HPの新ブランド「Stream」が登場
HP Stream 14-z000レビュー
2014年末に、HPの新ブランド「Stream」が登場しました。どんなブランドかというと、タブレットPCなどで採用されるパーツを「一般のノートPCでも搭載してしまおう」というものです。タブレットPC同様、極めて低消費電力、低発熱、静音で、コストパフォーマンスにも優れています。
さらに筐体にアルミ素材を用いるなど、上位ブランドのENVYシリーズと同格のデザイン性を持ちます。むろん、処理能力はタブレットPCと同様であるため、同世代のPCのなかでは底辺性能になりますが、本格ゲームや動画編集用でなければ何の問題もない性能です。タブレットPCの低消費電力性、静音性、コストパフォーマンス性を評価しているが、「タッチ操作のイライラは我慢できん!ハイブリッドもまどろっこしい」というユーザーならばツボにはまる製品と言えるでしょう。
2014年10月24日に発売されたStreamブランドの第一弾、14インチノートのStream 14-z000をレビューします。PCパーツのカスタマイズはなく、既成となっています。クラウドサービスを多用する学生向けに構成されているモデルのようです。
Stream 14-z000では「AMD A4 Micro-6400T APU」を搭載しており、これにAMD Radeon R3 グラフィックスが内蔵されています。日本HP調べによると、CrystalMark 2004R3のベンチマークでは、Celeron N2830よりもCPU性能が2.23倍、グラフィックス性能が3.67倍というパフォーマンスだそうです。
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※2014年11月時点のレビューになります。仕様変更やカスタマイズの違いがあるため、詳しくはHPサイトをご覧ください。
まるわかり!Stream 14-z000の購入ポイント
Stream 14-z000の購入検討にあたり、選んでお得な注目ポイント、その他知っておくべきスペック、デメリットの留意点をまとめてみました。2014年11月調査時点のものですので、最終的にはHP公式サイトでご確認ください。
メモリは2GBであり現在においては少ないですが、あまりにも多数のアプリを同時起動させない限りは問題ないでしょう。そもそもWindows 8.1は少ないメモリでも快適に動作できる設計です。なお、メモリはオンボード仕様なので増設や換装はできません。
14インチノートなのでホームモバイルがメインの用途となるでしょう(※公称バッテリー駆動時間 約6時間30分)。ただし、光学ドライブがない、有線LAN端子がない、ストレージが32GB (eMMC)と少ない点では、スタンダードノートとは言い難い要素があります。ただ、ストレージの少なさはオンラインストレージ Microsoft OneDrive 100GB (2年間無料) でカバーされています。また、Microsoft OneDriveでは通常、15GBまでなら無料で使えます。
注目ポイント! |
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その他、スペック概要 |
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留意点 |
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採用されているストレージのeMMCとは
eMMCとはNANDフラッシュメモリと制御回路をまとめたもので、メモリカード規格であるMMCがインターフェースとなっている。eMMCはSSDよりも転送速度が遅いが、消費電力は低くかなりの小型。スマートフォンでもよく採用されるストレージである。
Beats Audioテクノロジーとは
オーディオではBeats Audioテクノロジー(デジタル・シグナル・プロセッシング)を採用しており、独自のチューニングが施されている。デジタル音源を圧縮する際に失われた音質を回復し、迫力の重低音とクリアな高音域を実現しているという。
DDR3Lメモリとは
DDR3では動作電圧1.5Vで規定されているが、DDR3Lは1.35Vで動作する省電力規格。
APU 【 Accelerated Processing Unit 】とは
CPUとGPUを一つの半導体チップにまとめた統合型プロセッサ。CPUとGPUがプロセッサ内部で交信できるため、高性能化しやすいし、低消費電力化につながる。インテルでも同様のことをやっているが、AMDではこれらのプロセッサをAPU、またはFusion APUと呼んでいる。
ENVYシリーズと同格のスタイリッシュさ!アルミボディ・デザイン
Stream 14-z000とENVYシリーズを比較すると、処理能力は圧倒的にENVYシリーズのほうが上です。しかし、そのデザイン性は同格です。見た目はそのままENVYといっても過言ではないでしょう。天板にはアルミ素材を使っており、梨地のさらりとした手触りで指紋が付きにくいです。もた、パームレストもアルミ素材です。
約 346mm x 240mm x 厚み17mm~20.5mmのサイズ。タブレットPCのパーツを使っているだけのことはあり、非常に薄型。ただ重量は約1.6kgほどあるので、タブレットPCほどの軽量ではありません。家中のどこでも使うホームモバイルならば扱いやすいコンパクトさであり、屋外に持ち出すのもわりと気軽にできます。ファンレス設計なのでスタンダードなノートよりも静音性に優れています。
2010年に購入したDELL Inspiron 15(1564)の上に、Stream 14-z000を載せてみた様子。薄っ!!
