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縦のリーチが長い、アスペクト比 16:10、狭額・広視野角ディスプレイ!
デュアルファン内蔵、アルミボディの13.3インチノート!
DELL Vostro 13(5310) レビュー
Tiger Lake -H35設計のVostro 13(5310)こと、Vostro 5310をレビューする(規制モデル名: P145G)。DELLの販売サイトでは「Vostro 5310 ノートパソコン」と表記されている。画面のアスペクト比 16:10で、縦のリーチが長い13.3インチノート。レビューの実機例ではインテルのCore i5-11300Hを搭載している。内蔵GPUとしてインテル Iris Xe グラフィックスが使われる。
スタイリッシュな狭額デザインで、非光沢・広視野角のディスプレイ(実機では解像度 1920 x 1200)。「タイタン グレー」と呼ばれているダークシルバー色で、天板とパームレストにはアルミを採用しており高級感がある。デュアルファン内蔵で空冷システムにもアドバンテージがある。EnterキーやBackSpaceキー、半角全角キーが大きくなるなど、従来のDELLキーボードより使いやすくなっている。Webカメラにはレンズを物理的にふさぐ 「プライバシー・シャッター」付き。
ストレージにはPCI Express接続で高速のNVMe SSDを搭載。メインメモリではメモリスロットがなく、換装不可のオンボードメモリとなっている。後からの増設はできないのでメモリ容量選びには慎重に。
Thunderbolt 4(40Gbps)やUSB 3.2-Gen2(1レーンの10Gbps)、Display Port 、Power Deliveryに対応したUSB Type-C端子を2基実装している。他に標準(Aコネクタ)サイズのUSB 3.2-Gen1を1基装備しているが、これは開口式なのでやや扱いにくい。付属しているACアダプタのコネクタ先にはUSB Type-Cを採用している。SDカードスロットや有線LAN端子、光学ドライブは非搭載。
レビューしたVostro 13(5310)実機の構成は以下の通り。なお、法人向けモデルであるが、個人ユーザーが購入することは可能(注文は個人名の記入でOK)。
2021年10月論評 Tiger Lake -H35 |
※レビューはあくまで実機の一例であるため、選択により各々の構成は異なる。 【寸法・重量】
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※2021年10月20日時点のレビュー。本製品の発売日は2021年4月13日である。
スペック(Vostro 13-5310 実機の一例)
今回、導入したVostro 13(5310)の構成で、CPU、ストレージ、メインメモリ、そのベンダーなどは以下の通り。これは手元にある実機に限った情報であり、構成・カスタマイズ選択、メーカーの仕様変更などで同一製品でも異なる。どこまでが「標準搭載」なのかは当方では判断できない。実際の購入においては構成をよく確認し、レビュー実機と差異があることに注意されたし。
Core i7-11300Hを搭載
手元のVostro 13(5310)実機では、Tiger Lake-H35設計の第11世代Core i7-11300Hを搭載している。4コア実装の8スレッド動作するCPU。ターボブーストの最大は4.4GHz。内蔵GPUとしてインテル Iris Xe グラフィックスを統合している。これまでの内蔵GPUと比べてかなり高性能化している。
Core i7-11300Hのアーキテクチャである「Tiger Lake-H35」は2021年1月に発表された。このH35シリーズは低消費電力版であるUP3シリーズのTDP(熱設計電力)枠を少し拡張したもので、薄型ノートPCに搭載できるギリギリのラインで調整された高性能CPU。全モデルに、CPUのアクセラレーターとして稼働する IPU(Infrastructure Processing Unit)を統合している。
Core i7-11300HのTDPは28~35W間でメーカーが調整できる仕様だが、オンライン・マニュアル「セットアップと仕様」には「35W」と記載されているので最大値まで設定しているもよう。Core i7-11300Hとその内蔵GPUであるインテル Iris Xe グラフィックスのパフォーマンスチェックは後ほど。
