DELL Inspiron 15Rのベンチマークテスト・高精細コンテンツ対応能力
今回レビューしているInspiron 15R(システムInspiron 5520)の構成にて、パフォーマンスチェックしました。レビュー機のInspiron 15RではCore i5-3210Mを搭載しています。単体GPUはないので、内蔵グラフィックスのインテル HDグラフィックス4000が稼働しています。2012年7月時点。
性能チェックする、今回のInspiron 15Rの構成
2012年7月時点、DELLサイトを見る限りInspiron 15R(システムInspiron 5520)はどうやら単体GPUを搭載しないモデルのようです。(ただし、ユーザーガイドにはRADEON HD 7670M搭載可能の記載が確認できる。)Inspiron 15Rは第3世代Core i3/i5/i7が搭載可能なので、各CPUに内蔵するグラフィックが採用されます。(2012年7月時点では、Core i3-2370M、Core i5-3210M、Core i7-3612QM が搭載可能。)そのため内蔵グラフィックは「インテル HDグラフィックス4000」か「インテル HDグラフィックス3000」になります。
今回のInspiron 15R(5520)レビューでは、以下の構成となっています。カスタマイズ構成は購入時期によって変動があるので、ご理解のうえ参考にしてください。
2012年6月発売の15.6インチ・エントリーノート。。USB 3.0端子を4つ装備。PowerShare USB対応。サウンドシステムにWaves MaxxAudio 3 採用。SWITCH により天板カバーの着せ替えが可能。(2012年7月時点) |
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OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit | |
液晶ディスプレイ | 15.6インチ光沢液晶/(1366x768) | |
プロセッサ | インテル Core i5-3210M (2.5GHz, 3MB キャッシュ) ※クロック数最大3.1GHz |
7.1 |
メモリ | 4GB (4GBx1) DDR3-SDRAMメモリ 1600MHz メモリ | 5.9 |
グラフィックス | インテル HDグラフィックス4000 | 5.1 |
ゲーム用グラフィックス | 6.3 | |
プライマリハードディスク | 500GB SATA HDD(5400回転) | 5.9 |
Core i5-3210MはIvy Bridge設計の第3世代Core i5ファミリーで、2コア実装。そしてHTテクノロジーによって4スレッド動作。ターボ・ブースト・テクノロジーによってクロック数最大3.1GHz。
Ivy BridgeはSandyBridgeの改良版なので、アーキテクチャ(基本設計)に大きな変化がないものの、新たに22mmプロセスルールの微細化設計となっており、物理的な互換性は保たれています。従来にはなかった3次元構造の「Tri-Gate(トライゲート)トランジスタ」を採用しており、低電圧状態でリーク電流が10分の1に抑えられたとのことです。インテルいわく、前世代よりも同じ消費電力で「性能を約37%アップ」させたとのこと。
※リーク電流とは、電流の漏洩であり水で例えると水漏れのようなもの。リーク電流が増すと消費電力も発熱量も増え、回路を傷める原因となる。つまりIvy Bridgeになって、性能の向上と低消費電力が顕著になったと言えます。
CPUパッケージ内部には命令を実行するコアがあります。シングルコア(1コア)を高クロック化して処理能力を高めると、消費電力と熱暴走の問題があります。そこでマルチコア化(複数コア化)です。クロック数はほとほどにしておいて、CPUコアを増やすことで「仕事を複数同時処理してしまおう」というアイデアです。複数同時処理のことをマルチスレッドといいます。ただし、アプリ側もマルチスレッド対応でないと効果は発揮できません。
HTテクノロジーは擬似的にCPUコア数を倍増させる技術で、1コアに対して2スレッド動作をさせます。4コアであれば8スレッドということです。HTテクノロジーの仕組みは次の通り。
CPUコアには元々、並列処理が可能な演算機構が備わっていますが、1コアに対し命令の流れが1系統だと処理内容によって待機状態の演算機構が生じます。これは勿体無いということで、 命令の流れを2系統にすることで、待機状態の演算機構を極力減らし効率よく処理していきます。1コアに対し命令の流れが2系統なので、2スレッド処理なのです。擬似とはいえ、OSやソフトウェアからは2コアとして認識されます。HTテクノロジーだと1コアがビジーなので物理的に2コアのほうが優位ですが、それでも1コアを有効的に処理させる技術です。
HTテクノロジーによって速度が2倍になるわけではなく、あくまで効率化です。内容にもよりますが、マルチスレッド対応のソフトなら30%ぐらいのパフォーマンスアップを期待してもいいでしょう。
2008年以降、インテルが採用を始めたターボ・ブースト・テクノロジーは、自動でクロック数(動作周波数)を上げる機能です。マルチコア化しても、依然とクロック数の高さがモノをいいます。 マルチコアに対応していないシングル・スレッドのソフトでは、単にクロック数の高いCPUのほうが処理が速いです。 音楽管理ソフト等ではマルチコアに対応していないものが多く、マルチコア化しても恩恵はありません。 そこで役立つのが、ターボ・ブースト・テクノロジーです。 マルチコアが効率的でないと判断されたときは、一部のコアをOFFにして、残った一部のコアのクロック数を上げます。一見、オーバークロックのように思えますが、定格内のクロックアップなので消費電力や発熱のリスクがほとんどありません。
