DELL Inspiron One 2020のスペックを調べる
Inspiron One 2020にCore i5-2390Tを搭載しましたが、その性能をチェックします。2012年はIvy Bridge設計が最新ですが、Inspiron One 2020はIvy Bridgeのベースとなった前世代のSandyBridge設計です。
今回、パフォーマンスチェックしたInspiron One 2020の構成
今回導入したInspiron One 2020の構成で、パフォーマンスをチェックしました。DELLは販売時期によって搭載できる構成内容が違ってきますので、手元にあるInspiron One 2020実機の例としてご理解ください。
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DELL Inspiron One 20202012年5月発売の20.2インチ一体型。SandyBridge設計で、第2世代Core i5搭載可能モデル。奥行きもわずか63.2mmと薄型。サウンドシステムにWaves MaxxAudio3.0 を採用。無線LAN環境は標準対応。非光沢液晶なので目にやさしい。年配者にもお勧め!(2012年7月時点) |
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OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit | |
液晶ディスプレイ | 20.2インチ WLED液晶(1,600 x 900) | |
プロセッサ | インテル Core i5-2390T (2.7GHz, 3MB キャッシュ) ※クロック数最大3.5GHz |
7.1 |
メモリ | 4GB (4GBx1) DDR3-SDRAMメモリ | 5.9 |
グラフィックス | インテル HDグラフィックス 2000 | 4.7 |
ゲーム用グラフィックス | 5.6 | |
プライマリハードディスク | 1TB SATA HDD(7200回転) | 5.9 |
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2012年8時点のレビューになります。
CPUにはインテル Core i5-2390T搭載しています。2コア実装ですが、HTテクノロジーによって命令の流れが2系統になるので4スレッド動作です。複数同時作業に強いのが現在のパソコンの特長。ターボ・ブースト・テクノロジー2.0によって最大3.5GHzまでクロックアップします。Core i5-2390TはTDP35Wなので消費電力が少ないですね。
単体GPUは搭載していないので、このCPUに内蔵するインテル HDグラフィックス 2000がグラフィック処理を行います。なお、2012年8月時点ではPentium G620Tの選択も見られますが、これはあまりお勧めしません。
CPUパッケージ内部には命令を実行するコアがあります。シングルコア(1コア)を高クロック化して処理能力を高めると、消費電力と熱暴走の問題があります。そこでマルチコア化(複数コア化)です。クロック数はほとほどにしておいて、CPUコアを増やすことで「仕事を複数同時処理してしまおう」というアイデアです。複数同時処理のことをマルチスレッドといいます。ただし、アプリ側もマルチスレッド対応でないと効果は発揮できません。
HTテクノロジーは擬似的にCPUコア数を倍増させる技術で、1コアに対して2スレッド動作をさせます。2コアであれば4スレッドということです。HTテクノロジーの仕組みは次の通り。
CPUコアには元々、並列処理が可能な演算機構が備わっていますが、1コアに対し命令の流れが1系統だと処理内容によって待機状態の演算機構が生じます。これは勿体無いということで、 命令の流れを2系統にすることで、待機状態の演算機構を極力減らし効率よく処理していきます。1コアに対し命令の流れが2系統なので、2スレッド処理なのです。擬似とはいえ、OSやソフトウェアからは2コアとして認識されます。HTテクノロジーだと1コアがビジーなので物理的に2コアのほうが優位ですが、それでも1コアを有効的に処理させる技術です。
HTテクノロジーによって速度が2倍になるわけではなく、あくまで効率化です。内容にもよりますが、マルチスレッド対応のソフトなら30%ぐらいのパフォーマンスアップを期待してもいいでしょう。
HTテクノロジーによって命令の流れが2系統になるので1コアが2スレッドとなる。つまり通常4コアであれば8スレッドとなる。2コアなら4スレッド。HTテクノロジーがないCPUはコア数とスレッド数が同じ。
2008年以降、インテルが採用を始めたターボ・ブースト・テクノロジーは、自動でクロック数(動作周波数)を上げる機能です。マルチコア化しても、依然とクロック数の高さがモノをいいます。 マルチコアに対応していないシングル・スレッドのソフトでは、単にクロック数の高いCPUのほうが処理が速いです。 音楽管理ソフト等ではマルチコアに対応していないものが多く、マルチコア化しても恩恵はありません。 そこで役立つのが、ターボ・ブースト・テクノロジーです。 マルチコアが効率的でないと判断されたときは、一部のコアをOFFにして、残った一部のコアのクロック数を上げます。一見、オーバークロックのように思えますが、定格内のクロックアップなので消費電力や発熱のリスクがほとんどありません。
