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ノートPC筐体素材(その4)~ 繊維強化プラスチック
ノートPC筐体のボディ素材や、表面加工についてのまとめ。多くのエントリー製品ではポリカーボネート(工業プラスチック)だが、外装にアルミ素材を張り付けたもの、鋳造またはプレス加工のアルミボディや、軽量化のためにマグネシウム合金を用いたもの、一部に繊維強化プラスチック(カーボンファイバやガラスファイバ)を用いたものがある。さらに上級モデルでは、アルミの塊から削り出した高級ボディの製品もある。
- その1 : ポリカーボネート( 工業プラスチック PC + ABS )
- その2 : アルミ筐体( どの部材がアルミなのか? ) ※アルミ削り出しを除く
- その3 : CNC機械加工の、アルミ削り出しボディ
- その4 : 繊維強化プラスチック( カーボンおよび、グラス・ファイバー )
- その5 : 軽量金属!マグネシウム合金の筐体
繊維強化プラスチック (カーボンおよび、グラス・ファイバー)
DELL XPSシリーズといった高級ノートでは、繊維強化プラスチックが採用される場合がある。繊維強化プラスチックとは、炭素繊維やガラス繊維などの繊維をプラスチックで固め強度を向上させた複合材である。FRP(Fiber-Reinforced Plastics)ともいう。炭素繊維を編み込んだ繊維強化プラスチックをカーボン・ファイバー(CFRP)といい、ガラス繊維ではグラス・ファイバー(GFRP)という。
天板と底面は「CNC機械加工のアルミ削り出し」、パームレストに「繊維強化プラスチック」を使う・・といった組み合わせがしばしば見られる。
カーボン・ファイバー(CFRP)
カーボン・ファイバーとは、強化材として炭素繊維を編み込んだ繊維強化プラスチック(CFRP)である。高い強度と軽さが特長で、テニスラケットようなスポーツ用品、自動車などの産業製品、耐震補強など建築分野でも採用されている。生産コストが高いので、耐久性の求められる局所でしか使われない場合がほとんど。実用性だけでなく、編み込んだ繊維そのものがデザインになっている。
稀ではあるが、天板に採用されたカーボン・ファイバーの例。
織り込まれたカーボン繊維が高級感を演出。表面はシリコン・コーティングがされているので、しっとりした手触りである。
複雑に織り込むような張り付けはできないようで、比較的に平面的な張られ方をしている。
カーボン・ファイバー加工(製造工程)について解説する。まず素材となるのが「繊維が織り込まれているカーボンファイバー」の一枚板。強化材として炭素繊維を編み込んだ繊維強化プラスチック(CFRP)である。指でパンッと弾くと一瞬だけ金属質に感じたが、それでもプラスチック素材である。
※情報源は、2015年に開催された「DELL XPS 13(9350)新製品発表会」にて。これはXPS 13(9350)で使われたパーツであるが、他製品でも概ね共通と思われる。
最終的なカットに入る前に、キーボードエリアの窪みをプレス加工で作り、さらに作業に必要だと思われる加工用の穴が下準備として設けられている。
パームレストに必要なカーボン部分だけを切り出している。
キーが頭を出す格子状の箇所やキーボード上部のところは、後からつなぎ合わせるようで、その部分はカーボンファイバではないようだ。
格子状の箇所もつなぎ合わされ、最終的な一枚板になったパームレスト・パーツ。もともと光沢であったが、シリコン・コーティングによって非光沢となり、しっとりとした手触りになっている。
しなりを抑えるために裏側にはマグネシウム・フレームで補強され、またネジ受けの部分にもなっている。
底面プレートとパームレスト・パーツを重ね合わせて、筐体が完成。端子のあるエッジ面がカーボンではなく、後からつなぎ合わせた様子を見ると、カーボンは金属のようにプレス加工で垂直に折り曲げたりはできないようだ。わりとフラットな形状で張り付けられると思われる。
2012年に発売されたXPS 12 (XPS 9Q23)では、天板および底面の両面がカーボン・ファイバだった。
底面のカーボン・ファイバ
グラス・ファイバー(GFRP)
繊維強化プラスチック(FRP-Fiber-Reinforced Plastics)の種類には、カーボンファイバー以外にグラス・ファイバーが存在する。ガラス繊維強化プラスチックである。ガラスを繊維状にして、プラスチックと混合して固めている。軽量で強度の高い複合材料であるが耐候性が低く、保護のためにコーティングが施されることが多い。生産コストはカーボンファイバーよりも比較的安いらしい。ちなみにグラス・ファイバーは巻き尺によく使われている。伸び縮みしては正確に測れなくなるため、物理的耐久性の高いグラスファイバーが採用されているわけだ。
DELL XPS 13(9370)のホワイトローズ・モデルで、グラス・ファイバーを採用(2018年)。
XPS 13(9380)が展示されていたイベントで拝見した ガラス繊維。(2019年3月)
ガラス繊維の織り目。
プラスチックで固めてプレート化した複合材。 つまり、ガラス繊維強化プラスチック
そのまま繊維の織り目が確認できる。。
備考: ガラス繊維を混合したプラスチック製?
2019年11月にレビューしたInspiron 13(5391)LTEモデルでは、天板に「ガラス繊維を混合したプラスチック製」とDELLサイトで紹介されていた。言葉の通りならグラス・ファイバー(GFRP)ということだが、繊維らしき織り目は確認できない。ただ、巻き尺もグラスファイバーを使っており、織り目はないので様々なパターンがあるのかも。プラスチックであることは分かるが、ちょっと実機からはグラス・ファイバー判別が難しい。
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DELLは、「顧客満足度調査 2019-2020年 ノートPC部門2年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2019年8月22日号 顧客満足度調査より
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