ここで最下位となっているRadeon HD 3450ですが、地デジパソコンや高画質なHDコンテンツ再生に充分な性能を発揮します。この性能比較は、主に3Dグラフィック処理の比較なので、ハイレベルなゲームユーザーでないと違いは体感できないでしょう。
ミドルクラスのGPUは性能に対してのコストパフォーマンスがいいので、グラフィック機能にもそこそこ予算を投入したいというなら、ちょうどいいと思われます。
ビデオメモリは256MBが主流
ビデオメモリとは、GPUが処理するための情報を一時保存するメモリです。3D描写の膨大なテクスチャ格納や高解像度モニタでの接続に大いに活躍します。
128MBあればWindows Vistaはかなり安定しますが、動画編集をするなどの使用環境によっては不安があります。 アプリケーションソフトを同時に多数立ち上げる、ウインドウをたくさん開くなどグラフィック処理に負担がかかる使用なら256MBを推奨します。
最近は256MBが主流になってきた感じです。
ちなみに、マイクロソフトが推奨している「Windows Aero表示の画面解像度と必要なビデオメモリ」は以下の通りです。
1280×1024まで 64MB以上
1920×1200まで 128MB以上
1920×1200以上なら 256MB以上
このことから、24インチワイド以下のモニタで作業をしているユーザーなら512MBにしても無意味でしょう。ゲームユーザーなら、3D描写の膨大なテクスチャ格納の必要があるので恩恵があると思われます。
インターフェースはPCI Express 2.0へ移行が進む
現在のデスクトップに搭載されるグラフィックカードは、従来の規格である「AGP」に代わり、PCI
Express×16という規格が主流となっています。
この規格の拡張スロットにグラフィックカードが搭載されます。×16というのは、構造上のレーン数です。
PCI Express×16にはバージョンがあり、データ転送速度に違いがあります。ただし、形状は同じなので互換性が保たれており、特にシビアになる必要はありません。
PCI Express 1.1⇒データ転送速度4GB/s
PCI Express 2.0⇒データ転送速度8GB/s
2008年後半から登場しているデルの新モデルパソコンは「PCI Express 2.0」への移行が進んでいます。
動画再生支援機能も注目
ATIではRadeon X1000シリーズ以降、NVIDIAではGeForce 6000シリーズ以降に動画再生支援機能が搭載されています。
映像コンテンツは圧縮された動画フォーマットになっており、再生するにはデコードと呼ばれるデータ展開が必要です。デコード処理はCPUが行いますが、動画再生支援機能によってデコードを支援します。そのため、少々CPUのスペックが低くてもスムーズな動画再生ができる、また、CPUに余力ができる分、全体のパフォーマンス向上に役立ちます。
この機能はGPU性能(3Dグラフィック処理)に比例せず、同世代GPUであれば、ほぼ同じ性能をみせます。旧世代のGPUと比較すると明らかな性能の違いがみられます。
ただし、再生ソフトが動画支援機能に対応してなければならず、また設定をオンにしないと有効になりません。
▲再生ソフト「Power DVD」の動画再生支援機能、オンオフ設定画面。
Radeon HD4000シリーズはUVD2という最新バージョン、
GeForce 8000/9000/GTX200シリーズではPure Video HD Gen2という最新バージョンです。両者とも2画面同時再生コンテンツに対応しており、同時再生支援数を2つ持ちます。
グラフィックカードの搭載でパワーアップしよう
自作パソコンでなくても、過去に買ったメーカー製パソコンに、最新のグラフィックカードを搭載することでパワーアップできます。ただし、メーカーの保証対象外になりますので、失敗しても自己責任になります。その点、ご注意を。
最新のグラフィックカードを購入する前に確認することは、以下の5つ。
1.インターフェースの規格(PCI Express×16)を確認。
2.グラフィックカードのサイズをチェック。他のパーツとぶつからないか?
3.Windows Vista,およびXPであるか?(XPの場合、一応ドライバの確認が必要)
4.パソコンの電源出力を確認(300w以下ならミドルクラス以下が無難)
5.出力端子の確認。DVIかHDMIか、デュアルモニタ対応にするのか?
グラフィックカードはパソコン専門店の通販で買うとお得ですよ。
あまり古い規格のパソコンだったら、古い規格でパワーアップしても仕方がありません。パソコンそのものを買い換えたほうが、いいと思います。
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