DELL Inspiron 660sのパフォーマンス
Inspiron 660sに搭載した「Core i5-3450s、GeForce GT 620 」のパフォーマンスは如何に!おまけにCore i5-3450sが内蔵するインテル HDグラフィックス 2500の性能も調べました。
※レビュー情報は2012年8月時点であり、最新情報はリンクしているDELLサイトにて要確認。
今回チェックするInspiron 660sの構成
今回レビューしているInspiron 660s実機では、CPUにはCore i5-3450s、グラフィックカードにはGeForce GT 620 を搭載しています。この構成でベンチマークテストにてパフォーマンスを調べました。なお、Inspiron 660sといっても構成次第でパフォーマンスは異なりますので、ご理解ください。
2012年5月発売のミニタワー。第3世代Core i5搭載可能(チップセットはB75)。幅10cm、高さ26.5cmのショート・スリムタワー。重量は6kg程度で設置性抜群。ローエンド・グラフィックカードが搭載可能で、ほかPCI Express × 1を1スロット装備。USB 3.0を2基装備。オプションでフロントパネルのカラーが選択できる。 |
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OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit | |
プロセッサ | インテル Core i5-3450s(2.8GHz , 6MB キャッシュ) ※クロック数最大3.5GHz |
7.5 |
メモリ | 6GB (4GB×1 +2GB×1)DDR3 SDRAM メモリ(1600MHz) | 7.5 |
グラフィックス | GeForce GT 620 1GB DDR3 | 5.3 |
ゲーム用 グラフィックス |
6.5 | |
プライマリ ハードディスク |
1TB SATA HDD(7200回転) | 5.9 |
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Core i5-3450sのスペック
Core i5-3450sのスペックをチェック。22nmプロセスのIvy Bridge世代のCPU。末尾にsが付く省エネタイプで、TDPは65Wです。(通常版は77W)。4コア実装の4スレッド動作で、複数同時作業に強いマルチコア。※HTテクノロジーは非搭載なので8スレッドにはならない。ターボ・ブースト・テクノロジー2.0搭載なので2.8GHzから最大3.5GHzまでクロックアップします。テクノロジーのキーワードは以下を参照ください。
Ivy BridgeはSandyBridgeの改良版なので、アーキテクチャ(基本設計)に大きな変化がないものの、新たに22mmプロセスルールの微細化設計となっており、物理的な互換性は保たれています。従来にはなかった3次元構造の「Tri-Gate(トライゲート)トランジスタ」を採用しており、低電圧状態でリーク電流が10分の1に抑えられたとのことです。インテルいわく、前世代よりも同じ消費電力で「性能を約37%アップ」させたとのこと。
※リーク電流とは、電流の漏洩であり水で例えると水漏れのようなもの。リーク電流が増すと消費電力も発熱量も増え、回路を傷める原因となる。つまりIvy Bridgeになって、性能の向上と低消費電力が顕著になったと言えます。
CPUパッケージ内部には命令を実行するコアがあります。シングルコア(1コア)を高クロック化して処理能力を高めると、消費電力と熱暴走の問題があります。そこでマルチコア化(複数コア化)です。クロック数はほとほどにしておいて、CPUコアを増やすことで「仕事を複数同時処理してしまおう」というアイデアです。複数同時処理のことをマルチスレッドといいます。ただし、アプリ側もマルチスレッド対応でないと効果は発揮できません。
2008年以降、インテルが採用を始めたターボ・ブースト・テクノロジーは、自動でクロック数(動作周波数)を上げる機能です。マルチコア化しても、依然とクロック数の高さがモノをいいます。 マルチコアに対応していないシングル・スレッドのソフトでは、単にクロック数の高いCPUのほうが処理が速いです。 音楽管理ソフト等ではマルチコアに対応していないものが多く、マルチコア化しても恩恵はありません。 そこで役立つのが、ターボ・ブースト・テクノロジーです。 マルチコアが効率的でないと判断されたときは、一部のコアをOFFにして、残った一部のコアのクロック数を上げます。一見、オーバークロックのように思えますが、定格内のクロックアップなので消費電力や発熱のリスクがほとんどありません。
ターボ・ブースト・テクノロジー2.0
2011年のSandyBridge設計以降、ターボ・ブースト・テクノロジー2.0が採用されています。クロックアップの仕組みは各CPUに定められた倍率を変えることです。ターボ・ブースト機能は電流や電力はもちろん、温度を監視した上で倍率を変化させています。電流の量が基準を超えた場合、上昇させた倍率を下げて熱暴走を回避させます。これが従来からあるターボ・ブーストです。しかし、電流量が基準を超えてもすぐに熱が上昇するわけではありません。ターボ・ブースト・テクノロジー2.0ではそのタイムラグを利用し、すぐには倍率を下げません。これが倍率上限を少しでも長く持たせる仕組みで、いわゆる「踏ん張り機能」が追加されています。
Core i5-3450sのCPUパフォーマンス
CINEBENCH R10のベンチマーク~今回のInspiron 660sにてCINEBENCH R10は、Cinema 4Dをベースとしたベンチマークソフトです。そのCinema 4Dというのは映画・テレビ業界・ゲーム制作・建築で採用されている3Dソフトです。マルチコアに最適化されているので、クロック数の高さだけでなくマルチスレッドでの能力を測ることができます。レンダリングにかかる時間を測定するテストですが、主にCPU性能を比較することができます。 |