初心者向けCPU基礎知識
- 基本的なCPUのスペック : 動作周波数(GHz)や、キャッシュメモリ、TDPなど
- 定格内の自動クロックアップ(最大~GHz)の、ターボ・ブースト・テクノロジーとは
- PCの複数同時処理! ~コア/~Tという、マルチコアとマルチスレッドとは
- CPUに統合された、内蔵グラフィックとは
※Vostro 13(5310)が採用しているアーキテクチャをさらに解説 【 Tiger Lake 設計 】
メモリ・液晶パネル
メインメモリのモジュールが白紙になっている。つまりメモリスロットがなく、換装不可のオンボード・メモリになっている事がわかる。8GB(7931MB)メモリの搭載と表示されており、デュアルチャンネル構成とのこと。つまり、オンボード上で4GBメモリ×2基の構成である。DELLサイトによると、LPDDR4x(4267MHz)メモリとのことなので、低消費電力版のメモリを採用している(※オンライン・マニュアルの記載ではLPDDR4とある)。設計上の最大搭載は32GBメモリであり、後からの換装はできないので、容量選びは慎重に。
液晶パネルはBOEテクノロジー(BOE)のBOE0963を搭載していた。BOEは過去にハイニックスの液晶ディスプレイ部門を買収しており、世界大手の液晶パネルメーカーである。BOE0963で検索してみたが、詳細は不明。DELLサイトのオンライン・マニュアル「セットアップと仕様」によれば、「Dell ComfortView Plusを使用した広視野角(WVA)」とある。色域は「sRGB 100% カバー」とのこと。
PCI Express接続で高速のNVMe SSD(PC SN530 NVMeの例)
ストレージにはウエスタン・デジタル(買収されたSanDisk製)のPC SN530 NVMeを搭載している。容量は256GB。PC SN530 NVMeの公称値では「256GB:最大読取2400MB/s、最大書込950MB/s」であり、今回実機の検証でほぼ一致した。一般的にSATA接続のSSDではシーケンシャルリードが大体500MB/sあたりだが、PCI Express接続のNVMe SSDとなるとその速度は圧倒的で桁違い。なお、ベンダーは供給時期により異なり、SSDには個体差もあるので、あくまでこの実機に限った一例である。
なお、オンライン・マニュアル「セットアップと仕様」によれば、ストレージ用のM.2スロットは1基実装されており、Type 2280 / 2230に対応するとのこと。
M.2スロットに搭載されるSSDについて
ネットワーク・無線規格
レビュー実機で搭載しているネットワーク環境をチェック。無線LANにはインテルWi-Fi 6 AX201 160MHzを搭載。Wi-Fi 6(第6世代の無線LAN規格)なので、IEEE802.11axに対応する。Wi-Fi 5(IEEE802.11ac)から通信速度が向上し、「複数端末環境における通信の安定性」、「接続する端末の省電力性」で向上している。Bluetooth 5.1に対応。
なお、有線LANは搭載していないのでネット接続には無線環境が必須となる。または市販されているUSB接続の「有線LANアダプタ」を導入すれば対応可能。
【ネットワーク基礎知識: 無線LAN規格について 】
【異なるメーカーの周辺機器をまとめて無線接続 ~ Bluetooth(ブルートゥース)とは 】
インテリジェント機能(カバー・オープン・センサー搭載)
ディスプレイを開くと、自動でPCが起動する「カバー・オープン・センサー」を搭載。リッド(蓋)センサーともいう。電源ボタンを押す手間が省けるが、デメリットとして、清掃など ” 起動目的ではないとき ” にも開けば強制的に起動する。
Waves MaxxAudio Pro ~サウンドチューニング
サウンドチューニングにWaves MaxxAudio Proを搭載。内蔵型で出力の弱い小型スピーカーでも、デジタル処理で効果的なサウンドを展開するサウンド補正技術。 ゲームサウンドでは良好な結果を残しているのだとか。項目は、イコライザー調整ができる「再生」、ヘッドフォンでのリスニング環境調節 「Waves Nx」、声の聞こえ方を向上させる「音声」の3つ。それぞれサンプル音楽を流してサウンドテストできる。
さらに詳しく 【 Waves MaxxAudio Proの解説 】
Dell Power Manager ~ 電源・温度の管理アプリ
