Inspiron 15のパフォーマンス
廉価構成により最安値で購入できる15.6インチ・エントリーノート!Inspiron 15のパフォーマンスを調べてみました。ネット程度ではなく、高精細2Dコンテンツ(ブルーレイや地デジなど)にも充分な性能です。2012年7月に発売。レビューは2012年8月時点。 【Inspiron 15 (Inspiron 3520)購入チャンス情報!】
今回レビューしているInspiron 15の構成 (Core i5-3210M搭載)
今回レビューしているInspiron 15の構成で、パフォーマンスをチェックしてみました。今回はCore i5-3210M搭載なので、「2コア実装、HTテクノロジーによって4スレッド動作」します。ターボ・ブースト・テクノロジーによってクロック数は最大3.1GHz。Core i5-3210Mにはグラフィック機能としてインテル HDグラフィックス4000を内蔵しています。。Inspiron 15のポジションからして単体GPUを搭載することはないと思われます。
今回のレビュー機は2012年8月時点の最高構成です。同スペック構成のInspiron 15R(5520)と比較しても微々たるプライスダウンしか見られませんでした。この構成なら正直Inspiron 15R(5520)のほうがお得です。
2012年7月発売のDELL最安値15.6インチノート。同世代モデルと最小構成で比較するなら最安値となるエントリーノート。USB 2.0端子を3つ装備。USB3.0は非搭載。メモリクロックが同世代としては低い1333MHz。サウンドシステムにWaves MaxxAudio 3 採用。(2012年8月時点) |
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OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit | |
液晶ディスプレイ | 15.6インチ光沢液晶/(1366x768) | |
プロセッサ | インテル Core i5-3210M (2.5GHz, 3MB キャッシュ) ※クロック数最大3.1GHz |
7.1 |
メモリ | 4GB (4GBx1) DDR3-SDRAMメモリ 1333MHz メモリ | 5.9 |
グラフィックス | インテル HDグラフィックス4000 | 4.7 |
ゲーム用 グラフィックス |
6.2 | |
プライマリ ハードディスク |
500GB SATA HDD(5400回転) | 5.9 |
Ivy Bridge設計のCore i5-3210Mのスコアは高く、7.1もあります。音楽ファイルのエンコード、地デジやブルーレイのような高精細コンテンツでも充分すぎる性能です。本格3Dゲームをやらない限りは、エントリーモデルといっても侮れない性能です。DDR3-SDRAMメモリが1600MHzではなく1333MHzというのが、エントリーっぽいですね。
本来なら「レビュー時点の最小構成で、Pentium B970搭載だったらどんなパフォーマンスか」を紹介できたほうが効果的なレビューだったのですが、今回は中途半端な構成ですみません。ただし、個人的にはPentiumはお勧めしません。少しばかり安くなりますが、Core i3やi5よりも大きくパフォーマンスが落ちるからです。
Ivy BridgeはSandyBridgeの改良版なので、アーキテクチャ(基本設計)に大きな変化がないものの、新たに22mmプロセスルールの微細化設計となっており、物理的な互換性は保たれています。従来にはなかった3次元構造の「Tri-Gate(トライゲート)トランジスタ」を採用しており、低電圧状態でリーク電流が10分の1に抑えられたとのことです。インテルいわく、前世代よりも同じ消費電力で「性能を約37%アップ」させたとのこと。
※リーク電流とは、電流の漏洩であり水で例えると水漏れのようなもの。リーク電流が増すと消費電力も発熱量も増え、回路を傷める原因となる。つまりIvy Bridgeになって、性能の向上と低消費電力が顕著になったと言えます。
CPUパッケージ内部には命令を実行するコアがあります。シングルコア(1コア)を高クロック化して処理能力を高めると、消費電力と熱暴走の問題があります。そこでマルチコア化(複数コア化)です。クロック数はほとほどにしておいて、CPUコアを増やすことで「仕事を複数同時処理してしまおう」というアイデアです。複数同時処理のことをマルチスレッドといいます。ただし、アプリ側もマルチスレッド対応でないと効果は発揮できません。
HTテクノロジーは擬似的にCPUコア数を倍増させる技術で、1コアに対して2スレッド動作をさせます。4コアであれば8スレッドということです。HTテクノロジーの仕組みは次の通り。
CPUコアには元々、並列処理が可能な演算機構が備わっていますが、1コアに対し命令の流れが1系統だと処理内容によって待機状態の演算機構が生じます。これは勿体無いということで、 命令の流れを2系統にすることで、待機状態の演算機構を極力減らし効率よく処理していきます。1コアに対し命令の流れが2系統なので、2スレッド処理なのです。擬似とはいえ、OSやソフトウェアからは2コアとして認識されます。HTテクノロジーだと1コアがビジーなので物理的に2コアのほうが優位ですが、それでも1コアを有効的に処理させる技術です。
HTテクノロジーによって速度が2倍になるわけではなく、あくまで効率化です。内容にもよりますが、マルチスレッド対応のソフトなら30%ぐらいのパフォーマンスアップを期待してもいいでしょう。
2008年以降、インテルが採用を始めたターボ・ブースト・テクノロジーは、自動でクロック数(動作周波数)を上げる機能です。マルチコア化しても、依然とクロック数の高さがモノをいいます。 マルチコアに対応していないシングル・スレッドのソフトでは、単にクロック数の高いCPUのほうが処理が速いです。 音楽管理ソフト等ではマルチコアに対応していないものが多く、マルチコア化しても恩恵はありません。 そこで役立つのが、ターボ・ブースト・テクノロジーです。 マルチコアが効率的でないと判断されたときは、一部のコアをOFFにして、残った一部のコアのクロック数を上げます。一見、オーバークロックのように思えますが、定格内のクロックアップなので消費電力や発熱のリスクがほとんどありません。
ターボ・ブースト・テクノロジー2.0
