Ivy Bridgeマイクロアーキテクチャ(LGA 1155版)
2012年5月に登場したIvy Bridgeマイクロアーキテクチャ(LGA 1155版)。前世代のSandyBridgeの改良版であり、ソケットは変わらずLGA 1155。基本設計に大きな変化はないですが、プロセスルールが32nmから22nmへと微細化されています。それに伴い、性能向上と低消費電力化を図っています。
従来にはなかった3次元構造の「Tri-Gate(トライゲート)トランジスタ」を採用しており、低電圧状態でリーク電流が10分の1に抑えられたとのこと。インテルいわく、前世代よりも同じ消費電力で「性能を約37%アップ」させたとのこと。
開発コード名: | ファミリー | コア数 | プロセス |
Ivy Bridge 2012年5月~ |
Core i7 3700番台 | 4コア/8スレッド | 22nm |
Core i5 3300~3500番台 ※3470Tは除く |
4コア/4スレッド |
||
Core i3 3200番台 | 2コア/4スレッド |
CPUブランドは第3世代Core i7 / i5 / i3となり、それぞれ3000番台のプロセッサナンバーになっています。2012年~2014年ごろまで主流でした。
※Intel 6シリーズ・チップセット採用であれば、互換性によりSandyBridgeプラットフォームに次世代Ivy Bridge (第3世代Core)のCPUが搭載できる。 ただし機能制限が生じる。(Ivy Bridgeの全機能有効にはIntel 7シリーズが必要)
Ivy Bridge(LGA 1155版)の設計
チップセットH77における構成で解説。赤字で記載しているところは、前世代から新たに追加された要素です。メモリはDDR3-1600対応して高速化。低消費電力版のDDR3Lにも対応しています。
PCI Express 3.0に対応し、帯域幅が2倍となっており、グラフィックカードが対応していれば3D処理能力の向上がみられます。チップセットにUSB3.0のコントローラを内蔵し、オンボードでUSB3.0端子を装備します。
- メモリはDDR3-1600対応で、2枚同時挿しのデュアルチャンネルに対応。
- PCI Express 3.0に対応(8GT/秒)
- チップセットにUSB3.0コントローラを内蔵。USB3.0端子が標準搭載となる
- 内蔵グラフィックが強化、DirectX 11に対応 (インテルHDグラフィックス 4000 / 2500)
- Core i7-3000シリーズなどには、動画再生支援にQuick Sync Video 2.0を搭載
- 3次元構造の「Tri-Gate(トライゲート)トランジスタ」を採用
- Z77とH77では、インテル スマート・レスポンス・テクノロジー(ISRT)に対応 ※以前はZ68のみが対応
- ラピッド・スタート・テクノロジー(RST)対応で、休止状態からの復帰を高速化
- Z77では高速インターフェースのThunderboltに対応
- CPUソケットは前世代のSandyBridgeと変わらず、LGA 1155
- CPUに、メモリコントローラとPCI Expressコントローラを内蔵
- 前世代同様、チップセットはDMI2.0で接続。
- 引き続き、SATA 3.0 規格(6Gbps)にネイティブ・サポート
- キャッシュメモリの新構築~LLC(Last Level Cashe)を採用
- HTテクノロジー(ハイパー・スレッディング・テクノロジー)の採用 ※非搭載のファミリーもある
- ターボ・ブースト・テクノロジー2.0 ※非搭載のファミリーもある
SandyBridgeと同じくLGA 1155なので、Ivy BridgeのPCにSandyBridgeのCPUを搭載することが可能。機能を引き継いでいるので、SandyBridgeの解説もあわせてご参考に!
