HP Pavilion 11-h100 x2 レビュー
Celeron N2920を搭載したPavilion 11-h100 x2 をレビューする。キーボード分離型の11.6インチ・タブレットPCであり、一台二役のハイブリッド仕様。このモデルはCeleron N2910を搭載した Pavilion 11-h000 x2 のリニューアル後継機であり、基本設計は変わっていない。なお、Cerelon N2000シリーズについては前頁のPavilion 11-h000 x2レビューですでに述べている。2014年3月時点のレビューであり、手元にある実機の現状に基づいた情報である。
一台二役のハイブリッド!11.6インチ画面タブレットPC
今回のレビュー実機は、フライヤーレッドの「HP Pavilion 11-h102TU x2」というモデルである。ちなみにスパークリングブラックは「Pavilion 11-h126TU x2」というモデルになる。カラーの違いでいちいち製品番号が変わるのは少々ややこしい。
OS | Windows 8.1 (64bit) |
ディスプレイ | 11.6インチワイドHD・IPSタッチディスプレイ(1366×768) |
プロセッサ | Celeron プロセッサー N2920 |
メモリ | 2GB (2GB×1) (1066MHz, DDR3L SDRAM) オンボード |
グラフィックス | インテル HDグラフィックス |
ストレージ | 64GB SSD |
HP Pavilion 11-h100 x2ではCeleron N2920を搭載しているが、これはSilvermont設計なのでAtom系のCeleronである。このCeleronは、Silvermont設計と同じマイクロアーキテクチャであるが、Silvermont設計よりも消費電力が大きい。
インテルCeleron N2920 (統合型GPUはインテルHDFグラフィックス)のスペック。4コア実装で4スレッド動作が可能。ネームにAtomと記載されていることが確認できる。
そもそもSilvermont設計はタブレット向け、Atom系Celeronはネットブック向けという位置づけがあるため、HP Pavilion 11 x2はネットブックに重点を置いていると判断できる。
メインメモリにはDDR3L規格を搭載している。DDR3では動作電圧1.5Vで規定されているが、DDR3Lは1.35Vで動作する省電力規格。HP Pavilion 11-h100 x2ではオンボード搭載なので換装はできない。
搭載SSDのパフォーマンス
HP Pavilion 11-h100 x2で搭載していたSSD(LITEONIT L8T-64LG-HP)のパフォーマンス。
当方メインPC(XPS 8300)と比べると、書き込み速度が非常に速い。リード速度の差はCPU性能によるものか?いずれにしてもHDDをはるかに凌駕する速度である。
【MYパソコン比較データ】独自カスタマイズ版XPS 8300の場合
XPS 8300に搭載した日立GST HDD、ならびにCrucial REAL SSD C300のパフォーマンス。
※構成:Windows 7 Home Premium SP1 64bit / Core i7-2600 / 4GB (2GBx2) DDR3-SDRAMメモリ / GeForce GTX 460
【MYパソコン比較データ】独自カスタマイズ版Inspiron mini 10Vの場合
Atomミニノート「Inspiron mini 10V」に搭載したCrucial 製SSD M4のパフォーマンス。
※構成:Windows XP Home Edition SP3 32bit版 / Atom N270 / 2GB DDR2-SDRAM メモリ / GMA 950
11.6インチ画面のディスプレイが分離~タブレット用途に
ディスプレイとキーボード本体の境目にある中央のラッチをスライドすると、ディスプレイが分離する。
これで11.6インチワイドHD・IPSタッチディスプレイのタブレットPCとして使える。
タブレットのサイズが303×193×12mm、重量約790g。ネットブックモード(タブレット+キーボードドック)のサイズが、303×206×25(最厚部)mm、量約1.55kgである。11.6インチタブレットとしては無難な重量であるが、ネットブックになるとやや重めという印象。
