パソコンの電源ユニットはATX電源が基本
電源ユニットはパソコンを構成するパーツに電力を供給するだけでなく、家庭用コンセントのAC(交流電気)をDC(直流電気)へ変換する役割があります。ATX電源を中心に「各系統の出力と合計出力」や80PLUS製品について解説します。メーカーパソコンでもATX電源は結構採用されています。
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パソコンの電源ユニットについて
電源ユニットは、「マザーボートやCPU、HDD、グラフィックカード」などパソコンを構成するパーツに電力を供給する役割があります。
ATX電源とSFX電源
ATX電源
ATX仕様のデスクトップパソコンに使われるのがATX電源。1995年にインテルがマザーボードの仕様であるATXと同時期に制定されました。サイズ: 幅150mm × 高さ86mm × 奥行140mmまたは160mm |
SFX電源
MicroATX仕様では、ATX電源よりも小型のSFX電源が使われます。一部の出力系統が省略され、最大出力は100~400W程でATX電源より少なめ。なお、MicroATXのマザーボードが採用されていても、PCケースにスペースがあればATX電源が採用されます。サイズ: SFX(A) 幅100 mm × 高さ50mm × 奥行125 mm SFX(B) 幅100 mm × 高さ63.5mm × 奥行125 mm SFX(C) 幅125 mm × 高さ63.5mm × 奥行100 mm SFX(D) 幅100 mm × 高さ63.5mm × 奥行125 mm |
メーカーパソコンの電源
自作パソコンではATX電源かSFX電源ですが、メーカーパソコンでは独自仕様の場合もあります。ただ、メンテンナンス性やコストダウンのためか、メーカーパソコンでもATX電源/SFX電源が採用されているケースが多々有ります。
電源ユニットは、AC-DC変換器
電源ユニットは電源を供給するわけですが、それ以前に「AC-DC変換」の役割をします。家庭用コンセントのAC(交流電気)をDC(直流電気)へ変換するのが電源ユニットです。
発電所から家庭までの長い距離を無駄なく電気を送るにはAC(交流)が最適で、家庭用コンセントからはAC(交流)が流れています。しかし、家電製品ではDC(直流)が使われます。ですから、コンセントからつないできたAC(交流)をDC(直流)に変換しないといけないのです。
家庭内コンセントから来ている電気は常に安定しているわけではありません。エアコンや電子レンジなど大電力製品を使うと細かいところで電源出力に変動が起きます。その状態で電気を供給すると、パソコンも不安定な状態になってしまいます。そこで電源ユニットが出力変動による影響を吸収し、パソコン自体には常に安定して電源を供給しています。また、雷で家電製品が壊れないように配電盤にはブレーカーがありますが、電源ユニット自体も、パソコンパーツに影響を与えないように保護する役割があります。
高負荷時でも総合出力の70%くらいが適度
電源ユニットで真っ先にチェックするのが、総合出力です。この電源では500Wとなっています。これは+12Vや+5V、+3.3Vといった低い電圧の各系統を合わせた総合出力です。パソコンは構成パーツによって消費電力が異なりますし、技術の進歩で低消費電力化もあるので、選択がなかなか難しいものです。
ローエンド | アイドル値(待機時)50W前後/高負荷時 90W前後 |
ミドルレンジ | アイドル値(待機時)80W前後/高負荷時 190W前後 |
ハイエンド | アイドル値(待機時)130W前後/高負荷時 330W前後 |
ざっくりとしていますが、ローエンドからハイエンドパソコンまでの消費電力の目安は上記のとおり。(HDDなど増設すればもっと電力がかかります)。
高負荷時の消費電力が、電源ユニットの総合出力100%では負担が大きすぎます。目安としては高負荷時でも総合出力の70%くらいの状態にしたいところ。 例えば高負荷時 330Wなら、電源ユニットは471Wあたりが適度なので500W電源がいいでしょう。なお、パソコンが必要としている電力よりも多すぎてもよくありません。(少なすぎるほうが問題ですけど・・。)
グラフィックカードを2枚同時搭載するSLI(デュアルグラフィック)仕様やオーバークロックしたパソコンですと著しく電気を食いますので、800Wとか1000Wなどマニアックな出力になります。
各系統の出力と合計出力
こちらのスペック仕様を見て、各系統の出力と合計出力を解説します。
ちなみに、グラフィックカード(PCI Express)、HDD、光学ドライブなどは、「+12V1」、
CPUには「+12V2」を使うことが定められています。
+12V以外には「+3.3V」や「+5V」がありますが、これが電源不足になるケースはほとんどないので気にしなくても問題ありません。ちなみに「+5VSB」はスリープといった省エネモードの電源供給に使われます。
AC INPUT(交流入力)
AC INPUTには、対応できる交流の電圧と周波数が記載。日本の家庭コンセントでは100V、東日本が50Hz、西日本が60Hz。
DC OUTPUT(直流出力)
DC OUTPUTは直流出力。MAX CURRENTでは各系統ごとの最大消費電力を表示。A(アンペア)で表示される場合が多いです。
※A(アンペア)ではなく、W(電力)で比べるなら
V(電圧)とA(アンペア)をかければ電力(W)が計算できます。この例では+5Vは20Aまでとなっているので 「5V × 20A=100W」で100Wまでということです。
+3.3Vと+5Vの合計出力
ここで書かれている+3.3Vと+5Vの合計出力は、130Wまで。
+3.3Vは24A(79.2W)まで、+5Vは20A(100W)までですが、すべてをフルに使うと179.2Wで130Wをオーバーしてしまいます。そのため各系統はすべてMAXにはできず、合計出力の範囲に抑えなくてはなりません。
