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テンキー付き、広視野角・狭額・アルミボディの15.6インチノート
AMDモデル、DELL Vostro 15(5515) レビュー
AMD Ryzen 5 5500Uを搭載したVostro 15(5515)こと、Vostro 5515をレビューする。(規制モデル名: P106F)。15.6インチモデルなのでVostro 15(5515)と呼ばれるが、DELLサイトの製品ページではシステム名の「Vostro 5515」で呼んでいる。 レビュー時点ではAMD Ryzen 5 5500Uを搭載。「タイタン グレー」と呼ばれているダークシルバー色で、天板とパームレストにはアルミを採用しており高級感がある。スタイリッシュな3辺狭額、非光沢・広視野角ディスプレイにフルHD(1920 × 1080)解像度を搭載。ストレージにはPCI Express接続で高速のNVMe SSDを搭載。
テンキー付きのキーボードを搭載。基本的なインターフェースは実装しており、さらにギガビットイーサーLAN端子や、Power Delivery対応のUSB Type-C端子を実装している。最近はmicroSDカード・スロットの実装が多いが、Vostro 5515は通常サイズのSDカードスロットを装備。光学ドライブは非搭載。 排気システムがやや心もとないが、そもそも内蔵GPU仕様で完結しているのだろう。
Tiger Lake -H35設計のインテル仕様 Vostro 15(5510)の姉妹機で、同筐体のAMD仕様モデル。ただし、プラットフォームの違いだけでなく、実装しているUSB Type-C端子の対応インターフェースも異なる。そのため、Core i7-11370Hを搭載したVostro 15(5510)のレビューと合わせてご覧いただきたい。
レビューしたVostro 5515実機の構成は以下の通り。なお、法人向けモデルであるが、個人ユーザーが購入することは可能(注文は個人名の記入でOK)。Vostro 5515に比較的よく似ている個人向けモデルには Inspiron 15(5515) がある。
2021年9月論評 Ryzen 5-5500U |
※レビューはあくまで実機の一例であるため、選択により各々の構成は異なる。 【寸法・重量】
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Vostro 5515 レビュー機の構成~Ryzen 5 5500U搭載
今回、導入したVostro 5515の構成(チップセット、ストレージ、メインメモリ、ベンダーなど)は以下の通り。この手元にある実機に限った情報であり、構成・カスタマイズ選択、メーカーの仕様変更などで同一製品でも異なる。また、どこまでが「標準搭載」なのかは判断できない。実際の購入においては、差異があることをご了承いただきたい。
AMDのRyzen 5 5500U搭載。内蔵GPUにRadeon グラフィックスを統合している。Micron製の8GB DDR4メモリ-3200MHzを1枚搭載。ストレージにはKIOXIA(東芝メモリ)製の256GB NVMe SSD(KBG40ZNS256G)を搭載。液晶パネルはCMN152Eで、台湾の奇美電子製(Chimei / チーメイ電子)。CMN152Eを検索すると、IPSパネルとのこと。
【基礎知識: メインメモリ(主記憶装置)とは 】
PCI Express接続で高速のNVMe SSD
M.2スロット搭載されていた、KIOXIA(東芝メモリ)製の256GB NVMe SSD(KBG40ZNS256G)のパフォーマンス。フォームファクタはType 2230になっている。一般的にSATA接続のSSDではシーケンシャルリードが大体500MB/sあたりだが、PCI Express接続のNVMe SSDとなるとその速度は圧倒的で桁違い。
なお、Vostro 5515ではストレージ用のM.2スロットを2基実装している。「Type 2230 / 2280 両対応×1基、Type 2230対応×1基」である。
M.2スロットに搭載されるSSDについて
ネットワーク・無線規格
Vostro 5515レビュー実機で搭載しているネットワーク環境をチェック。無線LANにはQualcomm QCA61x4A(IEEE802.11ac対応)搭載。Bluetoothも搭載している。Qualcomm Atheros, Inc(クアルコム・アセロス社)は、アメリカの半導体メーカーでLAN関連製品のトップシェアを誇っている。有線LANはRealtek(カニさん)だが、ギガビットイーサーなのでサーバー構築している環境でも速度に問題なし。