2011年のSandyBridge設計以降、ターボ・ブースト・テクノロジー2.0が採用されています。クロックアップの仕組みは各CPUに定められた倍率を変えることです。ターボ・ブースト機能は電流や電力はもちろん、温度を監視した上で倍率を変化させています。電流の量が基準を超えた場合、上昇させた倍率を下げて熱暴走を回避させます。これが従来からあるターボ・ブーストです。しかし、電流量が基準を超えてもすぐに熱が上昇するわけではありません。ターボ・ブースト・テクノロジー2.0ではそのタイムラグを利用し、すぐには倍率を下げません。これが倍率上限を少しでも長く持たせる仕組みで、いわゆる「踏ん張り機能」が追加されています。
CPUに内蔵しているグラフィック機能が「インテルHDグラフィックス」です。AMDやNVIDIAの単体GPUが搭載されていないパソコン製品ではこの「CPUに内蔵のグラフィック」が機能します。内蔵グラフィックといっても「CPUコアとの完全統合化」されているので、従来よりも強力なものとなっています。インテルHDグラフィックス4000では、演算ユニットが前世代(2000・3000)と比べると、12基から16基へと増加しています。Direct X 11のサポートもされています。(前世代はDirect X 10.1まで)。
新たに3次キャッシュが追加されているので、CPUコアと共有しているLLC(Last Level Cashe)のアクセスを減らす改良がされています。そして動画再生支援(ハードウェア・エンコーダ)のQuick Sync Videoがバージョン2.0になっています。3D処理能力、エンコード処理能力とも前世代より向上しているうえ、高負荷時の消費電力も大幅に低下させるなどのパフォーマンスが見られます。
※Intel Quick Sync
Video とは
Quick Sync Videoは動画再生支援機能。動画編集ではデコードとエンコードの処理が機能強化されています。※「MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVC、VC1」のデコードをハードウェア処理。 「MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVCのエンコード」をハードウェア処理。 さらに処理エンジンである「マルチフォーマットコーデック」を大幅強化。ただ、Quick Sync Videoが利用できるのはHDグラフィックが有効時の時のみで、グラフィックカード(単体GPU)を使用しているときは、Intel Quick Sync Videoが機能しません。
CINEBENCH R10のベンチマークCINEBENCH R10は、Cinema 4Dをベースとしたベンチマークソフトです。そのCinema 4Dというのは映画・テレビ業界・ゲーム制作・建築で採用されている3Dソフトです。マルチコアに最適化されているので、クロック数の高さだけでなくマルチスレッドでの能力を測ることができます。レンダリングにかかる時間を測定するテストですが、主にCPU性能を比較することができます。 |
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CINEBENCH R10のスコア | ||
CPUベンチマーク | 処理時間⇒1分19秒 スコア⇒11109 |
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OpenGL | スコア⇒4887 | |
【Inspiron 15評価】 2009年の主力だったCore 2 Duo P8700 で処理時間⇒2分33秒 なので、これよりも速い。2010年~2011年ごろのハイスペックノートでCore i7-740QM搭載のXPS 17 (L701x) と同じ処理時間でした。 |
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ストリートファイター4 のベンチマーク2009年にPC版が登場した対戦型格闘ゲーム、ストリートファイター4にてベンチマークテストを行なっています。2次元の操作ではありますが、描写は3Dという珍しいゲームです。高スペックが要求される本格PCゲームの中では、求められるスペックが比較的低めです。 |
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ストリートファイター4のベンチマーク結果 設定解像度 1280×720 ウィンドウ表示 | ||
RANK D ⇒ プレイできるが、処理が重くなることがある。 スコア 8007 AVERAGE 36.59 FPS |
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【Inspiron 15評価】 まだ、単体GPUなしでは本格ゲームに十分なパフォーマンスを得られませんが、インテルHDグラフィックスも3世代目となり着実にパファーマンスアップしています。ブルーレイなど2D高精細コンテンツには充分な性能があります。 ※GeForce 8600M GT 256MBを搭載するInspiron 1520(2007年6月発売)がAVERAGE 24.77 FPSだったので、数年前のメインストリームクラスの単体GPUよりも高い性能を示しています。 |
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Inspiron 15にて、2D高精細コンテンツでのパフォーマンス
究極の2D高画質である映像素材「Pioneer Visual Material」のMovie01を再生してみました。Movie01は「AverageRate 50Mbps、MaxRate 70Mbps/VBR」という通常のBDタイトルを超える転送レートです。
※通常のBDタイトルの場合は、MaxRate 40Mbpsで制限されている。
この高画質デモンストレーションテスト映像が滑らかに再生できれば、2D高精細コンテンツでのパフォーマンスに文句なしというわけです。Inspiron 15で「Pioneer Visual Material」のMovie01を再生してみたところ、コマ落ちなく再生。2D高精細コンテンツでの娯楽を楽しみたい方なら、充分なパフォーマンスであることを実感。本格3Dゲームをやらないなら、まったくの問題なし。こういった面からPentiumの搭載はお勧めできません。Core iシリーズの搭載にしておくべきです。
Inspiron 15の消費電力
今回の構成でのInspiron 15にて消費電力をちらっとチェック。アイドル値では14Wほど。CINEBENCH R10のベンチ中で35Wほど。スト4では44Wほど。全般的に省エネですね。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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