インテル スマート・レスポンス・テクノロジー(ISRT)
ISRTとは、インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジーの追加機能であり、2台のストレージを活用する技術です。SSDをHDDキャッシュとして使用することでシステムの読み込みを高速化します。システムデータそのものはHDDに保存されていますので、SSDの容量の少なさを心配することがありません。ISRTはかつてはチップセットZ68のみの機能でしたが、Ivy Bridgeに引き継がれています。
「Tri-Gate(トライゲート)トランジスタ」
従来にはなかった3次元構造の「Tri-Gate(トライゲート)トランジスタ」を採用しており、低電圧状態でリーク電流が10分の1に抑えられたとのことです。インテルいわく、前世代よりも同じ消費電力で「性能を約37%アップ」させたとのこと。
※リーク電流とは、電流の漏洩であり水で例えると水漏れのようなもの。リーク電流が増すと消費電力も発熱量も増え、回路を傷める原因となる。つまりIvy Bridgeになって、性能の向上と低消費電力が顕著になったと言えます。
SATA3.0(6Gb/s)に対応
内部SATAではSandyBridge設計から引き続き、SATA3.0(6Gb/s)に対応しているので、SSDなど6Gb/s対応ストレージと接続搭載すれば転送速度向上に有利。
PCI Express 3.0へバージョンアップ
グラフィックカードや拡張カードを搭載するPCI Express拡張スロットでは、バージョン「PCI Express 3.0」となっており、「Radeon HD 7000」シリーズような対応グラフィックカードでは3D描画能力の向上が見込めます。
※参考に:バージョンによる転送速度の違い
PCI Express1.0⇒2.5GT/秒、PCI Express2.0⇒5GT/秒、PCI Express3.0⇒8GT/秒)。
Z77では高速インターフェースのThunderboltに対応
Thunderbolt は、双方向(上りと下り)で10Gbps(1.25GB/s)の転送速度。全二重通信。USB3.0よりも2倍の転送速度を持つ。コネクタの形状はモニタ出力でも使われるMini DisplayPortである。(※Thunderbolt ケーブルはMini DisplayPortケーブルとして使えるが、その逆は不可である) Thunderbolt はインテルがアップルと共同開発したもので、データ転送PCI Expressと、映像出力Displayportの技術が使われている。 Thunderbolt 端子から供給できる電源は10W(銅線ケーブルの場合)。1端子で周辺機器を最大6台までデイジーチェーン接続できる。(例えば、PC ⇒ モニタ ⇒ 外付けHDD ⇒ 外付けHDDといった数珠つなぎになる。PCから分岐する必要がない。) 最大伝送距離は銅線ケーブルで3mとされる。※光ファイバー(Optical Thunderbolt ケーブル )で接続すれば、給電能力と最大伝送距離が向上する。 |
第3世代Core i7に内蔵するグラフィック(インテル HDグラフィックス4000)
CPUに内蔵しているグラフィック機能が「インテルHDグラフィックス」です。AMDやNVIDIAの単体GPUが搭載されていないパソコン製品ではこの「CPUに内蔵のグラフィック」が機能します。内蔵グラフィックといってもSandyBridge世代から「CPUコアとの完全統合化」がされているので、従来よりも強力なものとなっています。第3世代Core i7に内蔵するインテルHDグラフィックス4000では、演算ユニットが前世代(2000・3000)と比べると、12基から16基へと増加しています。Direct X 11のサポートもされています。(前世代はDirect X 10.1まで)。
新たに3次キャッシュが追加されているので、CPUコアと共有しているLLC(Last Level Cashe)のアクセスを減らす改良がされています。そして動画再生支援(ハードウェア・エンコーダ)のQuick Sync Videoがバージョン2.0になっています。3D処理能力、エンコード処理能力とも前世代より向上しているうえ、高負荷時の消費電力も大幅に低下させるなどのパフォーマンスが見られます。 ※Ivy Bridge設計でも一部はバージョン1.0のまま
Intel Quick Sync Video とは
Quick Sync Videoは動画再生支援機能。動画編集ではデコードとエンコードの処理が機能強化されています。※「MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVC、VC1」のデコードをハードウェア処理。 「MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVCのエンコード」をハードウェア処理。 さらに処理エンジンである「マルチフォーマットコーデック」を大幅強化。ただ、Quick Sync Videoが利用できるのはHDグラフィックが有効時の時のみで、グラフィックカード(単体GPU)を使用しているときは、Intel Quick Sync Videoが機能しません。
