DELLユーザーのパソ兄さんが、グラフィックパフォーマンスに優れた13.3インチ光沢液晶モバイルノートのInspiron N301zをレビュー。
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超低電圧版CPU! Core i3-330UMの実力
Inspiron N301z (NEW Inspiron 13z)は超低電圧ノートです。つまり超低電圧版のCPUを搭載しており、そのため薄型設計と長時間駆動が可能なわけです。ただし、通常版CPUと比べると性能は劣ります。これは設計上しかたがないことです。「超低電圧版CPUは性能が低い」と酷評する人もいますが、ミニノートに採用されるAtomより遥かに性能は高いですし、モバイル用途を考慮すれば悪くないパフォーマンスです。超低電圧版CPUが気に入らないなら、重いノートを持ち運べばいいのです。
では、どれくらいのパフォーマンスなのか、新旧いくつかの機種を用いて比較してみます。
Core i3-330UMとCore i5-430UM
レビュー時点(2010年10月)では、Inspiron N301z (NEW Inspiron 13z)においてCore i3-330UM および、Core i5-430UM が搭載可能となっています。 どちらもHTテクノロジーを搭載するため、擬似4コアとして動きます。ただし、クロック数がどちらも1.2GHzと控えめ。クロック数が高いと発熱と消費電力のリスクがあるため、超低電圧ノートたる特徴です。
Core i5-430UMはターボブースト機能があるため、必要に応じて1.2~1.73GHzまでクロックアップします。少しでも高パフォーマンスを望むならCore i5-430UMを選びましょう。どちらもTDP18Wなので、バッテリーの持ちに大きな差はないと思います。
Core i3-330UMのパフォーマンスをチェック
今回はCore i3-330UMのパフォーマンスをチェックします。こちらはターボブースト機能を持たないのでクロック数は1.2GHzのままです。性能チェックに使うレンダリングソフトは、上記写真にあるCINEBENCH R10です。Core i3-330UMは4スレッド動作するので、4箇所から同時にレンダリングを行うことができます。
CINEBENCH R10は、MAXON Computer社のCinema 4Dをベースとしたレンダリング処理のベンチマークソフト。Cinema 4Dは映画・テレビ業界やゲーム制作、建築に至るまで採用されている3Dソフトです。このベンチマークソフトは、レンダリング処理することでCPUの性能をスコア化します。32bit版と64bit版があり、同PCで測定した場合、64bit版Windowsで64bit版ソフトを起動したほうが高速です。新旧PCの比較になると絡んでくる内容なので、前もって説明しておきます。
今回のInspiron 13z(N301z)における構成と、CINEBENCH R10のスコアは以下の通り。
Inspiron 13z(N301z)の構成 | ||
製品画像 | ||
OS | Windows 7 Home Premium 64bit | Win7 スコア |
液晶ディスプレイ | 13.3インチ WLED光沢液晶(1366x768) | |
プロセッサ | インテル Core i3-330UM (1.2GHz, 3MB L3キャッシュ) |
4.1 |
メモリ | 4GB (2GBx2) DDR3-SDRAMメモリ | 5.1 |
グラフィックス | ATI Mobility Radeon HD 5430 1GB | 4.9 |
ゲーム用 グラフィックス |
5.9 | |
プライマリ ハードディスク |
320GB SATA HDD(5400回転) | 5.9 |
CINEBENCH R10のスコア | ||
CPUベンチマーク | 処理時間⇒3分46秒 スコア⇒3906 |
インテル Core i3-330UMを搭載したInspiron 13z(N301z)は、処理時間⇒3分46秒。これを目安に他のノートと比較してみましょう。
まずは、Atomミニノートと比較です。超低電圧ノートを求めるユーザーはAtom不満者が多いので、どれくらいの差があるのか気になりますよね。
Inspiron Mini 10vの構成 | |
製品画像 | |
OS | Windows XP Home Edition SP3正規版 32bit版 |
CPU | インテル Atom N270 (512KB L2 キャッシュ, 1.6GHz, 533MHz FSB) |
メモリ | 1GB DDR2-SDRAM メモリ |
グラフィック | オンボード・グラフィック GMA 950 |
HDD | 160GB SATA HDD(5400回転) |
液晶ディスプレイ | 10.1インチワイド光沢液晶 (1024×576) |
CINEBENCH R10のスコア | |
CPUベンチマーク | 処理時間⇒18分06秒 |