【ネットワーク基礎知識: 無線LAN規格について 】
【異なるメーカーの周辺機器をまとめて無線接続 ~ Bluetooth(ブルートゥース)とは 】
カバー・オープン・センサー搭載
インテリジェント機能として、ディスプレイを開くと自動でPCが起動する「カバー・オープン・センサー」を搭載。リッド(蓋)センサーともいう。電源ボタンを押す手間が省けるが、デメリットとして、清掃など ” 起動目的ではないとき ” にも開けば強制的に起動する。
ユーティリティ・ソフト
レビュー実機に搭載されていたマネージメント系のアプリ。左側のがサウンドチューニングのWaves MaxxAudio Pro 、右側のが電源・温度管理のDell Power Manager。おそらく標準装備と思われるが、バージョンは時期により更新されているようだ。
Waves MaxxAudio Pro ~サウンドチューニング
サウンドチューニングにWaves MaxxAudio Proを搭載。内蔵型で出力の弱い小型スピーカーでも、デジタル処理で効果的なサウンドを展開するサウンド補正技術。 ゲームサウンドでは良好な結果を残しているのだとか。項目は、イコライザー調整ができる「再生」、ヘッドフォンでのリスニング環境調節 「Waves Nx」、声の聞こえ方を向上させる「音声」の3つ。それぞれサンプル音楽を流してサウンドテストできる。
さらに詳しく 【 Waves MaxxAudio Proの解説 】
Dell Power Manager ~ 電源・温度の管理アプリ
電源プロファイル管理や、静音性(ファン速度)・温度・パフォーマンス(処理速度)のカスタマイズがDell Power Manager で行える。このシステムは、インテルDynamic Tuning Technology(インテル DTT)に基づいたチューニング機能である。バッテリー情報の「バッテリ設定」では、「バッテリーの長寿命を優先するか・・、寿命よりも急速充電」を優先するか・・・、そのバランスを取るか・・」という選択ができる。バッテリー残量0%から80%まで1時間で急速充電する機能「Express Charge」の設定もここで行える。
なお、バッテリーの種類によっては、利用可能な設定が制限される場合がある。レビュー実機で確認できた機能は以下の通り。今回はバージョン3.8.0だが、購入時期により更新されている場合もある。
- バッテリー情報 (充電レベル・状況・正常性のモニタリング)
- 高度な充電 (バッテリ寿命の最適化~寿命を延ばす設定)
- ピークシフト (バッテリおよびACの使用スケジュール~AC電源に切り替えるタイミング設定など)
- アラート設定 (電源アダプター・バッテリー・温度に関するアラートをサポート)
さらに詳しく 【 DELL Power Manager(電源・温度の管理アプリ)のレポート 】
Ryzen 5 5500U(Radeon グラフィックス統合)の性能
Ryzen 5 5500Uおよび、それに統合されているRadeon グラフィックス統合のスペック。6コア/12スレッド動作のCPUである。 【CPUに統合された、内蔵グラフィックとは】
CINEBENCH R15ベンチマークテスト
このVostro 5515で搭載したRyzen 5 5500Uのパフォーマンスをチェックする。ベンチマークテストはCINEBENCH R15によるレンダリングだが、比較するのはパソ兄さんが過去にレビューしたPCにおけるもの。(重複するCPUでは最高値だったものを残している) 。オレンジ色のバーが今回のCPUのスコアである。なお、CINEBENCH R15の結果がCPU性能の全てではないのでご留意を。
今回、マルチスレッドで1020。過去、同CPUを搭載したVostro 5415で測定したときはスコア1203あったので、設定次第ではまだパフォーマンスを上げられるのかもしれない。ポテンシャルありということで。Core i7-8750Hに迫る性能はあるようだ。
1コアのパフォーマンスであるシングルスレッドでは、スコアが177。1コアのパフォーマンスもなかなか良い。ただ、比較的近い時期のCPUだと似たようなスコアなので、このテストは意味があるのかわからなくなっている。
CINEBENCH R15ベンチマークテストとは
ドイツMAXON社の3DCG作成ソフト「CINEMA 4D」をベースとしており、レンダリングにかかった時間などでスコアが算出される。CPUを100%稼働させるので「CPU性能指数」の目安になり、コア数が多く(スレッド数が多く)高クロックのCPUほど短時間で処理できる。主にマルチコア環境での参考になる。搭載GPUの影響はほぼ受けない。
