【2009年~2010年まで主流】第1世代インテルCore i7 / i5 / i3
Nehalemマイクロアーキテクチャ(LGA 1156版)
2009年9月、Nehalem(ネハーレン)マイクロアーキテクチャにLGA 1156版が登場。2008年11月登場のLGA 1366版の下位クラスなりますが、LGA 1366とLGA1156とはパーツ互換性がありません。
LGA 1156版では開発コード名:Lynnfield(リンフィールド)、後に登場のClarkdale(クラークデール) があります。Lynnfieldで採用されるCPUブランドは「Core i7-800シリーズおよび、Core i5 700シリーズ」で中級者向けとなります。プロセスルールは45nm。
後発のClarkdaleでは「Core i5 600シリーズ Core i3 500シリーズ」であり、インテルで初めてCPUにグラフィックを内蔵。内蔵グラフィックを持つため、単体グラフィックを必要としないエントリーユーザー向けです。プロセスルールは32nmであり、後発なのでさらに微細設計です。
開発コード名: | ファミリー | コア数 | プロセス |
Lynnfield(リンフィールド) 2009年9月~ |
Core i7 800番台 | 4コア/8スレッド | 45nm |
Core i5 700番台 | 4コア/4スレッド | ||
Clarkdale(クラークデール) 2010年1月~ |
Core i5 600番台 Core i3 500番台 |
2コア/4スレッド | 32nm |
拡張版、Westmereマイクロアーキテクチャ
Nehalemマイクロアーキテクチャは前期、プロセス・ルール45nmであったが、後期では32nmにプロセスシュリンクされた。その後期がNehalemマイクロアーキテクチャの拡張版、Westmereマイクロアーキテクチャである。(基本的にはNehalemで総括)。※ClarkdaleとGulftownがWestmere
Nehalemマイクロアーキテクチャ(LGA 1156版)の設計
大きな変化は、「メモリコントローラ」と「PCI Expressコントローラ」をCPUに内蔵したこと。つまり、チップセットを介すことなくメモリやグラフィックカードにCPUが直接アクセスできるようになりました。
そのため中枢を担っていたノースブリッジのチップセットがなくなり、サウスブリッジのみとなったので搭載されるチップセットは1つだけです。※同じNehalemマイクロアーキテクチャでも先発のLGA 1366版は、CPUとグラフィックカードがノースブリッジを介しているため、搭載されているチップセットは2つ。
LGA 1156版の主な特長
- CPUソケットはLGA 1156
- ノースブリッジの機能をCPUに内蔵(メモリコントローラとPCI Expressコントローラの内蔵)
- メモリはDDR3-1333対応で、2枚同時挿しのデュアルチャンネルに対応。
※LGA1366と差別化のため、3枚同時挿しのトリプルチャンネルには未対応
※LGA 1156版のDDR3-1333 デュアルチャンネルでは帯域が21.2GB/sであり、LGA 1366版のDDR3-1066 トリプルチャンネルの最大25.6GB/sより低い - チップセット(サウスブリッジに相当)はDMIで接続。比較的低速なパーツの制御
- HTテクノロジー(ハイパー・スレッディング・テクノロジー)の採用 ※非搭載のファミリーもある
- ターボ・ブースト・テクノロジーの強化(段数の増量) ※非搭載のファミリーもある
- PCI Express 2.0が16レーン
LGA 1156版はPCI Express 2.0が16レーン(上位のLGA 1336版は36レーン)。LGA 1156版の場合、Cross Fire XやSLIといったデュアル・グラフィックを採用しても「16レーン×2」のフルレーン動作ができません。
強化されたターボ・ブースト・テクノロジー
Core i7-800 / i5-700シリーズは後発なだけあって、Core i7-900シリーズ(LGA 1366版・Bloomfield)よりもターボ・ブースト・テクノロジーが強化されています。Core i7-900シリーズでは最大2段階までのクロックアップですが、Core i7-800 / i5-700シリーズでは最大5段階までアップしています。
Lynnfield(リンフィールド)はBloomfieldの下位ポジションとはいえ、クロックアップの段数が多い。
開発コード名:Lynnfield(リンフィールド)
2009年9月に登場したNehalemマイクロアーキテクチャ(LGA 1156版)がLynnfield(リンフィールド)。「Core i7-800シリーズおよび、Core i5-700シリーズ」になります。上位であるLGA 1336版よりも低消費電力。4コア実装のネイティブ・クアッドコア。プロセスルールは45nm。コアとコントローラはCPU内部でQPIで接続されています。
Lynnfieldでは内蔵グラフィックがありません。そのためLynnfieldのパソコンでは、グラフィックカードの搭載が必須となります。ゆえに中級者以上が対象になっています。
Core i7-800シリーズではHTテクノロジーおよび、ターボ・ブースト・テクノロジーを搭載。廉価版であるCore i5-700シリーズはターボ・ブースト・テクノロジーありですが、HTテクノロジーは省かれています。
