濃厚レビュー:DELL Vostro 3350
DELLの法人ビジネスノート、Vostro 3350を調べます。特長から購入ポイントをガイド。当サイト、納得パソコン購入術!パソ兄さんはDELLパソコンを中心としたレビューサイトです。実機をもとにレポートおよび感想を述べていますので、リアルな情報をお届けできます。
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13.3インチビジネスノート、Vostro 3350
2011年3月22日に発売した、13.3インチ・ビジネスノートのDELL Vostro 3350を紹介します。Vostro 3300の後継機であり、設計はSandyBridgeとなりました。堅固なアルミ素材を用いた天板、ディスプレイのヒンジ(蝶番部分)には強化メタルを採用。購買サイクルの点を考慮した耐久設計であり、長期的な使用が期待できます。32bitおよび64bitのOSが選べるので、使用環境に応じた選択が可能です。また、5万円台あたりから購入できるコストパフォーマンスもポイントです。
Vostro 3350は法人モデルで表向きは法人向け販売ですが、実は個人ユーザーでも購入できます。法人名欄を個人名で注文すればOKです。DELLの個人向けモデルにはない仕様があるので、検討してみてください。
※情報はVostro 3350の実機を元にレビューしております。構成やカスタマイズ仕様等は2012年2月時点になりますので、その後の仕様変更にはお気をつけ下さい。最新情報はDELLサイトにてご確認ください。
高速インターフェースのUSB3.0および、eSATA端子を装備しており、大容量バックアップもストレス無し。モニタ外部出力にはHDMIとVGAも装備するため、新旧の映像周辺機器に対応できます。VGAが淘汰されていく個人モデルと違って、この辺はビジネスモデルっぽいです。
サイズは、幅:329.2 mm × 高さ: 27.3 mm~29.8 mm × 奥行き: 228.5 mm 。
最小重量: 2.04 kg(4セルバッテリ搭載時) 。2kgそこらなのでモバイル使用でも無理のない重量と言えるでしょう。
天板およびディスプレイ
アルミボディの天板ではカラーバリエーションがあり、ルーサンレッド、ブリスベンブロンズ、アバディーンシルバーの3色から選択できます。写真はアバディーンシルバー。
指紋が付きにくく、プラスチック素材と違って傷がつきにくい特性があります。見た目の高級感もあります。
強化メタルヒンジ構造。
ディスプレイを最大まで開いた様子。通常の使用であれば180度まで開く必要はないでしょう。今回は8セルバッテリーを搭載しているので、キーボードが勾配になっており操作がしやすいです。好みはあるでしょうけど・・。標準は4セルバッテリです。
13.3インチのディスプレイはビジネスに適した非光沢液晶。解像度は15.6インチノートに多い1366x768。
HD Webカメラをディスプレイのベゼルに内蔵。カメラの左右にデジタルアレイマイクを搭載しており、会議室のような集音しにくい場所でも問題ないとのこと。
ベゼルの下部には、メッキ加工のDELLロゴ。
パフォーマンス
今回レビューしているVostro 3350の構成は以下の通り。構成次第でパフォーマンスは変わります。ほとんどのビジネスでは不服のない性能といえます。
- | DELL Vostro 3350 2011年3月発売の13.3インチノート。SandyBridge設計で、第2世代Core i3 / i5 / i7が搭載可能。グラフィックにはAMD Radeon HD 6490M GDDR5 512MB が搭載可能。(2012年2月時点)アルミ製天板に強固なメタルヒンジ構造。モバイルメインノートと言えど、USB3.0やeSATA端子を装備する充実インターフェース。HDMIとVGA端子もあり、新旧の映像周辺機器にも対応できる。 |
|
OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit | |
液晶ディスプレイ | 13.3インチWLED非光沢液晶(1366×768) | |
プロセッサ | インテル Core i5-2540M (2.6GHz, 3MB キャッシュ) ※クロック数最大3.3GHz |
7.1 |
メモリ | 4GB DDR3-SDRAMメモリ | 5.9 |
グラフィックス | インテル HDグラフィックス 3000 | 5.6 |