【CINEBENCH R15ベンチマークテスト ~ 過去レビューPCとの、マルチスレッド比較 】本格ゲームのベンチマークテスト
古いゲームであれば、1280×720解像度、品質の設定次第でわりとプレイ可能。ストリートファイター4のような比較的ライトなゲームであれば、1920 × 1080でも申し分ない。かなり高負荷なFINAL FANTASY XVでは、軽量品質・1280×720でも厳しい。以下、今回の構成におけるベンチマークテスト結果のまとめ。ゲームタイトルのリンクをクリックすると、当方過去のレビューPCと比較できる。
2021年9月論評 Ryzen 5-5500U |
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ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター (1280×720 標準(ノートPC) DirectX 11 フルスクリーン) |
3811 | |
ラストレムナント~2009年 (1280×720 フルスクリーン) |
58.48 | |
ストリートファイター4~2009年 (1920 × 1080 デフォルト 垂直同期OFF フルスクリーン) |
88.93 | |
バイオハザード6 ~2013年 (1280×720 品質:初期設定 DirectX 9.0c フルスクリーン) |
3735 | |
バイオハザード5~2009年 (1280×720 DirectX 10 フルスクリーン) |
81.6 | |
FINAL FANTASY XV・ベンチマークテスト 1280×720 (1280×720 軽量品質 フルスクリーン) |
1586 |
ゲームのベンチマークテストについて
- バッテリー駆動では著しくパフォーマンスが下がるので、ACアダプタは常時接続している。
- PCの排熱性能(冷却システム)によって、CPUやGPUのパフォーマンスに影響がでるため、純粋にそのCPUやGPUだけの性能とは言えない。(ポテンシャルを引き出していない場合もある)
- CPUに統合されている内蔵グラフィックの場合(単体GPUの搭載なしの場合)は、ビデオメモリを持たないため、メインメモリが代用される。そのため、搭載メモリによってパフォーマンスが左右されやすい。
- 3Dゲームでは美麗な描写処理を担うグラフィック(GPU)の性能が重視されるが、CPUも軽視できない。炎、煙、風、速度などの自然現象をシミュレーションする物理演算(エフェクト)や、プレイヤーが操作しないキャラクター(NPC-non player character)を動かすのは人工知能(AI)であり、それはCPUが担っている。ゆえにCPUの依存度はゲームの処理内容による。
レビューしたVostro 15(5510 / 5515)でのベンチマークテスト比較
構成 |
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ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーター 1280×720 標準(ノートPC)DirectX 11 フルスクリーン |
6390 | 3811 |
ラストレムナント (1280×720 フルスクリーン) |
109.29 | 58.48 |
ストリートファイター4 1920 × 1080 デフォルト 垂直同期OFF フルスクリーン |
109.51 | 88.93 |
FINAL FANTASY XV 1280×720 軽量品質 フルスクリーン |
2796 | 1586 |
15.6インチ非光沢・広視野角(1920 × 1080)のディスプレイ
Vostro 5515のディスプレイは狭額でスタイリッシュなフレームレス・デザイン。従来厚くなりがちの下部のベゼルもわりと狭額。この実機では、15.6インチ非光沢・広視野角(1920 × 1080)のディスプレイ。この実機の場合、液晶パネルは台湾 奇美電子(Chimei / チーメイ電子)のCMN152Eだった。チーメイ電子は台湾フォックスコングループに買収され、現在では「イノラックス」と呼ばれている。LG電子、サムスン電子に並ぶ世界有数の液晶パネルメーカー。CMN152Eのスペックを検索してみると、「IPSパネルでsRGB 54%カバー」とのこと。
最も狭額な左右ベゼルでは幅5mm(液晶パネルに少し黒縁がある)。ベゼルは少し段差になっている。
ディスプレイベゼル上部の中央に小型Webカメラを内蔵。その左右にデュアルマイクを内蔵。セキュリティ機能として、Webカメラにはレンズを物理的にふさぐ プライバシー・シャッター 付き。上のレバー(Safe View スイッチ)をスライドすることで開け閉めできる。
