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DVD世代の最終は、DVDスーパーマルチドライブ

DVD世代では数々の規格やドライブ名があり、混乱していました。しかし現在は、3世代・光ディスクのBD(Blu-ray Disc)が普及しているので、DVD規格は落ち着いています。基本的には多くの規格を扱えるDVDスーパーマルチドライブがDVD世代の最終ドライブです。ただ、ドライブ名や対応ディスクについての規定はないので、そこは意識しておく必要があります。

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DVDスーパーマルチドライブの対応メディア

DVDはCDに次ぐ第2世代の光ディスク。DVD-Videoソフト(DVD-ROM)やプレイヤーが市場に出たのは1997年ごろ。その後、記録型ドライブが注目されると、DVD規格を策定する「DVDフォーラム」、DVD+Rや+RWの規格を策定する「DVD+RWアライアンス」という2つの業界団体が競い合いました。

結果、数多くのDVD規格や非公認DVD規格が登場し、対応ドライブの選択やファームウエアの更新などで市場が氾濫しました。さらに2005年には2層式の記録型DVDである「DVD-R DL」も登場したため、対応と非対応のドライブが混在するようになりました。

結局のところ、光学ドライブ名で選択するのではなく、使用したい光ディスクの対応を確認した上で、ドライブを選ぶスタイルになっています。これは基本的には今も変わっていません。

DVDドライブを搭載する~光学ドライブはなくなるのか
2008年ごろには、多くのDVD規格が扱える「DVD スーパーマルチドライブ」が主流化したので、とくに光学ドライブ選びに悩まなくて済むようになりました。すでに3世代・光ディスクのBD(Blu-ray Disc)が普及しているので、これがDVD世代の最終ドライブと思われます。

DVD スーパーマルチドライブは、DVDハイパーマルチドライブと呼ばれることもあり、メーカーによってまちまち。そのため正式名称はありません。またドライブ自体には正式規格がないので、対応する光ディスクもドライブ機種次第です。(※光ディスクには正式な規格が策定されています)。各ドライブの対応メディアは、以下の表を概ね参考にしていただければと思います。

各ドライブ名・対応メディアの目安

ドライブ 読み込みのみ 記録&読み込み可能(目安)
CD-ROM ドライブ CD-ROM
CD-R、CD-RW
なし
DVD-ROM ドライブ CD-ROM
CD-R、CD-RW
DVD-ROM
DVD-R、DVD-RW
なし
DVD/CD-RW コンボドライブ CD-ROM
DVD-ROM
DVD-R、DVD-RW
CD-R、CD-RW
DVD+/-RWドライブ CD-ROM
DVD-ROM
CD-R、CD-RW
DVD-R、DVD+R、DVD+RW、DVD-RW、
DVD-RAMドライブ CD-ROM
DVD-ROM
CD-R、CD-RW
DVD-R、DVD-RW
DVD-RAM
DVDスーパーマルチ ドライブ
(DVDハイパーマルチ)
CD-ROM
DVD-ROM
CD-R、CD-RW
DVD-R、DVD-RW、DVD+R、DVD+RW
DVD-R DL、DVD+R DL
DVD-RAM

DVDドライブ市場が安定している現在では、「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM」の3メディアが主軸となっている。DVDスーパーマルチ ドライブ以外のドライブは、あまりにも古いと記録型ディスクを読めない場合がある。

アルファベットの示す意味

※CDはCompact Disc の略。
※DVDはDigital Versatile Discの略。
※ROMとはRead Only Memoryのという意で、読み出し専用・書き込み不可。
※-RはRecordableの意で1度だけ書き込み可能。
※RWはReWritableの意で、何度も書き換え可能。
※RAMはRandom Access Memoryの意で、何度も書き換え可能。ソフトいらずで書き込みが可能。
※DVD-R DLのDL はDual Layerの意で、記録層が2層式。
※DVD+R DLのDL はDouble Layerの意で、記録層が2層式。

接続インターフェース

IDE(ATAPI)規格とSATA
DVDスーパーマルチドライブの接続インターフェースは、古いドライブだとIDE(ATAPI)規格。そして現在主流となっているのがSATA規格です。SATAは単線で連続(シリアル)転送、IDEは同時並行(パラレル)転送です。HDDであればこのインターフェースの違いは大きく差に出ますが、光学ドライブでは体感できるほどの違いはないと思います。

市場では、2007年ごろにはIDEからSATAへと移行していったと把握しています。HDDと比べると随分遅い移行だったと記憶しています。

※ATAPI (AT Attachment Packet Interface )とは、旧式のHDDが採用していたIDE規格を光学ドライブにも使えるようにした規格。当サイトの解説ではATAPI というワードは使わず、IDEでくくっています。

