クリアレンズで業界最高水準、ブルーライトを約50%カット
Zoff PC パッケージタイプのレビュー
2019年11月20日に開催された「リンクシェア・ジャパン デジタルフェア2019」にて、PCメガネ「Zoff PC」を抽選会で当てたのでレビューすることにした。Zoff PCでは「クリアレンズで業界最高水準、ブルーライトを約50%カット」というキャッチコピーがある。当方PCメガネをすでに2つ持っており、これで3つめの追加となった。それらとの比較になるので、ほぼ個人的な備忘録となりそうだ。
Zoff PCでは「度なしの完成品」であるパッケージタイプと、「お好きなフレームとPCレンズを選ぶ」フレームセレクトタイプがある。今回のはパッケージタイプであり、度つきも選べるセレクトタイプの説明は省略する。
パッケージタイプは税別5,000円(2019年12月時点)。Zoff PC CLEAR PACKと呼ばれている。フレームのラインアップでは、ボストン・スクエア・ウェリントン・オーバルの4デザインあり、各3色で全12種類となっている。パッケージタイプから「度付きレンズ」への交換は、Zoff店舗にて3,000円(税別)で対応可能とのこと。
スクエア&ブラック(ZA181P01-14E1)のフレームデザイン
今回レビューするZoff PCは、スクエアのブラックカラー(ZA181P01-14E1)。素材自体は透明のプラスチックであるが、表面に黒色を塗装している。一部はクリアのままなので入り混じった状態。
Zoffサイトでは「レンズは特殊なコーティング処理によりやや黄味がかりますが、透明に近い自然な見え方」と言っている。ブルーライトを約50%カットするZoff PC ULTRAレンズを搭載。なお、ブルーライトカット率の測定基準は光の波長380nm~500nm、レンズ中心肉厚約2mmでの平均カット率である。付加機能としては、傷がつきにくく反射防止とある。紫外線約99%カット。
横から見たデザイン。
サイトでは、「フレームに超軽量素材を採用し、形状をより薄く・軽く仕上げることができました」とある。さらに「頭部をやさしく包み込み耳裏にかかる負担も軽減する「3Dフィットテンプル」とある。素材の弾力を生かした2段階のカーブが機能的特長だそうだ。
鼻にかかる部分。
関節部分。
持ってみた様子。15gという軽量。
ブリスター・パッケージと同梱物
ブリスター・パッケージのデザイン。サイトで掲載されているような「クリアレンズで業界最高水準、ブルーライトを約50%カット」などのキャッチコピーがなく、非常に押しの弱い印象。パソコンを快適に!ブルーライトCUT・・とあるが他社との差別化になっていない。
パッケージに記載されている内容。プラスチック素材、可視光透過率95%、紫外線透過率0.1%以下・・とある。一方サイトでは紫外線透過率:0.01% (紫外線カット率:99.9%)とある。
レンズが拭けるメガネポーチ付き。
持ち運ぶなら硬質ケースを別途購入したほうがいいだろう。そしてパッケージに記載すればいいだろうと思うくらい小さな取扱説明書。読んでみると、レンズに特殊なコーティングを施しブルーライトを反射させてカットする仕組みのようだ。
使用上の注意で気になるところは次の通り。「レンズとも環境温度60度以上はNG、通常の有害紫外線をカットできるが業務用の紫外線保護(遮光レンズ)としては使えない」とある。
所有する3つのPCメガネで比較
3つのPCメガネで比較する。
レビュー対象:ZoffのZA181P01-14E1
「クリアレンズで業界最高水準、ブルーライトを約50%カット」というキャッチコピーの本レビュー対象(ZA181P01-14E1)。分かっているスペックは、ブルーライトを約50%カット(波長380nm~500nm、レンズ中心肉厚約2mmでの平均カット率)。サイトでは紫外線透過率:0.01% (紫外線カット率:99.9%)とある。付加機能としては、傷がつきにくく反射防止加工。