15.6インチに「1920 × 1080」の高解像度。細かい表示になるため、DELLの初期設定および推奨設定では125%拡大になっているが、掲載写真では拡大なしのドットバイドット表示(100%)に設定し直している。見え方や感じ方には個人差はあるだろうが、ドットバイドット(100%)表示でもわりと実用的で、玄人ユーザーはわりとこの組み合わせを好む傾向にある。細かい見え方になるが、人によっては許容範囲であろう。
長時間のテキスト読みで疲れるようなら、適宜に拡大設定をすればいい。拡大時に発生する一般的な「にじみ問題」がネックであるが、軽減する機能も付いている。※ディスプレイの見え方に関しては、視力や好みの違いにより意見が分かれるので正解・不正解はない。
広視野角パネル。DELLではWVA(ワイド・ビューイング・アングル)というワードをよく使っているが、直訳の通り、単に「広視野角」を指しているだけ。さらに絞り込んだ液晶パネルの種類(駆動方式)までは触れていない。駆動方式まで公表している例はごく稀である。WVAと並んでたまに「Comfort View」という表現も見られるが、これはブルーライト・カットを行えるアプリ設定のことを指している。当方では撮影の為、かなりの照明をつけており一般的な室内環境よりも明るい状況下である(テラスに近い状況)。そのため斜め角度からだと画面に陰が載りやすい。一般的な照明であれば、陰はもう少し軽減される。スペック上は非光沢画面だが、厳密には半光沢に近い。
ディスプレイ基礎知識
Vostro 5515が装備するインターフェース
Vostro 5515が装備する端子をチェック。まず、このUSB Type-C端子が対応するインターフェースを確認する。そこで、製品と同梱されている「クイックスタートガイド」、DELLサイトの「製品説明&販売ページ」、オンライン・マニュアル「セットアップと仕様」から、情報収集して判断する。結果、このUSB Type-C端子は、「USB 3.2-Gen1(5Gbps)、Power Delivery、Display Port )に対応するとのこと。
Vostro 5515の左側面には、電源コネクタ、電源ライト、HDMI端子、USB 3.2-Gen1(5Gbps)端子、USB Type-C端子を実装。
右側面では、「SDカードスロット(SD、SDHC、SDXC)、USB 3.2-Gen1(5Gbps)、ギガビットイーサーLAN端子、ヘッドセット端子、セキュリティロック・スロット」を実装。
USB 3.2 - Gen2など最新の高速インターフェースはないが、15型ノートとして基本的な端子を実装している印象。Power Deliveryがあるので、市販のType-CコネクタのACアダプタも使える。また、最近はmicroSDカード・スロットが多いが、通常のSDカードスロットを装備しているところが良い。
USB 3.2への改称について
2017年に「USB 3.2」が発表された。これまでのUSB 3.0 および USB 3.1は伝送路が「1レーン」であるが、これを「2レーン」に束ねることで高速化した。ただ非常に面倒くさい事に、従来(1レーン)のUSB 3.0、USB 3.1を取り込む形で改称がされ、すべて名称は「USB 3.2」で統一された。つまり、「1レーンのUSB 3.2」と、「2レーンのUSB 3.2」があり、以下の4パターンあると理解すればいい。現在では1レーンがメインなので、ややこしくなったら旧称に置き換えるとよい。
- USB 3.2 - Gen1 (1レーン・5Gbps) = 旧称 : USB 3.0 / USB 3.1-Gen1
- USB 3.2 - Gen2 (1レーン・10Gbps) = 旧称 : USB 3.1-Gen2
- USB 3.2 - Gen 1x2 (2レーンの 10Gbps) ※コネクタ形状はUSB Type-Cのみ
- USB 3.2 - Gen 2x2 (2レーンで20Gbps) ※コネクタ形状はUSB Type-Cのみ
※2019年2月、策定団体のUSB Implementers Forum 【USB-IF】 によって「USB 3.2」と名称変更。※過去にアップしたレビュー記事では修正を入れないのでご留意を。※USB Type-Cは単なるコネクタ形状の規格であるため、どの転送規格に対応するかは各々異なる。
インターフェースの基礎知識
- 周辺機器とつなぐ端子の知識 : 接続端子(シリアルバス規格)の解説
- ディスプレイと接続する端子の知識 : ディスプレイ端子の解説
Power Delivery
