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AMD Ryzen 5000シリーズ搭載モデル
狭額、広視野角！テンキー付き！アルミボディの15.6インチノート

Ryzen 7 5700Uを搭載、DELL Inspiron 15（5515）レビュー

AMD Ryzen 5000シリーズ搭載の「Inspiron 15 ノートパソコン」こと、Inspiron 5515をレビューする（規制モデル名： P106F）。便宜上、Inspiron 15（5515）と呼称する。Inspironシリーズ中位グレードの5000シリーズ。当レビュー機ではRyzen 7 5700Uを搭載しているが、ほかにRyzen 5 5500Uの選択もある。

狭額フレームレス・デザイン！広視野角・フルHD（1920 × 1080）の15.6インチノート。天板とパームレストはアルミ素材であり、わりと高級感のある筐体に仕上がっている。テンキー付きのキーボードを搭載しており、レビュー実機ではバックライト・キーボード機能を備えている。

ストレージではPCI Express接続で高速のNVMe SSD搭載。1基搭載しているUSB Type-C端子では、「USB 3.2-Gen1（5Gbps）、Power Delivery、Display Port」 に対応。ほか、USB 3.2-Gen1端子×2基、HDMI端子など基本的なインターフェースを装備している。最近多いmicroSDではなく、標準サイズのSDカードスロット搭載なので扱いやすい。光学ドライブ、有線LAN端子な無し。メモリスロット×2基、ストレージ用 M.2スロット×2基の拡張性を持つ。妥協点は10Gbpsを超えるような高速インターフェースの端子が無いこと。

キーボード面に勾配がつく機構（リフト・ヒンジ）で、キーボードが打ちやすくなり、さらに底面側に空間が生まれるので吸気スペースも拡張される設計。ディスプレイを開くと、自動でPCが起動する「カバー・オープン・センサー」を搭載。Inspiron 15（5515）に比較的よく似たモデルには Vostro 5515 がある。

2021年10月論評 Ryzen 7-5700U

今回レビューした、DELL Inspiron 15（5515）の構成 Windows 10 Home （64bit） 15.6インチ 非光沢 【広視野角】 1920 × 1080 AMD Ryzen 7 5700U（8コア/16T、最大 4.3GHz） TDP 15W 16GB（8GB×2） DDR4メモリ （3200MHz） Radeon グラフィックス 512GB NVMe SSD （M.2 / PCI Express） ※レビューはあくまで実機の一例であるため、選択により各々の構成は異なる。 【寸法・重量・備考】 幅: 356 mm × 奥行き: 229 mm　× 高さ: 約15～18mm DELL公称の最小重量：1.643 kg　※レビュー実機は1.652 kg メモリスロット×2基実装 ストレージ用 M.2スロット×2基実装

※2021年10月25日時点のレビュー。本製品の発売日は2021年4月13日である。

レビュー実機のスペック詳細（Ryzen 7 5700U搭載構成）

今回、導入したInspiron 15（5515）の構成（チップセット、ストレージ、メインメモリ、ベンダーなど）は以下の通り。この手元にある実機に限った情報であり、カスタマイズ選択・仕様変更などで同一製品でも異なる。また、どこまでが「標準搭載」なのかは判断できない。実際の購入においては、差異があることをご了承いただきたい。

AMDのRyzen 7 5700Uを搭載。8コア実装で16スレッド動作する。TDP（熱設計電力）が15Wで、ワットパフォーマンスに優れているモバイル向け。基本クロック 1.8GHz、最大ブースト・クロック 最大 4.3GHz。内蔵GPUとしてRadeonグラフィックスを統合している。

スペック表をみると、このRadeonグラフィックスでは「512MBのメインメモリ」がビデオメモリとして使われている。※画像処理するにはビデオメモリが必要だが、内蔵GPUにはビデオメモリがないのでメインメモリの一部が代用される。この技術をUMA (Unified Memory Architecture) という。メインメモリ容量を使ってしまうことのほか、グラフィック性能がメインメモリよってやや影響されることを基礎知識として入れておこう。

この実機では、【メインメモリ】に16GB DDR4メモリ-3200MHzを搭載。Micron製の8GBメモリを2枚搭載したデュアルチャンネル構成となっている。オンラインの分解マニュアルをみると、メモリスロットを2基実装している。

搭載されていた液晶パネルはCMN152Eで、検索するとIPSパネルとのこと。【液晶パネルのメーカー】は台湾 奇美電子（Chimei / チーメイ電子）で、台湾フォックスコングループに買収され現在では「イノラックス」と呼ばれている。LG電子、サムスン電子に並ぶ世界有数の液晶パネルメーカー。