+12Vの合計出力
同様に、+12V1と+12V2の合計出力は、360Wまでと記載されています。
+12Vは一番肝となる系統です。詳しくは後述。
総合出力
+3.3V、+5V、+12V1、+12V2、-12V、+5Vsbの総合出力は、500Wまでとなっています。各系統がMAXで使ってしまうと500Wを超えてしまうので、これもまたバランスを取って合計が500W以内でなければなりません。
500W電源の場合、高負荷時の状態で常に500Wを使っていては電源がもちません。その70%以内に抑えるべきです。500W電源なら高負荷時に求められる消費電力が350Wまでを目安にしましょう。
Peak Power
なかにはピーク出力といって短時間だけ供給できる最大総合出力を記載する場合もあります。ピーク出力は大体10%増しくらいです。今回の事例ではピーク出力はありません。
この400W電源では、60秒間だけ450Wに対応できます。
出力系統は「+12V」が肝心
「+12V」はCPUやマザーボード、グラフィックカードなど消費電力の高いパーツに使われます。+12Vは安全規格の配慮から出力系統を複数持つケースが多く、1~6系統の電源ユニットが存在します。一般的には「+12V1」と「+12V2」の2系統が主流です。
※製品によっては「+12VA」と「+12VB」という呼び名もあります。
オーバークロックや超ハイエンド構成などで1系統に集中せざるを得ないケースでは複数系統はトラブルの元となります。そのため+12Vを1系統にし、大出力を可能とした電源ユニットも存在します。
変換効率。こだわるなら80PLUS
電源ユニットはAC(交流電気)をDC(直流電気)に変換するパーツですが、電気コンセントから来たACの100%をDCに変換しているわけではありません。ACから来たのが100Wだとして電源ユニットの変換効率が70%だとすると、DCとして実際に使えるのは70Wです。残りの30Wは熱となって消えていきます。変換効率の悪い電源ユニットほど熱を発するばかりで、、冷却ファンをよく回し電気を無駄に消費します。変換効率の良い電源ユニットは、電気の無駄も少なく発熱は程々で静音であるといえます。
電源ユニット自体にかかる消費電力に加え、変換し損じたロスがあるため、100%をすべてACからDCへ変換することはできません。変換効率の良いとされる目安は80%で、「80PLUS認証付き」の製品があります。
80PLUS製品
これまで電源ユニットメーカーが、変換効率を公表している場合もあったのですが、各社独自の測定のため他社製品との性能比較は困難でした。そこで参考になるのが、ECos Consultingという会社が管理している認証プログラムです。変換効率が80%以上あるものに「80PLUS」が認証され、ロゴマークの添付が認められます。ECos社が同じ規定で各社の製品を測定しているので、信用性が高いです。
「80PLUS」をもっと細かく区分すると以下のような表記がされます。
ロゴ | 80PLUS スタンダード |
80PLUS BRONZE |
80PLUS SILVER |
80PLUS GOLD |
負荷率20%時 負荷率100%時 |
変換効率 80%以上 |
変換効率 82%以上 |
変換効率 85%以上 |
変換効率 87%以上 |
負荷率50%時 | 80%以上 | 85%以上 | 88%以上 | 90%以上 |
変換効率80%以上から80PLUSが認証され、82%以上で銅、85%以上で銀、87%以上で金です。これらは負荷率を20%かけたときと、100%かけたときの変換効率です。
負荷率50%時では金銀銅の場合、もっと高い変換効率が基準となります。
電源ユニットの静音性を求めるなら、大口径ファン
電源ユニットには冷却ファンが取り付けられていますが、これがパソコンの騒音原因のひとつです。しかし、大口径ファンであれば少ない回転数で冷却効果があるので静音性が期待できます。ファンが12cm角あれば大口径となります。
パソコンの多くが背面の上部に電源ユニットが取り付けられ、大口径ファンは、このように下を向きます。
こちらの電源タイプはパソコンの背面にファンがきます。
パソコンの背面からみると、このような感じ。一概には言えませんが、大口径ファンよりも静音性に欠けるとされます。
ATX電源なら、交換可能
メーカーパソコンでもATX電源を採用していることが多いですが、大概、あまり高級感のある電源ではありません。こだわりがあれば独自に交換してみましょう。ATX電源はネジ止めが4箇所で、これは規格上同じです。静音性にこだわったり、電源容量のもっと高い電源ユニットを取り付けてみましょう。電源ユニットは消耗の激しいパーツなので、2年おきに交換してもいいくらいです。
ノートパソコンの電源はACアダプタ
ノートパソコンの電源ユニットといえば、「ACアダプタ」です。外部電源として扱われる理由は、内蔵するとパソコン本体が大型化、重量アップになるからです。また発熱を避けるためでもあります。基本的にノートパソコンが高性能になるほど消費電力が高くなるので、それに応じた出力が必要です。そして高出力ほどACアダプタが大型化します。
例えばエントリーノートのInspiron 15では「65WのACアダプタ」
超省電力のミニノートInspiron mini 9では、たった30WのACアダプタ。コンパクトなので、プラグとユニット部分が一体になっています。
ハイスペック・ゲーミングノートXPS M1730のACアダプタ。230Wもあるため、お弁当箱みたいにビッグサイズ。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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