XPS 430
リーズナブルで人気のあったハイスペックPC、XPS 420のリニューアル!
XPS 430が発売となりました。
大きな変化は、64bit版のWindows Vista(64bit Vista)のサポートがされたため、最大8GBメモリの搭載が可能になったことです。そして、メモリの規格がDDR2-SDRAMからDDR3-SDRAMになりました。CPUは引き続きクアッドコアのCore 2 Quadを搭載しています。
▲コストパフォーマンスがよく、ゲーム専用機にも最適で定評だったXPS 420
リニューアル版のXPS 430もほぼ同じデザインです。
また、XPS430は32bit Vistaの選択もできますので、メモリの搭載は最大4GBまでとなりますが、引き続きこれまで使ってきたソフトを使うことができます。
ATI Radeon HD4850など高性能なグラフィックカードの搭載が可能なので、高度なゲームやグラフィックワークに対応できます。
一部、XPS 420から削減された機能や端子数などがありますが、あまりニーズがなかった箇所だと思われます。この削減がコストパフォーマンスにつながってくれることを期待したいところです。
XPS430の、64bit Vista対応ついて
現在主流の32bit Vistaではメモリの搭載は最大4GBまでとなっており、実際の認識容量は約3.3GBメモリです。そこで64bit Vistaにすることで最大8GBまで搭載でき、認識容量も8GBあります。
ただし64bit Vistaには64bit対応のソフトが必要となり、32bit ソフトも一部使えますが32bit Vista環境より動作が遅くなる場合があります。
32bitのソフトを使っているのに、高速化しようと64bit Vistaにしたところで本末転倒になってしまいます。今まで使っていたソフトを引き続き使用したければ、カスタマイズで32bit Vistaにしておきましょう。
XPS430の、DDR3-SDRAMについて
XPS420ではDDR2だったところ、XPS430からDDR3となりました。
DDR3は、理論上DDR2の2倍のデータ転送速度を持ち、より一層の省エネ&低発熱となっています。CPUがデータを必要とする前にメモリから先読みして取り出す機能(プリフェッチ機能)を備えています。
DDR3といえば、3枚同時搭載によって高速化される「トリプル・チャンネル」ですが、XPS 430ではチップセットおよびCPUが対応していないので2枚同時搭載の「デュアル・チャンネル」となります。「トリプル・チャンネル」を狙うならCore i7を搭載したStudio XPSがいいでしょう。Studio XPSは64bit Vistaのみです。
DDR3は確かにDDR2より高速化されていますが、XPS430が搭載するCPU、Core 2 Quadの技術は「Core マイクロアーキテクチャ」といってDDR2メモリ時代のものです。
よってDDR3本来の性能を生かすことはできず、DDR2と比べて大きな体感速度はないと推測されます。おそらくパソコン業界で、メモリ規格の移行が始まっているのでしょう。
チップセットがX48 Expressへ
チップセットがXPS420のときはX38でしたが、XPS430からX48になりました。
チップセットとはCPUやメモリ・グラフィックチップを管理するパーツで、どんなチップセットを搭載するかで構成できるパソコンパーツが決まります。自作ユーザーはその知識が必須ですが、メーカーパソコン・ユーザーはお膳立てしてもらえるので、その知識は必要ありません。
せっかくなのでX48の特徴を解説しますと、1600MHz FSBのCPU、およびDDR3-1600のメモリに対応しています。(X38は1333MHz FSBのCPU、およびDDR3-1333のメモリまでです。)
2008年12月時点では一般向けのCPUに1600MHz FSBは登場していませんので、今後、登場するのかもしれませんね。
XPS 420からXPS430の移行で、削除された機能
カラーLCD画面「ミニ・ビュー」が削除
XPS420に搭載されていた「ミニビュー」はXPS430では搭載されなくなりました。
「ミニビュー」は音楽、写真、動画、システム設定などを表示。横のメディアコントロールを使用することで、キーボードやモニタ等なしに直接操作することが可能です。さらに、OSを起動しなくても映像や音楽が楽しめます。
Windows Vistaで導入されたSide ShowガジェットとDELLの独自システムであるDELL
Media Managerガジェットが採用されています。
