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約1Kgの軽量!マグネシウム天板&アルミ・パームレストのメタルボディ!
広視野角・狭額、単体GPUも搭載できる13.3インチノート
DELL Inspiron 13 7000(7300) レビュー
Tiger Lake-UP3設計の13.3インチノート、Inspiron 13 7000をレビューする。(コンピューターモデル名: Inspiron 7300 / 規制モデル名: P122G)。便宜上、Inspiron 13-7300と呼称する。コストパフォーマンス重視のInspironブランドで、最上位の7000シリーズ。天板と底面カバーにマグネシウム合金を採用し、パームレストにアルミ合金を採用したオール・メタルボディ。エッジにはダイヤモンドカットの仕上げでプレミアム感をもたせている。光学ドライブは搭載していない。
このレビュー機では、第11世代Core i7-1165G7とGeForce MX350を搭載した構成になっている。しかしCPUの統合型グラフィックである「インテル Iris Xe グラフィックス」が結構強力なパフォーマンスを持っているので、GeForce MX350を搭載するメリットはさほどない気がする。
Inspiron 13-7300のサイズは幅: 304 mm × 奥行き: 198 mm、厚みは15~16.5mmとスリムなくさび形。DELL公称重量が0.999kgで、1kg未満を目指した軽量13.3インチノートのようだ。ただ、単体GPU搭載モデルでは公称重量1.05 kgであり、レビュー実機の測量では1.025 kgだった。
解像度1920 × 1080の広視野角・非光沢ディスプレイ、高速ストレージのNVMe SSDを搭載。無線LANにはWi-Fi 6搭載。USB 3.2-Gen2、Display Port 1.4 、Thunderbolt 4(40Gbps)、Power Delivery に対応するUSB Type-C端子を実装。バックライト・キーボードも搭載。メモリは換装不可のオンボードのため、注文時の容量選びは慎重に。
ディスプレイを開くと、キーボード面に勾配がつく機構。ディスプレイを開けば自動でPCが起動する「カバー・オープン・センサー」や、状況に合わせて温度とパフォーマンスのバランスを図るインテリジェント温度管理などのテクノロジーも搭載。レビューはあくまで実機の一例であるため、選択により各々の構成は異なる。
2021年9月論評 Tiger Lake -UP3 |
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※2021年9月15日時点のレビュー。本製品の発売日は2020年10月13日である。
レビュー機の仕様: Core i7-1165G7 + GeForce MX350 2GB GDDR5
今回、導入したInspiron 13-7300の構成および、採用されていたベンダーは以下の通り。この手元にある実機に限った情報となる。ユーザーのカスタマイズ選択や、メーカーの仕様変更、時期的な事情により同一製品でも異なる。また、複数の既存構成からのカスタマイズ販売という面から ” どこまでが標準搭載なのか ” こちらでは判断できない。実際の購入においては、「レビュー実機との差異」があることをご了承いただきたい。
第11世代 Core i7-1165G7 を搭載
このInspiron 13-7300実機では、低電力仕様、Tiger Lake-UP3設計の第11世代Core i7-1165G7 を搭載。4コア実装、HTテクノロジーによって8スレッド動作、12MBキャッシュ、ターボブーストの最大4.7GHz。TDP28Wと低消費電力でワットパフォーマンスに優れている。(少ない電力でも効率のよい処理をするパフォーマンス)。
CPU内では強力になった内蔵GPUの Iris Xe グラフィックスを統合しているが、今回はグラフィックカード(GeForce MX350 2GB GDDR5)を搭載しているので利用しない。ただ、NVIDIA Optimus テクノロジーにより、用途に合わせ両グラフィックの切り替えが可能。
DELLサイトをみると、第11世代 Core i5-1135G7 の選択肢もみられる。Core i7-1165G7よりもキャッシュと最大クロック数が引き下げられているが、同じく4コア、8スレッド動作なので、悪くはない。
※Inspiron 13-7300が採用しているアーキテクチャ解説 【 Tiger Lake 設計 】
初心者向けCPU基礎知識
- 基本的なCPUのスペック : 動作周波数(GHz)や、キャッシュメモリ、TDPなど