装備端子
前面と背面には装備する端子はありません。背面には長い1本ヒンジが確認できます。
左側デザイン
左側面では、HDMI 端子、USB3.0×1基、USB2.0×2基、ヘッドセット端子、microSDカードスロットを装備。
ノートパソコンでmicroSDカードスロットというのは珍しく、これは設計がタブレットPCベースだからでしょうか?microSDカードがアダプタなしで挿入できる点では楽ですが、その反面、ジャーサイズのSDでは外付け対応せざるをえないところは少々やっかいかもしれません。いずれにしてもオンラインストレージだけでなくmicroSDカードを使って、32GB (eMMC)というストレージ容量の少なさをカバーできますね。
右側デザイン
右側には光学ドライブを搭載しておらず、USB2.0×2基、電源コネクタ(ランプ付き)を装備。有線LANがありませんが、無線LANのIEEE802.11b/g/nを内蔵しています。ほかBluetooth 4.0を内蔵しているのでワイヤレス周辺機器も無線接続できます。
ディスプレイを開いたときの本体部分がすごく薄いのが印象的。なお、ディスプレイはここまでが最大オープンであり、大きく開く機構ではありません。
右側面の手前側には端子がないので、マウス操作の妨げにならない。
ACアダプタとガイドブック
45WのACアダプタが付属。ミッキー型コネクタの電源ケーブルとつないで使用します。PCへのプラグ先はL字型なので横幅を取らない工夫がされています。またHPパソコンナビも同梱されていました。
底面~静音性に優れたファンレス設計
底面ではモジュールカバーはなく、内部アクセスは分解レベル。ここはさすがにアルミ素材ではなく工業プラスチック。ファン用の吸気口がなく、タブレットPCと同様にアンレス設計。HDDも搭載していないこともあり、とっても静かなノートです。
リチウムイオンポリマーバッテリ(3セル)が内蔵されており、公称バッテリー駆動時間は約6時間30分とのこと。また、端には2箇所スピーカが内蔵されていますが、さらにキーボードの上方にもスピーカがあり、BeatsAudioクアッドスピーカーの仕様です。この手のノートとしては動画娯楽用に考慮されています。
Stream 14-z000の、14インチ ブライトビュー・ディスプレイ(1366×768)
14インチ光沢画面に1366×768の解像度を搭載。13.3~15.6インチノートの定番的な表示領域です。ディスプレイベゼルには、HP TrueVision HD Webcam (約92万画素)、マイクを内蔵。
視野角を確認するとTNパネルって印象ですが、ほどほどの角度であれば極端な色度変移を感じません。
キーボードとアルミ素材のパームレスト
Stream 14-z000のキーボードとパームレストをチェックします。Stream 14-z000は天板とパームレストがアルミ素材です。一見、上位ブランドENVYシリーズの製品かと思うことでしょう。
電源マークが点灯する電源ボタン、キーボードの上方にあるスピーカ(底面に2つあるのでクアッドスピーカ構成)が確認できます。ウーファーを搭載しているわけではないので臨場感あるサウンドというわけではありませんが、出力の弱いスピーカなりにそこそこ頑張っているようなサウンドです。サウンド面で、タブレットPCよりも音楽や動画が楽しめます。
最近は定番化した一体型のタッチパッドですが、Stream 14-z000はパッドがゆるゆるした感じ。かっちりした操作性が好みなユーザーなら、クリックボタンの境界がわかりにくくてちょっと気になるかも。
Stream 14-z000の筐体が薄いので、さぞかしキーストロークも浅いのだろうと覚悟していましたが、思ったほど浅くはなくそこそこの手応えを感じられるキーでした。また、キーの地部分はパームレストの板をそのままプレスしたものであり、キーボードのしなりが軽減されているように感じました。
DELLのノートでもよく見られますが、Stream 14-z000のキーボードでは2列目にEnterキーを配置しています。一番右端のhome、Pg upやPg dn等がフルサイズになるほど重要なキーなのかとやや疑問が残りますが、Enterキーはそこそこ大きめなので扱いにくさはありません。BackSpaceや半角全角、カーソルキーの上下が小さいのが気になる程度。また相変わらず、Fキーの印字が小さい。また、左下にあるStreamのロゴはプリントではなくエッチング加工されたものです。
パフォーマンス~2D高精細コンテンツに応えられる!