電源プロファイル管理や、静音性(ファン速度)・温度・パフォーマンス(処理速度)のカスタマイズがDell Power Manager で行える。このシステムは、インテルDynamic Tuning Technology(インテル DTT)に基づいたチューニング機能である。バッテリー情報の「バッテリ設定」では、「バッテリーの長寿命を優先するか・・、寿命よりも急速充電」を優先するか・・・、そのバランスを取るか・・」という選択ができる。バッテリー残量0%から80%まで1時間で急速充電する機能「Express Charge」の設定もここで行える。なお、バッテリーの種類によっては、利用可能な設定が制限される場合がある。
さらに詳しく 【 DELL Power Manager(電源・温度の管理アプリ)のレポート 】
ベンチマークテスト(Core i5-11300H 搭載時)
Core i5-11300H(インテル Iris Xe グラフィックス統合)を搭載したVostro 13(5310)にて、本格ゲームのベンチマークテストを実施。今回のVostro 13(5310)では、(内蔵GPUとしては)なかなか高いスコアがでた。1280×720であれば、バイオハザード6やラストレムナントが「とても快適にプレイできる」パフォーマンスをみせた。ストリートファイター4はフルHD(1920 × 1080)でもオーバースペックで、性能を持て余すくらい。
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター 1280×720 標準(ノートPC)はもはや楽勝で動作する。
かなり高負荷なFINAL FANTASY XVでは、「1280×720 軽量品質」なら「スコア4258」までこぎつけており、内蔵GPUでは栄光とも言える「普通」の評価まで得られた。ゲームノートとは違うエアーフローの設計上、長時間の高負荷に懸念はあるが、とりあえずパフォーマンスの指標として参考に。ちなみにバイオハザード6ベンチマークテスト中の消費電力は45Wあたり(ディスプレイ輝度最大時)。
以下、今回の構成におけるベンチマークテスト結果のまとめ。ゲームタイトルのリンクをクリックすると、当方過去のレビューPCと比較できる。
2021年10月論評 Tiger Lake -H35 |
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ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター (1280×720 標準(ノートPC) DirectX 11 フルスクリーン) |
10988 | |
ラストレムナント~2009年 (1280×720 フルスクリーン) |
144.31 | |
ストリートファイター4~2009年 (1920 × 1080 デフォルト 垂直同期OFF フルスクリーン) |
184.46 | |
バイオハザード6 ~2013年 (1280×720 品質:初期設定 DirectX 9.0c フルスクリーン) |
8038 | |
FINAL FANTASY XV・ベンチマークテスト 1280×720 (1280×720 軽量品質 フルスクリーン) |
4258 |
ゲームのベンチマークテストについて
- バッテリー駆動では著しくパフォーマンスが下がるので、ACアダプタは常時接続している。
- PCの排熱性能(冷却システム)によって、CPUやGPUのパフォーマンスに影響がでるため、純粋にそのCPUやGPUだけの性能とは言えない。(ポテンシャルを引き出していない場合もある)
- CPUに統合されている内蔵グラフィックの場合(単体GPUの搭載なしの場合)は、ビデオメモリを持たないため、メインメモリが代用される。そのため、搭載メモリによってパフォーマンスが左右されやすい。
CINEBENCH R15(マルチスレッド)ベンチマークテスト
CINEBENCH R15(マルチスレッド)で検証。このVostro 13(5310)で搭載したCore i5-11300H のスコアは「832」だったので、2015年頃のデスクトップ向けで6世代Core i7-6700と同等のパフォーマンスを見せた。言うまでもなく、処理能力は同等でもワットパフォーマンスで凌駕している。(※少ない電力でも効率のよい処理をするパフォーマンス)。