- 定格内の自動クロックアップ(最大~GHz)の、ターボ・ブースト・テクノロジーとは
- PCの複数同時処理! ~コア/~Tという、マルチコアとマルチスレッドとは
- CPUに統合された、内蔵グラフィックとは
NVIDIA GeForce MX350搭載
今回のInspiron 13-7300実機例として単体グラフィックに、NVIDIA GeForce MX350 2GB GDDR5 を搭載。
【基礎知識: グラフィック専用のチップである単体GPUとは 】
NVIDIA Optimus テクノロジーにより、切り替え可能グラフィックとなっている。搭載しているCPU(今回の場合はCore i7-1165G7)が統合している内蔵グラフィック「Iris Xe グラフィックス」と切り替えて使うことが可能。グラフィック切り替えの設定はNVIDIAコントロールパネルで行える。
上の写真右はNVIDIAコントロールパネルの設定画面。3D設定の管理にて「グローバル設定」はグラフィックの切り替えを全体的に総括した設定だが、これが結構アバウトな判断をする。そのため、このグローバル設定で意図したグラフィックで動作しない場合は、「プログラム設定」でアプリごとに任意のグラフィック指定をすると良い。例えば、確実に単体グラフィックで動かしたい場合は、「プログラム設定→プログラムの選択(アプリ指定)→高パフォーマンス NVIDIAプロセッサ」で確実にする。
詳しく切替可能グラフィックの解説 【NVIDIA Optimus と、AMD Enduro 電力管理テクノロジー】
メモリやストレージなど
このInspiron 13-7300実機では16GB LPDDR4x メモリ(Low Powerの低消費電力タイプ)を搭載。ただ、メモリスロットへのモジュール搭載ではなく、直に取り付けられたオンボード・メモリとなっている。後からは増設も換装もできないので、メモリ容量の選択は慎重に。ほかに8GBメモリの構成がみられる。オンボード上でデュアルチャンネルになっているらしく、16GBでは8GB×2基、8GBでは4GB×2基の構成になっている。
【基礎知識: メインメモリ(主記憶装置)とは 】
ストレージ ~ PCI Express接続で高速のNVMe SSD
ストレージに、SKハイニックス製PC611を搭載している。(M.2スロットに1TB NVMe SSD搭載。フォームファクタはType 2280)。パフォーマンスはこの通りで、シーケンシャルリードでは3222MB/sという爆速。一般的にSATA接続のSSDではシーケンシャルリードが大体500MB/sあたりだが、PCI Express接続のNVMe SSDとなるとその速度は圧倒的で桁違い。シーケンシャルライトも桁違いに速く1906MB/sだった。なお、ベンダーは供給時期により異なり、SSDには個体差もあるので、あくまでこの実機に限った一例である。
M.2スロットに搭載されるSSDについて
ネットワーク・無線規格
レビュー実機で搭載しているネットワーク環境をチェック。無線LANにはインテルWi-Fi 6 AX201 160MHzを搭載。Wi-Fi 6(第6世代の無線LAN規格)なので、IEEE802.11axに対応する。Wi-Fi 5(IEEE802.11ac)から通信速度が向上し、「複数端末環境における通信の安定性」、「接続する端末の省電力性」で向上している。Bluetooth 5.1に対応。なお、有線LANは搭載していないので無線環境が必須となる。
※ネットワーク基礎知識 【 無線LAN規格 について 】
※Bluetooth(ブルートゥース)~異なるメーカーの周辺機器をまとめて無線接続。
カバー・オープン・センサー搭載
ディスプレイを開くと、自動でPCが起動する「カバー・オープン・センサー」を搭載。リッド(蓋)センサーともいう。電源ボタンを押す手間が省けるが、デメリットとして清掃など「起動目的ではないとき」にも強制起動する。
温度管理機能(アダプティブ サーマル)
人体またはデスクの上に置かれている状況を識別し、パフォーマンス調整で温度管理する機能がある。 手に持っているとき、膝に置いたときは不快感軽減のため熱くなりくく、デスク上のときは熱くなっても高速処理優先する。アルゴリズムと加速度計を使用して判断しているらしいが、詳しい仕組みは不明。
ユーティリティ・ソフトの一例
レビュー実機に搭載されていたマネージメント系のアプリ。左側のがWaves MaxxAudio Pro(ver.3.074.0) 、右側のがDell Power Manager(ver3.9)。おそらく標準装備と思われるが、バージョンは時期により更新されているようだ。
Waves MaxxAudio Pro ~サウンドチューニング