ゲーム用 グラフィックス |
6.4 | |
プライマリ ハードディスク |
320GB SATA HDD(5400回転) | 5.9 |
チップセットに、モバイルインテル HM67 Expressを採用のSandyBridge設計。今回は2コア4スレッドのCore i5-2540Mを搭載しており、スコアが7.1と非常に高い。
ほか、Corei3-2350M、Core i7-2640M が搭載でき、低価格でありながら、しょぼいCeleronやPentiumでないグレードの高さが良いです。
単体GPUにAMD Radeon HD 6490M (GDDR5 512MB) が搭載できますが、今回のレビュー機では単体GPUなしの構成。よって、CPUに内蔵するインテル HDグラフィックス 3000 がグラフィック機能となっています。
画像を一度にたくさん開く方や、グラフィック性能で長期的な使用を考慮しているなら、AMD Radeon HD 6490Mを搭載しておいたほうがいいでしょう。
AMD Radeon HD 6490Mを搭載した場合、消費電力が気になりますが、ATI HD Switchable Graphicsテクノロジーがあるので省エネ対策がされています。低負荷の場合はインテル HDグラフィックス 3000に自動で切り替わります。バッテリ持続時間を最適化されています。
ネットや表計算がほとんどならインテル HDグラフィックス 3000で充分。インテル HDグラフィックス 3000でもブルーレイのような高精細コンテンツに対応できる性能はありますからね。
SandyBridge設計のCPUについて
CPUとGPU(グラフィック・コア)との結合
SandyBridge仕様のCPUについて解説します。(図はクアッドコアの場合)。
もっとも大きな特徴としては、内蔵GPU(グラフィック)とCPUコアの完全統合化です。前世代(Nehalemマイクロアーキテクチャ・Clarkdale)でも内蔵GPUはありました。しかし、CPUパッケージ内に同梱されているだけで、CPUコアとは分離していました。
SandyBridgeでは統合化された上、内蔵GPUである「インテルHDグラフィックス」も2世代目となり、グラフィック性能が向上しています。
内蔵グラフィック、インテル HD グラフィックスのグレードアップ
CPUに内蔵するのグラフィック機能(GPU)はインテル HD グラフィックスと呼ばれ、Nehalemプラットフォームから始まりました。これにより、グラフィックカードを搭載しなくても、ブルーレイなどのフルHDコンテンツを再生するグラフィック性能を持ちました。しかし、Core i7では非搭載で下位であるCore i5/i3に内蔵していました。後継であるSandy BridgeではCore i7を含め、すべてのシリーズにHD グラフィックスを内蔵。機能も強化され、HDグラフィックス 3000および、HDグラフィックス 2000が新たに登場。
実行ユニット数は、HDグラフィックス 3000が12基,2000は6基。
インテル サイトでは「前世代のインテル HD グラフィックスよりも最大3倍以上のパフォーマンス」と公称しています。
また、前世代との大きな違いは、CPUコアとの完全統合化です。CPUとHD グラフィックスが緊密関係にあるため、性能が向上しています。※前世代はCPU製品内部で同梱しただけで、構造的に分離していました。キャッシュメモリには新たにLLC(Last Level Cache)が採用され、CPUとHD グラフィックスが共有して処理を高速化しています。
LLCは従来の3次キャッシュに相当するものです。
Direct 10.1に対応。HDMI1.4にも対応したので3D映像の出力も可能。現行のローエンド・グラフィックカードに近い性能があり、フルHDコンテンツでは益々安定した動作が期待できます。(HDグラフィックス 3000なら、RADEON HD 5450のグラフィックカードとほぼ同等らしい。)
これまで初心者でも「念のためローエンドグラフィックカードでも搭載してけば安心」という風潮がありましたが、それも無くなりそうです。
ただし、ハイレベルな3Dゲームが遊べるほどではないので、ゲームユーザーならび中級~上級者はグラフィックカードの搭載が必須。その点、グラフィックカードを搭載するつもりがないエントリーユーザーにはかなり恩恵がかなりありますね。
キャッシュメモリの新構築、LLC(Last Level Cashe)
