HDDのパーティション設定
1台のHDDをパーティション設定することで、あたかも複数のHDDを搭載しているように使うことができます。パーティション(Partition)とは、HDDの保存領域をシステム上で分割することです。
例えば1台のHDDを2つの領域に分けた場合、パソコン画面では外見上2つのHDDがあるように見えます。パーティションのメリットは用途別に保存できることです。システムをいれる領域と作成データをいれる領域を分けることによって、断片化を軽減することができます。ただ、物理的には1台ですので故障すれば全領域データは全滅します。パーティション設定しても安全性は変わりません。
断片化はフラグメンテーションといいます。データの書き換えを繰り返していくうち、保存領域が虫食い状態となり、そこにデータが書き込まれると断片に保存されていきます。
書き換えを繰り返していくうち、このようにシステムデータと作成したファイルが断片的に織り交ざった状態になります。これが断片化で、散在しているためプログラムの読み込みに時間がかかるようになり、やがてソフトの起動が遅くなってきます。使い込んだパソコンが遅くなるのはこれが原因です。断片化は専用ソフトを使って解消(デフラグ)できますが、総データを並び替える作業のため、HDDに負担がかかり頻繁に行うことはお勧めできません。
そのため、先述のようにパーティション設定して、保存段階でシステムと作成データの領域を分けておけば、断片化が軽減できるわけです。
HDD2台の搭載が理想
パーティション設定で断片化対策する方法もありますが、安全性も取り入れるならHDDを2台搭載することです。理屈はパーティション設定と同じで、システムと作成データの住み分けです。そして物理的に分かれていますので、どちらかのHDDが故障してももう一方は助かります。システムの入ったHDDは負担が大きく壊れるリスクが比較的高いので、作成データをシステムと別に分けておけば、その巻き添えを食わないで済みます。
HDD2台構成で物理的に分けてしまえば、HDD1が滅してもHDD2は助かる。断片化対策にもなる。
隠しパーティション
メーカーパソコンのなかには、隠しパーティションを設定している場合があります。隠しパーティションでは、パーティション設定していても、デスクトップ上に領域が現れません。「コンピュータの管理⇒ディスクの管理」にて確認することができます。
これはDELLパソコンにて「ディスクの管理」をチェックしたところ。OEMとRECOVERYのエリアが隠しパーティションです。そのため、デスクトップ上にはCドライブのみが表示されており、一見、パーティション設定されているようには思いません。OEMのエリアはおそらくブートシステムに関わる何か、RECOVERYのエリアは出荷時に初期化するための情報が格納されています。ユーザーがいじらないように隠しパーティションにしていると思われます。
なお、このようなHDDを部品取りして使い回す場合、少し厄介な場合があります。 隠しパーティションにロックがかかっていると、Windowsの既存システムでそのパーティションを削除できません。上記のDELLパソコンの場合、OEMのエリアが消せませんでした。そのまま使うのは気持ち悪いと思うなら、ソフトを使って強制的に削除することができます。
一例として、隠しパーティションの削除にフリーソフトのPartition Wizard5を使います。(64bitにも対応)。
通常のパーティション作成はもちろん、リサイズ・コピー・変換などパーティションに関わる様々な機能を備えていますが、今回は完全消去の機能を使います。消したいパーティションを選択し、「Delete」のボタンをクリック。
「Operations Pentition」にてDeleteの行程が記載されてるので、Applyをクリックで実行です。
HDD複数搭載の応用!RAID設定
HDDを複数搭載する場合、RAID(レイド)設定により高速性を向上させたり、安全性を高めることができます。
RAID設定にはいくつか種類がありますが、メジャーなRAID0(ストライピング)とRAID1(ミラーリング)を紹介します。
HDDの高速性UP!!RAID0(ストライピング)
RAID0(ストライピング)では1つのデータを2台のHDDに分散して読み書きします。分散することでHDDにアクセスする時間を短縮でき、高速化が図れます。ただ、1つのデータをを細切れにして分散して保存しているので、1台のHDDが故障しただけでもデータが未完になってしまいます。つまり1台が無事でもデータそのものは未完なので消滅したのと同じです。RAID0(ストライピング)は、安全性を犠牲にしても速度重視の使い方です。
データ保管の安全性を高めるRAID1(ミラーリング)
RAID1(ミラーリング)では2台のHDDにそれぞれ同じデータを同時に書き込みます。1台のHDDが故障しても、もう片方のHDDに同じデータが保存されているのでデータ保管の安全性が高いです。 ただし、同じデータを2台に書き込むため時間がかかり、2台あっても1台分の容量しか使えないことがデメリットとなります。速度よりも安全性を重視した使い方です。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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