サウンドチューニングにWaves MaxxAudio Proを搭載。内蔵型で出力の弱い小型スピーカーでも、デジタル処理で効果的なサウンドを展開するサウンド補正技術。 ゲームサウンドでは良好な結果を残しているのだとか。項目は、イコライザー調整ができる「再生」、ヘッドフォンでのリスニング環境調節 「Waves Nx」、声の聞こえ方を向上させる「音声」の3つ。それぞれサンプル音楽を流してサウンドテストできる。
さらに詳しく 【 Waves MaxxAudio Proの解説 】
Dell Power Manager ~ 電源・温度の管理アプリ
電源プロファイル管理や、静音性(ファン速度)・温度・パフォーマンス(処理速度)のカスタマイズがここで行える。このシステムは、インテルDynamic Tuning Technology(インテル DTT)に基づいたチューニング機能である。バッテリー情報の「バッテリ設定」では、「バッテリーの長寿命を優先するか・・、寿命よりも急速充電」を優先するか・・・、そのバランスを取るか・・」という選択ができる。バッテリー残量0%から80%まで1時間で急速充電する機能「Express Charge」の設定もここで行える。
さらに詳しく 【 DELL Power Manager(電源・温度の管理アプリ)のレポート 】
13.3インチ 非光沢 ディスプレイ・広視野角(解像度 1920 × 1080)
Inspiron 13-7300は、4辺とも狭額でスタイリッシュなフレームレス・デザイン。下部ベゼルにDELLロゴの入るスペースもないくらい。この実機では「13.3インチ 非光沢 ディスプレイ・広視野角(解像度 1920 × 1080)」となっているが、オンラインマニュアルを見る限り、ほかに選択肢はないもよう。色域はsRGB 100%をカバーしている。パネルの電力消費(最大)は 1.99 Wとなっている。
高解像度で細かい表示になるため、DELLの初期設定および推奨設定では150%拡大になっているが、掲載写真では拡大なしのドットバイドット表示(100%)に設定し直している。13.3インチ画面に「1920 × 1080のドットバイドット表示」はかなり細かい見え方になるが、人によっては許容範囲であろう。長時間のテキスト読みで疲れるようなら、適宜に拡大設定をすればいい。拡大時に発生する一般的な「にじみ問題」がネックであるが、軽減する機能も付いている。※ディスプレイの見え方に関しては、視力や好みの違いにより意見が分かれるので正解・不正解はない。
このInspiron 13-7300レビュー実機では、液晶パネルに台湾の奇美電子(Chimei / チーメイ電子)のCMN13A5を採用。チーメイ電子は台湾フォックスコングループに買収され、現在では「イノラックス」と呼ばれている。LG電子、サムスン電子に並ぶ世界有数の液晶パネルメーカー。なお、採用されているベンダーは時期により異なると思われるので、あくまで一例と理解してほしい。
この撮影環境のように照明の強いところではやや陰ができるが、広視野角パネルだと分かる。採用パネル CMN13A5の駆動方式を調べると「AAS, Normally Black, Transmissive」とある。AASは属性としてIPSパネルの類になる。
上からの視野角。DELLではWVA(ワイド・ビューイング・アングル)というワードをよく使っているが、直訳の通り、単に「広視野角」を指しているだけ。さらに絞り込んだ液晶パネルの種類(駆動方式)までは触れていない。駆動方式まで公表している例はごく稀である。広視野角だと、極端な角度から視聴しても、色ムラや色調反転などの色度変移が起きにくい。複数人で観るようなシチュエーション、つまり様々な角度から視聴する場合にも好都合。非光沢ディスプレイなので、メリハリでは光沢ディスプレイに劣るが、背景映り込みの煩わしさは軽減できる。それに目に優しいためビジネスなど長時間用途には良い。
ディスプレイ基礎知識
- 広視野角とは : 液晶パネル(TFT液晶)の駆動方式
- ディスプレイ表面処理 ~ 光沢(グレア)と非光沢(ノングレア)
- ドットバイドット表示とは : 解像度と画素(ドット)
- 「 画面サイズと解像度 」 の組み合わせ比較
狭額デザインと小型Webカメラ内蔵
最も狭額な左右ディスプレイベゼルでは、幅が5mmほどとスリム。
上部ベゼルには小型のWebカメラを内蔵。その左右にデュアルマイクを内蔵。セキュリティ機能として、Webカメラにはレンズを物理的にふさぐ プライバシー・シャッター 付き。上のレバー(Safe View スイッチ)をスライドすることで開け閉めできる。シャット中はレンズ部分が白くカバーされている。
Inspiron 13-7300の装備インターフェース
右側面のインターフェース