PCI Expressで高速のストレージ、NVMe SSD搭載

ストレージには、SKハイニックス製の512GB NVMe SSD（BC711）を搭載。インターフェースは、DELLのオンライン・マニュアル「セットアップと仕様」ではPCIe Gen3 x2としているが、BC711はPCIe Gen3 x4である。

このパフォーマンスをチェックする。過去レビューPCとの比較のため、通常はCrystal Disk Mark（ベンチ・マーク・アプリ）の古いバージョンのままで行っているが、一応、最新バージョンでの測定結果も掲載しておく（デザイン変更で測定値の位置が変わっている）。

誤差にしてはやや大きい数値もあるが、シーケンシャルリードでは3600MB/s前後、シーケンシャルライトは2550MB/s前後という爆速であることは一致している。またNVMe SSDとしてもさらに速い数値である。一般的にSATA接続のSSDではシーケンシャルリードが大体500MB/sあたりだが、PCI Express接続のNVMe SSDとなるとその速度は圧倒的で桁違い。なお、ベンダーは供給時期により異なり、SSDには個体差もあるので、あくまでこの実機に限った一例である。

マニュアルによるとストレージ用のM.2スロットは、「Type 2230 / 2280対応が1基、Type 2230のみ対応が1基」で、計2基実装している。

ネットワーク・無線規格

ネットワーク環境をチェック。無線LANにはインテルWi-Fi 6 AX200 160MHzを搭載。Wi-Fi 6（第6世代の無線LAN規格）なので、IEEE802.11axに対応する。Wi-Fi 5（IEEE802.11ac）から通信速度が向上し、「複数端末環境における通信の安定性」、「接続する端末の省電力性」で向上している。Bluetoothも対応。

なお、有線LANは搭載していないのでネット接続には無線環境が必須となる。または市販されているUSB接続の「有線LANアダプタ」を導入すれば対応可能。

カバー・オープン・センサー搭載

ディスプレイを開くと、自動でPCが起動する「カバー・オープン・センサー」を搭載。リッド（蓋）センサーともいう。電源ボタンを押す手間が省けるが、デメリットとして、清掃など ” 起動目的ではないとき ” にも開けば強制的に起動する。

ユーティリティ・ソフト

レビュー実機に搭載されていたマネージメント系のアプリ。左側のがサウンドチューニングのWaves MaxxAudio Pro 、右側のが電源・温度管理のDell Power Manager。おそらく標準装備と思われるが、バージョンは時期により更新されているようだ。

Waves MaxxAudio Pro ～サウンドチューニング

サウンドチューニングにWaves MaxxAudio Proを搭載。内蔵型で出力の弱い小型スピーカーでも、デジタル処理で効果的なサウンドを展開するサウンド補正技術。 ゲームサウンドでは良好な結果を残しているのだとか。項目は、イコライザー調整ができる「再生」、ヘッドフォンでのリスニング環境調節 「Waves Nx」、声の聞こえ方を向上させる「音声」の3つ。それぞれサンプル音楽を流してサウンドテストできる。

さらに詳しく 【 Waves MaxxAudio Proの解説 】

Dell Power Manager ～ 電源・温度の管理アプリ

電源プロファイル管理や、静音性（ファン速度）・温度・パフォーマンス（処理速度）のカスタマイズがDell Power Manager で行える。このシステムは、インテルDynamic Tuning Technology（インテル DTT）に基づいたチューニング機能である。バッテリー情報の「バッテリ設定」では、「バッテリーの長寿命を優先するか・・、寿命よりも急速充電」を優先するか・・・、そのバランスを取るか・・」という選択ができる。バッテリー残量0％から80％まで1時間で急速充電する機能「Express Charge」の設定もここで行える。

今回はバージョン3.9.0だが、購入時期により更新されている場合もある。なお、バッテリーの種類によって利用可能な設定が制限される。レビュー実機で確認できた機能は以下の通りで、「ピークシフト、サーマル管理、バッテリエクステンダ」の3項目が削られていた。

• バッテリー情報 （充電レベル・状況・正常性のモニタリング）
• 高度な充電 （バッテリ寿命の最適化～寿命を延ばす設定）
• アラート設定　（電源アダプター・バッテリー・温度に関するアラートをサポート）

