マザーボードの規格(フォームファクタ)
マザーボードでは、ATXやMicroATXのマザーボードが主流ですが、メーカーPCではそれらをベースにした独自の場合がほとんどです。ここでは自作で使われるマザーボードの規格(フォームファクタ)を紹介します。
マザーボードとは
マザーボードとは、パソコンのメインとなる電子回路基板。マザーボードにはCPUやメモリ・グラフィックカードが直挿しされ、ケーブルを通じてHDDや光学ドライブ等と接続されます。
マザーボードに直付けされている端子を「オンボード端子」といい、そのマザーボードが標準搭載している端子たちです。
マザーボードにもグレードがありますが、分かりやすいのはVRMの搭載数(フェーズ数)。フェーズ数が多いほど電力効率が上がり、負荷が分散されるのでシステムは安定します。ローエンドモデルでは5フェーズあたりですが、CPUを定格で動作させる分にはまったく問題ないです。ただ、オーバークロック(OC)をするならフェーズ数の多いミドルレンジ以上がお勧めです。なお、メーカーパソコンのローエンド~ミドル機ではOCを前提としていないので、自作マザーボードで言うなら「ローエンドのマザーボード」だと言えます。(VRMはこちらのページで解説)
またハイエンドモデルのマザーボードほどバックパネルの端子(オンボード端子)の数が豊富で、付属のアクセサリーも多い傾向にあります。
マザーボードの規格(フォームファクタ)
そしてPCケースには各規格にあったマザーボードが搭載されます。フルタワーやミドルタワーなど高さのある大型PCはATXマザーボードが多く採用され、ミニタワーなど比較的小型なPCではMicroATXマザーボードが多いです。Mini ITXもそこそこ流通が見られます。他にはBTX、ITX、Nano-ITX、DTX、Mini-DTXなどマイナー規格があり、 ITXはVIAの提唱するフォームファクタでDTXはAMDが提唱しています。
これらマザーボードの規格(フォームファクタ)は数種類あり、「ボードサイズや、PCケースに配置するネジ穴位置、電源仕様」などが共通化されています。
ATX (244×305mm)
自作ではミドルレンジからハイエンド用で一番人気。事実上のスタンダード。 最大7基の拡張スロットが搭載できる。大型グラフィックカードの搭載にゆとりがある。 面積が大きい分、設計で機能を多数追加できる(高負荷に強いCPU用電源回路など)。 SATA端子も多い。
micro ATX (244×244mm)
自作ではローエンドからミドルレンジ用。比較的省スペースで、そこそこの拡張性。 最大4基の拡張スロットが搭載できる。大型グラフィックカードの搭載も可能。
Mini ITX (170×170mm)
内蔵GPUで済ますような超小型パソコン用。拡張スロットは1基で拡張性は低い。
インテルの提唱するATX
現在も主流なATXは、1996年にインテルが提唱したフォームファクタ。1997年には拡張スロットを減らして小型したmicroATXを発表。1999年にはさらに約25%小型化したFlexATXを発表。ATX規格と同時にATX電源の規格も策定されています。
ATXの基本的なエアーフローを解説します。まず発熱量の高いCPUを直接冷やすために、CPUクーラーが直に取り付けられています。CPUクーラーによって筐体内部に空気を呼び込む作用もあります。そしてパソコン背面に設置された排気ファンによって背面へと熱を持った空気が排気されます。CPUクーラーおよび排気ファンの作用で、自動的に前面から空気を呼び込みますが、高級タイプのPCでは前面に吸気ファンを搭載している場合があります。備考:ATXのエアーフローには正圧タイプと負圧タイプがあります。
さらに冷却効果を求めるなら、ファンの数を増やすことですが、騒音の原因となります。冷却すべきパーツが分散しているので、冷却効率がいいとは言えません。CPUの高クロック化で高い発熱が問題視された2005年ごろには、ATXのエアーフローに改善も見込まれましたが、マルチコア化で高クロックの問題は避けられ、現在まで続行されています。
ミドル~ハイエンドでよく採用されるATX。面積が広いので拡張性が高い(スロット数が多い)。
ローエンド~ミドルでよく採用されるMicroATX。拡張性はほどほど。
ATXの後釜予定だったフォームファクタ、BTX(2007年に廃止)
BTXは2003年にインテルが提唱したフォームファクタ。後に小型化したmicroBTXやpicoBTXを発表。ATXとの互換性が無くなる代わりに冷却システムを強化したフォームファクタです。2003年ごろからCPUの高クロック化による発熱問題が課題となり、ATXからBTXへの移行が想定されていました。しかし、高クロック化からマルチコア化へ、そして低消費電力化が進み、BTXの重要性がなくなったので2007年には廃止されています。
BTXのエアーフローを解説します。パソコン本体の前面にCPUクーラーが取り付けられており、前面から吸気されます。(CPUクーラーと吸気ファンの一体化)。このファンは大口径なので、少ない回転数で済み、騒音が抑えられます。BTXのデザイン的特徴として、パソコンの前面に空気を取り込むダクトがあります。
CPUクーラーが取り込んだ空気は一直線に突き進みます。それに沿って冷却すべきパーツが並べられているため、効率よく熱を奪っていきます。背面に到達した空気のほとんどは外へ排出されます。(排気ファンはありません。)背面で一部跳ね返った空気がメモリや拡張カードに当たり、冷却します。
BTXはATXのような排気用ファンがなく、CPUクーラーの一本で効率よく冷却できるので、騒音が抑えられます。しかし、CPUのマルチコア化で省エネかつ低発熱の傾向となり、BTXの必要性がなくなってしまいました。ATXと互換性がないことから、自作ユーザーからは遠ざかられ、2007年には廃止されています。
備考:メーカーパソコンの場合
自作用で市販されているマザーボードはネジ位置まできっちり規格化されていますが、PCメーカー製はアバウトでATXをベースにした独自規格が多いです。形状だけはATXやMicroATXマザーボードを採用している場合があるので、自作PCケースに格納できる場合はあります。ただし、場合によってはコネクタ形状にメーカーの特殊性があったりするので一筋縄ではいかないこともあります。確認例では、ATXメインコネクタ(電源コネクタ)やフロントパネル・コネクタ(電源ボタン用)に特異性がありました。
ハード面では、自作パソコンのように扱える場合もあればダメな場合もあるので、相違性を理解したほうがいいです。そもそもメーカーパソコンのマザーボードにあるROMチップには、メーカ固有の情報が書き込まれており、BIOSチップとOSの整合性の必要があります。つまりメーカーパソコン購入時に付いてきたOSは、他のマザーボードに引き継ぐことはできません。
メーカーPCのXPS 8900を「自作のMicroATXケース」として再利用した例。ただし、電源ボタンはコネクタが合わないため外付けボタンとなった。(記事:DELL XPS 8900のPCケースで、自作PCを作る)
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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