電源コネクタの種類
電源ユニットからの電力は各PCパーツに供給されますが、その各パーツに接続される電源コネクタを紹介します。自作パソコンもほとんどのメーカーパソコンも、共通のコネクタを採用しています。
電源コネクタの接続先
電源ユニットに取り付けられている電源コネクタを紹介しますが、ざっと以下の様なコネクタがあります。
- ATXメインコネクタ
⇒ マザーボード用電源。チップセット、メインメモリや拡張カードスロットへ供給に - ATX12Vコネクタ
⇒ CPU用電源の4ピン - EPS12Vコネクタ
⇒ ハイエンドCPU用電源の8ピン。ATX12Vと兼用可能な「4ピン+ 4 ピン」もあり。 - PCI Express電源コネクタ
⇒ ミドル~ハイエンド・グラフィックカードの補助電源用に使う - SATA電源コネクタ
⇒ SATA規格のHDD、SSD、光学ドライブに使う - ペリフェラルコネクタ
⇒ 旧規格であるIDEのHDDや光学ドライブなどに使う。今はほぼ使われない。 - FDDコネクタ
⇒ FDD用、内蔵型カードスロット用に使う。現在はほぼ使われない。
プラグイン型の電源ユニットとは
ケーブルの長さにも要チェックです。メーカーPCに搭載されていたものは長さ調整されている場合がほとんど。市販品ではわりと長めのものが多いです。
ケーブルが電源ユニット本体に直結しているタイプを「直結型」といい、すべてのケーブルが本体から着脱できるタイプを「プラグイン型」といいます。また、一部のケーブルだけプラグインできる「一部プラグイン型」があります。PCケース内がケーブルで騒がしくなるようであれば、「プラグイン型」がお勧めです。
プラグイン型の電源ユニット。
ほとんどの電源ユニットが、生産コストの理由もありケーブル「直結型」。
ATXメインコネクタ(マザーボード用電源)
ATXメインコネクタは、マザーボード電源用コネクタでもっとも太いケーブルでまとまっています。このコネクタからは「スタンバイ用電源、チップセット」へ電源供給され、各スロットを介してメインメモリや拡張カードへ電源供給されます。
以前(Pentium 4世代)は20ピンでしたが、2006年ごろ「ATX12Vバージョン2.2」になると、24ピンへ拡張されました。ピンが増えたのは消費電力増加に対応するための拡張仕様です。電源ユニットによって、「20ピン+ 4ピン」の分離可能タイプと、「24ピン固定」のタイプがあります。分離可能タイプであれば20ピンの旧式マザーボードでも接続することができます。
ATXメインコネクタをマザーボードに接続した様子。
スタンバイ用電源、チップセットほか、スロットを介して「メモリ、拡張カード」への電源供給となります。拡張カードでもハイエンドグラフィックカードになると、PCI Express拡張スロットからの電源供給では電源不足になるので、後述するPCI Express電源コネクタによる補助電源が必要になります。
こちらは以前使われていた20ピン。変換コネクタで24ピンにできますが、これを使うぐらいなら電源ユニットを買い換えたほうがいいと思います。
ATX12V(4ピン)と、EPS12V コネクタ(8ピン)
ATX12Vは、CPUに電源を供給するコネクタです。(Pentium 4の市場初投入時、CPU用電源にDC12Vを使うことが策定された)。ATX12Vは、ATXメインコネクタと同じく+12Vですが、ATXメインコネクタとは独立した出力系統になっています。ATX12Vは4ピンのコネクタですが、8ピンであるEPS12Vコネクタとして使えるように「4ピン+ 4 ピン」のコネクタもあります。
ATX12V / EPS12V コネクタをCPU電源供給のために接続。この例ではEPS12V準拠のマザーボードではないので残りの4ピンは余らせておきます。 ATX12Vは4ピンのみの電源ユニットでは、ストレートに4ピンを接続。
EPS12Vコネクタとは (Entry Chassis Power Supplies)
EPS12VコネクタはATX12Vコネクタの後継であり、上位互換を持つ。ATX12Vよりも高い電源供給が可能で、2CPUを搭載するシステムなど+12Vに最も大きな出力が求められる機器で必要となる。サーバーやワークステーションで主に使われる電源仕様。1CPU環境でもオーバークロック動作時、ATX12V(4ピン)では電源不足になる場合もあるため、EPS12Vコネクタを装備するマザーボードが販売されている。ハイエンドマザーボードではEPS12V × 2つを装備する製品がある。
※Server System Infrastructure(SSI) Forumで策定されていることから「SSI EPS 12V」とも呼ばれる。
PCI Express電源コネクタ
ハイエンド・グラフィックカードは、拡張スロット(PCI Express × 16 スロット)からの電源供給では電力不足となるので、補助電源を接続します。その補助電源のコネクタが「PCI Express電源コネクタ」です。
PCI Express電源コネクタはもともと6ピン(75W)ですが、さらに高い電力用に8ピン(150W)も用意されました。どちらにも対応できるように「6ピン+2ピン」で分離可能なコネクタがあります。
6ピンを接続するタイプのグラフィックカード。
「6ピン+2ピン」コネクタなら2ピンが余ります。
6ピンを2コネクタ接続するタイプのグラフィックカード。
ローエンド・グラフィックカードでは、PCI Express × 16 スロットからの電力で対応出来ます。その大本はATXメインコネクタからの電源(マザーボード用電源)。PCI Express電源コネクタによる補助電源は必要ありません。
SATA電源コネクタ
SATA電源コネクタは、SATA規格パーツに使う電源コネクタ。ほとんどが芋づる式で構成されています。電源ユニットでもっとも数の多いコネクタだと思われます。
SATA規格のPCパーツには、HDDやSSD、光学ドライブ、補助電源のいる拡張カード(グラフィックカードを除く)などがあります。たくさん増設して拡張するなら多くのSATA電源コネクタが必要です。
ペリフェラルコネクタ
SATA以前に主流だった、IDE規格のHDDや光学ドライブ用で使われていたコネクタが、4ピンのペリフェラルコネクタです。最新のパソコンでは使われなくなったコネクタです。
変換プラグを用いてSATA電源コネクタやPCI Express電源コネクタにすることが可能。
FDDコネクタ
あまり使われなくなった4ピンのFDDコネクタ。フロッピーディスクドライブや内蔵型カードスロット(ベイアクセサリ)用に使われます。低出力なので出力の大きいデバイスには向きません。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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