さらに詳しく 【 DELL Power Manager（電源・温度の管理アプリ）のレポート 】

Ryzen 7 5700Uのレンダリング・パフォーマンス

このInspiron 15（5515）で搭載したRyzen 7 5700Uのパフォーマンスをチェックする。ベンチマークテストはCINEBENCH R15によるレンダリングだが、比較するのはパソ兄さんが過去にレビューしたPCに搭載されていたCPUである。重複するCPUでは整頓時に最高値だったものを残している 。オレンジ色のバーが今回のCPUのスコア。

今回のRyzen 7 5700Uではマルチスレッドで「スコア1340」。ほかのPCでは「1403」だったので、だいたいこのあたりか。Core i7-10750Hや10850Hに近いパフォーマンス。デスクトップ向けの第8世代Core i7-8700に迫るスコアだが、Ryzen 7 5700Uのほうが低消費電力なので、言うまでもなくワットパフォーマンスで優れている。（※ワットパフォーマンス： 少ない電力でも効率のよい処理をすること）

Ryzen 7 5700Uで、ゲームのベンチマークテスト

Ryzen 7 5700Uならびに統合されているRadeonグラフィックスのパフォーマンスをチェックする。むろん、CPU部分も影響することだが。過去PCとの比較のためわりと古いゲームでも測定している。古いゲームでは、ベンチマークアプリが公開された当時は内蔵グラフィックで動くはずもない高負荷だったが、今となっては内蔵GPUでプレイ可能なレベルまで達している。

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター（1280×720　標準-ノートPC）だと、快適にプレイできるパフォーマンスだった。スコア6873なので、とても快適 （5000～6999 ）の枠内。非常に快適（7000以上）まで僅差のレベル。 1920 × 1080でのプレイは画質の設定しだいかな。

古くて遊んでいるプレイヤーはもう居ないだろうけど、ストリートファイター4（1920 × 1080）では171.84 FPS。完全に楽勝すぎてオーバースペック。あくまで過去PCとの比較のためのベンチマークテストである。

ほかラストレムナントやバイオハザード6くらいの負荷があるゲームでも 1280×720解像度なら、快適にプレイができる性能だった。1920 × 1080のプレイなら画質次第だろう。

かなり高負荷なFINAL FANTASY XV・ベンチマークテストでは、「1280×720　軽量品質　フルスクリーン」で実施。実質的なプレイは微妙だが、内蔵グラフィックとしては栄光の「普通」の評価が得られた。

ただ、ゲーミングノートほど冷却システムが優れているわけではなく、内蔵GPU仕様ならではのシンプルな空冷のため、長時間の高負荷には懸念がある。例えプレイ可能な古いタイトルのゲームであっても、ゲーム用途に勧めているわけではない。あくまで短い時間でのパフォーマンスチェックに過ぎない。

以下、今回の構成におけるベンチマークテスト結果のまとめ。ゲームタイトルのリンクをクリックすると、当方過去のレビューPCと比較できる。

2021年10月論評 Ryzen 7-5700U	今回レビューした、DELL Inspiron 15（5515）の構成 Windows 10 Home （64bit） 15.6インチ 非光沢 【広視野角】 1920 × 1080 AMD Ryzen 7 5700U（8コア/16T、最大 4.3GHz） TDP 15W 16GB（8GB×2） DDR4メモリ （3200MHz） Radeon グラフィックス 512GB NVMe SSD （M.2 / PCI Express）
	ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター （1280×720　標準（ノートPC）　DirectX 11　フルスクリーン）	6873
	ラストレムナント～2009年 （1280×720　フルスクリーン）	120.45
	ラストレムナント～2009年 （1920 × 1080　フルスクリーン）	64.04
	ストリートファイター4～2009年 （1920 × 1080　デフォルト　垂直同期OFF　フルスクリーン）	171.84
	バイオハザード6 ～2013年 （1280×720　品質：初期設定　DirectX 9.0c　フルスクリーン）	7187
	FINAL FANTASY XV・ベンチマークテスト 1280×720 （1280×720　軽量品質　フルスクリーン）	3263

消費電力チェック

バッテリー満充電にて。アイドル時（待機時）の消費電力は、ディスプレイ輝度最小で4W、輝度最大で8W。ストリートファイター4のベンチマークテスト中（輝度最大）では45Wあたりだった。65WのACアダプタが付属しているが、適切な容量だろう

