DELL Vostro 260sのデザイン
インテルH61チップセットを採用したSandyBridge設計のVostro 260sは、縦置き・横置き可能なので、その様子やデザインをレポート。また、初心者向けにSandyBridge設計の概要を解説しています。そしてVostro 260s前面のインターフェースを紹介。
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縦置き・横置き可能、スリムタワーのVostro 260s
2011年5月に発売したDELL Vostro 260sをレビュー紹介します。Vostro 260sは法人向けデスクトップですが、個人も購入できるので検討してみてください。(法人名を個人名記入で購入可能。)
Vostro 260sの特長をまとめると次の通り。インテルH61チップセットを採用したSandyBridge設計で、第2世代Core i3/ i5、ほか、Pentium、Celeronといった廉価CPUの搭載も可能。最小構成で3万円台と格安プライスですが、長期的な使用を考えると、少々コストアップしてもCore i3かCore i5の搭載がお勧めです。Pentium、CeleronよりもCore iシリーズのほうが目に見えて高性能です。
スリムタワーなので設置しやすい筐体。しかも横置きが可能なため設置場所が柔軟に選べます。光学ドライブベイとHDDベイでは、ネジ・工具フリーの構造になっており、メンテナンスや換装が楽に行えます。グラフィックカードにはロー・プロファイルのAMD Radeon HD6450が搭載できるので、ちょっとしたグラフィック性能の向上が可能です。ただ、250W電源であり、仮に自分で改造するにしても本格ゲームPCにするには無理があります。基本、エントリー機種です。小型の部類なので拡張性は控えめです。
※今回のVostro 260sレビューは、手元にある実機および、2012年2月時点の情報です。最新のカスタマイズ仕様等はDELLサイトにてご確認ください。今回紹介するVostro 260sの構成は以下のとおりです。
Vostro 260s 2011年5月発売のビジネス・スリムタワー。SandyBridge設計で、チップセットにはインテルH61採用。第2世代Core i3/ i5、Pentium、Celeron搭載可能。縦置きだけでなく横置きも可能で、ドライブベイは工具フリーの簡単メンテナンス構造。最小構成なら3万円台から購入できる格安モデル。グラフィックカードにロー・プロファイルのAMD Radeo HD 6450が搭載可能。(2012年2月時点) |
||
OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit | |
プロセッサ | インテル Core i5-2400s (2.5GHz , 6MB キャッシュ) ※クロック数最大3.3GHz |
7.3 |
メモリ | 4GB (2GBx2) DDR3-SDRAMメモリ | 7.5 |
グラフィックス | ATI Radeon HD 6450 1GB | 5.0 |
ゲーム用 グラフィックス |
6.3 | |
プライマリ ハードディスク |
500GB SATA HDD(7200回転) | 5.9 |
Vostro 260sの仕様では、わりと高スペックな構成となっています。Core i5-2400sは7.3と高いスコアです。グラフィックカードにATI Radeon HD 6450 1GBを搭載で、ゲーム用グラフィックスは6.3あり、エントリー機としてはまずまず高いスコア。ただ、CPUに内蔵するインテル HD2000グラフィックスもなかなかのパフォーマンスを持っているので、ビジネス用PCにローエンド・グラフィックカードを搭載すべきか、少々悩むところです。ベンチマークテストの結果は後に紹介します。
Core i5-2400sについて
Core i5-2400sの詳細。4コア実装の4スレッド動作。設計はSandyBridgeでプロセスルールは32nm。3次キャッシュはCore i3の倍あり、6MB。クロック数は2.5GHz ですが、ターボブーストテクノロジーによって最大3.3GHzまでクロックアップします。
SandyBridge仕様のCPUについて解説します。(図はクアッドコアの場合)。
かつてノースブリッジと呼ばれていたチップセットが廃止され、その機能をCPU内に内蔵しています。よって、メモリやグラフィックカード(GPU)に直接CPUがアクセスできる仕組みになっています。
キャッシュメモリの新構築、LLC(Last Level Cashe)
