Core 2 Duoの後継CPUがついに登場!今回はCore i3-530を搭載したInspiron 580を購入ガイドレビューします。
地デジで、インテル HDグラフィックスの性能を試す!
今回、Inspiron 580に搭載したCore i3-530は、インテルの開発コード名でClarkdale(クラークデール)と呼ばれていたCPUです。2010年2月時点で最新の32nmプロセスという微細設計です。Nehalemマイクロアーキテクチャで3世代目のテクノロジーで、Nehalemマイクロアーキテクチャの拡張版(Westmere)です。Core i3-500 / i5-600シリーズを搭載したときのプラットフォームは図の通り。グラフィック機能をCPUにパッケージング。内部では分離しているので、正確には統合ではありません。メモリコントローラーとグラフィックス・インターフェースはグラフィックコアが管理しています。
このグラフィックコアこそが、インテル HDグラフィックスです。今回のキーポイントで、グラフィックカードなしでどこまでの性能を発揮するのかが楽しみです。HDグラフィックスを利用する場合は、FDIを介してチップセットへ信号を送り、チップセットからモニタへと出力されます。なお、グラフィックカードを搭載するとHDグラフィックスは無効化されます。
なお、HDグラフィックスは、システム上のグラフィック名として「Intel Graphics Media Accelerator HD」と表示されます。
2010年1月に初登場!コード名:Clarkdale(クラークデール)のCPU | ||||||
ブランド | Core i3-500 | Core i5-600 | ||||
プロセッサー・ナンバー | 540 | 530 | 670 | 661 | 660 | 650 |
動作周波数 | 3.06GHz | 2.93GHz | 3.46GHz | 3.33GHz | 3.33GHz | 3.20GHz |
最大動作周波数(ターボ・ブースト) | なし |
3.73GHz | 3.60GHz | 3.60GHz | 3.46GHz | |
グラフィック | 733MHz (Core i5-661だけ900Mhz) |
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3次キャッシュ メモリ |
4 MB |
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実装コア数 | 2 コア |
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HTテクノロジー | 4 スレッド |
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メモリ | デュアルチャンネル |
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TDP | 73W (Core i5-661だけ87W) |
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CPUソケット | LGA1156 |
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プロセス | 32nm |
基礎知識として、インテル HDグラフィックスを搭載するCore i3-500 / i5-600シリーズを紹介します。これらは、2010年1月に登場したコード名:Clarkdale(クラークデール)のCPUです。2010年2月時点ではDELLのカスタマイズでは、Core i5-600シリーズに対応していません。設計では搭載できるはずですが、何ででしょうね。
しかも、飛んで上位CPUのCore i5-700シリーズが搭載可能となっています。こちらはクアッドコアですが、HDグラフィックスは内蔵していません。
Inspiron 580にてDELLのカスタマイズはさておき、Core i3-500 / i5-600シリーズが搭載できるパソコンは、Core i7-800 / i5-700シリーズと互換性を持ちます。ただし、これらの上位シリーズと比べると、 3次キャッシュメモリが半分の4MBです。さらにデュアルコアとクアッドコアとの違いもあります。
Core i3-500 / i5-600シリーズは全般的にクロック数が高めですが、 Core i3-500シリーズだけターボ・ブーストがなく、クロックアップしません。
グラフィックカードなしで、地デジパソコンにも対応!
