



Inspiron 15(7501)などで採用のキーボード・パーツ
DELLノートパソコンに搭載されているキーボードは「自社の汎用パーツ」であり、よく自社製品で汎用的に搭載される。そのため、DELLノート製品の「キーボード使用感レビュー」では、パーツが同じだと内容が重複する。そこで記事が流用できるように、ページを分け、キーボード・パーツに特化した記事にしている。被写体となっているノート製品は別として、単にキーボード部分だけを参考にしてもらいたい。
同型 シルバー (バックライト機能付き) ※被写体: Inspiron 15(7501)
被写体はInspiron 15-7501(2020年9月レビュー)
ベースとしては15.6インチノート向けで、テンキー付きのキーボードとなっている。テンキーの上には電卓機能キーが付いており、横にはCEキーと+/-キーがあり、ダイレクトに電卓操作が可能。キーボード部分(右端キーから左端キーまで)の幅は330mm。同条件の他社ノートやDELLの他モデルでは340mm前後あるので、少々短めといったところ。
特異的なのは、キーボード枠に電源ボタンを収めたところ。(一番右上に電源ボタンがあり、この実機ではオプションの指紋認識リーダー統合タイプ)。15.6インチノートという幅にテンキーを載せているため、一部窮屈な配置が見られる。テンキーとの境目もさほどハッキリした間隔がなく、均等幅になっている。またBackSpace、右Shift、スペースキー、Enterキーのところでは、英字キーボードの加工を流用したコストダウン構造がみられる。
ホームポジションの様子。テンキー付きのため、やや左寄りになる。些細なことだがシルバーカラーだと、印字とのメリハリがブラック版より低いので、視認性ではややデメリットとなる。
キーボード右側に注目。BackSpace、Enter、右shiftはその横のキーと隣接させつつ、キートップの段差で隔離している。これはユーザービリティのためではなく、単なるコストダウン加工と思われる。プレートの穴開けが英字キーボードと一致していることから、加工をグローバルで共通化させてコストダウンを図っているようだ。
使用頻度の高いBackSpaceキーが小さくなってしまうところにデメリットを感じる。Enterキーも大きいとは言えない。 テンキーとの境目となる間隔が短いので、視覚的にも線引しにくくなっている。特異的なのが一番右上に電源ボタンを配置しているところ。これも別途電源ボタン用の加工をしなくても済むための生産コストダウンだろう。カーソルキーではキーが小さいうえに、段差配置といった区別化もなく整列しているため扱いにくい。Page up/downキーが隣接しているのもカーソルキーを使いにくくしている。
次はキーボードの左側で、テンキー以外のところ。スペースキーが無変換・変換キーと同じくり抜き穴で隣接配置。キートップの段差で隔離。これも生産コストカットの構造だが、スペースキーに幅があるため使用感に関してはまったく支障がない。テンキーを載せてしまった弊害か、半角/全角キーがやや小さい。幸い一番左側にあり、他のキーに触れてしまう誤操作はなさそうだ。
このモデルは、地盤がパームレスト部分と一体型のタイプ。「キー部分のくり抜き型」である。キーボードエリアが少し窪地または低地になって、くり抜かれた穴からキートップが頭を出している構造。つまりキーボードの地盤は、そのままパームレスト全体の一部(1プレート)となっている。(補足:キーボードの地盤について)
このモデルは「アイソレーション・キーボード」を採用している。アイソレーションとは「分離、独立、絶縁」という意味である。キー同士の間隔が広く取られているので、キーが浮石のように独立している。この構造は誤接触が軽減されるため、爪の長いユーザーでも扱いやすい。そしてキーボードの内側にホコリが入りにくいメリットもある。ただし、ゲームユーザーには好まれていないタイプである。現在では主流となっており、当方のレビューを通してみると、2011年を境に急増した。ファンクションキー(F1 ~ F12)と、マルチメディアキー(または設定キー)が兼用になっている。このように2つの機能を兼用するキーのため、優先設定(プライマリ動作)になっていない方は、キーボード左下側にある「Fnキーと同時押し」により使える。なお、「Fn + Escキー」を押すと、その優先キーを切り替えることができる。厳密には、Fn + Escキーを押すことで優先されているマルチメディア機能を無効し、ファンクションキーのみにするという概念である。(Fnキー・ロックの切り替えともいう。ゆえにマークがFnの南京錠アイコン)。 ほかの方法では、BIOSセットアップでもファンクションキーの動作を変更することが可能。