左側面の装備端子。microSDカードスロットというのは、サイズが限定されてしまい扱いにくい。ヘッドセット端子、USB 3.2-Gen1(1レーン・5Gbps)を各1基実装している。microSDカードスロットを除けば、わりとスタンダードな装備端子と思われる。光学ドライブや有線LAN端子は無い。
左側面~Thunderbolt 4(40Gbps)実装
Inspiron 13-7300の左側面では、電源コネクタ、電源ライト、HDMI端子、USB 3.2-Gen1(1レーン・5Gbps)、USB Type-C端子(Thunderbolt 4)を配置。
USB Type-C端子の対応をチェック
クイックスタートガイドの備考欄よりUSB Type-C端子の対応をチェックする。
Thunderboltのマークがあるので、Display Port 、Thunderbolt 4(40Gbps)に対応するとある。さらに基礎知識で補足すると、そもそもThunderbolt 4はUSB4に準拠しているので、Display Port、Power Deliveryのサポートは当然。それにUSB 2.0、USB 3.2のGen1(5Gbps)とGen2(10Gbps)にも上位互換で対応している。ただし、USB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)については規格の別枠扱いなので、対応はPC次第である。このInspiron 13-7300では記載がないので、USB 3.2 Gen 2×2の対応は無しと思ったほうがよさそうだ。
なお、シリアルバスの端子(インターフェース)が複雑かつ難解化してきたので、以下に概要をまとめている。
USB 3.2への改称について
2017年に「USB 3.2」が発表された。これまでのUSB 3.0 および USB 3.1は伝送路が「1レーン」であるが、これを「2レーン」に束ねることで高速化した。ここで面倒くさい事に、従来(1レーン)のUSB 3.0、USB 3.1を取り込む形で改称がされ、すべて名称は「USB 3.2」で統一された。つまり、「1レーンのUSB 3.2」と、「2レーンのUSB 3.2」が存在する。現在では1レーンが多いので、ややこしくなったら旧称に置き換えるとよい。
- USB 3.2 Gen1 (1レーン・5Gbps) = 旧称 : USB 3.0 / USB 3.1-Gen1
- USB 3.2 Gen2 (1レーン・10Gbps) = 旧称 : USB 3.1-Gen2
- USB 3.2 Gen 2x2 (2レーンで20Gbps) ※コネクタはUSB Type-Cのみ
※2019年2月、策定団体のUSB Implementers Forum 【USB-IF】 によって「USB 3.2」と名称変更。※過去にアップしたレビュー記事では修正を入れないのでご留意を。※USB Type-Cは単なるコネクタ形状の規格であるため、どの転送規格に対応するかは各々異なる。
インターフェースの基礎知識
- 周辺機器とつなぐ端子の知識 : 接続端子(シリアルバス規格)の解説
- ディスプレイと接続する端子の知識 : ディスプレイ端子の解説
Power Delivery
Power Delivery(USB PD)とは「USB電力拡張規格」のこと。大きなメリットとして、容量さえクリアできれば市販のPower Delivery対応ACアダプターを使うことができる(これでメーカー専用ACアダプタの縛りから解放される)。また規格としては、ホスト側から電力を得て、数珠つなぎ式で次々に対応周辺機器へ電源供給ができる。
【 Power Delivery について、さらに詳しく解説 】
Thunderbolt 4
Thunderbolt 4規格はUSB Type-C端子を使った最も完全なインターフェースと言われ、多くのインターフェースに対して上位互換があり総合的に活用できるのが特長。
Thunderbolt 3と同様、双方向でそれぞれ40Gbpsの転送速度。PCI Express 3.0の4レーンを使うなど前世代から性能の底上げがある。PCIeの転送速度は32Gbps。供給できる電源は15W。8Kディスプレイへの接続に対応。4Kディスプレイでは2台までの同時接続が可能となった。「ユニバーサル ケーブル」で統合されており、互換性を保持したままで最長2mまで対応。またUSB4 規格に準拠しているので以下も参照。
USB4
USB4は「USB 3.2、USB 2.0、Thunderbolt 3」をひとつにまとめた通信プロトコル。USB Type-Cコネクタを採用している。電源供給にはPower Deliveryをサポート。USB 3.2では不可だったDisplayPortやPCI Expressの転送が可能。映像出力にはUSB4(実質的にはDP)とDisplayPortに対応する。※注意事項として、USB 3.2 Gen 2x2(2レーンの20Gbps)の対応は規格外。規格には含まれないのでPCの対応次第となる。マグネシウム合金を採用した、約1kgの軽量ボディ
