HDDの容量や構造、規格など

HDDの年代別における主流となった容量や、機械式駆動による構成パーツの紹介。インターフェース(IDEとSATA)とその転送システムの違いを解説。※ちなみに当サイトは、DELLユーザーによるパソコン購入&パソコン知識ガイド。

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記録装置HDDについての概要

HDD(ハードディスク)は、記録媒体となる磁気ディスク(プラッタ)
HDD(ハードディスク)は、記録媒体となる磁気ディスク(プラッタ)と読み書きする磁気ヘッドから構成される記録装置です。ストレージとも呼ばれます。
同じ役割をするストレージとしてSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)がありますが、こちらはメモリチップと基盤で構成されており、HDDと構造が異なります。HDDよりも高速、無音、低発熱というメリットがありますが、容量単価が高く、繰り返し記録の耐久性が弱いこともあり、HDDにとって変わることはありません。HDDは大容量データのバックアップとして重宝されるパーツです。

年代別、主流となった容量(個人的見解)
デスクトップ ノートパソコン
2005年 80GB~160GB 40GB~60GB
2006年 160GB~250GB 60GB~80GB
2007年 250GB~320GB 80GB~120GB
2008年 320GB~500GB 120GB~250GB
2009年 500GB~1.5TB 250GB~500GB
2010年 500GB~2.0TB 320GB~640GB
2011年 1GB~2.0TB 500GB~750GB

HDD導入の際は必要な容量が最優先ですが、一般的にお得と言えるのが1GBあたりの単価が安いHDDです。選択に迷ったら、もっとも流通している容量のHDDがいいでしょう。

HDD分解
記録媒体となる磁気ディスク(プラッタ)と磁気ヘッドの構成。モーター駆動でプラッタを回転させ、磁気ヘッドが読み書きを行う機械式駆動のため、使用頻度による摩耗が激しく、パソコンパーツで短命なパーツになります。貴重なデータをバックアップしているため、こまめにバックアップを取っておくことが上手な付き合い方です。基本的には異音を感じたら故障の兆候と理解しておきましょう。

制御基板

基板が設置
背面には基板が設置されています。

モータードライバ、キャッシュメモリ、HDDの頭脳となるチップ
ハードディスクの制御基板
基板には、コネクタ並びに、モータードライバ、キャッシュメモリ、HDDの頭脳となるチップが配置されています。HDDはCPUとのアクセスに時間がかかるため、HDDよりも高速のメインメモリが中継しています。しかし、HDDにもキャッシュメモリを搭載しており、なるべく高速アクセスができる工夫がされています。キャッシュ容量は16MB、32MBなどがありますが、この容量で著しく性能に差がでることはありません。

プラッタ(磁気ディスク)

データが記録されるプラッタ
実際にデータが記録されるプラッタ。磁性体を塗布した鏡面円盤で、硬い材質でできています。このことからハードディスクと呼ばれています。

シーケンシャルアクセスと、ランダムアクセス
シーケンシャルアクセスと、ランダムアクセスについて
プラッタはセクタと呼ばれるブロックで区画されており、シーケンシャルアクセスは連続している領域への読み書きで、ランダムアクセスは分散している領域への読み書きです。シーケンシャルアクセスは作成したファイルの保存や読み出しに影響します。ランダムアクセスは特にプログラム起動に影響します。

プラッタの枚数を増やす
HDDの大容量化はプラッタの枚数を増やすか、プラッタ1枚あたりの容量を増やすかです。プラッタの枚数を増やすと消費電力が高くなり、ヘッドとの摩擦リスクが高まります。ですから、HDDを選ぶならプラッタ枚数が少なく、高密度なものが最適です。回転数も少なくて済むのでアクセスが速く、消費電力が少ないです。1~2枚のものが有効とされます。