プロセッサーナンバー | コア数と スレッド数 |
クロック (TB最大時) |
3次 キャッシュ |
システムバス (DMI) |
プロセス |
Core i7 880 | 4コア/8スレッド | 3.06GHz (3.74GHz) |
8MB | 2.5GT/s | 45nm |
Core i7 875K | 4コア/8スレッド | 2.93GHz (3.6GHz) |
8MB | ||
Core i7 870 | 4コア/8スレッド | 2.93GHz (3.6GHz) |
8MB | ||
Core i7 870s | 4コア/8スレッド | 2.66GHz (3.6GHz) |
8MB | ||
Core i7 860 | 4コア/8スレッド | 2.8GHz (3.46GHz) |
8MB | ||
Core i7 860s | 4コア/8スレッド | 2.53GHz (3.2GHz) |
8MB | ||
Core i5 760 | 4コア/4スレッド | 2.8GHz (3.33GHz) |
8MB | 2.5GT/s | 45nm |
Core i5 750 | 4コア/4スレッド | 2.66GHz (3.2GHz) |
8MB | ||
Core i5 750s | 4コア/4スレッド | 2.4GHz (2.93GHz) |
8MB |
※TB=ターボ ブースト テクノロジーの略。
※末尾に「K」がつくのは、TB動作時のクロック倍率が自由に変更可能。
※末尾に「s」がつくのは、省電力版。
開発コード名:Clarkdale(クラークデール) ~グラフィック内蔵のCPU
2010年1月にLGA 1156版のClarkdale(クラークデール)が登場。プロセスルールは32nm。CPUブランドは「Core i5 600シリーズ Core i3 500シリーズ」です。Lynnfieldの下位にあたります。内蔵グラフィックをCPUに搭載したこと以外は、Lynnfieldと基本設計が同じ。LynnfieldのCPUも搭載できますが、LynnfieldのCPUには内蔵グラフィックがないので、グラフィックカードの搭載が必要となります。
Clarkdale(クラークデール) は、インテルでは初めてとなる「CPUにグラフィックを内蔵した」CPUです。この内蔵グラフィックがインテル HDグラフィックスであり、地デジやブルーレイなど高精細コンテンツに対応できるグラフィック性能を持ちます。なお、グラフィックカードを搭載した場合、インテル HD グラフィックスは無効になります。
LGA 1156(Clarkdale)で採用されるCPUブランドでは「Core i5 600シリーズおよび、Core i3 500シリーズ」。2コアを実装するデュアルコアで、Core 2 Duoの後継CPUに当たります。
プロセッサーナンバー | コア数と スレッド数 |
クロック (TB最大時) |
3次 キャッシュ |
GPUクロック | プロセス |
Core i5 680 | 2コア/4スレッド | 3.6GHz (3.8GHz) |
4MB | 733MHz | 32nm |
Core i5 670 | 2コア/4スレッド | 3.46GHz (3.73GHz) |
4MB | 733MHz | |
Core i5 661 | 2コア/4スレッド | 3.33GHz (3.6GHz) |
4MB | 900MHz | |
Core i5 660 | 2コア/4スレッド | 3.33GHz (3.6GHz) |
4MB | 733MHz | |
Core i5 655K | 2コア/4スレッド | 3.2GHz (3.46GHz) |
4MB | 733MHz | |
Core i5 650 | 2コア/4スレッド | 3.2GHz (3.46GHz) |
4MB | 733MHz | |
Core i3 560 | 2コア/4スレッド | 3.33GHz (-GHz) |
4MB | 733MHz | |
Core i3 550 | 2コア/4スレッド | 3.2GHz (-GHz) |
4MB | 733MHz | |
Core i3 540 | 2コア/4スレッド | 3.06GHz (-GHz) |
4MB | 733MHz | |
Core i3 530 | 2コア/4スレッド | 2.93GHz (-GHz) |
4MB | 733MHz |
Core i5 600シリーズではHTテクノロジー+ターボ・ブースト・テクノロジーを搭載。一方、Core i3 500シリーズはHTテクノロジーはありますが、ターボ・ブースト・テクノロジーがありません。
Clarkdale(クラークデール)の課題点
「グラフィックコア内蔵」といっても、単にCPU内部にパッケージングされただけで、コアレベルで統合したわけではありません。「CPU内部ではコアが分離しているので、グラフィックコアの場所が変わっただけ」と言いたいところですが、よりCPUコアに近いということだけでもメリットがあるようです。コアレベルで統合されるのは次世代アーキテクチャである「Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャ」からです。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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