光学ドライブの記録速度

光ディスクや光学ドライブには「~倍速記録対応」というスペックがありますが、数値が高いほど速く記録することができます。記載されている速度で記録するには、光ディスクと光学ドライブの双方がこの速度に対応している必要があります。

なお、記録速度はPCスペックよりも光学ドライブの性能に依存します。PCが一定の性能をクリアしていれば、高性能パソコンであろうとローエンドパソコンであろうと速度に差はありません。

BD/DVDの記録速
さて、~倍速とは何を指しているのか。1倍速というのは通常再生時で読み込んでいるスピードと思ってください。CDなら音楽再生、DVDやBDなら映画鑑賞しているときの速度です。※1倍速は等倍とも呼ばれます。

これを理解するには各光ディスクの1倍速「1秒間で読み込むデータ量」を知らなくてはいけません。例えばCDの1倍速は、150KB/sなので、2倍速なら「1秒で300KB」ということです。2-8倍速記録対応のディスクを購入したら、「2倍速から8倍速のあいだのディスクが使えます」ということです。もちろん、ドライブ側も速度に対応しておく必要があります。

CD、DVD、BDの1倍速のデータ量

CDとBDでは1倍速のデータ量がなんと30倍も違います。CD、DVD、BD(Blu-ray Disc)の1倍速は次の通り。

各メディアで1倍速が違うので、例えばCD-Rの16倍速とDVD-Rの16倍速とでは一秒間に書き込まれるデータ量が異なります。むろん、DVDのほうが書き込めるデータ量が大きいです。なお、光学ドライブは最初から最後まで同じ速度で記録しているわけではないので、比例計算しても書き込み時間を割り出すことはできません。(8倍速から16倍速にしても、記録時間は半分にはならない)。

DVD-Rでは最大16倍速で打ち止めか?ドライブは24倍速記録対応

2007年頃には、市販のDVD-Rディスクが最大16倍速対応となり、2013年時点でも変わりません。一方、DVDスーパーマルチドライブでは24倍速記録対応(読み込みは最大16倍速)が売られています。これはどういうことか?

現状としては、各ドライブ側で「挿入した16倍速のDVD-Rが24倍速書き込みで可能か」をチェックして記録しています。新規で購入するなら、すでにDVDの記録速度を気にしなくてもかまいません。

「16倍速なら、8倍速の半分の時間で記録できる」という単純なものではありません。実際には16倍速も8倍速も大して変わらないといった感じです。それは、記録方式に理由があります。
DVD-Rディスクへの記録は内周部から外周部にかけて行われます。最初の内周部では低速で記録を始め、外周部になってようやく最大速度で記録されます。(24倍速対応のようなドライブは、ラストスパートの速度に長けている)そのため、16倍速なら「最初から最後まで16倍速」というわけではないのです。(16倍速の場合、内周部の記録は6倍速程度といわれます。)

読み込みで24倍速はリスキー

そもそも、以前より「DVD-Rは最大16倍速が限界」だといわれてきました。これよりも速くしても、構造上、記録時間の短縮にならないからです。DVDディスクの回転速度を上げれば、高倍速の記録は可能ですが、高速回転による振動でドライブパーツが損傷したり、ディスク自体の破損リスクがあります。(16倍速では毎分1万回転らしい)。

24倍速記録対応のドライブでも、読み込みは最大16倍速というのがほとんど。なぜなのか?単純に読み込みのほうが使用頻度が高いから。「読み込みも24倍速だと故障するリスクが高い」からです。記録頻度が少ないからといって、記録は最大24倍速というのもちょっと腑に落ちないですね。

結論:16倍速記録でいいんじゃない

個人的な意見ですが、「DVD-Rディスクが最大16倍速対応なんだから、24倍速のドライブを持っていても設定速度を落として16倍速記録までにしておくべきだ」と思います。「低速で記録したほうが安定して書き込める」といわれるので、個人的には8倍速で記録するのがほとんど。8倍速であれば、フルに記録しても8分程度であり記録時間にも不満はありません。

DVD/CDディスク記録・再生時に必要なスペック

ドライブメーカのパイオニア社が掲示している、DVD/CDディスク記録・再生時に必要なスペック。2002年頃のパソコン・スペックが目安ってところ。それ以前のパソコンになると、後年になって高速化したドライブの機能が発揮できないのでしょう。たぶん。

動作環境は必ずしも動作を保証するものではないようです。

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