Power Delivery(USB PD)とは「USB電力拡張規格」のこと。大きなメリットとして、容量さえクリアできれば市販のPower Delivery対応ACアダプターを使うことができる(これでメーカー専用ACアダプタの縛りから解放される)。また規格としては、ホスト側から電力を得て、数珠つなぎ式で次々に対応周辺機器へ電源供給ができる。
【 Power Delivery について、さらに詳しく解説 】デザイン!アルミ天板で、なかなかリッチなボディ
このカラーリングは「タイタン グレー」と呼ばれている、ダークシルバー。見たところ、天板の素材はアルミニウム合金で高級感がある。サンドブラストの梨地加工。アルマイト加工でさらっとした手触り。アルマイト加工(陽極酸化処理)とは酸化皮膜を生成させる表面処理で、これにより耐食性と耐摩耗性が向上する。
天板中央には少し窪んだ状態でクローム調のDELLロゴが配置されている。
前面のデザイン。先端が細くなっている。
天板のアルミが背面まで続いたデザインになっており、さり気なくヘアライン加工が施されている。後述するリフト・ヒンジのため、スタンドゴムが配置されている。
ディスプレイはここまで開く。通常の用途なら十分な可動域だろう。
ディスプレイを開くと、キーボード面に勾配がつく機構(リフト・ヒンジ)。チルトスタンドの効果があり、傾斜面になったキーボードで打ちやすくなる。さらに底面側に空間が生まれるので、吸気スペースも拡張されるというもの。「ラバー ドロップ ヒンジ」ともいう。
ディスプレイを開くと、自動でPCが起動する「カバー・オープン・センサー」を搭載。リッド(蓋)センサーともいう。電源ボタンを押す手間が省けるが、デメリットとして清掃など「起動目的ではないとき」にも強制で起動する。
ヒンジの間(ディスプレイと本体の中間)に排気口を配置している。つまりディスプレイを大きく開いたほうがエアーフローにとっては有効的な印象。2箇所のスリットが確認できるが、片方は貫通しておらずダミーデザイン。機能しているのは放熱フィンの見える1箇所で、シングルファンに直結した排気口となっている。冷却面でいうと、内蔵グラフィックどまりにしておいたほうが無難な設計だろう。
左側の外観。わずかにくさび形。
右側面からの様子。
底面の様子。内部アクセスのための底面カバーになっており、材質はプラスチック。下方のスリットは吸気口。ギガビットイーサーLAN端子は開口ギミック。ほぼ底面に近いが、カーブ面に差し掛かる位置の左右にスピーカー孔を配置している。2W出力および最大2.5W出力だが、この設計の割にはサウンド・クオリティはそこそこ良い。
65WのACアダプタ付属
Vostro 5515で付属しているのは65WのACアダプタ(コネクタ先はDCプラグ)。実物を測量したところ、アダプタ本体は223g、AC電源ケーブルは103gだった。
ACアダプタからPC側へつなぐケーブルは比較的細めだが、ジョイント式のAC電源ケーブルは太めなので取り回しはよくない。※AC電源ケーブルは一般的に市販されているメガネ型3P(通称ミッキー型 / IECコネクター・60320-C5)なので、市販品への変更は可能。当方では細めの市販ケーブルを予備にストックしている。
アルミのパームレストで、使用時のリッチ感
アルミ合金のパームレストでわりと高級感を出している。一体型のタッチパッドは広め。テンキー付きのキーボードを搭載しており、手元のVostro 5515実機では非バックライト・キーボード仕様。オプションでバックライト機能付きも選べる。DELLサイトでは所々に「カーボン」と記載されているが、これはカーボンファイバーではなく「カーボンみたいな黒色」を指している。まったく紛らわしい。
ホームポジションの様子。テンキー付きなので、やや左寄りになる。この実機ではバックライト機能は無し。
タッチパッドの周囲にはダイヤモンドカット加工が施されている。ダイヤモンドバイトという「精密金型加工に適した刃先の道具」で金属を削るため、ダイヤモンドカット(ダイヤカット)と呼ばれる。アルミの地色を削り出す表面処理加工法であり、金属を削り出したそのままの肌がデザイン性を高める。
キーボードの一番右上に電源ボタンを配置。こちらはノーマル電源ボタンのタイプだが、指紋認証リーダー付きの電源ボタンがオプションで選べる。
キーボード右側
キーボード左側
DELLノートパソコンに搭載されているキーボードは「自社の汎用パーツ」であり、よく自社製品で汎用的に搭載される。そのため、DELLノート製品の「キーボード使用感レビュー」では、パーツが同じだと内容が重複する。そこで記事が流用できるように、ページを分けた。Vostro 5515のキーボードは、こちらで特大サイズにてレビューしているので参考にされたし!
