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二階堂家臣・須田秀泰の館

市野関館（万力館）

須賀川市市野関舘山にあった市野関館を登城。別名は万力館。水郡線川東駅のすぐ南側の丘陵地に位置しており比高30mほどの丘山である。館主は二階堂氏家臣の須田秀泰。秀泰には「江藤万力」という家臣がおり、その名から「万力館」とも呼ばれるが彼が城代だったのかは不詳。いずれにしても里人は江藤万力が治めている意識だったのだろう。この集落では江藤を名乗るひとが多い。市野関館より北西300mほどのところに福島悪魔払い殺人事件（1995年）の事件現場があり、その犯人は江藤幸子という。先祖はこの江藤万力と関係があるのだろうか・・と思わざるを得ない。

大仏大橋からの遠景。急崖上にあるが、遺構の残存状態は悪いので縄張りは不詳。技巧的ではなく自然地形をほぼ採用したような城館である。1589年に伊達政宗によって須賀川が攻略されると廃城となった。

大仏大橋から見るとここ。（空港方面）

東（墓地側）からの遠景。

水郡線が通っている市野関館の崖下。かつては阿武隈川の氾濫原だったのだろう。

江藤萬力山公園

主郭と思われる山頂には「江藤萬力山公園」の標柱が建っている。現在ではソーラーパネルの設置場所となっており、立ち入り禁止となっている。パネルの置かれている段差部分は土塁跡なのだろうか。

この江藤万力という人物だが、藤葉栄衰記（野川本）・奥陽仙道表鑑によれば、伊達政宗との戦い（1589年 須賀川城攻防戦）では河東衆として八幡崎城（八幡山）に布陣していたようだ。

江藤萬力山公園の奥には物見のような広場があるが、遺構と呼べるものなのかわからない。ただ向かいの伏見館ならびに和田城が眺められる位置にある。

城主に関連する祠かと思ったが、大山神や養蚕神社とあり市野関館とは関係がなかった。

須賀川東部の施設～平館、西館、蛭館、石見館

近くに「平館、西館、蛭館」という3つの方形館があり、市野関館と何かしらの関連性が考えられる。

蛭館（東館）

水郡線川東から東北700mの水田地帯に位置している（須賀川市立大東公民館のすぐ北）。阿武隈川の氾濫原に築かれた城館である。南に長い台形の方形館で、堀は北で75m、南で110mの規模。館主は二階堂氏家臣・簾田治郎（室町時代）とされ、岩瀬郡東部を支配していた須田氏の一族と考えられる。蛭館は「東館」にあたり、川東駅の西側の阿武隈川河岸に「西館」がある。

二階堂四天王のひとり、遠藤勝重とその嫡男・彦一郎は伊達政宗との戦い（1589年）で討ち取られたが、七歳の遺児（後の勝久）は乳母に抱かれて小作田村に落ち伸びた。この蛭館で過ごした後、前田川村に移り住み庄屋となったといわれる。

西館

須賀川市小作田西舘にある川東駅。このあたりが西館であるが遺構はなく市街地化している。

石見館

須賀川市雨田蔀久保にあった石見（いわみ）館は、須賀川東部の阿武隈山系丘陵地にあり、比高35mの単郭山城。山頂部は削平している。館主は佐藤石見だという。石見館の位置する小字地名が蔀久保（しどみくぼ）であるが、蔀（しとみ）とは格子を取り付けた板戸のことである。隣には信戸（しど）という地名があり、蔀が転じたものと考えられる。

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同じ史跡でも時代によっていくつかの出来事があり、 時代推移の把握が必須となります。 そのため年表をまとめています。また、城郭散策のレポートではちょっと専門用語が出るので、城郭用語もまとめてあります。

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