CPUのキャッシュメモリにも新構築が見られます。前世代では各コアが共有する3次キャッシュでしたが、新たにLLC(Last Level Cashe)を採用し、リングバスによるキャッシュの接続を行っています。ゆえに高速なデータ帯域を実現。ショートカットが可能なため、一般的なリングバスよりもムダのない構造です。
このLLCは、CPUコアと内蔵GPUが共有して使うことができます。 CPUは3次キャッシュとして使い、残った分を内蔵GPUが2次キャッシュとして使います。
拡張命令が一新、Intel AVXへ
これまで拡張命令にSSEが採用されていましたが、Sandy BridgeからはAVXを新たにサポート。OSではWindows 7 SP1からサポートされます。AVXではベクトル幅を256bitに拡張。(SSEでは128bit)。今後、ソフトウエアがAVXの拡張命令に対応することで、益々の高速化が期待できます。なお、従来の命令でもパフォーマンスアップがみられ、浮動小数点演算で約23%アップというレポートがあります。 また、Sandy Bridgeで一部CPUには暗号処理高速化命令(AES-NI)も導入。
ハードウエアによるデコード・エンコード処理機能/intel Quick Sync Video
HD グラフィックスでは、動画編集では要であるデコードとエンコードの処理が機能強化されています。処理エンジンである「マルチフォーマットコーデック」を大幅強化。ブルーレイ映画を観るユーザーなら、動画再生支援にQuick Sync Videoが備わっていると思えばいいでしょう。
Quick Sync Videoでは、次のフォーマットに対しハードウエア処理が可能です。
MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVC、VC1のデコードをハードウェア処理。
MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVCのエンコードをハードウェア処理。
Quick Sync Videoが利用できるのはHDグラフィックが有効時の時のみ。グラフィックカードを使用しているときは、意味をなしません。
ターボ・ブースト 2.0により、自動クロックアップが強化
Nehalem時代のCPUから「ターボ・ブースト・テクノロジー」があり、必要に応じて各コアを自動クロックアップしました。定格よりクロック数を上げることで、マルチコア対応していないソフトでも高速処理が可能でした。そしてSandy Bridgeからはターボ・ブースト 2.0とバージョンアップ。※ただし、Core i3では下位のために省かれています。
ターボ・ブースト 2.0の進化ポイントは、CPUとHDグラフィックスの統合により、両方がクロックアップすることです。(以前では、クロックアップするならCPUかHDグラフィックスのどちらかでした。)
クロックアップの仕組みは各CPUに定められた倍率を変えることです。ターボ・ブースト機能は電流や電力はもちろん、温度を監視した上で倍率を変化させています。電流の量が基準を超えた場合、上昇させた倍率を下げて熱暴走を回避させます。これが従来からあるターボ・ブーストです。しかし、電流量が基準を超えてもすぐに熱が上昇するわけではありません。ターボ・ブースト 2.0ではそのタイムラグを利用し、すぐには倍率を下げません。これが倍率上限を少しでも長く持たせる仕組みで、いわゆる「踏ん張り機能」が追加されています。
HTテクノロジー(ハイパースレッディング・テクノロジー)
一部モデルは除き、HTテクノロジー( Hyper-Threading Technology)も健在です。HTテクノロジーは1コアに対し2スレッド動作させる技術。4コア実装であれば8スレッド動作し、擬似的に8コアとして認識されます。2コアなら擬似4コアですね。マルチコア対応ソフトであれば有効的な機能です。
HTテクノロジーとは、命令の流れを2系統にすることで待機状態の演算機構を極力減らし、1コアに対し2スレッド処理させる技術。略さないで読むと「ハイパー・スレッディング・テクノロジー」といいます。4コア実装でもHTテクノロジーがあれば、8スレッドで動作します。つまり、システムは8コアのつもりで動作するわけです。そういったニュアンスから擬似8コアなんて呼び方もされます。
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