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CINEBENCH R10のスコア | ||
CPUベンチマーク | 処理時間⇒44秒 スコア⇒19836 |
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OpenGL | スコア⇒5976 | |
【DELL Inspiron 660s 評価】 今回のInspiron 660s(Core i5-3450s搭載時)では処理時間⇒44秒でした。これは2009~2010年のハイエンドPCと同格の成績です。CPU能力の向上は本当に早いですね。ゆえにCeleronやPentiumの搭載は低コストでもお勧めできません。 |
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数年前のデスクトップPCと比較してみてよく分かりますが、CPUの高性能化に関しては恐ろしいほどの日進月歩ですね。2009~2010年のハイエンドPCと同格のCPUパフォーマンスなので、エントリーユーザーの使い方であれば過剰スペックといえるくらいです。
PCゲームベンチマークテスト
次はPCゲームのベンチマークテストですが、グラフィックカードの性能がものを言います。今回のInspiron 660sではGeForce GT 620 1GB DDR3搭載しています。また、GeForce GT 620を外した時のパフォーマンスもチェックしてみました。GeForce GT 620を外した場合は、Core i5-3450sに内蔵するGPUの「インテル HDグラフィックス 2500」が使われます。GeForce GT 620はエントリーグラフィックカードですが、有り無しではどれくらいの差がでるのか比較してみましょう。
2012年5月発売のミニタワー。第3世代Core i5搭載可能(チップセットはB75)。幅10cm、高さ26.5cmのショート・スリムタワー。重量は6kg程度で設置性抜群。ローエンド・グラフィックカードが搭載可能で、ほかPCI Express × 1を1スロット装備。USB 3.0を2基装備。オプションでフロントパネルのカラーが選択できる。 |
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OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit | |
プロセッサ | インテル Core i5-3450s(2.8GHz , 6MB キャッシュ) ※クロック数最大3.5GHz |
7.5 |
メモリ | 6GB (4GB×1 +2GB×1)DDR3 SDRAM メモリ(1600MHz) | 7.5 |
グラフィックス | GeForce GT 620 1GB DDR3 | 5.3 |
ゲーム用グラフィックス | 6.5 | |
プライマリハードディスク | 1TB SATA HDD(7200回転) | 5.9 |
グラフィックス | インテル HDグラフィックス 2500 | 4.9 |
ゲーム用グラフィックス | 6.3 |
Inspiron 660sに搭載されているGeForce GT 620は、コンパクトな「ロープロファイル」のグラフィックカード。スペース上の都合で標準サイズのグラフィックカードは搭載できません。
ストリートファイター4 のベンチマーク2009年にPC版が登場した対戦型格闘ゲーム、ストリートファイター4にてベンチマークテストを行なっています。2次元の操作ではありますが、描写は3Dという珍しいゲームです。高スペックが要求される本格PCゲームの中では、求められるスペックが比較的低めです。 |
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設定解像度 1280×720 ウィンドウ表示 ※GeForce GT 620 1GB DDR3搭載時 |
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RANK A ⇒ 快適にプレイできる環境。より高度な設定も可能。 スコア 10565 AVERAGE 67.46 FPS |
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※グラフィックカード非搭載(インテル HDグラフィックス 2500) | ||
RANK C ⇒ プレイできる環境。設定を下げれば快適になる。 スコア 8857 AVERAGE 46.84 FPS |
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【DELL Inspiron 660s 評価~GeForce GT 620搭載時】 グラフィックカード非搭載(インテル HDグラフィックス 2500)の場合でも、46.84 FPSなのでなかなか奮闘しています。ここ2~3年前くらいのローエンドグラフィックカード並のパワーはありますね。ちなみに第1世代Core i3に内蔵するインテル HDグラフィックスでは20FPSを超えない程度でした。 第3世代Core i7に内蔵するインテル HDグラフィックス4000では80FPSを超えるので、内蔵GPUでありながらGeForce GT 620を凌駕します。 |
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バイオハザード5のベンチマーク2009年9月にPC版が登場した、バイオハザード5のベンチマークテストを行いました。日本ゲーム大賞2009 優秀賞を受賞したゲームであり、NVIDIA社の3D Visionにネイティブ対応した初の立体3D対応ゲーム。 |
