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ノートPC筐体素材(その2)~ アルミボディ
ノートPC筐体のボディ素材や、表面加工についてのまとめ。多くのエントリー製品ではポリカーボネート(工業プラスチック)だが、外装にアルミ素材を張り付けたもの、鋳造またはプレス加工のアルミボディや、軽量化のためにマグネシウム合金を用いたもの、一部に繊維強化プラスチック(カーボンファイバやガラスファイバ)を用いたものがある。さらに上級モデルでは、アルミの塊から削り出した高級ボディの製品もある。
- その1 : ポリカーボネート( 工業プラスチック PC + ABS )
- その2 : アルミ筐体( どの部材がアルミなのか? ) ※アルミ削り出しを除く
- その3 : CNC機械加工の、アルミ削り出しボディ
- その4 : 繊維強化プラスチック( カーボンおよび、グラス・ファイバー )
- その5 : 軽量金属!マグネシウム合金の筐体
アルミ筐体~どの部材がアルミなのか ※アルミ削り出しを除く
アルミ素材を用いたノートでは、ポリカーボネート(工業プラスチック)と組み合わせたパターンが多い。どの部分がアルミになるのか、製品によって組み合わせがマチマチである。もちろん、全部材がアルミ素材というオール・アルミボディも存在する。 ※ここでいうアルミボディとは、「アルミ削り出し」を除く
部材は大きく分類して、「天板部 ・ パームレスト部 ・底面部」
シャーシ(枠組み)を持たないシンプルな構造のノートPC筐体では、「天板部 ・ パームレスト部 ・底面部」の3つに分類される。そしてパームレスト部または底面部のどちらかが、トレイのような器形状となっている。パームレスト部がトレイ形状の場合は、トレイを逆さにした状態になる。図を見ての通り、端子が配置される側面は、必ずトレイ・ボディの一部である。
アルミボディのノートPCでは「3つのうち、どこの部材にアルミ素材を用いるのか?」が注目ポイント。トレイ形状の部材がアルミだと、表面積が一番大きいのでアルミボディらしさが強調される。つまり、そこがポリカーボネートだと、アルミボディの印象は半減するということ。3つの部材すべてアルミの場合は「オール・アルミボディ」とする。
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アルミボディを語るなら、まず天板アルミは必須。ディスプレイを閉じているときは、天板がノートの顔のようなもの。車で例えれば、内装よりも外装を重視する感じ。 |
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パームレスト部がアルミだと、直接操作するキーボード面であるため、操作中の優越感が大きい。車で例えれば、外装よりも内装を充実させる感じ。天板もアルミだとなおよし。 |
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底面部がトレイ形状のノートで、その底面部がアルミだと、表面積が一番大きいのでアルミボディらしさが強調される。そこがポリカーボネート(工業プラスチック)だと、アルミボディの印象は半減する。 底面部がフラットカバーのタイプは、表面積が比較的小さく隠れがちなので、そこだけアルミ素材ということはまず無い。アルミボディは美観要素がメインのため、隠れがちな底面だけアルミ素材というは考えにくい。 |
次はカバーのタイプをチェック。内部アクセスで開閉するカバーは、3タイプに分類できる。それによってマザーボードが底部に固定されるのか、上部(パームレスト側)に張り付くのかが、決まってくる。
![]() トレイ タイプ |
底面カバーのタイプは、パームレスト部のほうにマザーボードが固定されている。(当然のことながら、カバー側にはマザーボードがつくはずない)。そのため、内部アクセスのときはPCを裏側に引っくり返す。 あとはカバーがトレイ形状かフラットな形状かの違い。フラットのほうはカバー側に端子側面がないため開閉が比較的楽である。 |
![]() フラット タイプ |
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パームレストがそのままカバーになっているタイプ。マザーボードは底面部に固定されている。開閉の際には、キーボードパーツを取り外す手間がかかる。 |
底面カバー・トレイ タイプ
底面カバー・トレイ タイプの例を見てみよう。この製品のアルミボディの内訳は、「天板アルミ、パームレスト アルミ、底面ポリカーボネート」となっている。マザーボードはパームレスト側に張り付く構造。サンプルは、2020年1月7日にレビューしたDELL Vostro 13(5391)。
まず天板がアルミ素材。底部がポリカーボネート。側面から見ると、材質が違う天板と底面部では、色合いが微妙に異なる。
パームレストがアルミ素材。
底面部はトレイ形状で、開閉カバーとなっている。表面積の大きい底面部がポリカーボネートなので、部分的なアルミボディの印象となってしまう。
パームレスト側に固定されるマザーボード。底面部が開閉カバーなので、内部アクセスはひっくり返した状態で行う。
ポリカーボネートの底面部は、この通りトレイ形状になっている。
底面カバー・トレイ タイプ ~ オール・アルミボディ
次は底面カバー・トレイ タイプで、3つの部材がアルミ素材のオール・アルミの例。マザーボードはパームレスト側に張り付く構造。サンプルは2017年11月にレビューしたDELL Inspiron 13(7370)。
天板、パームレスト、トレイ形状底面のすべてがアルミ素材。
つなぎ目から、パームレスト部がフラットと判断できる。
底面部がトレイ形状のカバーのため、端子部分の面も底面と同じ一枚板。
底面カバー・フラット タイプ
次は底面カバー・フラット タイプの例を見てみよう。サンプルは、2013年11月レビューのInspiron 15-7537。この製品のアルミボディ内訳は、天板部アルミ、パームレスト部アルミ、底面部ポリカーボネートの構成。