CPUのキャッシュメモリにも新構築が見られます。前世代では各コアが共有する3次キャッシュでしたが、新たにLLC(Last Level Cashe)を採用し、リングバスによるキャッシュの接続を行っています。ゆえに高速なデータ帯域を実現。ショートカットが可能なため、一般的なリングバスよりもムダのない構造です。
このLLCは、CPUコアと内蔵GPUが共有して使うことができます。 CPUは3次キャッシュとして使い、残った分を内蔵GPUが2次キャッシュとして使います。
拡張命令が一新、Intel AVXへ
これまで拡張命令にSSEが採用されていましたが、Sandy BridgeからはAVXを新たにサポート。OSではWindows 7 SP1からサポートされます。AVXではベクトル幅を256bitに拡張。(SSEでは128bit)。今後、ソフトウエアがAVXの拡張命令に対応することで、益々の高速化が期待できます。なお、従来の命令でもパフォーマンスアップがみられ、浮動小数点演算で約23%アップというレポートがあります。 また、Sandy Bridgeで一部CPUには暗号処理高速化命令(AES-NI)も導入。
ターボ・ブースト 2.0により、自動クロックアップが強化
Nehalem時代のCPUから「ターボ・ブースト・テクノロジー」があり、必要に応じて各コアを自動クロックアップしました。定格よりクロック数を上げることで、マルチコア対応していないソフトでも高速処理が可能でした。そしてSandy Bridgeからはターボ・ブースト 2.0とバージョンアップ。※ただし、Core i3では下位のために省かれています。
ターボ・ブースト 2.0の進化ポイントは、CPUとHDグラフィックスの統合により、両方がクロックアップすることです。(以前では、クロックアップするならCPUかHDグラフィックスのどちらかでした。)
クロックアップの仕組みは各CPUに定められた倍率を変えることです。ターボ・ブースト機能は電流や電力はもちろん、温度を監視した上で倍率を変化させています。電流の量が基準を超えた場合、上昇させた倍率を下げて熱暴走を回避させます。これが従来からあるターボ・ブーストです。しかし、電流量が基準を超えてもすぐに熱が上昇するわけではありません。ターボ・ブースト 2.0ではそのタイムラグを利用し、すぐには倍率を下げません。これが倍率上限を少しでも長く持たせる仕組みで、いわゆる「踏ん張り機能」が追加されています。
ATI Radeon HD 6450について
今回のVostro 260sには、ATI Radeon HD 6450のグラフィックカードを搭載。スペック詳細は上記の通り。開発コードネーム「Caicos」(カイコス)と呼ばれるGPUで、HD 5450の後継。シューダー数がHD 5450の倍で160基となっていますね。長期的に使うということで、グラフィック性能もアップするなら搭載しておいて損はないでしょう。
サイズ・重量、および横置きの様子
高さ: 360 mm 、幅: 102 mm 、奥行き: 433.1 mm 。重量: 約7.6 kg 。
ミニタワーのXPS 8300と比べても、その半分のスリムさ。幅はたったの約10センチ。ただし、奥行きはさほど差がありません。
右側面に4箇所スタンドゴムが設置されているので、横置きができます。
横置きにしても違和感のないデザイン。
DELLロゴは、任意で向きを変えられます。2本指で押さえつけて回転させますが、少々固めです。
横置きにしても、横幅と比べて奥行きは結構あります。そして左側面に見える縦置き用のスタンドゴムが少々不恰好なのは愛嬌ということで。
下段および上段に吸気口を配置。
前面インタフェース
Vostro 260sを縦置きに戻して、前面のインターフェースを紹介します。前面パネルは台形デザインとなっており、上部左側にVostroのロゴがあります。
光学ドライブは1台搭載。フレックスカバーはなく、光学ドライブのベゼルがそのままむき出しになっているデザイン。
LEDで点灯する電源ボタン。正方形でメッキ加工されています。
光学ドライブのイジェクトボタン。その下の丸いのはHDDアクセスライト。そして8規格対応カードスロットを標準装備。
オーディオ端子と、USB2.0端子を2基装備。
光学ドライブを引き出した様子。
回転可能なDELLロゴ。メッキ加工されています。
おまけ。横置きにした時の、前面主要インターフェース。
側面
左側面パネルは、CPUとグラフィックカード・エリアに2ヶ所通気口を配置。
エンボス加工のVostroロゴ。
右側面は横置き用のスタンドゴムの配置のみ。鉄板部分に通気口はなく、前面パネル部分に通気口を配置。
次は、Vostro 260sの背面インターフェースを探る
【Vostro 260s レビュー項目一覧】