Inspiron 13-7300のサイズは、幅: 304 mm × 奥行き: 198 mm × 厚み: 15~16.5mm。DELL公称の重量は0.999kgで、1Kgを切るのがコンセプトのようだ。しかし単体GPU搭載モデルでは公称重量が1.05 kgとなっている。レビュー実機の測量では1.025 kgだった。
Inspiron 13-7300の筐体素材についてDELLサイトではこうある。「頑丈で耐久性に優れた超軽量のマグネシウム合金製外装により、アルミニウムよりも軽量ながら、ノートパソコンをどこにでも簡単に持ち運びできます。」
マグネシウム合金とは、マグネシウムをメインとしたアルミニウム・亜鉛との合金で、アルミニウム合金と同じく「軽合金」に分類される。アルミニウム合金と比較すると剛性で劣るものの、軽量面では優勢。
また、製品ページでは「マグネシウム合金(A/Dカバー) アルミ プレス(Cカバー)」という記載。容赦なく業界用語を入れてくるスタイルはいかがなものかと思うが、消費者にわかりやすく言うと、A(天板)とD(底面カバー)がマグネシウム合金、C(パームレスト)がアルミ合金である。つまりオール・メタルボディの13.3インチノートである。
マグネシウム合金の天板中央には、クロム調のDELLロゴを配置。マグネシウム合金はアルミ素材と質感が違うので、ちょっとプラスチックっぽい雰囲気がある。正直、判断が難しい。
前面デザイン。中央にWebカメラ・プライバシーシャッターのレバーが見える。
右側面の様子。厚み15~16.5mmのくさび形で、かなり薄型に仕上がっている。USB端子の標準(Aコネクタ)を搭載できるギリギリの薄さかと思われる。
左側面の様子。ディスプレイを開くと、キーボード面に勾配がつく機構(リフト・ヒンジ)。チルトスタンドの効果があり、傾斜面になったキーボードで打ちやすくなる。さらに底面側に空間が生まれるので、吸気スペースも拡張されるというもの。「ラバー ドロップ ヒンジ」ともいう。
背面は多面体になっており、ディスプレイを開いたときに潜り込んで地面のスタンドになる構造。角には半円のソフトプラスチックが当てられている。ヒンジは内側に潜り込んだ構造。
ディスプレイを開いたとき、その空間から排気されるエアーフローになっている。ディスプレイを大きく開いたほうが排気には有利と思われる構造。高負荷なゲームなどを長時間動かすようなPCではなさそうだ。熱環境によりパワーもセーブされるだろう。
底面は天板と同様、マグネシウム合金素材を採用している。中央にはプレス加工されたinspironロゴ。エッジの緩さはマグネシウム合金の特徴といえる。
65W ACアダプタが付属
付属しているのは65WのACアダプタ(コネクタ先はDCプラグ)。Inspiron 13-7300のUSB Type-C端子ではPower Deliveryに対応しているので、市販されているUSB Type-CのACアダプタも使えると思われる。
ACアダプタからPC側へつなぐケーブルは比較的細めだが、ジョイント式のAC電源ケーブルは太めなので取り回しはよくない。実物を測量したところ、アダプタ本体は221g、AC電源ケーブルは101gだった。※AC電源ケーブルは一般的に市販されているメガネ型3P(通称ミッキー型 / IECコネクター・60320-C5)なので、市販品への変更は可能。当方では細めの市販ケーブルを予備にストックしている。
AC電源ケーブルが太い事情
特にモバイル用途となると、太いAC電源ケーブルにゲンナリすることだろう。それには事情があるようで、長期に渡り大きく折り曲げることの繰り返し、束ねてきつく巻き付けた状態による破損(断線)のリスク回避と思われる。日本HPでは、2010年~2012年頃の同梱ケーブル(LS-15)で発熱・発火のおそれから回収問題になっている。レノボ、日本MS(Surface Pro)でも同様の事例がある。現在ではどこのメーカーでも太いみたいだ。DELLでは当方が知る限り、2010年には今のようなごっついケーブルだった(2009年ごろのはもう少し細めであった)。
市販されているケーブルには細いタイプもあり取り回しが良い。(プラグ先だけのタイプもある)。ただし、細いケーブルは物理的ストレスの耐久性が低いので、扱いには注意する必要がある。いずれも、ちゃんと理解して安全に利用できるユーザーからすれば太いケーブルは迷惑な仕様なのだが、メーカーとしては意識の低いところに足並みを揃えるしかないのだろう。
