なぜ、CPUのクロック数によって値段が違うのか
例えば、Core 2 Duoの6000番台で、E6320、E6600、E6700の3つを比較してみます。
Core 2 Duo E6320 4MB L2 キャッシュ 1.86GHz 1066MHz FSB
Core 2 Duo E6600 4MB L2 キャッシュ 2.4GHz 1066MHz FSB
Core 2 Duo E6700 4MB L2 キャッシュ 2.66GHz 1066MHz FSB
この3つは「2次キャッシュメモリ」も「FSB」も同じですから、純粋に動作周波数(クロック数)で性能差がわかります。
1GHzで、1秒間に10億回の命令を処理することができるといわれます。当然、買うなら高クロックのほうがいいですよね。しかし、高クロックのほうが購入コストがかかります。
そこで、「高クロックはなぜ、高いのか?」と当たり前な疑問に対して調べてみました。
それは「製造過程によるコスト差なのか?」とずっと思っていましたが、実は、低クロックも高クロックもまったく同じ製造方法と工程で作られています。つまり、クロック数の差を意図的には作っていないのです。このクロック数の違いは、単に製造ムラです。
結果、 「2.66GHzで作ったところ、検査したら2.4GHzや1.86GHzのものがでてきた。」ということです。これをグレードに分けて販売しているため、同じ番台でクロック数の違いがあるわけです。
CPUの製造過程を交えて、もう少し詳しく説明しましょう。
CPUのもとになっているのは、「ダイ」と呼ばれる半導体チップです。シリコンチップともいいます。ダイは力に弱いので、右上の写真のようにパッケージ化されています。
ダイは「シリコンウェハ」と呼ばれるシリコン結晶の円盤スライス板に、数百個ほど形成されます。この形成とは、シリコンウェハにトランジスタなどの素子や配線を焼き付けることです。(シリコンウェハは、昔、インテルのCMに出ていたことがあります。宇宙服のような格好した人がシリコンウェハを持っていました。)
そこで、シリコンウェハから切り出したダイを基板に載せ、加工したものがCPUです。
同じシリコンウェハから切り出されたダイでも、製造ムラがあるので検査してクロック数ごとに振り分けます。高クロックなものほど取れる数が少なく、低クロックなものほどたくさん取れます。つまり、高クロックCPUの値段が高いのは希少価値だからといえます。
例えるなら、同じ畑で取れたスイカでも大きくて甘いのは高価で、小ぶりでたくさん取れるスイカは低価格で販売されていることと同じです。
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