※比較するのはパソ兄さんが過去にレビューしたPCにおけるもの。(重複するCPUでは最高値だったものを残している) 。オレンジ色のバーが今回のCPUのスコアである。なお、CINEBENCH R15の結果がCPU性能の全てではないのでご留意を。
【CINEBENCH R15ベンチマークテスト ~ 過去レビューPCとの、マルチスレッド比較 】
狭額ディスプレイ!アスペクト比 16:10 で、縦のリーチが長い
アスペクト比(横:縦の比率)が現在一般的な16:9ではなく「16:10」となっている。これで画面は少し広くなり、縦のリーチが長いので縦スクロールが減り、ビジネス用途では結構使い勝手がいい。 ただ、動画コンテンツなどは16:9の比率で作られている事が多く、そういったコンテンツでは上下に黒枠が入る。
3辺狭額でスタイリッシュなフレームレス・デザイン。
天板のアルミが被さっており、そのエッジ分の厚みが少し加わるが、左右ディスプレイベゼルの幅は5mmもないくらい狭額。ベゼルは少し段差になっている。なお、搭載パネルの特徴として周囲に少し黒縁が入る。
ディスプレイベゼル上部も狭額でありながら、中央に小型のWebカメラを内蔵。その左右に2つマイクを内蔵。セキュリティ機能として、Webカメラにはレンズを物理的にふさぐ 「プライバシー・シャッター」 付き。上のレバー(Safe View スイッチ)をスライドすることで開け閉めできる。
13.3インチ 非光沢 ディスプレイ 【広視野角】 1920 × 1200
この実機では13.3インチ画面に、アスペクト比16:10、1920 × 1200解像度を搭載。一般的な16:9(解像度1920 × 1080)よりも、縦の解像度が120dpi広いことになる。なお、アスペクト比16:10だと「13.4インチになるのでは?」と思われたが、オンライン・マニュアル「セットアップと仕様」によれば、13.28インチとのこと。つまり13.3インチでいいみたい。
この画面にしては高解像度で細かい表示になるため、DELLの初期設定および推奨設定では150%拡大になっているが、この掲載写真では拡大なしのドットバイドット表示(100%)に設定し直している。見え方や感じ方には個人差はあるだろうが、ドットバイドット(100%)表示でもわりと実用的。細かい見え方になるが、人によっては許容範囲であろう。
長時間のテキスト読みで疲れるようなら、適宜に拡大設定をすればいい。拡大時に発生する一般的な「にじみ問題」がネックであるが、軽減する機能も付いている。ディスプレイの見え方に関しては、視力や好みの違いにより意見が分かれるので正解・不正解はない。
液晶パネルはBOEテクノロジー(BOE)のBOE0963を搭載していた。パネルの種類は不明だが、一応、広視野角パネルの類と判断できる。広視野角をDELLではWVA(ワイド・ビューイング・アングル)というワードをよく使っているが、直訳の通り、単に「広視野角」を指しているだけ。さらに絞り込んだ液晶パネルの種類(駆動方式)までは触れていない。駆動方式まで公表している例はごく稀である。たまに「Comfort View」という表現も見られるが、Vostro 13(5310)オンライン・マニュアル「セットアップと仕様」には「Dell ComfortView Plus」と記載されていた。何がPlusなのかは不明だが、DELLサイトに記載されている「有害なブルーライトの発生を低減する、テュフ ラインランド認証済みハードウェア・ロー・ブルーライト・ソリューション」のことと推測している。
広視野角だと広視野角だと、極端な角度から視聴しても、色ムラや色調反転などの色度変移が起きにくい。複数人で観るようなシチュエーション、つまり様々な角度から視聴する場合にも好都合。なお、スペック上は非光沢画面だが、厳密には半光沢と捉えたほうがいい。テラスほど明るい場所では、やや陰が載る傾向にあるが、通常の屋内照明下では問題ない。
ディスプレイ基礎知識
天板とパームレストがアルミ素材のリッチボディ
カラーリングは「タイタン グレー」と呼ばれており、ダークシルバー調の色に仕上がっている。天板には高級感があるアルミ素材を採用し、サンドブラストの梨地加工。アルマイト加工でさらっとした手触り。※アルマイト加工(陽極酸化処理)とは酸化皮膜を生成させる表面処理で、これにより耐食性と耐摩耗性が向上する。筐体に関して、DELLサイトには「15種類もの軍用レベルのテストに合格した信頼性に優れた設計を採用」と記載されているが、具体的な内容は不明。
天板中央には少し窪んだ状態でクローム調のDELLロゴが配置されている。
アルミのパームレストおよび、キーボードは後述する。