タブレットには2セルバッテリ、キーボードドックには2セルバッテリを搭載。「タブレットのバッテリ駆動時間が、約5時間30分」、「キーボードドック装着時では約8時間30分」と公称されている。
HPバッテリチェックというユーティリティソフトがインストールされており、詳細を知ることができる。
サイクル数を調べられるのはかなり便利。
HP Pavilion 11-h100 x2の装備インターフェース
HP Pavilion 11-h100 x2の前面・背面に端子はなく、左側面に「USB2.0、マイク/ヘッドフォン」端子を装備する。
そして右側面に「HDMI、USB3.0、SDカードスロット、電源コネクタを装備。
とにかく必要最低限のインターフェースという印象であり、光学ドライブは搭載していない。
背面にあるチルトスタンドは、ディスプレイ部とのジョイントパーツにもなっている。2箇所のスタンドゴムが確認できる。
チルトスタンドは突っ張っているので、少々目障り感が否めない。
このチルトスタンドのため、HP Pavilion 11-h100 x2は勾配のあるキーボードとなる。そしてディスプレイはあまり開かない構造であり、この写真の状態が最大オープン時となっている。
タブレットPCなのでディスプレイにPCパーツが格納されている経緯があり、ただのネットブックよりもディスプレイ部が重い。そのためネットブック形態でタッチ操作を行うとき、力を入れ過ぎると後ろにひっくり返ってしまう。
ごく普通なタッチ操作であればまったく問題ないが、年配者のように不慣れなユーザーが使う場合はちょっと注意したほうがよさそうだ。
キーボードドックのみの様子
キーボードドックのみの様子。通気スリットがなくファンレス設計。(そもそも基幹部品はタブレット側に内蔵されている)
キーボードドックの底面にも、ファイヤーレッドのImprintが施されている。また端子マーク等の印字があるが、底面という場所であるため、あまり意味をなしていない。
ディスプレイ部のジョイント箇所には2本の支柱があり、安定感はある。そしてパームレストやタッチパッドエリアではポリカーボネート素材の質感がそのままであり、特別な高級感はない。
キーボードについては前頁のPavilion 11-h000 x2レビューで述べている。
タブレット面
成形同時加飾転写システムによるImprintなので、綺麗なプリント面を長期間保てる。中央のhpロゴはミラー調のデザイン。タブレットとしてしばらく使っていると、hpロゴあたりがやや熱くなってくる。左側に電源ボタン、中央上部に200万画素のアウトカメラ、右側に音量調節ボタンを搭載している。
タブレット底面には、電源コネクター 、マイク/ヘッドフォン端子、 microSDカードスロット がある。タブレッドおよびキーボードドッグのどちらでもACアダプタ接続が可能となっている。タブレット部にUSB端子がないため、USBメモリを使うのであればキーボードドックが必須となる。
200万画素Webカメラと、Beats Audio デュアルスピーカー。このサイズのため、スタンダードノートと比べるとスピーカ出力は弱くなってしまう。
オーディオではBeats Audioテクノロジー(デジタル・シグナル・プロセッシング)を採用しており、独自のチューニングが施されている。デジタル音源を圧縮する際に失われた音質を回復し、迫力の重低音とクリアな高音域を実現しているという。
IPSパネルの広視野角!
11.6インチHD・IPSパネルなので広視野角。斜め下から極端な角度で見ると若干白くなるが、その角度で使うことはまずないと思われる。
色度変移もほとんど感じない。さすがIPSパネルというところか。
梱包の様子と付属品
参考程度に梱包の様子を紹介。内容変更があっても当方は責任を持たないので、ご理解の上ご覧あれ。HP Pavilion 11-h102TU x2スタンダードモデルでは、「即効!HPパソコンナビ」という参考書が同梱されてきた。そこそこ厚みのあるブックで、図解でしっかり解説されている。ビギナーや新OSの使い方に不安のあるユーザーには重宝されると思う。
ACアダプタは45W仕様で、ジョイントする電源ケーブルは太め。(PC側へのケーブルは細い)
L字型のコンセントプラグがあるので、電源ケーブルを省略することができる。
ACアダプタはタブレットとキーボードドックのどちらにも使える。
HP Pavilion 11-h100 x2のパフォーマンスチェック!