透過の様子。Zoffサイトでは「レンズは特殊なコーティング処理によりやや黄味がかりますが、透明に近い自然な見え方」と言っている。・・とはいうものの、やはり結構黄色く、可視光透過率95%とは言え、他のPCメガネよりも自然な見え方とは言い難い。「業界最高水準の透明度、過去に類を見ないほどの透明化」と言っているので、ここらがPCメガネの限界か。
JINS PC(2013年版)
2013年に初めて導入したJINS PC(パッケージタイプ・ハイコントラスト)。PCメガネは2011年あたりから登場したらしいが、2013年ではすでにメジャーな存在となっていた。
【過去のレビュー: ブルーライトをカット?パソ兄さんのJINS PCレビュー】
度なし専用 | ハイコントラスト レンズ | クリアレンズ(実物なし) |
ブルーライトカット率 | 約50%(吸収してカット) | 約35%(反射してカット) |
可視光線透過率 | 約85% | 約98% |
紫外線カット率 | 99.99% | 99.9% |
※ハイコントラストレンズでは吸収してブルーライトをカットするので、Zoff PCと方式が異なる。可視光線透過率は10%低い約85%。 紫外線カット率は同等。
透過。レンズの色から分かるように、やや赤みがかかった見え方になる。かといってZA181P01よりも不自然というわけでもない。可視光線透過率も10%低いが、なんとなく「分かるような、分からないような」というレベル。
Zoff ZO31PC2B(2014年版)
JINS PC(2013年版)のフレームが小さく、枠が視界に入るのが気になったので、翌年(2014年)、ウェリントンのフレームデザインに変更。メーカーもZoffに変えてみたが、スペックを控えていなかったので詳細不明(品番はZO31PC2B)。2019年時点で販売されているウェリントンはZC181P01であり、フレームがもっと極薄デザインになっている。
スペックが不明であるが、JINS PC(2013年版)と見え方はほぼ同じ。少し赤みは抑え気味かな。もしかしたら可視光線透過率は高いかもしれない。
透過比較
結局、クリアレンズだろうと、色付きフィルターを通して見るようなもの。赤みがいいのか、黄色みがいいのか、好み次第であり、「透明に近い自然な見え方」は無理だと諦めた。
白いところに置けば、ほぼ想定通りの見え方。
白LEDの反射色。ZoffのZA181P01-14E1(レビュー対象)が最も青い。
青いほどブルーライトをを反射しているのだと思ったが、JINS PC(2013年版)は吸収してカットするので比較できない。Zoff ZO31PC2B(2014年版)はスペックがわからないのでなんとも言えない。
結論
3つのうち、メインに使うのはZA181P01-14E1(レビュー対象)に決定。その理由は、圧迫感がなく軽量だから。つまりレンズよりもかけ心地が最優先だと判断した。JINS PC(2013年版)はグリップ力が強いので自転車に乗るなど運動時に使える。PCメガネを使う以上、色フィルターは避けられないし、ずっとかけていると順応してだんだんナチュラルに感じてくる。
根本的なPCメガネの存在意義だが、個人的な身体上の変化では次のように判断している。特に眼精疲労のないときは、あまりメリットを感じていないので、わざわざPCメガネをかけることがない。しかし、眼精疲労があるときは確かに辛さは軽減できている。睡眠前のパソコンは体内リズムを狂わすようだが、深夜帯のPCメガネ利用もそこそこの効果は感じている。結論を言うと所有していて損はないかな。
ブルーライトとは
ブルーライトは可視光線のなかで最もエネルギーが強く、眼の奥(網膜)まで届いてしまう青色光(波長は380~495nm)のこと。網膜に到達することで、体内時計にまで影響があるとされる。パソコン、テレビ、スマホなどLEDディスプレイの波長は450nm付近で、ディスプレイを寝る前に見つめると疲労が溜まるのは、ブルーライトが一因しているとされる。
ディスプレイメーカーのEIZOは「色温度と輝度を下げれば、液晶モニターの調整でブルーライトを1/6にカットできる」と言っており、ワンタッチでブルーライトカットができる液晶モニタ製品が多々ある(ただし黄ばんだ画面に切り替わるだけ)。そのためPCメガネは必須ではないが、眼鏡のほうが切り替えやすくて便利と思われる。