参考比較～同構成の別PC

過去にレビューしたInspiron 14（7415） 2-in-1も、このInspiron 15（5515）と同じ構成だったので、ベンチマークテストの結果を掲載しておく。スコア誤差レベルなので、概ねRyzen 7 5700U（Radeon グラフィックス統合）のパフォーマンスはここらと理解してよさそうだ。

2021年10月論評 Ryzen 7-5700U	Inspiron 14（7415） 2-in-1の構成 Windows 10 Home （64bit） 14インチ 光沢タッチ 1920 × 1080 AMD Ryzen 7 5700U 16GB（8GB×2） DDR4メモリ Radeon グラフィックス 512GB NVMe SSD	過去、 レビューのInspiron 14-7415 2-in-1	只今、 レビューの Inspiron 15-5515
	ファイナルファンタジーXIV: 蓮のリベレーター （1280×720　標準（ノートPC）DX11　フルスク）	6898	6873
	ラストレムナント～2009年 （1280×720　フルスクリーン）	115.76	120.45
	ラストレムナント～2009年 （1920 × 1080　フルスクリーン）	63.59	64.04
	ストリートファイター4～2009年 （1920 × 1080 デフォルト 同期OFF　フルスク）	158.45	171.84
	バイオハザード6 ～2013年 （1280×720　初期設定　DX 9.0c　フルスク）	6629	7187

狭額！広視野角！フルHD解像度の、15.6インチ・ディスプレイ

3辺狭額でスタイリッシュなフレームレス・デザイン。

天板のアルミが被さるような形状になっており、ディスプレイベゼルには段差がある。もっとも狭額な左右ベゼルでは、アルミのエッジ部分を含んでも幅が6mmというフレームレス・デザイン。（パネルの特徴で少しだけ黒縁が入っているが、そこはカウントしていない）

ディスプレイベゼル上部も狭額だが、中央に小型のWebカメラを内蔵している。その左右に2つ小さい穴が空いているが、そこにマイクを内蔵している（デュアル・マイク。

セキュリティ機能として、Webカメラのレンズを物理的にふさぐ「プライバシー・シャッター」が付いている。上のレバー（Safe View スイッチ）をスライドすることで開け閉めできる。

フルHD（1920 × 1080）解像度を搭載。15.6インチ画面では高解像度で細かい表示になるため、DELLの初期設定および推奨設定では125％拡大になっているが、基本を示すため、この掲載写真では拡大なしのドットバイドット表示（100％）に設定し直している。

見え方や感じ方には個人差はあるだろうが、拡大しなくても常用できそうな感じ。長時間のテキスト読みで疲れるようなら、適宜に拡大設定をすればいい。拡大時に発生する一般的な「にじみ問題」がネックであるが、軽減する機能も付いている。

搭載されていた液晶パネルは台湾 奇美電子（Chimei / チーメイ電子　現・イノラックス）のCMN152Eで、広視野角のIPSパネルであることがわかっている。なお、DELLではWVA（ワイド・ビューイング・アングル）というワードをよく使っているが、直訳の通り、単に「広視野角」を指しているだけ。さらに絞り込んだ液晶パネルの種類（駆動方式）までは触れていない。駆動方式まで公表している例はごく稀である。WVAと並んでたまに「Comfort View」という表現も見られるが、これはブルーライト・カットを行えるアプリ設定のことを指している。

広視野角だと、極端な角度から視聴しても、色ムラや色調反転などの色度変移が起きにくい。（流石に真正面と同じとまではいかないが）。複数人で観るようなシチュエーション、つまり様々な角度から視聴する場合にも好都合。また、スペックでは非光沢 液晶になっているが、厳密には「半光沢」である。近年は半光沢を非光沢として公称している場合が多い。

※当方では撮影の為、かなりの照明をつけており一般的な室内環境よりも明るい状況下である（テラスに近い状況）。そのためARコーティング（反射防止加工）でもないかぎり、斜め角度からだと画面に陰が載りやすい。

Inspiron 15-5515 デザイン編～ アルミ・ボディのプレミアム筐体！

Inspiron 15（5515）の天板には高級感があるアルミ素材を採用し、サンドブラストの梨地加工。アルマイト加工でさらっとした手触り。この実機のカラーバリエーションは、「プラチナシルバー」と呼ばれている。他に、「ミストブルー」というのもラインナップされている。