電源ケーブルのコネクタには、国際電気標準会議(IEC)が定める「IEC 60320」という規格が使われる。一般的なノートで使われるACアダプタでは、「ミッキー型」とか「メガネ型3P」と呼ばれるコネクタで、C5(メス)・C6(オス)という規格。デスクトップPCで使われるC13 / C14よりも、扱える定格電流が低い。
電源ケーブルについては、【電源ユニットの知識】で解説している。アルミ合金のパームレストに、ダイヤモンドカットのアクセント
Inspiron 13-7300のパームレストは、アルミ合金をプレスしたもの。プラスチックと比べてプレミアム感が違う。
パームレストのエッジにはダイヤモンドカットの加工。ダイヤモンドバイトという「精密金型加工に適した刃先の道具」で金属を削るため、そう呼ばれる。アルミの地色を削り出す表面処理加工法であり、金属を削り出したそのままの肌がデザイン性を高める。
わりと広めな一体型タッチパッド。
タッチパッドのエッジにも、ダイヤモンドカット。なお、アルミよりも剛性で劣るマグネシウム合金では、ダイヤモンドカットは見られない。
パームレストの両サイドにスピーカ孔を配置。サウンドクオリティはそこそこ良いので、よほどのこだわりがないかぎり、エンターテインメントに十分使える。2W出力のスピーカで最大は2.5W出力。
バックライト付きキーボード
Inspiron 13-7300で実装されているキーボード。シルバーにグレーっぽい印字(実際は白抜き)なので、黒キーボードより視認性は良くない。
一部のキー(BackSpace、¥、Enter、shiftなど)はその横のキーと隣接させつつ、キートップの段差で隔離している加工がされている。これはユーザービリティのためではなく、単なるコストダウン加工と思われる。プレートの穴開けが英字キーボードと一致していることから、加工をグローバルで共通化させてコストダウンを図っているようだ。 BackSpaceと¥のキーが小さいのでやや扱いづらいのがデメリット。 カーソルキーは小さい上に段差配置になっておらず、Page up/downと並列になっているため、特に上のカーソルキーは操作しづらい。
左側では特に気になるような配列はない。半角全角キーも小さくないし良好。
右上の端に配置された電源ボタンは「指紋認識リーダー統合型の電源ボタン」。ボタン表面がフラットになっており、センサーになっている(Windows Hello対応)。クイックスタートガイドではオプション扱いになっているが、多くの販売構成では搭載されている。
キータッチの様子。比較的、キーストロークはあるほう。
バックライト・キーボード機能を搭載している。(F5を繰り返し押すことで、ライトのオンオフおよび、2段階の調光可能)。薄暗い会議室や、寝室などとっさの使用でも室内照明を点けずに操作することができ、わりと重宝する機能である。機能がオンのときは、キーに触れると自動的に点灯する。しばらく操作をしないと自然に消灯する。
これはDELLの他モデルでも流用されている汎用的なキーボードであり、キーボード単体での使用感は別ページにてまとめて紹介している。パーツ限定の共通コンテンツであるが、詳しく知りたい方は以下のリンク先を参考に。
Inspiron 13-7300と同型キーボードパーツは4タイプ調査しており、Inspiron 13 5000(5390)がまったく同じものに該当する。被写体は過去にレビューしたPCであるが、キーボードのパーツ自体は共通である。掲載画像サイズが特大になっているので細部までチェックしてみよう!。
この型のキーボード、単体パーツレビュー
備考:このキーボードのバリエーション
- 同型 ブラック (バックライト機能付き) ※被写体: Inspiron 14-5490
- 同型 グレー (バックライト機能付き) ※被写体: Inspiron 13 7000 2-in-1 (7391)
- 同型 グレー (バックライト機能無し) ※被写体: Latitude 3301
Core i7-1165G7 + GeForce MX350 のベンチマークテスト
今回、Inspiron 13-7300の構成(Core i7-1165G7 + GeForce MX350)における、本格ゲームのベンチマークテスト結果。GeForce MX350でちゃんと動くように自動切り替えではなく、NVIDIAコントロールパネルから任意指定した。(自動認識が信用できないのがNVIDIA Optimusの面倒くさいところ)。
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター (1920 × 1080 最高品質)では「3150」なので実質的にもプレイ可能なパフォーマンス。ラストレムナント(1920 × 1080 フルスクリーン)では、102.30 FPS。最上指数の90 FPSを超えているので申し分ない。以下、今回の構成におけるベンチマークテスト結果のまとめ。ゲームタイトルのリンクをクリックすると、当方過去のレビューPCと比較できる。
