SSDの長寿化システム～ウェアレべリング機能とは

トンネル酸化膜の劣化がSSDのデメリット（書き換え回数の上限）に関わるのですが、これはSSD製品に搭載するコントローラー次第である程度の回避がされています。SSD製品を選ぶときはコントローラの仕様を調べておくといいでしょう。主な機能に「ウェアレべリング機能」と「不良ブロックの管理」、エラー訂正機能があります。

ウェアレべリング機能

そもそもNAND型メモリは保存ブロックの上書きができないので、一度、ブロックコピーと呼ばれる処理を行っています。それはブロック単位で完全消去したあと、別のブロックにバックアップしたデータを、もとのブロックに書き戻しているのです。こういった仕組みからSSDは書き換えに適していないのです。使い込んでいくと書き込み速度が遅くなる要因なのです。

そこでコントローラに「ウェアレベリング機能」があれば、記録エリアの記録回数を監視し、同じエリアに記録が集中しないように平準化します。一箇所に書き換えが集中しない工夫であり、トンネル酸化膜を保護します。

この長寿化システムであるウェアレべリング機能には、動的な「ダイナミック・ウェアレベリング」と静的な「スタティック・ウェアレベリング」があります。

ダイナミック・ウェアレベリング

動的な「ダイナミック・ウェアレベリング」
ダイナミック・ウェアレベリングのイメージ。ダイナミック・ウェアレベリングは、記録箇所を分散させることで、利用による劣化を均等化するシステム。

スタティック・ウェアレベリング

静的な「スタティック・ウェアレベリング」
スタティック・ウェアレベリングのイメージ。OSファイルシステムのような書き換え頻度の低いデータを、何度も利用されてきた空のブロックに引っ越しさせるシステム。つまり書き換えがほぼ無いと思われるファイルなので、そこのブロックを保護できる。データ移動はSSDの待機状態のときに行われる。