Atom N270を搭載したInspiron Mini 10vでは、処理時間⇒18分06秒。 Core i3-330UMを搭載したInspiron 13z(N301z)の4.8倍も時間がかかっています。Atom N270は2009年の主流で、現在のAtomは少々パフォーマンスアップしているでしょうが、ミニノートと超低電圧ノートとは差があります。
次は、Core i3の前世代にあたる超低電圧CPUと比較してみましょう。
Inspiron 13zの構成 | |
製品画像 | |
OS | Windows 7 Home Premium 64bit |
CPU | インテル Core 2 Solo SU3500 (1.4GHz, 3MB L2キャッシュ, 800MHz FSB) |
メモリ | 2GB (1GBx2) デュアルチャネル DDR3-SDRAM メモリ |
グラフィック | オンボードグラフィック GMA 4500MHD |
HDD | 250GB SATA HDD(5400回転) |
液晶ディスプレイ | 13.3インチ WXGA 光沢液晶ディスプレイ (1366x768) |
CINEBENCH R10のスコア | |
CPUベンチマーク | 処理時間⇒12分28秒 |
OpenGL ベンチマーク |
スコア⇒534 |
Core i3の前世代にあたる「Core マイクロアーキテクチャ」のCPU、Core 2 Solo SU3500と比較。こちらはデュアルコアではないので、当時の中番クラスの超低電圧CPUです。処理時間は⇒12分28秒。Atom N270よりはいいですが、Core i3-330UMを搭載したInspiron 13z(N301z)と比べると、3.3倍の時間がかかっています。
次は通常版CPUのCore i5-430Mと比較。Core i3同士で比較したかったところですが、手元にないので、少々グレードの高いCore i5と比較になります。
Inspiron 15(Core i5モデル)の構成 | |
製品画像 | |
OS | Windows 7 Home Premium 64bit |
CPU | インテル Core i5-430M (2.26GHz, 3MB L3キャッシュ) |
メモリ | 4GB (2GBx2) DDR3-SDRAMメモリ |
グラフィック | インテル HDグラフィックス(500~766MHz) |
HDD | 500GB SATA HDD(5400回転) |
液晶ディスプレイ | 15.6インチ WLED光沢液晶ディスプレイ (1366x768) |
CINEBENCH R10のスコア | |
CPUベンチマーク | 処理時間⇒1分53秒 スコア⇒7811 |
Core i5-430Mでは、処理時間⇒1分53秒。さすが通常版というところ。Core i3-330UMを搭載したInspiron 13z(N301z)と比べると、2倍の速さです。確かに通常版CPUのパフォーマンスと比べると超低電圧版は見劣りしますが、一般的な据え置きノートを気軽に持ち運ぶことはできません。購入の際は「据え置きか、モバイルか」をはっきりさせないと機種選択ができません。ハイパフォーマンスな通常版CPUとしてCore i7-720QM搭載のStudio 15をチェックしたときは、処理時間⇒1分33秒でした。
なお、Inspiron 15の後継機は⇒Inspiron 15R(N5010)販売終了
次は、前世代技術のCore 2 Duoと比較してみましょう。
Studio XPS 16の構成 | |
製品画像 | |
OS | Windows 7 Home Premium 64bit |
CPU | インテル Core 2 Duo P8700 (2.53GHz, 3MB L2キャッシュ) |
メモリ | 4GB (2GBx2) DDR3-SDRAMメモリ |
グラフィック | ATI Mobility RADEON HD 4670 1GB |
HDD | 500GB SATA HDD(5400回転) |
液晶ディスプレイ | 15.6インチ WLED光沢液晶ディスプレイ (1600x900) |
CINEBENCH R10のスコア | |
CPUベンチマーク | 処理時間⇒2分33秒 |
Core 2 Duo P8700を搭載した、当時の上級者向けのStudio XPS 16と比較。2010年前半まで売られていたモデルです。旧時代のノートでもWindows 7 Home Premium 64bit搭載なので、システム環境は対等です。処理時間⇒2分33秒で、Core i3-330UMを搭載したInspiron 13z(N301z)と比べると、1.4倍の速さです。
次は2007年ごろ主流だった、Core 2 Duo Tシリーズと比較してみましょう。
Inspiron 1520の構成 | |
製品画像 | |
OS | Windows Vista Home Premium 正規版 32bit |
CPU | インテル Core 2 Duo T7100 (1.8GHz 、2MB L2 キャッシュ、800MHz FSB ) |
メモリ | 2GB (1GBx2) デュアルチャネル DDR2-SDRAM メモリ |
グラフィック | GeForce 8600M GT 256MB |
HDD | 120GB SATA HDD(5400回転) |