冒頭でも紹介しましたが、HDグラフィックスはHDの名が示すように、地デジでも充分な性能を発揮します。なお、Inspiron 580の前機種「Inspiron 545」では、グラフィックカードを搭載しないと、地デジパソコンにはスペック不足でした。グラフィックカードを搭載しないInspiron 545では、チップセット内蔵のGMA 3100がオンボード・グラフィックとして使われますが、HDコンテンツには役立たずです。
後継機種のInspiron 580ではCore i3にグラフィックを内蔵しているわけですが、そのインテル HD グラフィックスがなかなかの性能です。バッファローの「ストリームテスト for 地デジ」で地デジ対応度をチェックしてみましょう。テスト内容はそれぞれ画質の違う写真が左から右へスクロールしていきます。滑らかに動いているか視認できますが、ソフトが判断してくれます。
Inspiron 580(Core i3-530、インテル HDグラフィックス稼動時)の結果
最高画質(DP)においてもこま落ちなしで、フレーム描画割合99.97%を記録。CPUの負担も17%で済んでいます。グラフィックカードなしでHDコンテンツを楽しめるというのは本当ですね。
Inspiron 580(Core i3-530、Radeon HD 4650搭載時)の結果
グラフィックカードを搭載したほうがもっと快適になるのか、Radeon HD 4650を搭載して比較しました。以下、HDグラフィックスとの比較です。
モード | Core i3-530 HDグラフィックス 4GB DDR3 |
Core i3-530 Radeon HD 4650 4GB DDR3 |
DPモード 1440×1080 [地デジそのまま] |
描写割合:99.97% CPU負担:17% |
99.97% 15% |
HPモード 720×1080 [高解像度ハイビジョン] |
描写割合:99.97% CPU負担:14% |
100% 13% |
SP/LPモード 720×480 [DVD相当] |
描写割合:99.97% CPU負担:11% |
99.97% 8% |
LLPモード 352×480 [DVD以下の画質] |
描写割合:99.97% CPU負担:10% |
100% 5% |
これならば、地デジを見るためにわざわざグラフィックカードを搭載しなくてもよさそうです。すべてのモードにおいてほぼ100%描写でコマ落ちなしです。グラフィックカードを搭載したほうが、わずかながらCPU負担が減りますが、DPモードではたったの2%差だけです。「もし、CPU負担が50%以上だったら、地デジが観れてもギリギリのライン」って言いたくなりますが、HDグラフィックスでは最高画質DPモードでもCPU負担17%で済んでいますから、地デジパソコン用に太鼓判です。
上位機種との地デジ対応比較
「ストリームテスト for 地デジ」のスコアをInspiron 580の上位機種「Studio XPS 8000」と比較してみましょう。Studio XPS 8000はすでにStudio XPS 8100としてリニューアルしていますが、構成が同じならほぼ同じスペックです。なお、チェックするStudio XPS 8000の構成は次の通り。
今回紹介するStudio XPS 8000の構成 (Studio XPS 8100のリニューアル前機種) |
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製品画像 | |
OS | Windows 7 Professional 正規版 64bit |
CPU | インテル Core i7-860 (2.8GHz , 8MB L3キャッシュ) ※クロック数最大3.46GHz |
メモリ | 4GB (2GBx2) DDR3-SDRAMメモリ |
グラフィック | GeForce GTX 260 1792MB |
HDD | 500GB SATA HDD(7200回転) |
今回のInspiron 580と比較したStudio XPS 8000のスコアは次の通り。
モード | Inspiron 580 (Core i3-530) (HDグラフィックス) |
Studio XPS 8000 (Core i7-860) (GeForce GTX 260) |
DPモード 1440×1080 [地デジそのまま] |
描写割合:99.97% CPU負担:17% |
100% 6% |
HPモード 720×1080 [高解像度ハイビジョン] |
描写割合:99.97% CPU負担:14% |
100% 5% |
SP/LPモード 720×480 [DVD相当] |
描写割合:99.97% CPU負担:11% |
100% 3% |
LLPモード 352×480 [DVD以下の画質] |
描写割合:99.97% CPU負担:10% |
100% 2% |
インテル HDグラフィックス (Graphics Media Accelerator HD)の画面調整ユーティリティ。こったデザインのインターフェース画面で操作できます。
Inspiron 580(インテル HDグラフィックス仕様)でブルーレイも
ブルーレイドライブをDELLとは別途に購入したので、視聴してみました。再生ソフトはドライブに付属していたOEM版Power DVD v8です。所有する別のDell機にブルーレイドライブ内蔵がありますが、付属ソフトの使い勝手がイマイチでしたので、こちらのソフトを使っています。
ダイニングPCとしてInspiron 580を使っており、ここでブルーレイ映画を鑑賞。
CPUの負荷は40%を超えることがしばしば。50%も行く場合もありました。ブルーレイの視聴にインテル HDグラフィックスでも対応できますが、この通りCPUにかかる負荷が大きいですし、操作においても少しモッサリ感があります。グラフィックカードを搭載しておけば、かなりCPUの負担は軽減されますので、ブルーレイをメインに使いたいのならグラフィックカードの搭載をお勧めします。低価格のローエンド・グラフィックカードで充分です。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2020年 ノートPC部門2年連続1位」
出典-日経コンピュータ 2019年8月22日号 顧客満足度調査より
次は、我が家の地デジパソコン、Inspiron 1520と比較
パッケージ構成と価格はDELLサイトにて⇒Inspiron 580は販売終了
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