前面。ほぼ底面寄りだが、カーブ面にスピーカー孔を確認できる。
背面のデザイン。天板のアルミがそのまま背面に回り込んでおり、リフト・ヒンジ機構(後述)のため、スタンドゴムが設置されている。またアルミにはさり気なくヘアライン加工が施されている。
ディスプレイはここまで開く。大きく開く方ではないが、通常の使い方なら十分だろう。そしてディスプレイを開くと、キーボード面に勾配がつく機構(リフト・ヒンジ設計)。チルトスタンドの効果があり、傾斜面になったキーボードで打ちやすくなる。さらに底面側に空間が生まれるので、吸気スペースも拡張されるというもの。「ラバー ドロップ ヒンジ」ともいう。
ディスプレイと本体の間に配置された排気口。9つのブロックで形成されている。中央あたりはパンチングメッシュの通気孔になっている。ディスプレイを大きく開いていたほうが、冷却には良さそうな印象。
そして、デュアルファン内蔵ということもあり、左右の2箇所にも排気口が確認できる。9つのブロックのうちすべてが開放されているのではなく、一部はデザイン上のダミーなので塞がっている。
左側面の様子。非常に薄くてコンパクト。あまり極端なくさび形ではないが、底面側のカーブ面を利かせたデザインになっている。装備する端子は後述する。
右側面の外観。
内部アクセスの際、開けることになる底面カバー。手触りからしてポリカーボネート(工業プラスチック)と思われる。横に長いスリットは吸気口。覗いてみると、空冷ファンが左右に配置されており、デュアルファン構造であることが確認できる。4セルバッテリー(54WHr)を内蔵している。
前面のカーブ面にスピーカー孔を配置。2W(ピーク時2.5W)のスピーカーだが、この規模にしてはサウンドクオリティはわりと良いほうだと思われる。先述のリフト・ヒンジ設計のため、ヒンジは奥まるように設計されている。
Type-CコネクタのACアダプタ
付属しているのは65WのACアダプタ(Type-Cコネクタのタイプ)。ACアダプタからPC側へつなぐケーブルは比較的細めだが、ジョイント式のAC電源ケーブルは太めなので取り回しはよくない。実物を測量したところ、アダプタ本体は216g、AC電源ケーブルは103gだった。※AC電源ケーブルは一般的に市販されているメガネ型3P(通称ミッキー型 / IECコネクター・60320-C5)なので、市販品への変更は可能。当方では細めの市販ケーブルを予備にストックしている。
Vostro 13(5310)ではPower Delivery対応のUSB Type-C端子が2基あり、どちらのコネクタでもType-CのACアダプタが接続できる。ただ横並びなので、利便性のために左右側面に分散してほしかった。
Vostro 13(5310)の装備端子
では、Vostro 13(5310)が実装している端子をチェックする。USB Type-C端子の対応も詳しく見ていこう。 なお、SDカードスロットやLAN端子、光学ドライブは搭載していない。
右側面では、USB 3.2-Gen1(1レーンの5Gbps)、ヘッドセット端子を装備。
右側面では、USB 3.2-Gen1端子は開口式になっており、メディアを挿し込んだときに開く機構。そのため、ストレートに挿せないときがあり、ちょっとばかり扱いにくい。LAN端子ではよく見かける機構だが、USB端子では珍しい。
左側面では、HDMI端子、Thunderbolt 4(40Gbps)対応のUSB Type-C端子を2基実装。左側のUSB Type-C端子に電源接続のマークが付いているが、右側のUSB Type-C端子でもACアダプタ接続は可能。
USB Type-C端子の対応インターフェース
USB Type-C端子が対応するインターフェースは、厄介なことにPC製品によって様々である。何に対応しているのか知る必要がある。そこで、製品と同梱されている「クイックスタートガイド」、DELLサイトの「製品説明&販売ページ」、オンライン・マニュアル「セットアップと仕様」から、情報収集して判断する。DELLは媒体によってが公開している情報がまばらで一部だけみると情報が抜けていることが多い。
まず、クイックスタートガイドによる記載。Thunderbolt 4(40Gbps)のUSB Type-C端子を2基実装。片方だけ電源マークが付いているが、両方ともACアダプタ接続に使える。
次にオンライン・マニュアル「セットアップと仕様」をチェック。こちらはThunderbolt 4(40Gbps)が包括している内容をある程度記載している。