天板中央には少し窪んだ状態でクローム調のDELLロゴが配置されている。

本体部分にあたるパームレストは、アルミ素材であり、リッチな筐体となっている。パームレストおよびキーボードについては後ほど。

カーブで少し先端が細くなっているデザイン。

右側面のデザイン。装備端子については後ほど。

左側面のデザイン。光学ドライブが無い分、非常に薄型に仕上がっている。

装備端子のチェック

右側面では、SDカードスロット（SD、SDHC、SDXC）、USB 3.2-Gen1（1レーンの5Gbps）端子、ヘッドセット端子を配置している。microSDではなく、標準サイズのSDカードスロットなのでGood！

左側面では、電源コネクタ、電源ライト、HDMI端子、USB 3.2-Gen1（1レーンの5Gbps）、USB Type-C端子を配置している。このUSB Type-C端子の対応は次の通り。

このUSB Type-C端子が対応する、インターフェース

USB Type-C端子が対応するインターフェースは、厄介なことにPC製品によって様々である。何に対応しているのか知る必要がある。そこで、製品と同梱されている「クイックスタートガイド」、DELLサイトの「製品説明＆販売ページ」、オンライン・マニュアル「セットアップと仕様」から、情報収集して判断する。※DELLは媒体によって公開している情報がまばらで一部だけみると情報が抜けていることが多い。

クイックスタートガイドによる記載。このUSB Type-C端子では、USB 3.2-Gen1（1レーンの5Gbps）、Power Delivery、Display Port に対応するとのこと。

オンライン・マニュアル「セットアップと仕様」でも同様の記載。インターフェースでは10Gbps以上の高速タイプには対応していないということで了解した。

背面デザインとリフトヒンジ構造

背面のデザイン。

天板のアルミがそのまま背面につながっているデザイン。後述の「リフト・ヒンジ構造」のため、左右の端2箇所にスタンドゴムが取り付けられている

ディスプレイを開くと、キーボード面に勾配がつく機構（リフト・ヒンジ）。チルトスタンドの効果があり、傾斜面になったキーボードで打ちやすくなる。さらに底面側に空間が生まれるので、吸気スペースも拡張されるというもの。「ラバー ドロップ ヒンジ」ともいう。ちなみに、ディスプレイはここまで（写真参照）まで開く。一般的な用途では十分な角度だろう。

エアーフロー（排気口）

ヒンジの近く、本体とディスプレイのつなぎ目位置に排気口を配置している。設計上、ディスプレイを大きく開いたほうが排気には有効と思われる。この位置から見て、左右に2つの排気口が確認できるが、右側のはダミーデザイン。

排気口のアップ。右側のダミーのほうは放熱フィン風にデザインされており塞がっている。左側の排気口では放熱フィンが確認でき、空冷ファンに直結していることが窺える。つまりシングルファンの内蔵である。DELLサイトによるとベアリングを用いたファンだそうだ。

底面デザイン

底面の様子。内部アクセスのときに開ける底面カバーとなっている。見たところ、素材はポリカーボネート（工業プラスチック）。横に長いスリットは吸気口。カーブ面にある左右の細い穴はスピーカー孔。2W（ピーク時2.5W）のスピーカーだが、この規模にしてはサウンドクオリティはわりと良いほうだと思われる。さすがに大音量では粗が出るが、プライベート規模での娯楽ならクオリティは十分。

底面を斜めからみる。ヒンジでは「リフト・ヒンジ構造」ため奥まったように配置されている。

65WのACアダプタ付属

Inspiron 15（5515）で付属しているのは、65WのACアダプタ（コネクタ先はDCプラグ）。

ACアダプタからPC側へつなぐケーブルは比較的細めだが、ジョイント式のAC電源ケーブルは太めなので取り回しはよくない。※AC電源ケーブルは一般的に市販されているメガネ型3P（通称ミッキー型 / IECコネクター・60320-C5）なので、市販品への変更は可能。

アルミのパームレストでリッチな気分を

アルミのパームレストなので、操作していてプレミアム感を堪能できる。テンキー付きのキーボードを搭載。テンキーでスペースを使っている分、いくつかキーが狭くなっている。

広いタッチパッドエリア。

そして、タッチパッドの周囲にはダイヤモンドカット加工が施されている。ダイヤモンドバイトという「精密金型加工に適した刃先の道具」で金属を削るため、ダイヤモンドカット（ダイヤカット）と呼ばれる。アルミの地色を削り出す表面処理加工法であり、金属を削り出したそのままの肌がデザイン性を高める。

テンキー付きキーボード！オプション機能にバックライト

Inspiron 15（5515）で搭載されているキーボードは、【DELL製品で汎用的に流用されているキーボード・パーツ】である。そこから「バックライト・キーボード」、「指紋認証リーダー統合の電源ボタン」はオプション扱いの機能となっている。