【 Vostro 5515 / 5510 のキーボード詳細レビューはこちら 】
底面カバーを外し、Vostro 5515の内部へアクセス
換装のための内部アクセスは、底面ボディをごっそり取り外す構造なのでややハードルが高い。 パームレスト部がトレイみたいな形状に成形されたユニボディ設計。
主要部分が黒いPETフィルムで覆われ、パーツが保護されている。PETフィルムとは : ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いたコシのある高分子フィルムで、耐熱性があり、酸素や湿気に対するバリア性を持つ。4セルバッテリー(54WHr )がわりと面積を占めている。
内部アクセスに関しての注意事項
DELLサイトにて分解マニュアルがダウンロードできるので、分解手順を知ることができる。ただし自己責任の作業であるため、当サイトでは推奨していない。リスクを理解されていることを前提に紹介している。ネジを外し底面カバー全体を外す工程になるが、肝となる作業は多数に引っ掛けてあるツメを丁寧に外していくことである。無理に力を加えるとツメの破損につながるため、パテ用のプラスチックヘラが必需品となる。いくつか幅の異なるヘラを取り揃えるとよい。
シャーシ(枠組み)を持たないシンプルな構造のノートPC筐体では、「天板部 ・ パームレスト部 ・底面部」の3つに分類される。そしてパームレスト部または底面部のどちらかが、トレイのような器形状となっている。開閉カバーがフラットタイプは比較的開けやすいが、器形状のトレイ・タイプだと端子部分も含むためややハードルが高めになる。ノートPCの筐体構造については「ノートPC筐体素材(その2)~ 」で触れている。シングルファンとデュアル・ヒートパイプ
シングルファンの内蔵で、排気口の放熱フィンにつながっている。そして少しセールスポイントにもなっているデュアル・ヒートパイプ。その先端にCPUの搭載場所が確認できる。
メモリスロット×2基
PETフィルムで覆われた2基のメモリスロット。今回は8GBメモリを1枚搭載している状況。
ストレージ用 M.2スロット×2基
M.2スロットにType 2230のNVMe SSDを搭載している様子。今回はKIOXIA(東芝メモリ)製の256GB NVMe SSD(KBG40ZNS256G)搭載。Type 2230 / 2280の両対応で、PETフィルムに2230のミシン目が見える。その先のPETフィルムをめくると2280と刻印された金具が見える。固定金具を移動させることで、Type 2280にも対応できるようだ。
しばらく見落としていたが、メモリスロットのすぐ下の方にもストレージ用のM.2スロットがあった。サイズからしてType 2230 対応だろう。
無線LANのM.2スロット
無線LANカードのQualcomm QCA61x4A(IEEE802.11ac対応)を搭載している様子。
スピーカ
左右の端に配置されたスピーカーコーンの様子。
最新情報など、詳しくはDELLサイトへ
Vostro 5515レビューは以上。ここで紹介した実機は一例の構成であり、ユーザーの選択や販売時期により異なる。紹介した内容がすべて標準搭載というものではなく、購入の際はオプション搭載があることを留意していただきたい。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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レビュー項目
- AMDモデル、DELL Vostro 15(5515) レビュー ~Ryzen 5 5500U搭載
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