DELL Inspiron 13zのテクノロジーと性能
2012年6月5日発売の13.3インチ光沢液晶ノート、DELL Inspiron 13z。第3世代Core i5 搭載可能のIvy Bridge設計(チップセットはHM77)。今回の構成はCore i5-3317U搭載で、グラフィックスはインテル HDグラフィックス 4000。このパフォーマンスを紹介する。レビュー情報は2012年7月時点。
今回紹介する13.3インチモバイルノート、Inspiron 13zの構成
今回手元にあるInspiron 13z(Inspiron 5323)実機の構成は以下の通り。DELLはカスタマイズ性があるため、搭載できるパーツは変更されるかもしれません。購入時の選択可能パーツはご自身で確認してください。
2012年6月発売の13.3インチ光沢液晶(1366x768)。21mmと薄い!低価格で購入できるモバイルノート。第3世代Core i5 搭載可能(チップセットはHM77)。第3世代CPUなら内蔵グラフィックは「インテル HDグラフィックス 4000」で、本格ゲーム以外ならほとんどの娯楽用に十分なグラフィック性能。 21 mmと薄型、わずか1.73 kg。USB 3.0端子を3つ装備。PowerShare USB対応。SWITCHオプション対応で、天板部のカバーを着せ替え可能。 | ||
OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit | |
液晶ディスプレイ | 13.3インチ光沢液晶(1366x768) | |
プロセッサ | インテル Core i5-3317U (1.7GHz, 3MB キャッシュ) ※クロック数最大2.6GHz |
6.9 |
メモリ | 4GB (4GBx1) DDR3 1600MHz メモリ | 5.9 |
グラフィックス | インテル HDグラフィックス 4000 | 5.0 |
ゲーム用グラフィックス | 6.3 | |
プライマリハードディスク | 320GB SATA HDD(7200回転) | 5.9 |
Inspiron 13z(5323)は第3世代インテルCore i3 /i5が搭載可能で、2012年8月時点でCore i3-2367M、Core i5-3317U 選択肢があります。今回のレビューではCore i5-3317U を搭載しており、末尾にUが付くので超低消費電力板のCPUです。
今回のInspiron 13zの構成にて、CPUとGPUの詳細をチェック。22nmプロセスのIvy Bridge世代のCPUが搭載できます。今回はCore i5-3317Uを搭載。Core i5-3317U は2コア実装のHTテクノロジーによる4スレッド動作。ターボ・ブースト・テクノロジーによって最大2.6GHzまでクロックアップします。低消費電力版なので最大TDP 17 W という低消費電力です。
グラフィックは単体GPUを搭載しないので、Core i5-3317Uに内蔵する「インテル HDグラフィックス 4000」が採用されます。なお、Core i3-2367M ではHDグラフィックス 3000です。
レビュー時点では、Inspiron 13zは単体GPUを搭載しないモデルと思われます。
以下、Inspiron 13zに関するテクノロジーのキーワード解説です。
Ivy BridgeはSandyBridgeの改良版なので、アーキテクチャ(基本設計)に大きな変化がないものの、新たに22mmプロセスルールの微細化設計となっており、物理的な互換性は保たれています。従来にはなかった3次元構造の「Tri-Gate(トライゲート)トランジスタ」を採用しており、低電圧状態でリーク電流が10分の1に抑えられたとのことです。インテルいわく、前世代よりも同じ消費電力で「性能を約37%アップ」させたとのこと。
※リーク電流とは、電流の漏洩であり水で例えると水漏れのようなもの。リーク電流が増すと消費電力も発熱量も増え、回路を傷める原因となる。つまりIvy Bridgeになって、性能の向上と低消費電力が顕著になったと言えます。
CPUパッケージ内部には命令を実行するコアがあります。シングルコア(1コア)を高クロック化して処理能力を高めると、消費電力と熱暴走の問題があります。そこでマルチコア化(複数コア化)です。クロック数はほとほどにしておいて、CPUコアを増やすことで「仕事を複数同時処理してしまおう」というアイデアです。複数同時処理のことをマルチスレッドといいます。ただし、アプリ側もマルチスレッド対応でないと効果は発揮できません。
HTテクノロジーは擬似的にCPUコア数を倍増させる技術で、1コアに対して2スレッド動作をさせます。4コアであれば8スレッドということです。HTテクノロジーの仕組みは次の通り。
CPUコアには元々、並列処理が可能な演算機構が備わっていますが、1コアに対し命令の流れが1系統だと処理内容によって待機状態の演算機構が生じます。これは勿体無いということで、 命令の流れを2系統にすることで、待機状態の演算機構を極力減らし効率よく処理していきます。1コアに対し命令の流れが2系統なので、2スレッド処理なのです。擬似とはいえ、OSやソフトウェアからは2コアとして認識されます。HTテクノロジーだと1コアがビジーなので物理的に2コアのほうが優位ですが、それでも1コアを有効的に処理させる技術です。
HTテクノロジーによって速度が2倍になるわけではなく、あくまで効率化です。内容にもよりますが、マルチスレッド対応のソフトなら30%ぐらいのパフォーマンスアップを期待してもいいでしょう。
2008年以降、インテルが採用を始めたターボ・ブースト・テクノロジーは、自動でクロック数(動作周波数)を上げる機能です。マルチコア化しても、依然とクロック数の高さがモノをいいます。 マルチコアに対応していないシングル・スレッドのソフトでは、単にクロック数の高いCPUのほうが処理が速いです。 音楽管理ソフト等ではマルチコアに対応していないものが多く、マルチコア化しても恩恵はありません。 そこで役立つのが、ターボ・ブースト・テクノロジーです。 マルチコアが効率的でないと判断されたときは、一部のコアをOFFにして、残った一部のコアのクロック数を上げます。一見、オーバークロックのように思えますが、定格内のクロックアップなので消費電力や発熱のリスクがほとんどありません。
ターボ・ブースト・テクノロジー2.0