ターボ・ブースト・テクノロジー2.0
2011年のSandyBridge設計以降、ターボ・ブースト・テクノロジー2.0が採用されています。クロックアップの仕組みは各CPUに定められた倍率を変えることです。ターボ・ブースト機能は電流や電力はもちろん、温度を監視した上で倍率を変化させています。電流の量が基準を超えた場合、上昇させた倍率を下げて熱暴走を回避させます。これが従来からあるターボ・ブーストです。しかし、電流量が基準を超えてもすぐに熱が上昇するわけではありません。ターボ・ブースト・テクノロジー2.0ではそのタイムラグを利用し、すぐには倍率を下げません。これが倍率上限を少しでも長く持たせる仕組みで、いわゆる「踏ん張り機能」が追加されています。
CPUに内蔵しているグラフィック機能が「インテルHDグラフィックス」です。AMDやNVIDIAの単体GPUが搭載されていないパソコン製品ではこの「CPUに内蔵のグラフィック」が機能します。内蔵グラフィックといっても「CPUコアとの完全統合化」されているので、従来よりも強力なものとなっています。インテルHDグラフィックス4000では、演算ユニットが前世代(2000・3000)と比べると、12基から16基へと増加しています。Direct X 11のサポートもされています。(前世代はDirect X 10.1まで)。
新たに3次キャッシュが追加されているので、CPUコアと共有しているLLC(Last Level Cashe)のアクセスを減らす改良がされています。そして動画再生支援(ハードウェア・エンコーダ)のQuick Sync Videoがバージョン2.0になっています。3D処理能力、エンコード処理能力とも前世代より向上しているうえ、高負荷時の消費電力も大幅に低下させるなどのパフォーマンスが見られます。
※Intel Quick Sync
Video とは
Quick Sync Videoは動画再生支援機能。動画編集ではデコードとエンコードの処理が機能強化されています。※「MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVC、VC1」のデコードをハードウェア処理。 「MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVCのエンコード」をハードウェア処理。 さらに処理エンジンである「マルチフォーマットコーデック」を大幅強化。ただ、Quick Sync Videoが利用できるのはHDグラフィックが有効時の時のみで、グラフィックカード(単体GPU)を使用しているときは、Intel Quick Sync Videoが機能しません。
CINEBENCH R10のスコア | ||
CPUベンチマーク | 処理時間⇒1分21秒 スコア⇒10916 |
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OpenGL | スコア⇒5059 | |
2007年のミドルノートInspiron 1520 (Core 2 Duo T7100 / GeForce 8600M / 2GB)で処理時間⇒4分18秒 でしたから、CPU能力のアップは目覚しい。 | ||
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ストリートファイター4のベンチマーク結果 設定解像度 1280×720 ウィンドウ表示 | ||
RANK C ⇒ プレイできる環境。設定を下げれば快適になる。 スコア 8727 AVERAGE 45.26 FPS |
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内蔵GPU(インテル HDグラフィックス4000)とはいえ、少し前のローエンド単体GPUに匹敵する性能。また本格的なゲームには無理ですが、それ以外のユーザーであれば性能に満足できます。 | ||
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バイオハザード5 「ベンチマークテストA」の結果 ※DirectX 10 解像度 1280×720 ウィンドウ表示 | ||
29.7 fps | RANK C ⇒ 動作が重く、プレイに支障あり。 エリア1⇒32.6 エリア2⇒31.9 エリア3⇒26.7 エリア4⇒28.3 |
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デビル メイ クライ4のスコア(解像度 1280×720 ウィンドウ表示) DirectX 10 | ||
RANK C ⇒ 動作するには難しいかもしれない。 |
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ラストレムナントのベンチマーク結果(解像度 1280×720 ウィンドウ表示) | ||
Average FPS | 22.17 ※25 fps未満 (重い) |
消費電力もチェック。
Inspiron 15Rの地デジ対応度
バッファローの「ストリームテスト for 地デジ」で地デジ対応度をチェックしてみました。DPモード(1440×1080 地デジそのまま)でもコマ落ちなしで描画割合:100% 。 CPU負担:17%。単体GPUがあればCPU負担は減りますが、17%ぐらいの負担であれば動作は安定しているし、ながら作業も可能です。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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Inspiron 15R(モデル名Inspiron 5520)のレビュー
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