インテルのCPU、Atom搭載
今回のパッケージはインテル(R) Atom(TM) プロセッサー N270
(1.6GHz, 512KB L2キャッシュ, 533MHz FSB)を搭載。
Atomはこのようなミニノート用、そして発展途上国へ安価にパソコンを提供するために開発されました。
2008年始めのころ、ASUS社のEee PCの登場によってミニノート・ブームが到来しましたが、このころはまだAtomが登場していないのでVIA社製のCPUが採用されていました。
このVIA社製のCPUはAtomと比べると性能がかなり低いものでした。
2008年夏の終わりごろにAtomが投入され、9月にはInspiron Mini 9が発売されました。
つまり、今がミニノートの買い時と考えていいでしょう。
Atomの特徴
一般的なノートやデスクトップ用CPUでは、低消費電力でありながらハイパフォーマンスというのが目的にありますが、Atomの場合は方向性が違っています。
性能はそこそこでいいので、とにかく「超・低消費電力」で「小型」で「低コスト」というのがポイントです。
具体的な性能を例えると、2004年ごろ普及したエントリー向けのモバイルノートぐらいの性能はあります。CPUでいうと「Celeron Mの900MHz〜1.4GHz」ぐらいの性能と言われます。ですから、インターネットやビジネスソフト使用なら充分な性能があることは言うまでもありません。
Core 2 Duoでは約4億1000万個のトランジスタを搭載しますが、Atomでは約4700万個。Core 2 Duoの約11%の数しかありません。よって「超・低消費電力」で「小型」で「低コスト」を実現しているわけです。
ちなみに、2000年ごろ登場し超ハイスペックCPUといわれた「Pentium 4 プロセッサー」ですが、こちらのトランジスタの数は4200万個。当時のことを思えば、Atomを侮ることはできません
■極めて省電力
Core 2 Duoの通常版のTDPが35W、超低電圧版でも10Wです。これでも従来のCPUと比べると省電力ですが、Atom プロセッサー N270は。わずか2.5W。
そのため、冷却ファンで放熱するほどではなく、ヒートシンクで充分です。つまりAtomを搭載した機器はファンレス設計が可能で、極めて静音なのが特徴です。
※TDP=設計上、最大とされる放熱量。
■HTテクノロジーで、擬似デュアルコア
Atom プロセッサー N270は物理的にはシングルコアですが、インテル HTテクノロジーを実装しているため、擬似デュアルコアとして動作します。
そのため、Windowsは2コアと認識して動作し、Atomは消費電力に対してのパフォーマンスに優れます。
超コンパクト&軽量、Inspiron Mini 9
12.1インチワイドのInspiron Mini 12の比較してもコンパクト。重量約1kgと軽量、4セルバッテリーで約3.5時間の駆動時間。(ブラックモデルは即納パッケージではありません。)
Inspiron mini9のキーピッチは、アルファベットキーで15.6mm。太い私の指では、指の先端を若干意識してタイピングします。コンパクトのため、操作しやすいキーボードとはいえません。
Windows XP Home Edition SP3 正規版
搭載されているOSは、Windows XP Home Editionで、最新バージョンのSP3。
ミニノートはインターネットやビジネスメインなので、負荷の高いVistaは不要ですよね。XPは動作負担が少ないので、快適に操作することができます。
XPには充分な容量、1GBメモリ
今回のパッケージでは1GBメモリ搭載。Windows Vistaならもの足りない容量ですが、Windows XPなら充分ゆとりのある容量です。XPは512MBメモリでも大体のことは出来ますから、1GBあれば安心ですね。
衝撃に強いSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)搭載
ストレージ容量は16GBと少なめですが、半導体メモリを用いた記録媒体のSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)を搭載。
ディスクやモーターなど機械部品を持たない、HDDのような物理的動作がないことが起因して、SSDには次のようなメリットがあります。
●軽量・薄型・小型化が容易。
●極めて低消費電力・低発熱のため、高温な環境下の使用であっても安定動作。
●ソフトウェアの立ち上がりやファイル検索が速い。
●HDDに比べて、散在したデータの読み込み(ランダムアクセス)性能に優れる。
●アクセス中の物理的衝撃に強い。HDDのようなヘッド・クラッシュがない。
インターネットやビジネスソフトぐらいなら、持て余す容量です。動画などを貯めこまない限りは問題ありません。メディアカードリーダーが標準搭載されているので、容量が足らないときはSDカードを利用したり、必要とあれば外付けハードディスクを使うといいでしょう。
光学ドライブは非搭載
コンパクト化&省エネ化のため、CD、DVDの読み書きを行う光学ドライブは搭載していません。システムの再セットアップなど行うには外付け光学ドライブが必要です。最近はUSBメモリに保存した状態で販売しているソフトやダウンロードでインストールするケースがあるので、必ずしも光学ドライブが必要という時代じゃなくなってきているようです。
8.9インチTrueLifeワイド光沢液晶画面
小さなバッグにも簡単に収まる8.9インチワイド液晶サイズ。
解像度は1,024×600で、ほとんどのWebサイトの幅はこれで収まります。上下のスクロールはさすがに多くなりましたが、思ったより実用的に閲覧することができます。ひどく見づらいといった印象はありません。
もともと自宅で使うノートではないので長時間使用は疲れますが、外部モニタに接続すれば大画面での操作も可能です。
※解像度とは
画面は、「画素(ドット)」と呼ばれる小さな点の並びで構成されています。解像度は「1024×768」というように幅×縦のドット数で表示され、このドットの数が多ければ多いほど、きめ細かい表示ができます。画面が大きいからたくさんの情報を表示できるというのは誤りで、正しくは解像度が高いから、たくさんの情報が表示できるということです。
表面加工は光沢液晶。(デルではTrueLifeと呼ぶ)。
光沢液晶は、外光反射が大きく背景が反射して映り込むデメリットがありますが、くっきり色鮮やかな表示なので映像や画像の見栄えがよくなります。
WLEDバックライト採用
Inspiron Mini 9は、長寿命、省エネ、色純度の高いWLEDバックライトを採用!