2011年のSandyBridge設計以降、ターボ・ブースト・テクノロジー2.0が採用されています。クロックアップの仕組みは各CPUに定められた倍率を変えることです。ターボ・ブースト機能は電流や電力はもちろん、温度を監視した上で倍率を変化させています。電流の量が基準を超えた場合、上昇させた倍率を下げて熱暴走を回避させます。これが従来からあるターボ・ブーストです。しかし、電流量が基準を超えてもすぐに熱が上昇するわけではありません。ターボ・ブースト・テクノロジー2.0ではそのタイムラグを利用し、すぐには倍率を下げません。これが倍率上限を少しでも長く持たせる仕組みで、いわゆる「踏ん張り機能」が追加されています。
CPUに内蔵しているグラフィック機能が「インテルHDグラフィックス」です。今回はCore i5-3317Uを搭載しているので、インテル HDグラフィックス4000が内蔵されています。AMDやNVIDIAの単体GPUが搭載されていないパソコン製品ではこの「CPUに内蔵のグラフィック」が機能します。内蔵グラフィックといっても「CPUコアとの完全統合化」されているので、従来よりも強力なものとなっています。インテルHDグラフィックス4000では、演算ユニットが前世代(2000・3000)と比べると、12基から16基へと増加しています。Direct X 11のサポートもされています。(前世代はDirect X 10.1まで)。
新たに3次キャッシュが追加されているので、CPUコアと共有しているLLC(Last Level Cashe)のアクセスを減らす改良がされています。そして動画再生支援(ハードウェア・エンコーダ)のQuick Sync Videoがバージョン2.0になっています。3D処理能力、エンコード処理能力とも前世代より向上しているうえ、高負荷時の消費電力も大幅に低下させるなどのパフォーマンスが見られます。
※Intel Quick Sync
Video とは
Quick Sync Videoは動画再生支援機能。動画編集ではデコードとエンコードの処理が機能強化されています。※「MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVC、VC1」のデコードをハードウェア処理。 「MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVCのエンコード」をハードウェア処理。 さらに処理エンジンである「マルチフォーマットコーデック」を大幅強化。ただ、Quick Sync Videoが利用できるのはHDグラフィックが有効時の時のみで、グラフィックカード(単体GPU)を使用しているときは、Intel Quick Sync Videoが機能しません。
ベンチマークテストでInspiron 13zのパフォーマンスをチェック
まずはCPU性能が大きく影響するCINEBENCH R10でベンチマークテストを行います!もう一回、今回のInspiron 13zの構成を明記しておきます。プロセッサ | インテル Core i5-3317U (1.7GHz, 3MB キャッシュ) ※クロック数最大2.6GHz |
6.9 |
メモリ | 4GB (4GBx1) DDR3 1600MHz メモリ | 5.9 |
グラフィックス | インテル HDグラフィックス 4000 | 5.0 |
ゲーム用グラフィックス | 6.3 | |
プライマリハードディスク | 320GB SATA HDD(7200回転) | 5.9 |
CINEBENCH R10のスコア | ||
CPUベンチマーク | 処理時間⇒1分35秒 スコア⇒9266 |
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OpenGL | スコア⇒3738 | |
第3世代や第2世代のCore i7より明らかに落ち込むものの、「処理時間⇒1分35秒」なので、快適なCPU処理能力です。第1世代Core i7-720QMに近いパフォーマンスです。2009年1月発売した16インチ・ミドル~ハイミドルノート「DELL Studio XPS 16 (1640) 」では、Core 2 Duo P8700 搭載で処理時間⇒2分33秒でした。この3年近くでここまでノートパソコンのパフォーマンスが高くなっています。 |
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ストリートファイター4のベンチマーク結果 設定解像度 1280×720 ウィンドウ表示 | ||
RANK D ⇒ プレイできるが、処理が重くなることがある。 スコア 8088 AVERAGE 37.57 FPS |
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内蔵グラフィックなので本格ゲーム用にはスペック不足ですが、インテル HDグラフィックス 3000よりはパフォーマンスが高い。昔の単体GPUと比べると、「GeForce 8600M、Radeon HD 5430」よりもパフォーマンスが高いと判断できます。これなら2Dの高精細コンテンツには充分なパフォーマンスです。 ちなみに過去のデスクトップ製品Inspiron 580s (Core i3-530 / RADEON HD 5450 / 4GB)が搭載とレビューではAVERAGE 39.82 FPS でしたので、これに迫るパフォーマンスと理解しています。 |
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Inspiron 13zの消費電力とパームレストの温度
Inspiron 13zにて1時間ほどベンチマークテストを行なってみて、消費電力とパームレストの温度を測ってみました。(先述した構成での場合です)。アイドル値では28~30W前後ぐらいでわりと省エネであることが伺えます。スト2のベンチではだいたい50Wあたり、CPUをマックスに稼働するCINEBENCH R10のレンダリングでも41Wあたりでした。
気温31度の環境で、パームレストの温度は写真の通り。左側が最も熱くなります。さすがにミニノートのような低発熱とはいかないようです。パフォーマンスはミニノートなんかより全然上ですからね。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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