削除理由はおそらく、XPS420販売時期にこれらのガジェットが普及しなかったのでしょう。
さらにデルサイトを見たところ、XPS430ではサイドパネルのXPSロゴがなくなっていました。個人的にはクロムメッキ仕上げのこのロゴが好きだったのですが、今はフラットな感じになっています。
そのほか、USB端子がXPS420では計8つあったところ、XPS430では計7つになっています。その代わりというか、内部のPCI ExpressスロットにPCI Express×4が追加されるなどの変化もあります。
AGEIA PhysXアクセラレータのサポートが廃止になっていました。AGEIA PhysXアクセラレータとはゲームなどのグラフィック処理をサポートするパーツです。数万単位の「スマートパーティクル」が追加され、ゲーム上で、髪の毛や埃、飛び散る破片など微細な表現ができます。しかし対応ゲームでないと、搭載の意味がまったくありません。あまり需要がなかったのでしょうか、サポートされなくなってます。
XPS420から引き継いでいる箇所
チャージ・ステーション
PCの天井は、「チャージ・ステーション」といって小物が置けるように窪んだ構造になっており、滑り止めのラバーシートが敷かれています。ここにUSB経由で充電する機器を置くことができます。後部にあるのはレバーで、簡単にサイドパネルを開けることができます。 豊富な端子を標準装備
IEEE1394が2つ、高速ネットワークのギガビットイーサーLAN、光デジタル音声出力、eSATAを標準装備しています。あれこれとカスタマイズしなくても、これだけ端子が揃っているのはメリットです。 高速インターフェースのeSATA端子を装備
eSATAは外付けHDDとつなぐのに重宝されます。外付けHDDはUSB端子でつなぐケースが多いですが、USB2.0の転送速度はSATA規格HDDのたった1/5です。eSATAならそのままSATA規格の速度でデータ転送できます。 BTXシャーシ
放熱性を高めるBTXシャーシ採用で静音を実現。
BTX(Balanced Technology Extended)とはインテルが提唱するデスクトップパソコンの新しい設計のことです。規格自体は2003年に発表されました。
通常、 パソコンパーツが熱を持つと動作不安定、または故障につながります。そこで冷却用のファンが取り付けられ、常に冷却しながら作動しています。このBTXとは、空気の流れをうまく利用して、ファンによる騒音を抑え、効率よく冷却する新設計です。
簡単に言うと、ケースの冷却ファンを省略し、CPU冷却ファンを大口径にしてケース内の冷却も担う仕組みです。
XPS430をどうみるか
64bit Vista対応により、次世代のパソコン環境に早く対応したい人にとって選択肢が増えたことになります。6GBや8GBメモリを搭載し、64bitソフトを使えばXPS420では実現できなかった速度を体感できるでしょう。
このまま32bit環境を維持したい人も購入できるはありがたいですね。ただし、その場合、XPS420と大きな差を感じられないと思います。
XPS 430
リーズナブルで人気のあったハイスペックPCのXPS 420のリニューアルともいうべきモデル。64bit版OSのサポートがされたため、最大8GBメモリの搭載が可能。DDR3メモリ、クアッドコアのCore 2 Quadを搭載。グラフィックワークやゲーム専用に最適な一台。
64bitユーザーなら、Studio XPSがお勧め
せっかくの64bit Vista環境にするなら、64bitのみとなっているStudio XPSのほうがいいと思います。Studio XPSなら擬似8コアのCore i7が体感できますし、DDR3のトリプルチャンネルも可能です。XPS 430では不可能な速度を体感できるでしょう。
Studio XPS
Core i7搭載で、ゲームーや3DCG製作などのニーズに応えます。ミドルクラスのグラフィックカードを選択でき、64bit OSをサポートするため4GB以上のメモリ搭載も可能です。長期的な使用を考えるなら、コスト的にも悪くないと思います。
XPS 430はあくまでXPS 420の延長。64bit Vistaを選べますが、32bitユーザーに最適なモデル。64bitユーザーなら、Studio XPSが最適だと思います。
64bitと32bit OSについて詳しく知りたいなら⇒32bit版と64bit版OSの違い
こちらも参考に⇒12/2、Core i7搭載のデルパソコン発売!
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