F1~F4までは音量調整や再生/停止といった「メディア・コントロールキー」、F5はバックライトキーボードの切り替えスイッチ、F6とF7はディスプレイ輝度調整、F8は外部ディスプレイとの切り替え、ほかは印字の通りの兼用となっている。ファンクションキーの数字印字はかなり小さいのでやや見えにくい。テンキーの上にある電卓マーク・ボタンを押すことで、電卓機能が使える。隣りにあるCEと+/-のキーは電卓操作で使う。
カーソルキーは理想とする段差配置にはなっていないものの、幅はメインキーよりも少しばかり広めになっている。ただ、Page Up / Downとカーソル上キーは他のキーに囲まれているのでやや押しづらい状況となる。
指紋認証リーダーと統合した電源ボタン(オプション)
電源ボタンがキーボード枠に収められた配置。この写真ではオプション搭載の「電源ボタンと統合した指紋認識リーダー」になっている。電源ボタンにLED点灯などといった加工は無く、無機質な感じ。右隣に指紋マークのシールが貼付されているが、必要ないなら剥がせる。
なお、「指紋認証リーダー無しの電源ボタン」では、電源マークの印字がされLED点灯などは無い。
キートップ形状
キートップはほぼフラットだが、よく見ると微々たる湾曲があるようだ。、いずれにしても指先にフィットする感じはなく、指先を滑らすようなタイピングに向く。
斜め横からみたキートップの形状。
キーサイズと、キーピッチ
メインキーの幅は約15mmで、キーピッチは標準とも言える約18.5~19mmをキープしている。「Back spaceキー」と「¥キー」は比較的小さくなっており、キーピッチは14mmほど。
ファンクションキーのキーピッチは17.5mm(ブラック版のときは18mmと書いたが、もう少し厳密に測ると17.5mmだった)。キーの幅は14mmほどでキー自体は小さいが、このキーピッチならば誤接触はほぼないだろう。テンキーでは16mmほどのキーピッチ。
各キーに指を置いた様子。
キーストローク(標準的な1.4mmほど)
家庭レベルの測量で厳密ではないが、直尺で測ったところキーストロークは1.4mmほど。ノートパソコンが薄型化し厚みが20mm以下になった現在(2020年時点)では、概ね一般的なキー・ストロークと言える。
Enterキーの押下。
ファンクションキーおよびカーソルキーの押下。
これが正解というつもりはないが、ノートパソコンのキーストロークにおける「個人的な目安」を以下のように設定している。
キー・ストローク | 個人的に設定している目安と、その印象(2020年度版) |
2.0mm | 2020年時点の感覚では「十分に深め」のキー・ストローク。なお2010年~2013年ごろの、「厚み28mm以上、光学ドライブを内蔵するDELLノート製品」では標準的なキー・ストロークだった。 |
1.5mm~1.9mm | 光学ドライブが無く、薄型ノートが多くなった2020年時点の感覚では、「まあまあ深め」と感じるキー・ストローク。 |
1.2~1.4mm | 厚み20mm以下、光学ドライブ非搭載のノートでは標準的なキー・ストローク。13.3インチ・モバイルノートもこんな感じ。 |
1.0mm以下 | 測量する前から、直感的にすぐ「浅い」と感じるキー・ストローク。これより浅いと、打鍵感はプチプチした感覚になるかも。 |
※ここで言う「厚み」とは、ディスプレイを閉じた状態でのノート本体厚み
押下圧(キーの重さ:キー荷重)
