NAND型メモリが読み書きする仕組み
NAND型メモリの構成を理解した上で、NAND型メモリの読み書き・消去の行程、データが消えてしまう原因を解説します。自然放電のリスクについても触れます。
NAND型メモリの構成
NAND型メモリの断面をみると、「絶縁膜」、「浮遊ゲート」、「トンネル酸化膜」の層で構成されています。浮遊ゲートには電子が閉じ込められており、この電子量がデータとなります。その下にはトンネル酸化膜があり、これは電子を通過させる層で、データを保存した後は絶縁膜となり電子を閉じ込めます。
絶縁膜 電子を漏らさないための絶縁膜。 浮遊ゲート 中央の浮遊ゲートは電子を格納するエリアです。浮遊ゲートにある電子量が保存データに関わっています。 トンネル酸化膜 通常は絶縁膜と同じく電子を漏らさない役割ですが、データ書き込みや消去のときは電子が通過する役割をします。 |
NAND型メモリの読み書き・消去の行程
NAND型メモリの読み書きというのは、 電圧調整によって電子量を変えることです。データ消去の場合は電子を放出します。そのため、仕組みでは上書き保存という概念はありません。
低電圧をかけて、データの読み込み NAND型メモリでは浮遊ゲートにある電子量がデータとして扱われます。データを読み込むときは、低電圧をかけて浮遊ゲートにある電子量の変化を信号として読みます。 このとき、下層のトンネル酸化膜は、電子を漏らさないように絶縁膜となっています。 |
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高電圧をかけて、データの書き込み データを書き込むときは高電圧をかけます。トンネル酸化膜は絶縁膜でなくなり、電子が通過して浮遊ゲートに格納されます。 |
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逆に電圧をかけて、データの消去 データを消去するときは、書き込み時と逆方向に電圧をかけます。電子がトンネル酸化膜を通過し、浮遊ゲートから放出され、データは消失します。 |
NAND型メモリのデータが消えてしまう原因~トンネル酸化膜の劣化
SSDはHDDと比べると書き換えの耐久性が弱く、書き換えの回数に制限があります。これは電子の出入りを調整しているトンネル酸化膜が劣化するためです。NAND型メモリに書き換えを頻繁に繰り返すと、度重なる電圧によってトンネル酸化膜が劣化します。トンネル酸化膜から電子が漏れてしまうと浮遊ゲートの電子量が変わりデータ化けの原因となります。書き換え回数の目安は次の通り。
- SLC(シングル Level Cell)では⇒5万~10万回ほど
- MLC(マルチ Level Cell) では⇒5000~1万回ほど
一般的な家庭ユーザーであれば心配するほどの回数制限ではないと思いますが、サーバー用に使うならSLCのNAND型メモリを選んだほうがいいでしょう。(ただしSLCはMLCよりも高価です。)
SSDの「書き換えの回数」というのは、つまりトンネル酸化膜の劣化。
自然放電のリスク
トンネル酸化膜の絶縁によって電子の放出を防いでいますが、長期間書き換え作業が行われないと自然放電が起き、データ化けの原因になります。これは劣化したトンネル酸化膜ほどリスクが高く、SSDが長期保存に向かない理由に挙げられます。
データが電子量であるため、自然放電はつきもの。設計上のリスクはつきものですが、すでにSSDは実用化されているので、シビアになることはないと思います。ただ、2重のバックアップはきちんとしておきましょう。
TBW(上書き保存できる容量を数値化したもの)を超え寿命を迎えたSSDは、NAND型メモリの絶縁が老朽化しているため自然放電のリスクが高まります。長期保存なら、あまり使用していないSSDが適しています。
データ保持性能の指標~TBWとは
SSDのトラブルとして、OSシステムの一部がデータ消失して起動できない事例があります。例えば数ヶ月連続動作させて、しばらくはシャットダウンしていたが、再び起動すると不具合がでるというもの。これはサーバーのような24時間稼働の使い方で見られるようです。原因としては、データ保持性能の指標(TBW)の低いSSD製品の可能性が高いとされます。
データ保持性能の指標は、TBW(Tera Byte Written)で表されます。上書き保存できる容量を数値化したものなので、購入したSSDのTBW数値を確認しておきましょう。
Crucial MX200というSSD製品を例に挙げます。
250GBモデルは「80TBまでの上書き保存が可能」と公称されています。仮に5年間は使いたいと考えたら、「80,000GB÷1825日=約43GB」なので、「1日43GBの書き換え頻度なら5年間は持つ」と言うわけです。ほとんどのユーザーは、毎日43GBも保存するようなことはないでしょう。毎日20GB保存でも10年間は持つ計算になるので、気にしなくても構わないレベルです。
なお、500GBモデルは倍の160TB、1TBモデルはさらに倍の320TB、となっており、容量が倍になれば耐久性(TBW)も倍になるという単純計算です。購入の際、必要ない容量だとしても、大容量ほど耐久性が高いメリットがあるわけです。そのため、1GBあたりの単価が安いSSDを選ぶのがお得な選択と言えます。(むろん予算内であればの話ですが)
以下、Crucial MX200公称ペック表を参照。
容量(モデル) | 250GB | 500GB | 1TB |
シーケンシャル読み込み | 555 MB/s | 555 MB/s | 555 MB/s |
シーケンシャル書き込み | 500 MB/s | 500 MB/s | 500 MB/s |
ランダム読み込み(IOPS) | 100k | 100k | 100k |
ランダム書き込み(IOPS) | 87k | 87k | 87k |
Dynamic Write Acceleration | 有 | 不要 | 不要 |
耐久性(TBW) TERA Byte Written |
80TB | 160TB | 320TB |
備考 | 寿命(MTTF)⇒150万時間 ※171年間 動作温度⇒0~70度。Acronis True Image HD付き。 |
IOPS 【 Input/Output Per Second 】 とは、 1秒間にリードおよびライトできる回数。
耐久寿命を表す、MTTF(Mean Time To Failure)
MTTFとは平均故障時間のこと。TBWのように消耗による寿命ではなく、修理不可能な経年劣化と捉えればいい。上記で紹介したCrucial MX200の公称ペックでは、MTTF⇒150万時間(171年間)とあり、ほぼ気にしなくてもいい時間である。
また、MTBF(Mean Time Between Failure)=平均故障間隔と呼ばれることもあるが、これは修理で再利用可能という意味合いがあるため、SSDの指標では正しくない。出てきたら「MTTF」として理解しておこう。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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