ハードディスクのサイズと、プラッタの回転速度

内蔵型のハードディスク
HDDのサイズ規格はプラッタのサイズを指しています。デスクトップ用では3.5インチ型、ノートパソコン用の2.5インチ型が通常です。プラッタの回転速度はrpmという単位で呼ばれ、1分間で何回転するかを表します。現在、5400rpm、7200rpm、10000rpmが存在し高速なものほどアクセスが速いです。しかし、耐久性と発熱の問題でこれ以上の回転数は構造上、不可能といわれます。 3.5インチ型(デスクトップ用)の場合、7200rpmが標準です。2.5インチ型(ノート用)の場合は5400rpmが標準でしたが、7200rpmが主流になりつつあります。

磁気ヘッド

書き込んだりするのが磁気ヘッド
プラッタ上のデータを読んだり、書き込んだりするのが磁気ヘッドです。

磁気ヘッドとプラッタ
磁気ヘッドとプラッタはすれすれの位置関係で、HDDが衝撃に弱いとされる構造です。ヘッド浮上量は2nmほどしかないのだとか。(タバコの煙の粒子より短距離)。HDDによっては衝撃を察知するとヘッドを回避するシステムがあります。

ヘッド部分
ヘッド部分。

シークタイムとアクセスタイム

HDDの内部名称
シークタイムとは、ディスクの目的位置にヘッドが移動するまでの時間です。数値が低いほど短時間と言うことで高性能と言えます。ディスクと内周部と外周部では条件が異なるので、移動平均時間を公開している場合が多いです。アクセスタイムとは、命令を出してから読み込むまでの時間を指します。これらの情報は非公開の場合が多いですが、実際使って速度の違いを感じるほどのものではありません。ほとんど無視してOK

スピンドルモーター
プラッタを回転させるためのモーター。1分で5400回転、7200回転、10000回転と機種によって様々です。軸受け部分では、ベアリングではなく流動式の軸受けが多く採用され、静粛性が高められています。

ステッピングモーター
指定されたトラックとセクター位置に、磁気ヘッドを移動させるためのモーター。精密に動きます。

インターフェース(IDEとSATA)

インターフェースというとわかりにくいと思うので、簡単にいってハードディスクの仕様規格といっておきます。旧規格の「IDE(パラレルATA)」と現行の「Serial ATA」があります。Serial ATAは略してSATAと呼ばれます。そして、ATAとはハードディスク用の規格であることを指します。なお、IDEはただのATAと呼ばれることもあります。

IDE
IDE(パラレル ATA/またはPATA)は、幅広のケーブルで接続。いまや旧規格です。IDEではパラレル方式による転送方法でした。これは複数の伝送線をひとまとめにしたケーブルを使い、並行してデータを転送します。CPUの動作周波数(クロック数)が低かった頃は、この方法だとクロックあたりの転送力が高く、よく採用されていました。
しかし、現在、CPUは昔と違い~GHzという高クロック数です。そこでこの方式ではノイズの影響を受けたり干渉したりして、転送速度にずれが生じます。つまり現在の高クロックCPUでは同期をとることが難しくなっています。また、複数の伝送線をひとまとめにしているためケーブル幅が広く、パソコン内部の送風冷却の妨げにもなります。

sata
主流のSerial ATA(SATA)は細いケーブルで接続。CPUの高クロックに対応したのがSATAのシリアル(連続)方式です。単線なので効率悪そうにも感じるのですが、現在のCPUが高クロックなので、高速で転送できます。パラレル方式のように同期をとる必要がないので、安定して転送できます。また、ケーブルが細いため、パソコン内部の送風冷却の妨げになりません。なお、外部デバイスと接続するUSBやIEEE1394もシリアル方式による転送です。

IDEのパラレル転送と、SATAのシリアル転送


ケーブル
IDEとSATAでは、接続ケーブルの形状が異なります。

IDEとSATAの違い
それぞれ、データ転送の方式が異なります。IDEはデータを同時に並行(パラレル)して転送するのに対し、SATAは単線で連続(シリアル)して転送します。