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DirectX 10 解像度 1280×720 ウィンドウ表示 ※GeForce GT 620 1GB DDR3搭載時 |
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46.1 fps | RANK B ⇒ 一部の動作で重くなりますが、問題なく動作。 エリア1⇒55.4 エリア2⇒47.0 エリア3⇒39.4 エリア4⇒45.6 |
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※グラフィックカード非搭載(インテル HDグラフィックス 2500) | ||
27.5 fps | RANK C ⇒ 動作が重く、プレイに支障あり。 エリア1⇒32.1 エリア2⇒28.4 エリア3⇒22.5 エリア4⇒28.6 |
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【DELL Inspiron 660s 評価】 1280×720 ウィンドウ表示で問題なく動作するレベルに達しています。さすがにグラフィックカード非搭載は無謀です。 |
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ラストレムナントのベンチマークテスト2009年にPC版が登場した「ラストレムナント」でベンチマークテストを実施しました。RPGなのでアクションゲームほどリアルタイム処理にシビアではないものの、ロールプレイングでは異例の最大70体による集団バトルが展開するなど高負荷なゲームです。バトルもイベントシーンも高画質で製作されています。 プレイの目安ですが、45fps以上で普通レベルと判定され標準設定ならストレスなしのプレイが可能。ただし高負荷なシーンでは動作が重くなることがあります。そして、65fps以上なら快適レベルの判定でグラフィックを高めにしても快適な動作です。90fps以上ならグラフィックを最高にしても非常に快適なプレイが可能です。 |
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解像度 1280×720 ウィンドウ表示 ※GeForce GT 620 1GB DDR3搭載時 |
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Average FPS | 37.50 | |
※グラフィックカード非搭載(インテル HDグラフィックス 2500) | ||
Average FPS | 24.58 | |
【DELL Inspiron 660s 評価】 1280×720 ウィンドウ表示で、普通の45以上は超えられず。ラストレムナントは重いと思われます。 |
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デビル メイ クライ4 ベンチマークテスト2008年に発売した「デビル メイ クライ4 」にてベンチマークテストを行いました。家庭ゲーム機では表現できない、多数の敵キャラクターが登場。(PC版のみのモード:LEGENDARY DARK KNIGHT) |
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(解像度 1280×720 ウィンドウ表示) DirectX 10 ※GeForce GT 620 1GB DDR3搭載時 |
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RANK B ⇒ 所々、動作低下の場面がでる可能性あり。 シーン1⇒56.56 シーン2⇒44.22 シーン3⇒63.35 シーン4⇒35.82 |
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※グラフィックカード非搭載(インテル HDグラフィックス 2500) | ||
RANK C ⇒ 動作するには難しいかもしれない。 シーン1⇒37.98 シーン2⇒32.71 シーン3⇒45.21 シーン4⇒24.83 |
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【DELL Inspiron 660s 評価】 1280×720 なら遊べそうですが、快適プレイにはならないパフォーマンス。なお、グラフィックカード非搭載では話になりません。 |
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本格ゲーム目的でInspiron 660sを買うことはないと思いますが、設定をさげればそれなりに遊べるタイトルもあります(快適さは保証できませんけど)。エントリーモデルでありながら高負荷なゲームでここまで動作するなら、ブルーレイや地デジなどの2D高精細コンテンツ用にはかなり安定した性能でしょう。これなら万人向けのエンターテインメントPCとして活用できますね。
内蔵グラフィックが性能向上している現在では、ローエンド・グラフィックカードを搭載するメリットがやや陰り始めているのは確かです。でもベンチマークテストで分かる通り、グラフィックパフォーマンスの向上は確かなので、予算があればグラフィックカードの搭載を検討してみましょう。
今回の構成のInspiron 660sで消費電力をチェックしました。バイオハザード5とデビルメイクライ4では69Wあたり、ラストレムナントでは80~90Wあたりでした。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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