2021年9月論評 Tiger Lake |
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ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター (1920 × 1080 最高品質 DirectX 11 フルスクリーン) |
3150 | |
ラストレムナント~2009年 (1920 × 1080 フルスクリーン) |
102.30 |
ゲームのベンチマークテストについて
- バッテリー駆動では著しくパフォーマンスが下がるので、ACアダプタは常時接続している。
- PCの排熱性能(冷却システム)によって、CPUやGPUのパフォーマンスに影響がでるため、純粋にそのCPUやGPUだけの性能とは言えない。(ポテンシャルを引き出していない場合もある)
- 3Dゲームでは美麗な描写処理を担うグラフィック(GPU)の性能が重視されるが、CPUも軽視できない。炎、煙、風、速度などの自然現象をシミュレーションする物理演算(エフェクト)や、プレイヤーが操作しないキャラクター(NPC-non player character)を動かすのは人工知能(AI)であり、それはCPUが担っている。ゆえにCPUの依存度はゲームの処理内容による。
FINAL FANTASY XV・ベンチマークテスト 1280×720で比較
かなり高負荷なFINAL FANTASY XVでは、「1280×720 軽量品質」でも快適とはいえない。スコア3882で普通という指標だった。動作できるくらいのものだろう。
過去のレビューPCの結果をピックアップしたところ、第11世代 Core i7-1165G7(統合:インテル Iris Xe グラフィックス)を搭載したXPS 13(9310)とほぼ変わらない。つまり、NVIDIA GeForce MX350 を搭載しても、しなくても、FINAL FANTASY XV・ベンチマークテストに至っては同じようなパフォーマンス。
様々な面を考慮すれば、GeForce MX350の搭載が無意味とは言わないが、インテル Iris Xe グラフィックスが強力になったため、GeForce MX350くらいのグラフィックを搭載するメリットは薄れている印象。CPUが違うので厳密な比較ではないが、GeForce MX250を搭載したPCとは僅差のレベル。GeForce MX150よりはやや上がっている印象。
FINAL FANTASY XV・ベンチマークテスト 1280×720 (1280×720 軽量品質 フルスクリーン) ※リンク先は、過去のレビューPCとの比較ページ |
スコア | |
2021年9月論評 |
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3882 |
2021年9月論評 |
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3810 |
2020年9月論評 |
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3784 |
2019年12月論評 |
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3697 |
2020年1月論評 |
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3577 |
2018年12月論評 |
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3389 |
※当サイトにおける、ベンチマークテスト結果。
Core i7-1165G7のパフォーマンス
このInspiron 13-7300で搭載したCore i7-1165G7のパフォーマンスをチェックする。ベンチマークテストはCINEBENCH R15によるレンダリングだが、比較するのはパソ兄さんが過去にレビューしたPCにおけるもの。(重複するCPUでは最高値だったものを残している) 。オレンジ色のバーが今回のCPUのスコアである。なお、CINEBENCH R15の結果がCPU性能の全てではないのでご留意を。
マルチスレッドでのスコアは663だった。Core i7-1165G7の最高(当サイトのレビューPC内)は799なので、CPU自体のポテンシャルはまだある様子。ここらは排熱の関係でパワーセーブされているのかもしれない。
CINEBENCH R15ベンチマークテストとは