ターボ・ブースト・テクノロジーは、各コアごとにクロックアップしています。(図は4コアの場合)
パワーゲートという、コアごとに電源供給を絶つスイッチがあり、ここで調整しながらクロックアップ調整をしています。1コアを全開にしたり、全コアをそこそこにアップしたりと、プログラムに適したクロックアップをします。
ターボ・ブースト・テクノロジー2.0
2011年のSandyBridge設計以降、ターボ・ブースト・テクノロジー2.0が採用されています。クロックアップの仕組みは各CPUに定められた倍率を変えることです。ターボ・ブースト機能は電流や電力はもちろん、温度を監視した上で倍率を変化させています。電流の量が基準を超えた場合、上昇させた倍率を下げて熱暴走を回避させます。これが従来からあるターボ・ブーストです。しかし、電流量が基準を超えてもすぐに熱が上昇するわけではありません。ターボ・ブースト・テクノロジー2.0ではそのタイムラグを利用し、すぐには倍率を下げません。これが倍率上限を少しでも長く持たせる仕組みで、いわゆる「踏ん張り機能」が追加されています。
CINEBENCH R10のベンチマークCINEBENCH R10は、Cinema 4Dをベースとしたベンチマークソフトです。そのCinema 4Dというのは映画・テレビ業界・ゲーム制作・建築で採用されている3Dソフトです。マルチコアに最適化されているので、クロック数の高さだけでなくマルチスレッドでの能力を測ることができます。レンダリングにかかる時間を測定するテストですが、主にCPU性能を比較することができます。 ![]() |
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CINEBENCH R10のスコア | ||
CPUベンチマーク | 処理時間⇒1分22秒 スコア⇒10687 |
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OpenGL | スコア⇒3361 | |
【Inspiron One 2020評価】 2008年10月に自作したCore 2 Duo E8400搭載マシンで「処理時間⇒2分31秒」でしたので、Inspiron One 2020がエントリーパフォーマンスとはいえ、現在のパソコンはかなり性能向上しています。ビギナーには充分すぎるほどの性能です。 |
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ストリートファイター4 のベンチマーク2009年にPC版が登場した対戦型格闘ゲーム、ストリートファイター4にてベンチマークテストを行なっています。2次元の操作ではありますが、描写は3Dという珍しいゲームです。高スペックが要求される本格PCゲームの中では、求められるスペックが比較的低めです。 ![]() |
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ストリートファイター4のベンチマーク結果 設定解像度 1280×720 ウィンドウ表示 |
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RANK E ⇒ プレイをするにはスペックが不足している。 スコア 6959 AVERAGE 23.94 FPS |
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【Inspiron One 2020評価】![]() インテル HDグラフィックス 2000は、インテル HDグラフィックス4000よりもグラフィックパフォーマンスはずっと落ちるようです。 |
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3Dゲームは無理でも、2D高精細コンテンツが楽しめる性能!
Inspiron One 2020(Core i5-2390T搭載)は本格3Dゲームにはスペック不足ですが、2Dの高精細コンテンツ向けなら充分な性能があります。2D高精細コンテンツというのはブルーレイ映画や地デジ視聴録画などです。これらは2009年ごろはミドルスペック以上が求められる娯楽でしたが、2012年現在では性能向上に伴い、エントリーモデルでも扱えるようになりました。
バッファローの「ストリームテスト for 地デジ」で地デジ対応度をチェックしてみました。DPモード(1440×1080 地デジそのまま)でもほとんどコマ落ちなしで描画割合:99.93% 。 CPU負担:19%で済んでおり、これなら動作は安定しているし、ながら作業も可能です。2D高精細コンテンツのニーズなら、CPU内蔵グラフィックスでも充分です。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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DELL Inspiron One 2020レビュー(2012年8月時点)