キーボード単体での使用感は別ページにてまとめて紹介している。パーツ限定の共通コンテンツであるが、詳しく知りたい方は以下のリンク先を参考に。同型キーボードにブラックがあるが、このInspiron 15（5515）ではタイタングレーというグレー色のほうである。また、キーボードの被写体はこのInspiron 15（5515）なので、そのまま製品のレビューとして見てもかまわない。

キーボードのバリエーション

• 同型 ブラック（バックライト機能無し）　※被写体：Vostro 5515 / 5510
• 同型 グレー （バックライト機能付き）　※被写体： Inspiron 15（5515）　※こちらを参考に！！

左端キーから右端キーまでの幅が330mm。オプションの「バックライト・キーボード機能」は、F5キーの「バックライト・マーク」の有無で判断できる。電源ボタンでは「ノーマルタイプ」のほか、オプションの「指紋認証リーダー付き」が存在する。

リンク先できっちり紹介しているので、ここではさらっと解説。

BackSpace、Enter、右shiftはその横のキーと隣接させつつ、キートップの段差で隔離している。これはユーザービリティのためではなく、単なるコストダウン加工と思われる。プレートの穴開けが英字キーボードと一致していることから、加工をグローバルで共通化させてコストダウンを図っているようだ。 使用頻度の高いBackSpaceキーが小さくなってしまうところにデメリットを感じる。Enterキーも大きいとは言えない。

カーソルキーは理想とする段差配置にはなっていないものの、左右カーソルキーはメインキーと同じサイズであり操作しやすい。ただし上下カーソルキーは縦のリーチが短く、特に上カーソルキーは他のキーに囲まれているため扱いにくい。指先を垂直に立てて押す格好になる。下カーソルキーは下端にあるため、誤接触のリスクは少ない。テンキーの上には「電卓機能キー」が付いており、その横にはCEキーと+/-キーがあり、ダイレクトに電卓操作が可能。

左サイドのキー（tab、caps lock、shift）は横長で面積広め。特に使用頻度の高い半角全角キーが少々小さい。しかし最も左端に位置するため、誤接触はほぼない。

右上の端に配置された電源ボタン。この実機ではノーマルタイプだが、オプション選択が可能な「指紋認識リーダー統合型の電源ボタン」もある。

このInspiron 15（5515）実機では、バックライト・キーボード機能を搭載している。（F5を繰り返し押すことで、ライトのオンオフおよび、2段階の調光可能）。

薄暗い会議室や、寝室などとっさの使用でも室内照明を点けずに操作することができ、わりと重宝する機能である。機能がオンのときは、キーに触れると自動的に点灯する。しばらく操作をしないと自然に消灯する。

DELLサイトで販売されている複数の構成をみると、レビュー時点ではすべて「バックライト・キーボード機能搭載」だったが、マニュアルではオプション扱いになっている。当方では実質的な標準搭載の範囲がわからないので、購入時に確認しておいたほうがいい。

最新情報など、詳しくはDELLサイトへ

Inspiron 15（5515）のレビューは以上。ここで紹介した実機は一例の構成であり、ユーザーの選択や販売時期により異なる。紹介した内容がすべて標準搭載というものではなく、購入の際はオプション搭載があることを留意していただきたい。

2021年10月論評 Ryzen 7-5700U

AMD Ryzen 5000シリーズ搭載モデル 狭額、広視野角！テンキー付き！アルミボディの15.6インチノート DELL Inspiron 15（5515） AMD仕様で、狭額フレームレス・広視野角・フルHDの15.6インチノート。天板とパームレストはアルミ素材で、わりと高級感のある筐体。テンキー付きのキーボードを搭載しており、レビュー実機ではバックライト・キーボード機能を備えている。 ストレージではPCI Express接続で高速のNVMe SSD搭載。1基搭載しているUSB Type-C端子では、「USB 3.2-Gen1（5Gbps）、Power Delivery、Display Port」 に対応。ほか、USB 3.2-Gen1端子×2基、HDMI端子など基本的なインターフェースを装備している。最近多いmicroSDではなく、標準サイズのSDカードスロット搭載なので扱いやすい。光学ドライブ、有線LAN端子な無し。メモリスロット×2基、ストレージ用 M.2スロット×2基の拡張性を持つ。妥協点は10Gbpsを超えるような高速インターフェースの端子が無いこと。

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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より

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