液晶ディスプレイ | 15.4インチワイド WXGA 液晶(1280x800) |
CINEBENCH R10のスコア | |
CPUベンチマーク | 処理時間⇒4分18秒 |
Core 2 Duo T7100を搭載したInspiron 1520と比較。Inspiron 1520は人気を誇った2007年の中級者向けモデル。処理時間⇒4分18秒でした。Core i3-330UMを搭載したInspiron 13z(N301z)では3分46秒だったので、ここで現在の超低電圧版CPUのCore i3-330UMが勝りました。ただ、32bitと64bitの環境の違いがあるので、その分の違いも考慮しなくてはなりません。
Inspiron 1520は2010年現在においてもメインノートとして充分活用できるレベルですので、Inspiron 13z(N301z)の実用性が分かってもらえると思います。現在の据え置きノートと比べると見劣り感を受けますが、1世代前と比べるとまんざらでもありません。
次は2006年ごろのハイスペック・デスクトップと比較してみましょう。2006年はCore 2 Duoが新発売された年です。このころはまだ高価で普及してなく、その前の世代であるPentium D搭載マシンが主流のハイエンドでした。Pentium D搭載マシンを自作さたときには、その性能の高さに驚いたものです。
自作パソコンの構成(Pentium D) | |
製品画像 | |
OS | Windows XP Home Edition SP3正規版 32bit |
CPU | インテル Pentium D 915 (2.8GHz, 4MB L2 キャッシュ, 800MHz FSB) |
メモリ | 1GB (512MBx2) デュアルチャネル DDR2-SDRAM メモリ |
グラフィック | RADEON HD 3650 512MB |
HDD | 160GB SATA HDD(7200回転) |
CINEBENCH R10のスコア | |
CPUベンチマーク | 処理時間⇒5分28秒 |
2006年の自作で、Pentium D 915搭載機と比較しましょう。確か、Pentium D 915のBOX版を18000円で購入したのを覚えています。Pentium Dはインテル初のデュアルコアでしたね。このころ、当自作機ではCeleron Dからのチェンジだったのですが、動画エンコードの圧倒的速さに驚愕したものです。
そしてCINEBENCH R10では、処理時間⇒5分28秒。今見ると「こんなに遅かったのか!」と驚くばかりです。Core i3-330UMを搭載したInspiron 13z(N301z)では3分46秒だったので、超低電圧ノートでもこれを超える性能です。32bitと64bitの環境の違いがありますが、それでも大きな差です。昔を知る人間からすれば、当時のハイスペックPCを超えるノートを極薄で持ち運べることがすごいです。
このベンチマークはすべてがCPU次第というわけではありませんが、CPUの要素がほとんど占めます。今回の調査結果をまとめると以下の通り。
Core i3-330UM (今回の検証対象の超低電圧版CPU) |
処理時間⇒3分46秒 |
Atom N270 (2009年のミニノートに搭載) |
処理時間⇒18分06秒 |
Core 2 Solo SU3500 (2009年の超低電圧ノートに搭載) |
処理時間⇒12分28秒 |
Core i5-430M (2010年据え置き主流ノートに搭載) |
処理時間⇒1分53秒 スコア⇒7811 |
Core 2 Duo P8700 (2008~2009年頃 前世代ノートに搭載) |
処理時間⇒2分33秒 |
Core 2 Duo T7100 (2007~2008年頃 前世代ノートに搭載) |
処理時間⇒4分18秒 |
Pentium D 915 (2006年の自作デスクトップに搭載) |
処理時間⇒5分28秒 |
Atom を遥かに超えるパフォーマンス、そしてPentium D 915を超えるというだけで、現在の超低電圧版CPUを高評価できます。ただ、モバイル用途がまったくないのなら、通常版のほうが高性能ですので、選択を誤らないことです。
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出典-日経コンピュータ 2019年8月22日号 顧客満足度調査より
次は、ベンチマークテスト比較でInspiron N301zのパフォーマンスを知る!
DELL Inspiron 13z(N301z)レビュー!(2010年6月発売・Nehalem設計)
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- Radeon HD 5430搭載!Inspiron 13z(N301z)のグラフィックパフォーマンス
- Inspiron 13z(N301z)と他モデルのパフォーマンス比較
- 約1.8kg。Inspiron 13z(N301z)のサイズと重量
- 購入シミュレーション!Inspiron 13z(N301z)の梱包状態
- 以降の情報は、Inspiron 13z(N301z)レビュー項目にて