Stream 14-z000はタブレットPCに使われるパーツを採用したホームモバイルノートですが、どれほどの性能があるのか?本格的なゲーム用途や動画編集用ではないことは言うまでもありませんが、具体的にパフォーマンスを調査してみましょう。
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Stream 14-z000はパーツ固定ですので、AMD A4 Micro-6400T APU (AMD Radeon R3 グラフィックス を内蔵)の搭載です。スペックはUnknownが多いですが、4コア実装の4スレッド動作をするプロセッサであることは確認しました。
2D高精細コンテンツの負荷率
2D高精細コンテンツ:Pioneer Visual Material を再生しました。 Pioneer Visual Material Movie01は「平均Rate 50Mbps、最大70Mbps/VBR」という通常のBDタイトルを超える転送レートの動画コンテンツです。 (※通常のBDタイトルの場合は等速36Mbps、最大Rate 40Mbpsで制限されています。) これがスムーズに再生できれば、2D高精細コンテンツに十分対応できると判断できます。
結果、CPUの使用率は26%。わりと余裕な負荷だったようです。ただ通常定格の1GHzでは足りなかったのか、1.2GHz~ほどクロックアップしていました。とりあえず、現在市場の底辺性能とは言え、侮れないスペックであることは確認できました。
Celeron N2920搭載機とパフォーマンス比較
日本HP調べによると、CrystalMark 2004R3のベンチマークでは、Celeron N2830よりもCPU性能が2.23倍、グラフィックス性能が3.67倍というパフォーマンスだそうです。
あいにくCeleron N2830搭載機には遭遇していないので、かわりにCeleron N2920搭載のHP Pavilion11 h000 x2 と比較しました。CPUパフォーマンスの影響が強いCINEBENCH R10および、GPUの影響が強いストリートファイター4(1280*720)にてベンチマークテストを行っています。結果、Celeron N2920のほうがCPU性能が優れていたのですが、これはクロック数が影響したのではないかと推測しています。しかし、ゲームパフォーマンスではインテル HDグラフィックスよりもAMD Radeon R3 グラフィックスのほうが優れているようでした。
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3分32秒 | 35.96 | |
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2分52秒 | 23.49 |
E1-6010 APU(AMD Radeon R2 グラフィックス)および、A4-1200 APUと比較
AMD A4 Micro-6400T APUは、 AMD E1-6010 APU および AMD A4-1200 APUよりも汎用処理に優れていると思われます。 また、Radeon R3 グラフィックスは Radeon R2 グラフィックスと比べて劇的な差はないと思われます。
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3分32秒 | 35.96 | |
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6分38秒 | 34.85 | |
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8分36秒 | 24.85 |
スタンダードノート(Core i3-4030U搭載)と比較
さすがに同世代の Core i3-4030U プロセッサには敵わないようです。Stream 14-z000に搭載されているのはタブレットPCのパーツですからね。
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3分32秒 | 35.96 | |
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1分47秒 | 47.00 |
その他の構成PCと比較
姉妹サイトの「パソ兄さん」でレビューした機種のデータを引っ張りだして比較してみます。
当サイト調査の比較参考データ(CINEBENCH R10)
- (2014年)Win8.1 64bit + AMD A6-5200 + Radeon HD 8400 ⇒ 2分14秒
- (2013年)Win8.1 64bit + Core i5-4210Y + HD グラフィックス4200 ⇒ 2分12秒
- (2013年)Win8.1 64bit + Atom Z3770 + HD グラフィックス ⇒ 3分38秒
- (2013年)Win8.1 34bit + Atom Z3740D + HD グラフィックス ⇒ 4分24秒
- (2013年)Win8 64bit + Celeron-2955U + HD グラフィックス ⇒2分49秒
- (2013年)Win8 64bit + Atom Z2760 + GMA ⇒12分09秒