押下圧をチェック。精密に測る機器はないので、原始的に分銅を乗せて家庭的に測った。勢いをつけない状態でキーが押下され底打ちする質量である。 メインキーとして「Gのキー」の押下圧を調べると、64gだった。(同型のブラック版調査では60gであり、個体差があるのか不明)。60~64gだとしても過去のレビューPCと比べると、癖もなく平均的な押下圧と思われる。浅いキーストロークのキーとしては、そこそこしっかりした打鍵感と言える。
過去に押下圧を測ったキーボードの結果。ただし、押下圧が同じでもキータッチの感覚まで同じとは限らない。メンブレンやメカニカル、パンタグラフといった構造の違い、キーストロークの深さによって印象は変わってくる。あくまで数値上で比較したものである。同キーボードの個体差までは考慮していないので厳密性はない。目安として個人的な判断だが「ノートでは60gあたりを一定基準」としている。70g近くあると直感的に分かるくらいしっかりした圧がある。50g以下はかなり軽い印象を受け、個人的にはスカスカした感触で嫌い。
押下圧はキーの重さであり「キー荷重」とも言う。軽いと高速入力に向く反面、慣れないと誤入力の要因になる。キーの配置ごとにキー荷重を変えている製品もあり、例えば力の入りにくい「小指が押すキー」は、人差し指で押すキーよりも2/3くらいの荷重に抑えるなどの工夫がされることもある。そうであればEnterキーは比較的軽く設定されているはずだが、統一性はなく実際はかなりバラツキがあるようだ。
製品 | ノート概要 | メインのキー(Gとする) | Enterキー (最も軽い箇所の場合) |
XPS 13-9300 | 2020年の13.4インチノート | 63 g | 57 g |
Vostro 15-5590 | 2019年の15.6インチノート | 60 g | 56 g |
XPS 13 7390 2-in-1 | 2019年の13.3インチ2-in-1 ※磁気浮遊式(MagLev)キーボード |
54 g | 40 g |
Inspiron 13(5390)Wi-Fi | 2019年の13.3インチノート | 62 g | 65 g |
Latitude 5500(P80F) | 2019年の15.6インチノート | 60 g | 61 g |
Latitude 5300(P97G) | 2019年の13.3インチノート | 64 g | 62 g |
Vostro15-3581 | 2019年の15.3インチノート | 58 g | 64 g |
Vostro 14 (3481) | 2019年の14インチノート | 58 g | 50 g |
Inspiron 17R(5721) | 2013年の17.3インチノート | 73 g | 68 g |
XPS 17(L702X) | 2011年の17.3インチノート | 69 g | 65 g |
XPS 17(L701X) | 2010年の17.3インチノート | 69 g | 60 g |
Inspiron 13z(N301Z) | 2010年の13.3インチノート | 62 g | 68 g |
Inspiron Mini 10v | 2009年の10.1インチ・ミニノート | 59 g | 63 g |
製品 | テスクトップ向けキーボード | メインのキー(Gとする) | Enterキー (最も軽い箇所の場合) |
KB216d | 2019年~、DELL付属キーボード | 62 g | 67 g |
KB216t | 2015年~、DELL付属キーボード | 57 g | 62 g |
SK-8165 | 2011年・XPS 8300付属キーボード | 55 g | 50 g |
G105 | ロジクール・ゲーミングキーボード | 57 g | 55 g |
K270 | ロジクール・エントリー | 68 g | 67 g |
K240 | ロジクール・エントリー | 58 g | 59 g |
OWL-KB109BM ⅡR | オウルテック・赤軸メカニカル | 55 g | 50 g |
※備考: 自己処理的な情報なので、まじまじと参考にされても困る。
バックライト・キーボード機能搭載
バックライト・キーボード機能を搭載している。(F5を繰り返し押すことで、ライトのオンオフおよび、2段階の調光可能)。薄暗い会議室や、寝室などとっさの使用でも室内照明を点けずに操作することができ、わりと重宝する機能である。機能がオンのときは、キーに触れると自動的に点灯する。しばらく操作をしないと自然に消灯する。