テラスのような明るい場所でも見やすいメリットがあります。デルのノートはカスタマイズによってWLEDを選択できる機種がありますが、Inspiron Mini 9は、標準搭載されています。
バックライトとは
液晶パネル自体は発光しないため、背面にある光源から照射しています。いわゆる「バックライト」ですね。このバックライトの種類に従来の冷陰極管と、後発のWLED(白色LED)があります。具体的な違いとして冷陰極管は小型の蛍光灯で、白色LEDは白色発光ダイオードです。
WLED(白色LED)の特徴
WLEDは冷陰極管が発する白色光よりも色純度が高いので、液晶画面の発色が良くなります。また軽量で衝撃にも強く、基本的には半永久とも言われるほど長寿命です。
極めて低消費電力で小型なので、液晶モニタを薄型に設計できるメリットがあります。
また、入力電圧の反応が速く、点灯後すぐに最大輝度に達する凄みがあります。
▲WLED(白色LED)は、懐中電灯などにも使われ始めています。冷陰極管と違い点光源です。
WLEDの光は紫外線といった有害な影響が無いとされ、美術品などの照明に採用されます。具体的な実証はないですが、長時間のパソコン使用で目が疲れる、人体の影響にシビアな方はWLEDの液晶モニタはいいですね。
ファンレス構造で、動作音が静か
パソコンから発する騒音のほとんどは冷却ファンの回転音です。Inspiron Mini9は徹底した省エネ、低発熱設計のため冷却ファンがありません。(ファンレス)
ほとんど動作音がなく、図書館のような静まり返ったような場所でも全く気になりません。※写真はバッテリーが外してある状態です。
ワイヤレスLANを搭載
ワイヤレスでインターネットをするなら、カスタマイズで「ワイヤレスLAN」を搭載しますが、今回のパッケージではワイヤレスLANを搭載しています。
ここでいう「ワイヤレスLAN」とは、受信器になる子機のことで、「無線LANクライアント」とも呼ばれます。無線環境にするには、さらに発信器の親機が別途、必要になります。
ワイヤレスLANにはそれぞれ規格があるので、自分の使う規格を把握しておきましょう。
「IEEE802.11g」の特徴
現在、主流となっている無線LAN規格。 通信速度は最大54Mbpsですが、これは理論値で実際は最大30Mbpsくらいです。通信速度が速くて、障害物があっても電波が減衰しにくいメリットがあるので2階建ての家でも問題なく使えます。 デメリットとして電子レンジのノイズに干渉し、通信速度の低下となることがあります。近所に「IEEE802.11g」のユーザーがいた場合、電波が干渉することがありますが親機の設定でチャンネルを変更することで解消できます。
「IEEE802.11b」の特徴
少し古い規格になりますが、現在主流の11gと互換性があります。 内容は11gとほぼ同じですが、通信速度が最大11Mbpsなので低速です。
130万画素ウェブカメラ
液晶モニタ上部には、130万画素のWebカメラを搭載。
カメラ横ににはマイクも付いているので、ビデオチャットなど楽しめます。
Bluetooth搭載
Bluetoothモジュールを搭載。Bluetoothとは、IBM、インテル、東芝などが提唱している無線通信技術で、対応のワイヤレスのマウスやキーボード、プリンタなどが無線で使えます。Bluetoothは、レシーバー1つで複数の対応周辺機器を併用でき、10m以内であれば障害物があっても電波を通します。Bluetooth(レシーバー)を内蔵するメリットは高いです。
接続端子も充実
USB端子3つ、外部モニタ用アナログ出力のVGA、マイク端子、ヘッドフォン端子、5規格対応メディアカードリーダーなどを搭載しており、ミニノートとしては実用的。
左から、ヘッドホン端子、マイク端子、排気口、USB、VGA (D-Sub15ピン)、LAN端子。
左から、セキュリティロック、電源コネクタ、USB×2つ、5規格対応メモリカード・リーダー。
Inspiron Mini 9の購入後のアドバイス
ドライブ容量の少なさをカバーするためか、「ドライブ圧縮する項目」にチェックが入っている場合があります。これはせっかくのSSDの速度を落とすので、スピード重視するなら「ドライブを選択⇒右クリック⇒プロパティ」で、チェックを外しましょう。
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