- (2012年)Win8 64bit + AMD A4-4300M + Radeon HD 7420G ⇒3分47秒
- (2011年)Win7 64bit + AMD E-350 + Radeon HD 6310 ⇒6分49秒
- (2010年)Win7 64bit + Core i3-330UM + RADEON HD 5430 ⇒3分46秒
- (2009年)Win7 64bit + Celeron 743 + GMA 4500MHD ⇒10分12秒
- (2009年)Win7 64bit + Core 2 Solo SU3500 + GMA 4500MHD ⇒12分28秒
- (2009年)XP 32bit + Atom N270 + GMA 950 ⇒18分06秒
- (2009年)Win7 64bit + Core 2 Duo P8700 + RADEON HD 4670 ⇒2分33秒
- (2007年)Vista 32bit + Core 2 Duo T7100 + GeForce 8600M GT ⇒4分18秒
- ※備考:古いデスクトップ(2006年)XP 32bit + Pentium D 915 + RADEON HD 3650 ⇒ 5分28秒
- ※備考:古いデスクトップ((2003年)XP 32bit + Pentium 4 /3GHz + GeForce 6600 ⇒ 7分36秒
ストリートファイター4ベンチ - 1280×720 ウィンドウ表示
- (2013年)Win8.1 32bit + Atom Z3740D + HD グラフィックス ⇒ 24.57
- (2013年)Win8.1 32bit + Atom Z3770 + HD グラフィックス ⇒ 25.09
- (2013年)Win8.1 64bit + A4-1200 + Radeon HD 8180 ⇒ 24.85
- (2012年)Win7 64bit + Core i7-2637M + HDグラフィックス3000 ⇒ 28.69
- (2011年)Win7 64bit + Core i3-2310M + HDグラフィックス 3000 ⇒ 24.62
- (2010年)Win7 64bit + Core i5-430M + HDグラフィックス ⇒ 16.33
- (2007年)Vista 32bit + Core 2 Duo T7100 + GeForce 8600M GT ⇒ 24.62
- デスクトップPC(ローエンド) / (2014年)Win8.1 64bit + Core i3-4130 + HD グラフィックス 4400 ⇒ 48.60
- デスクトップPC(ローエンド) / (2014年)Win8.1 64bit + A10-6700 + Radeon HD 8670D ⇒ 50.20
- デスクトップPC(ローエンド) / (2014年)Win8.1 64bit + Pentium G3220 + HD グラフィックス ⇒ 39.23
- デスクトップPC(ローエンド) / (2012年)Win7 64bit + Core i5-3450s + HDグラフィックス 2500 ⇒ 46.84
- デスクトップPC(ローエンド) / (2011年)Win7 64bit + Core i7-2600 + HD グラフィックス 2000 ⇒ 32.53
- デスクトップPC(ローエンド) / (2010年)Win7 64bit + Core i3-530 + HDグラフィックス ⇒ 17.44
- デスクトップPC(ローエンド) / (2010年)Win7 64bit + Core i3-530 + RADEON HD 5450 ⇒ 39.82
- デスクトップPC(ローエンド) / (2009年)Win7 64bit + Core i7-870 + GeForce GT220⇒ 42.41
気になるところは各々見て頂いて、当方としては2007年に購入したミドルノートDELL Inspiron 1520(Vista 32bit + Core 2 Duo T7100 + GeForce 8600M GT)を上回っていたことが印象的でした。 またデスクトップ用CPU(2006年)のPentium D 915よりも処理速度が優れています。
すんごい、低消費電力!アイドル時5W
アイドル時の消費電力が5Wと驚異的でした。高負荷時でもたった13W。
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消費電力は変動を繰り返しますが、平均的なワット数を独断でチェック。
Stream 14-z000調査のまとめ
タブレットPC向けのパーツだからといっても、BD以上の2D高精細コンテンツに応える性能であるため、ほとんどの方の用途では充分なパフォーマンスでしょう。ただ、オンラインストレージでカバーされているとはいえ、「32GB (eMMC)と2GBメモリという少なさ」はネック。これを「クラウドサービスを多用する目的と、価格の安さ」で妥協できるかが購入ポイントとなるでしょう。
注目ポイント! |
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その他、スペック概要 |
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