Pavilion 11-h100 x2のパフォーマンスを検証した。BDを超える高精細コンテンツでも十分再生できる性能があるので、CGや本格ゲーム以外の多くの用途で不満になることはないはず。
高画質映像コンテンツを試す
BD超える高画質映像コンテンツの「Pioneer Visual Material」のMovie01を再生してみた。この映像は「平均Rate 50Mbps、最大70Mbps/VBR」という通常のBDタイトルを超える転送レートである。
(※通常のBDタイトルの場合は、最大Rate 40Mbpsで制限されている。)
結果、問題なく滑らかに再生された。BD超える高画質映像コンテンツが扱えるので、多くのニーズに応えられると思われる。ただし、CPU使用率は40%ちかくであり、メモリ使用率では65%あたりだった。4コア実装とはいえ、この状態でさらにマルチタスクを課するとパフォーマンス低下が起こると予測される。
2GBメモリは少なめの容量と判断されるが、おそらく低消費電力の方を優先しているのだろうと思われる。(タブレットPCは2GBメモリというのが多い)
CINEBENCH R10 ベンチマーク
Celeron-N2920はAtomベースであるため、性能を侮っていたが、処理時間⇒2分52秒と、この手のPCではなかなか好成績であった。 2009年に人気だったAtom N270搭載機 と比べると桁違いに速い結果となった。
CINEBENCH R10は、MAXON Computer社のCinema 4Dをベースとしたベンチマークソフトで、Cinema 4Dは映画・テレビ業界・ゲーム制作・建築で採用されている3Dソフトです。 CINEBENCH R10はマルチコアに最適化されているので、クロック数の高さだけでなくマルチスレッドでの能力を測ることができます。 |
|
CINEBENCH R10のスコア | |
処理時間⇒2分52秒 | スコア⇒5132 |
当サイトが過去にレビューした、ノートパソコンにて性能比較過去のレビュー機と比較する。CINEBENCH R10のベンチマークでは、CPUの性能が大きく影響するため、概ねCPU比較として参考になる。※OSを始め、ドライバや常駐ソフトなどシステム環境の違い、メモリの容量・規格の違い、GPUの僅かな影響があるため、厳密なCPU比較にはなっていないことをご理解いただきたい。 |
|||||
ウルトラブック・CULVノート・タブレットなど(低電圧版CPU搭載のモバイル系) | |||||
時期 | 製品 | CPU | GPU | メモリ | 処理時間 |
2014年3月 | Pavilion 11-h100 x2 | Celeron-N2920 | HDグラフィックス | 2GB | 2分52秒 |
2014年2月 | Pavilion TouchSmart 10-e000 |
A4-1200 APU | Radeon HD 8180 | 2GB | 8分36秒 |
2013年12月 | Venue 8 Pro(5830) | Atom Z3740D | HDグラフィックス | 2GB | 4分24秒 |
2013年12月 | Venue 11 Pro(7130) | Core i5-4210Y | HDグラフィックス4200 | 4GB | 2分12秒 |
2013年11月 | XPS 11(9P33) | Core i5-4210Y | HDグラフィックス4200 | 4GB | 2分10秒 |
2013年1月 | Latitude 10 | Atom Z2760 | GMA(533MHz) | 2GB | 12分09秒 |
2011年4月 | Inspiron M102z(1122) | AMD E-350 | Radeon HD 6310 | 2GB | 6分49秒 |
2010年6月 | Inspiron 13z(N301Z) | Core i3-330UM | Radeon HD 5430 | 4GB | 3分46秒 |
2009年10月 | Inspiron 13z(1370) | Core 2 Solo SU3500 | GMA 4500MHD | 2GB | 12分28秒 |
2009年6月 | Inspiron Mini 10v | Atom N270 | GMA 950 | 1GB | 18分06秒 |
デスクトップ機 | |||||
時期 | 製品 | CPU | GPU | メモリ | 処理時間 |
2011年5月 | Inspiron 620 | Pentium G620 | HDグラフィックス | 4GB | 1分47秒 |
2010年1月 | Inspiron 580s | Core i3-530 | RADEON HD 5450 | 4GB | 1分57秒 |
2008年10月 | 自作パソコン2 | Core 2 Duo E8400 | RADEON HD 4650 | 4GB | 2分31秒 |
2006年11月 | 自作パソコン1 | Pentium D 915 | RADEON HD 3650 | 1GB | 5分28秒 |
2003年? | マウスコンピューター・ 機種不明 |
Pentium 4 (3GHz) | GeForce 6600 | 512MB | 7分36秒 |
ストリートファイター4 ベンチマークテスト
CeleronといってもCeleron-N2920はAtom系。Atom系パソコンで20 FPSを超えたのなら、なかなかである。しかも、パソ兄さんが2007年に購入したミドルノートInspiron 1520( Core 2 Duo T7100 、GeForce 8600M 搭載)と同等の性能であった。