パームレスト部が(ひっくり返した)トレイ形状で、表面積の広いここがアルミ素材のためアルミボディの印象が強い。底面だけポリカーボネートだがフラットカバーのため、ほとんど視界に入らない。
被さるように配置された天板アルミ。(トレイ状ですっぽり覆っている)
パームレスト部が(ひっくり返した)トレイ形状で、キーボード面のパームレストから端子のある面まで「一枚板のアルミ」になっている。表面積の広いここがアルミ素材のためアルミボディの印象が強い。逆にここがポリカーボネートだと、アルミボディの印象は弱くなる。
裏から見ると、パームレストのアルミ板がトレイ形状であることが確認できる。底面部カバーはフラットでポリカーボネート素材。底面部カバーは通常の設置状態では完全に隠れる場所なので、全体的にアルミボディの製品として捉えやすい。
底面カバー・フラット タイプ(オール・アルミボディ)
底面カバー・フラット タイプで、3つの部材がアルミ素材のオール・アルミの例。パームレスト部が逆さまにしたトレイ形状で、そちら側にマザーボードが固定される。サンプルは、2019年10月にレビューしたDELL Inspiron 13 7000 2-in-1 (7391)。
天板アルミ、パームレスト部は逆さにしたトレイ形状でアルミ。
一枚板なのでパームレスト部(キーボード面)も端子面もアルミ素材。
パームレスト部は逆さにしたトレイ形状。ここもアルミ素材。
パームレスト部側にマザーボードが固定されている。
底面カバー・フラット。少しカーブ面があるが基本はフラット。ボディにはめ込むための梁とフックはプラスチックだが、底面そのものはアルミ素材。天板・パームレスト・底面カバーの3点すべてアルミ素材。
ついでに、Inspiron 13 7000 2-in-1 (7386)も同様。全体(3つの部材)がアルミ素材の「オール・アルミボディ」。パームレストがトレイ形状を逆さまにした状態で、端子部分まで一枚板のアルミ。天板と底面カバーもアルミ。ただ、オール・アルミといっても塊から削り出した「アルミ削り出し」ではないので、削り出しのような重厚感や堅牢性は無い。
パームレスト・カバータイプ
パームレストがそのまま開閉カバーになっているタイプ。マザーボードは底面部に固定されている。この構造のサンプルとしてInspiron 13z-N301zを掲載する。このページはアルミボディのコンテンツであるが、分解されているもので最適なサンプル写真がなかったのでオール・ポリカーボネートとなっている。
カバーになっているパームレストを取り外すと、そのまま内部にアクセス。
マザーボードなどが格納された底面部。このモデルではここからHDDの換装を行う。
このモデルでは底面側からメモリ、バッテリーの着脱が可能。
備考:シャーシ構造のタイプ
上記の構造に該当しないシャーシ構造のタイプを一応紹介。上位機種にあるような堅牢性の高いモデルでは、枠組みというシャーシ構造を持っており堅牢性が高い。
サンプル・モデルはXPS 17(L701X)。このタイプは筐体ベース(底面)がポリカーボネートであるため、表面を「薄いアルミ素材」で覆うことで、見た目をアルミボディにしている。アルミ筐体とまではいかないので、「外装アルミボディ」の言うのが適切だろう。
被さっているアルミ素材自体は薄いのだが、一体化しているとアルミ自体の厚みはわかりにくい。表面は本物のアルミであるため、見栄えや手触りに高級感が増す。
天板アルミは被さるようにしてディスプレイの背面に設置される。
パームレストが外装アルミなので、裏側にポリカーボネートのパームレスト・ブラケットが取り付けてある。
横から見ると分かるが、外装となるアルミ素材は非常に薄い。アルミで剛性うんぬん・・というものではない。装飾的なアルミ素材となる。
パームレストの裏側にはPC+ABSの刻印。ポリカーボネート(PC)とABSの混合樹脂。
パームレスト・カバータイプと言いたいところだが、パームレストの下はマグネシウム合金のシャーシになっており、ここからの内部アクセスはできない。底部がトレイ形状のタイプで、内部アクセスは底面側から行う。
底面部をごっそり開けなくても、メモリやストレージにはアクセスできる。底部の素材はポリカーボネート(工業プラスチック)。
アルミ素材への表面処理
アルミ素材はアルマイト加工でさらっとした手触りになる。アルマイト加工(陽極酸化処理)とは酸化皮膜を生成させる表面処理で、これにより耐食性と耐摩耗性が向上する。 そして様々な表面処理によるデザインが可能。
梨地加工(サンド・フィニッシュ)
サンドブラストの梨地加工。砂などの研磨材を吹き付ける加工法が「サンド ブラスト」で、表面を物理的にザラザラにして非光沢にする。皮革製品のシワ模様をシボと呼ぶことに因んで「シボ加工」とも言う。またサンド・フィニッシュとも呼ぶ。
ヘアライン加工
単一方向に非常に細かい傷をつける加工法が「ヘアライン加工」。つや消しの効果の他に、より一層、金属的なインパクトを与える。ヘアライン・フィニッシュともいう。
蒸着
アルミ素材に蒸着を施してカラーバリエーションも可能。蒸着とは、金属や酸化物を蒸発させて付着させる表面処理(薄膜形成)。真空状態で行ったものを真空蒸着という。材料の表面に金属の薄膜を被覆するメッキ加工。
サンド フィニッシュの後に蒸着した例。
ヘアライン加工の後に蒸着した例。
ダイヤモンドカット
ダイヤモンドカット(ダイヤカット)では、ダイヤモンドバイトという「精密金型加工に適した刃先の道具」で金属を削るため、そう呼ばれる。アルミの地色を削り出す表面処理加工法であり、金属を削り出したそのままの肌がデザイン性を高める。
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DELLは、「顧客満足度調査 2019-2020年 ノートPC部門2年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2019年8月22日号 顧客満足度調査より
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