TDP (熱設計電力)
メインストリームの上位CPUではTDP 77Wで、その省電力版であるSシリーズが65W。Tシリーズは超省電力版であり、35~45W。SシリーズおよびTシリーズは一体型パソコンで使われている。下位のPentium 、Celeron では通常版でも省電力版以下。
末尾のアルファベット(サフィックス) | 例 | TDP |
無し:通常版 K:倍率ロックフリー(オーバークロック可能) S:省電力版 T:超省電力版 |
Core i7-3770、3770K Core i5-3330、3470、3570、3570K |
77W |
Core i7-3770S Core i5-3340S、3570S |
65W | |
Core i3-3250、3220、3240 Pentium G2130、G2020 Celeron G1620 |
55W | |
Core i7-3770T Core i5-3570T |
45W | |
Core i5-3470T Core i3-3250T Pentium G2120T、G2020T Celeron G1620T |
35W |
第3世代インテル Core i7-3000番台
3世代のCore i7は、4コア実装のクアッドコア。HTテクノロジーで8スレッド動作。 3次キャッシュ(LLC)は8MB。ターボ・ブースト2.0(略:TB)搭載。 末尾のKはオーバークロック向け倍率ロックフリー。末尾のSは低消費電力版、末尾のTは超低電力版。
ファミリー | コア数と スレッド数 |
クロック (TB最大時) |
3次 キャッシュ |
内蔵GPU(最大時) | プロセス |
Core i7 3770K | 4コア/ 8スレッド |
3.5GHz (3.9GHz) |
8MB | HDグラフィックス 4000 (1,150MHz) |
22nm |
Core i7 3770 | 4コア/ 8スレッド |
3.4GHz (3.9GHz) |
8MB | HDグラフィックス 4000 (1,150MHz) |
|
Core i7 3770s | 4コア /8スレッド |
3.1GHz (3.9GHz) |
8MB | HDグラフィックス 4000 (1,150MHz) |
|
Core i7 3770T | 4コア/ 8スレッド |
2.5GHz (3.7GHz) |
8MB | HDグラフィックス 4000 (1,150MHz) |
第3世代インテル Core i5-3000番台
3世代のCore i5は、ほとんどが4コア実装のクアッドコア。HTテクノロジー非搭載。3次キャッシュ(LLC)はほとんどが6MB。ターボ・ブースト2.0(略:TB)搭載。
ファミリー | コア数とスレッド数 | クロック (TB最大時) |
3次 キャッシュ |
内蔵GPU (最大時) |
プロセス |
Core i5 3570K | 4コア/ 4スレッド |
3.4GHz (3.8GHz) |
6MB | HDグラフィックス 4000 (1,150MHz) |
22nm |
Core i5 3570T | 4コア/ 4スレッド |
2.3GHz (3.3GHz) |
6MB | HDグラフィックス 2500 (1,150MHz) |
|
Core i5 3550 | 4コア/ 4スレッド |
3.3GHz (3.7GHz) |
6MB | HDグラフィックス 2500 (1,150MHz) |
|
Core i5 3550S | 4コア/ 4スレッド |
3.0GHz (3.7GHz) |
6MB | HDグラフィックス 2500 (1,150MHz) |
|
Core i5 3450 | 4コア/ 4スレッド |
3.1GHz (3.5GHz) |
6MB | HDグラフィックス 2500 (1,100MHz) |
|
Core i5 3450S | 4コア/ 4スレッド |
2.8GHz (3.5GHz) |
6MB | HDグラフィックス 2500 (1,100MHz) |
第3世代インテル Core i3-3000番台
3世代のCore i3は、2コア実装のデュアルコア。HTテクノロジーで4スレッド動作。3次キャッシュ(LLC)は3MB。ターボ・ブースト2.0(略:TB)は無し。
ファミリー | コア数とスレッド数 | クロック (TB最大時) |
3次 キャッシュ |
内蔵GPU (最大時) |
プロセス |
Core i3 3240 | 2コア/ 4スレッド |
3.4GHz (-GHz) |
3MB | HDグラフィックス 2500 (1,050MHz) |
22nm |
Core i3 3220 | 2コア/ 4スレッド |
3.3GHz (-GHz) |
3MB | HDグラフィックス 2500 (1,050MHz) |
|
Core i3 3210 | 2コア/ 4スレッド |
3.2GHz (-GHz) |
3MB | HDグラフィックス 2500 (1,050MHz) |
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