インターフェース 種類と特長
IDE
(PATA/パラレルATA)
(ただのATA)
Ultra ATA/100 (100MB/Sの転送速度)。
Ultra ATA/133 (133MB/Sの転送速度)。
Serial ATA
(SATA)

SATA

1.5Gbps転送(150MB/sの転送速度)。
シンプルなケーブルで高速転送を実現。

SATA2.0、SATA2.5、SATA2.6

3Gbps転送(300MB/sの転送速度)。
NCQ(ネイティブ・コマンド・キューイング)対応。

SATA3.0

6Gbps転送(600MB/sの転送速度)。
NCQ(ネイティブ・コマンド・キューイング)の最適化。

SATAにはバージョンがあり、高速化が図られています。SATAでは1.5Gbps転送、SATA2.0~2.6では3Gbps転送、SATA3.0では6Gbps転送。SATA2.0以降からNCQ(ネイティブ・コマンド・キューイング)対応です。これらはバージョンアップですので、完全に互換性を持っています。

NCQ(ネイティブ・コマンド・キューイング)とは

Serial ATAにはNCQ(ネイティブ・コマンド・キューイング)に対応しているものがあります。単純にいうと高速アクセスが可能なシステムのことですが、もう少し具体的に解説しましょう。

データを記録したり消去するいうことは、その都度、ハードディスク内では虫食い状態になったスペースに記録と消去を繰り返すことになります。
実は、1つのファイルを保存したつもりでも、ハードディスク内ではそのファイルのデータがバラバラに記録されている状態です。ですから1つのファイルを読み出すにも、ハードディスク内では分散されたデータを拾い集めていることになります。
ハードディスクの使い始めはいいのですが、長期的に使っていくと分散が複雑になります。ついには断片化(フラグメンテーション)という状態になり、データアクセスに時間がかかるようになります。

分散されているデータを読み込むには、通常順番があります。しかし、NCQに対応していると順番通りではなく、効率がいい順番で読むことができます。

非NCQ
図で解説しましょう。あるファイルは1~4のデータで構成されているとします。
通常、データは決められた順番の通りに読まれます。つまり非NCQの場合です。データは分散しているため、都合のいい場所にあるとは限りません。ディスク自体は時計回りに動くので、読みとりヘッドから近いのは3→2→4→1の順です。しかしデータの順番通りに読まなくてはならないので、1→2→3→4の順で読みます。結果、ディスクを約2回転半させています。非NCQでは、多く回転させてアクセスしなくてはならず、時間がかかるうえハードディスクにも負担がかかります。回転数が多いということは発熱が多く、理論上、寿命も短いことになります。

NCQ
次はNCQ対応のハードディスクです。効率よく3→2→4→1の順に読みます。つまり、決められた順番は一旦無視して、読み込んでから組み直すやり方です。この例ではディスクが1回転で済みます。NCQ対応だとデータを効率よく読みとるので最低限の回転で済み、読み出しが速く快適になります。駆動の負担が少なく、ハードディスクを長持ちさせられます。

NCQを有効にするにはAHCIモードが必要です。

AHCIモード

AHCIモード
IDEとSATAとは本来互換性がないのでIDE互換モードで動いている場合があります。(IDEからSATA移行時の環境であれば、IDE互換モードが標準となっています。)
そのため、SATA 2.0で拡張された機能を利用するには、ホストコントローラをネイティブモードにしなくてはなりません。それがAHCIモードで、NCQを機能するためにもBIOSによるAHCIモード切り替えが必要です。IDE機器のない環境であればSATA環境を引き出すためにAHCIモードに切り替えましょう。 AHCIモードであればSATA 2.0以降の機能がネイティブとなります。例えば、パソコンを起動したままeSATAケーブルを抜き差しできるホットプラグに対応できます。NCQも有効になります。IDEモードではeSATAで接続したあと、いったんパソコンの電源を入れ直す必要があります。NCQも有効にならないので速度が若干落ちます。

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