭載。NANDフラッシュメモリと制御回路をまとめたもので、メモリカード規格であるMMCがインターフェースとなっている。DELLサイトでは「64GB eMMC HDD」と表記されていたが、正確にはHDDではない。eMMCはSSDよりも転送速度が遅いが、消費電力は低くかなりの小型。スマートフォンでもよく採用されるストレージである。
2D高精細コンテンツでのパフォーマンス~Venue 8 Proにて
BD超える高画質映像コンテンツ「Pioneer Visual Material」のMovie01を再生してみた。この映像は「平均Rate 50Mbps、最大70Mbps/VBR」という通常のBDタイトルを超える転送レートである。 (※通常のBDタイトルの場合は、等速36Mbps、最大Rate 40Mbpsで制限されている。この高画質デモンストレーションテスト映像が滑らかに再生できれば、2D高精細コンテンツでのパフォーマンスに文句なしと判断できる。
Venue 8 Proにて再生したところ、コマ落ちなくスムーズに再生できている。BDコンテンツに対応できる性能があれば、本格ゲームを除けば、概ねの用途に使うことができる。再生時の消費電力は7Wでかなりの低消費電力設計である。
この時のCPU使用率は12%程度であり、大した負荷にもなっていない。ただし、メモリ使用率は50%前後となっており、2GB DDR3L-RS メモリという容量は、若干心もとない面がある。これは2D高精細コンテンツを扱った場合の話なので、タブレットPC用途として困る範囲ではない。2GBメモリという容量から、複数のアプリを同時に立ち上げたまま使うことはお勧めできない。
CINEBENCH R10にて性能比較
CINEBENCH R10のベンチマークテストを起動。Atom Z3740Dはクアッドコアなので、4箇所から複数同時処理を行っている。アイドル時の消費電力は4Wほどだが、CPUをフル活動させるレンダリング中でも7W程度であり、かなりの省エネ設計である。
CINEBENCH R10は、MAXON Computer社のCinema 4Dをベースとしたベンチマークソフトで、Cinema 4Dは映画・テレビ業界・ゲーム制作・建築で採用されている3Dソフトです。 CINEBENCH R10はマルチコアに最適化されているので、クロック数の高さだけでなくマルチスレッドでの能力を測ることができます。 |
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CINEBENCH R10のスコア | ||
処理時間⇒4分24秒 | スコア⇒3345 |
Venue 8 Proの処理時間は4分24秒。これまでのAtomシリーズと比べると格段に処理能力が向上している。それでは当方がレビューした機種と性能比較してみよう。(OSの違いなど時代背景があるため、正確な比較とは言えないが参考程度に)
新旧のAtomで比較
2008~2009年にヒットしたミニノートブームでは、Inspiron Mini 10vにAtom N270が搭載されていた。初期のAtomであるが、処理時間は18分06秒もかかっていた。2013年1月に発売したAtom Z2760搭載のLatitude 10をレビューしたが、処理時間は12分09秒もかかっていた。前世代のAtom Z2000シリーズよりも急激に能力が向上していると判断できた。
ミニノートやタブレット製品 | |||||
発売時期 | 製品 | CPU | GPU | メモリ | 処理時間 |
2013年12月 | Venue 8 Pro(5830) | Atom Z3740D | HDグラフィックス | 2GB | 4分24秒 |
2013年1月 | Latitude 10 | Atom Z2760 | GMA(533MHz) | 2GB | 12分09秒 |
2009年6月 | Inspiron Mini 10v | Atom N270 | GMA 950 | 1GB | 18分06秒 |
第4世代Core i5-Yシリーズと比較
Core i5-4210Y を搭載したタブレットPCやコンパクトノートPCでは、 Venue 8 Proの半分くらいの時間で処理できている。さすがにCore i5-Yシリーズとは大きな差がある。モバイル・ウルトラブック・CULV・タブレットなど(低電圧版CPU搭載が多い) | |||||
発売時期 | 製品 | CPU | GPU | メモリ | 処理時間 |
2013年12月 | Venue 11 Pro(7130) | Core i5-4210Y | HDグラフィックス4200 | 4GB | 2分12秒 |
2013年11月 | XPS 11(9P33) | Core i5-4210Y | HDグラフィックス4200 | 4GB | 2分10秒 |
その他、過去のレビューPCと比較
2007年ではミドルノートだったInspiron 1520(Core 2 Duo T7100搭載)とほぼ同等の性能であることが分かった。2007年のミドルノートでできることを考えれば、タブレットだからという妥協はあまり無いと思われる。 また、Core 2 Solo SU3500や AMD デュアルコア E-350よりも処理能力が高いと思われる。発売当時のミドルレンジ製品 | |||||
発売時期 | 製品 | CPU | GPU | メモリ | 処理時間 |
2009年1月 | Studio XPS 16 (1640) |
Core 2 Duo P8700 | RADEON HD 4670 | 4GB | 2分33秒 |
2007年6月 | Inspiron 1520 | Core 2 Duo T7100 | GeForce 8600M | 2GB | 4分18秒 |
モバイル・ウルトラブック・CULV・タブレットなど(低電圧版CPU搭載が多い) | |||||
発売時期 | 製品 | CPU | GPU | メモリ | 処理時間 |
2013年9月 | Inspiron 11(3137) | Celeron-2955U | HDグラフィックス | 2GB | 2分49秒 |
2012年6月 | XPS 14 Ultrabook (L421X) |
Core i7-3517U | GeForce GT 630M | 8GB | 1分23秒 |
2012年6月 | Inspiron 13z(5323) | Core i5-3317U | HDグラフィックス4000 | 4GB | 1分35秒 |
2011年4月 | Inspiron M102z (1122) |
AMD デュアルコア E-350 | Radeon HD 6310 | 2GB | 6分49秒 |
2010年6月 | Inspiron 13z (N301Z) |
Core i3-330UM | Radeon HD 5430 | 4GB | 3分46秒 |
2009年10月 | Inspiron 13z(1370) | Core 2 Solo SU3500 | GMA 4500MHD | 2GB | 12分28秒 |
デスクトップパソコンと比較
Pentium 4 (3GHz) よりもダントツに速い。しして Pentium D 915よりも処理時間が早かったのには、結構驚いた。 さすがにCore 2 Duo E8400を凌駕するほどではない。発売時期 | 製品 | CPU | GPU | メモリ | 処理時間 |
発売当時のエントリー | |||||
2011年5月 | Inspiron 620 | Pentiumデュアルコア G620 | HDグラフィックス | 4GB | 1分47秒 |
2010年1月 | Inspiron 580s | Core i3-530 | RADEON HD 5450 | 4GB | 1分57秒 |
2008年10月 | 自作パソコン2 | Core 2 Duo E8400 | RADEON HD 4650 | 4GB | 2分31秒 |
2006年11月 | 自作パソコン1 | Pentium D 915 | RADEON HD 3650 | 1GB | 5分28秒 |
発売当時の上位ミドル~ハイエンド | |||||
2003年? | マウスコンピューター・機種不明 | Pentium 4 (3GHz) | GeForce 6600 | 512MB | 7分36秒 |
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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