電源ボタンとスペースキーは点灯しない。
ほかのキーでは、文字がかすれて視認しにくい箇所はない。視認性良好。
バックライト透過のため、キートップの印字は白抜き文字になっている。そのため、中途半端に薄暗い環境の場合、バックライトの点灯がまばらに見える角度がある。白LEDと同系色のシルバー版キーボードではそれが顕著になるため、気になる場合はバックライト・キーボード機能をオフにしたほうがいいだろう。
Inspiron 15-7501のキーボード(シルバー版)レポートは以上。
同型 ブラック (バックライト機能無し) ※被写体: Vostro 15(5590)
上記で紹介したキーボードパーツの同型で、「ブラックカラー、キーボード・バックライト機能無し」のタイプを紹介する。上記シルバータイプより以前の2020年1月に「Vostro 15(5590)などで採用のキーボード・パーツ」で紹介したが、画像が小さいためここでリニューアル掲載する。F5キーにバックライトボタンがないこと以外は、上記シルバーと同じなので説明の多くは省略する。
Vostro 15(5590)で搭載されていたキーボード(2020年1月レビュー)。
ファンクションキー列。ファンクションキー(F1 ~ F12)と、マルチメディアキー(または設定キー)が兼用になっている。「Fn + Escキー」を押すと、その優先キーを切り替えることができる。このキーボードはバックライト機能が無いので、F5キーにバックライトボタンのマークが無い。
ホームポジションの様子~Vostro 15(5590)にて。テンキーがあるため、やや左寄りになる。
キートップはほぼフラットだが、よく見ると微々たる湾曲があるようだ。いずれにしても指先にフィットする感じはなく、指先を滑らすようなタイピングに向く。
キー配列
右側拡大。BackSpace、Enter、右shiftはその横のキーと隣接させつつ、キートップの段差で隔離している。プレートの穴開けが英字キーボードと一致していることから、加工をグローバルで共通化させてコストダウンを図っているようだ。特異的なのが一番右上に電源ボタンを配置しているところ。
テンキーの上にある電卓マーク・ボタンを押すことで、電卓機能が使える。隣りにあるCEと+/-のキーは電卓操作で使う。カーソルキーではキーが小さいうえに、段差配置といった区別化もなく整列しているため扱いにくい。Page up/downキーが隣接しているのもカーソルキーを使いにくくしている。
スペースキーが無変換・変換キーと同じくり抜き穴で隣接配置。半角/全角キーがやや小さいが、幸い一番左側にあり、他のキーに触れてしまう誤操作はなさそうだ。
選べる電源ボタン
キーボードエリアに組み込まれた電源ボタン。これは指紋認証リーダー(オプション)なしの場合の電源ボタン。電源マークはプリントで、LED点灯などといった加工は無くエントリー感がある。
オプション搭載である、指紋認証リーダーを統合した電源ボタン。表面がのっぺりした電源ボタンになる。※画像は同じキーボードパーツを採用するInspiron 15(5593)より。
各キーのアップ
メインキー、半角全角、Enterキー・・。
ファンクションキーとカーソルキー・・。
各キーピッチ。
押下の状態。原始的に分銅を乗せて押下圧を家庭的に測ったところ、メインキーとして「Gのキー」を調べると60g。上記のシルバーでは64gだったことを踏まえると、数グラムの個体差はあるようだ。いずれにしても軽い押下ではなく平均的と判断できる。
このキーボードパーツの採用例(バックライト無しタイプ)
2020年2月にレビューした、15.6インチノートのInspiron 15(5593)でも採用されていた。
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DELLは、「顧客満足度調査 2019-2020年 ノートPC部門2年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2019年8月22日号 顧客満足度調査より