まとめるとThunderbolt 4(40Gbps)、Display Port 1.4、Power Delivery、USB 3.2-Gen2(1レーンの10Gbps)の記載があった。そもそもThunderbolt 4はUSB4に準拠しているので、Display Port、Power Deliveryのサポートは当然。それにUSB 3.2、USB 2.0にも上位互換がある。ただし「USB 3.2 Gen 2x2」については規格の別枠扱いなので、対応はPC次第である。わざわざUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)と書いてあるくらいだから、USB 3.2-Gen2x2の対応は無しだろう。
なお、シリアルバスの端子(インターフェース)が複雑かつ難解化してきたので、以下に概要をまとめている。
USB 3.2への改称について
2017年に「USB 3.2」が発表された。これまでのUSB 3.0 および USB 3.1は伝送路が「1レーン」であるが、これを「2レーン」に束ねることで高速化した。ただ非常に面倒くさい事に、従来(1レーン)のUSB 3.0、USB 3.1を取り込む形で改称がされ、すべて名称は「USB 3.2」で統一された。つまり、「1レーンのUSB 3.2」と、「2レーンのUSB 3.2」があり、以下のパターンあると理解すればいい。現在では1レーンがメインなので、ややこしくなったら旧称に置き換えるとよい。
- USB 3.2 Gen1 (1レーン・5Gbps) = 旧称 : USB 3.0 / USB 3.1-Gen1
- USB 3.2 Gen2 (1レーン・10Gbps) = 旧称 : USB 3.1-Gen2
- USB 3.2 Gen 2x2 (2レーンで20Gbps) ※コネクタはUSB Type-Cのみ
※2019年2月、策定団体のUSB Implementers Forum 【USB-IF】 によって「USB 3.2」と名称変更。※過去にアップしたレビュー記事では修正を入れないのでご留意を。※USB Type-Cは単なるコネクタ形状の規格であるため、どの転送規格に対応するかは各々異なる。
インターフェースの基礎知識
- 周辺機器とつなぐ端子の知識 : 接続端子(シリアルバス規格)の解説
- ディスプレイと接続する端子の知識 : ディスプレイ端子の解説
Power Delivery
Power Delivery(USB PD)とは「USB電力拡張規格」のこと。大きなメリットとして、容量さえクリアできれば市販のPower Delivery対応ACアダプターを使うことができる(これでメーカー専用ACアダプタの縛りから解放される)。また規格としては、ホスト側から電力を得て、数珠つなぎ式で次々に対応周辺機器へ電源供給ができる。
【 Power Delivery について、さらに詳しく解説 】
Thunderbolt 4
Thunderbolt 4規格はUSB Type-C端子を使った最も完全なインターフェースと言われ、多くのインターフェースに対して上位互換があり総合的に活用できるのが特長。
Thunderbolt 3と同様、双方向でそれぞれ40Gbpsの転送速度。PCI Express 3.0の4レーンを使うなど前世代から性能の底上げがある。PCIeの転送速度は32Gbps。供給できる電源は15W。8Kディスプレイへの接続に対応。4Kディスプレイでは2台までの同時接続が可能となった。「ユニバーサル ケーブル」で統合されており、互換性を保持したままで最長2mまで対応。またUSB4 規格に準拠しているので以下も参照。
USB4
USB4は「USB 3.2、USB 2.0、Thunderbolt 3」をひとつにまとめた通信プロトコル。USB Type-Cコネクタを採用している。電源供給にはPower Deliveryをサポート。USB 3.2では不可だったDisplayPortやPCI Expressの転送が可能。映像出力にはUSB4(実質的にはDP)とDisplayPortに対応する。※注意事項として、USB 3.2 Gen 2x2(2レーンの20Gbps)の対応は規格外。規格には含まれないのでPCの対応次第となる。アルミのパームレスト、使いやすくなったキーボード