ストリートファイター4は、2009年にPC版が登場した対戦型格闘ゲーム。操作は2Dですが、グラフィックが3D描写となっています。ストリートファイター4 PC版が登場した当時では、並のPCではややハードルが高い負荷でしたが、パソコンの高性能化に伴いハードルが下がってきています。 |
|
ストリートファイター4のベンチマーク結果 設定解像度 1280×720 ウィンドウ表示 |
|
AVERAGE FPS 23.49 |
RANK E ⇒ プレイをするにはスペックが不足している。 |
当サイトが過去にレビューした、ノートパソコンと性能を比較
ストリートファイター4 のベンチマークでは、グラフィックパフォーマンスの比較として参考になる。搭載GPUの性能が大きく影響するが、CPU性能が一定の基準を満たさない場合は足を引っ張り、スコアを落とす要因にもなる。また、CPUのオーバークロックでさらにスコアが伸びることから、比較的CPU性能の影響も受けやすいゲームタイトルだと思われる。 注意:OSを始め、ドライバや常駐ソフトなどシステム環境の違い、メモリの容量・規格の違いがあるため、厳密な比較にはなっていないことをご理解いただきたい。 |
|||||
ウルトラブック・CULVノートなど(低電圧版CPU搭載のモバイル系) | |||||
時期 | 製品 | CPU | GPU | メモリ | FPS |
2014年3月 | Pavilion 11-h100 x2 | Celeron-N2920 | HDグラフィックス | 2GB | 23.49 |
2014年2月 | Pavilion TouchSmart 10-e000 |
A4-1200 APU | Radeon HD 8180 | 2GB | 24.85 |
2013年9月 | Inspiron 11(3137) | Celeron-2955U | HDグラフィックス | 2GB | 42.54 |
2012年10月 | XPS 12 (9Q23) | Core i5-3337U | HDグラフィックス4000 | 4GB | 50.36 |
2012年6月 | XPS 14 Ultrabook(L421X) | Core i7-3517U | GeForce GT 630M | 8GB | 54.12 |
2012年6月 | Inspiron 14z Ultrabook (5423) |
Core i5-3317U | HDグラフィックス4000 | 4GB | 38.68 |
2012年6月 | Inspiron 13z(5323) | Core i5-3317U | HDグラフィックス4000 | 4GB | 37.57 |
2012年3月 | XPS 13 Ultrabook (L321X) | Core i7-2637M | HDグラフィックス3000 | 4GB | 28.69 |
2011年4月 | Inspiron M102z(1122) | AMD デュアルコア E-350 | Radeon HD 6310 | 2GB | 23.61 |
2011年8月 | Inspiron 13z(N311z) | Core i3-2330M | HDグラフィックス 3000 | 4GB | 30.2 |
2010年6月 | Inspiron 13z(N301Z) | Core i3-330UM | Radeon HD 5430 | 4GB | 27.18 |
発売当時のミドル製品 | |||||
2007年6月 | Inspiron 1520 | Core 2 Duo T7100 | GeForce 8600M | 2GB | 24.77 |
発売当時のエントリーノート | |||||
2013年6月 | Inspiron 15R(5537) | Core i7-4500U | HDグラフィックス4400 | 8GB | 61.25 |
2013年1月 | Inspiron 17R(5721) | Core i3-3227U | HDグラフィックス4000 | 4GB | 40.91 |
2012年6月 | Inspiron 15R(5520) | Core i5-3210M | HDグラフィックス4000 | 4GB | 45.26 |
2011年3月 | Inspiron 15R(N5110) | Core i3-2310M | HDグラフィックス3000 | 2GB | 24.62 |
2010年1月 | Inspiron 15(1564) | Core i5-430M | HDグラフィックス | 4GB | 16.33 |
★Alienwareノートの一部モデルに、24%オフ クーポン。★そのほか、17%~23%オフ クーポンの対象モデル多数あり!★8年連続世界シェア1位!DELLモニタがオンライン・クーポンで最大20%オフ!
クーポンコード掲載はこちら ⇒ 【DELL公式】 お買い得情報ページ
DELLとHPを比較して検討!2つの専門レビューサイト
- DELLパソコンレビューは、【納得パソコン購入術!パソ兄さんTOP 】 へ
- HPパソコンのレビューは、【レビュー兄さんの人気パソコン調査】へ
HP Pavilion 11 x2レビュー項目(2014年2月/3月時点・Silvermont設計)
- Celeron N2910 搭載のPavilion 11-h000 x2
- Celeron N2920を搭載したPavilion 11-h100 x2 をレビュー