ドイツMAXON社の3DCG作成ソフト「CINEMA 4D」をベースとしており、レンダリングにかかった時間などでスコアが算出される。CPUを100%稼働させるので「CPU性能指数」の目安になり、コア数が多く(スレッド数が多く)高クロックのCPUほど短時間で処理できる。主にマルチコア環境での参考になる。搭載GPUの影響はほぼ受けない。
【CINEBENCH R15ベンチマークテスト ~ 過去レビューPCとの、マルチスレッド比較 】Inspiron 13-7300の内部構造をチェック
Inspiron 13-7300の内部構造をチェックする。ほとんど拡張性はなく、開ける機会はほとんどないだろう。オンボードメモリのため、増設や換装はできない。強いて開ける機会があるとしれば、NVMe SSDの換装くらい。Type 2280 / 2230対応のM.2スロットを1基実装している。
換装のための内部アクセスは、底面ボディをごっそり取り外す構造なのでややハードルが高い。 黒いPETフィルムで覆われ、パーツが保護されている。PETフィルムとは : ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いたコシのある高分子フィルムで、耐熱性があり、酸素や湿気に対するバリア性を持つ。
内部アクセスに関しての注意事項
DELLサイトにて分解マニュアルがダウンロードできるので、分解手順を知ることができる。ただし自己責任の作業であるため、当サイトでは推奨していない。リスクを理解されていることを前提に紹介している。ネジを外し底面カバー全体を外す工程になるが、肝となる作業は多数に引っ掛けてあるツメを丁寧に外していくことである。無理に力を加えるとツメの破損につながるため、パテ用のプラスチックヘラが必需品となる。いくつか幅の異なるヘラを取り揃えるとよい。
シャーシ(枠組み)を持たないシンプルな構造のノートPC筐体では、「天板部 ・ パームレスト部 ・底面部」の3つに分類される。そしてパームレスト部または底面部のどちらかが、トレイのような器形状となっている。開閉カバーがフラットタイプは比較的開けやすいが、器形状のトレイ・タイプだと端子部分も含むためややハードルが高めになる。ノートPCの筐体構造については「ノートPC筐体素材(その2)~ 」で触れている。4セル バッテリー(53WHr)を内蔵。やや左寄りが谷間になっているが、着脱時には一枚のバッテリーになっている。
シングルファンの内蔵。CPUだけでなくGPUのクーラーも兼ねているので、やはりパワーセーブするのだろうか。デュアルファンじゃないので、エアーフロー機能は心もとない。
無線LANにはインテルAX201D2Wのモジュールを搭載。スロット式ではなく、直付けのようだ。
PETフィルムをめくると、M.2スロットに搭載されたType 2280のNVMe SSDが確認できる。フィルムにイラストが描かれているように、Type 2230のSSDだったらスペーサー的な金具が使われるようだが、すでにType 2280が搭載されている状況ではその金具はない。実質、Type 2230への換装は無理のようだ。
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Inspiron 13-7300レビューは以上。ここで紹介した実機は一例の構成であり、ユーザーの選択や販売時期により異なる。紹介した内容がすべて標準搭載というものではなく、購入の際はオプション搭載があることを留意していただきたい。
約1Kgの軽量!天板と底面にマグネシウム合金を採用、パームレストにアルミ合金を採用。エッジにはダイヤモンドカットの仕上げ。フルHD、広視野角・狭額ディスプレイの13.3インチノート。光学ドライブは非搭載。高速ストレージのNVMe SSD、無線LANにはWi-Fi 6搭載。USB 3.2-Gen2、Display Port 1.4 、Thunderbolt 4(40Gbps)、Power Delivery に対応するUSB Type-C端子を実装。バックライト・キーボード搭載。メモリは換装不可のオンボードのため、注文時の容量選びは慎重に。 このレビュー機では、第11世代Core i7-1165G7とGeForce MX350を搭載。しかしCPUの統合型グラフィックである「インテル Iris Xe グラフィックス」が結構強力なパフォーマンスを持っているので、GeForce MX350を搭載するメリットはさほどない気がする。 |
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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