パームレストはアルミ素材なので、よくある低価格ノートのプラスチック素材よりもグレードが高い。キーボードの面積は端まで広がっており、13型としては広め。EnterキーやBackSpaceキー、半角全角キーが大きくなるなど、従来のDELLキーボードより使いやすくなっている。
一体型のタッチパッド。アスペクト比の影響で筐体の奥行きが大きめであり、その分スペースが取れるので、タッチパッド面積も広くなっている。
タッチパッドの周囲にはダイヤモンドカット加工が施されている。ダイヤモンドバイトという「精密金型加工に適した刃先の道具」で金属を削るため、ダイヤモンドカット(ダイヤカット)と呼ばれる。アルミの地色を削り出す表面処理加工法であり、金属を削り出したそのままの肌がデザイン性を高める。
キーボードの配置場所は一段低くなっている。
手のサイズとの比較、およびホームポジションの様子。
なお、搭載しているのはDELLの他モデルでも流用されている汎用キーボードで、このレビュー実機では「指紋認識リーダー無しのノーマル電源ボタン、バックライト・キーボード機能なし」のタイプを搭載している。このキーボードは、過去Vostro 5415をレビューしたときと同じパーツなので、そのレビューを参考にされたし。掲載画像サイズが特大になっているので細部までチェックしてみよう!なおDELLサイトをみると、バックライト機能付きのオプション選択もあった。
DELLサイトでは、キーボードの欄で「カーボン」と書かれているが、むろんカーボン素材ではなく、「カーボンみたいな黒色のキーボード」という意味。やや浅めのブラックと理解すればいい。
キーボードのバリエーション
左端キーから右端キーまでの幅が287mm。バックライト機能有無の判断は、F5キーの「バックライト・マーク」の有無。
一応、このVostro 13(5310)で撮影した分も掲載しておく。キーボードのアップ写真。DELL製品では長らく小さかったEnterキーやBackSpaceが大きくなり使いやすくなっている。
指紋認識リーダー無しの、ノーマル電源ボタンの場合。オプションで指紋認証リーダーを統合した電源ボタンも選べる。
各キーの押下の様子。
姉妹機(Vostro 14-5410)とのサイズ比較
同時期に姉妹機14インチノートの、Vostro 14-5410をレビューしていたので横に並べてみた。横幅は無論、画面サイズの小さいVostro 13(5310)のほうが短い。しかし13.3インチ・アスペクト比16:10という縦長であるため、14インチ・アスペクト比16:9のVostro 14(5410)と奥行きはかなり近い。
Vostro 13(5310)こと、Vostro 5310のレビューは以上。
最新情報など、詳しくはDELLサイトへ
Vostro 13(5310)のレビューは以上。ここで紹介した実機は一例の構成であり、ユーザーの選択や販売時期により異なる。紹介した内容がすべて標準搭載というものではなく、購入の際はオプション搭載があることを留意していただきたい。
2021年10月論評 Tiger Lake -H35 |
画面のアスペクト比 16:10で、縦のリーチが長い13.3インチノート。スタイリッシュな狭額デザインで、非光沢・広視野角のディスプレイ(実機では解像度 1920 x 1200)。「タイタン グレー」と呼ばれているダークシルバー色で、天板とパームレストにはアルミを採用しており高級感がある。デュアルファン内蔵で空冷システムにもアドバンテージがある。EnterキーやBackSpaceキー、半角全角キーが大きくなるなど、従来のDELLキーボードより使いやすくなっている。Webカメラにはレンズを物理的にふさぐ 「プライバシー・シャッター」付き。 ストレージにはPCI Express接続で高速のNVMe SSDを搭載。メインメモリではメモリスロットがなく、換装不可のオンボードメモリとなっている。後からの増設はできないのでメモリ容量選びには慎重に。 Thunderbolt 4(40Gbps)やUSB 3.2-Gen2(1レーンの10Gbps)、Display Port 、Power Deliveryに対応したUSB Type-C端子を2基実装している。他に標準(Aコネクタ)サイズのUSB 3.2-Gen1を1基装備しているが、これは開口式なのでやや扱いにくい。付属しているACアダプタのコネクタ先にはUSB Type-Cを採用している。SDカードスロットや有線LAN端子、光学ドライブは非搭載。 |
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