HP ENVY Phoenix 810-190jpの内部構造
ENVY Phoenix 810-190jpでは、マザーボード逆倒立設計を用いたHPならでは排熱システムを採用している。ミニタワーなので拡張性はそこそこであるが、3基の3.5インチシャドウベイを装備するなど見どころがある。ネジフリーで高いメンテンナンス性もポイントが高い。
サイドパネルを開けて、ENVY Phoenix810-190jpの内部をみる
一般的なデスクトップパソコンでは左側面パネルを開けるが、ENVY Phoenix810-190jpではマザーボードを逆さまに取り付けている都合により、右側面パネルを開けることになる。
手回しネジのロックを解除し、取っ手を引いてサイドパネルを取り外す。開けるのに工具ドライバは必要なし。
ENVY Phoenix810-190jp内部構造の一望。マザーボードが上下反対に取り付けられているので、CPUの位置が一番下になっている(マザーボード逆倒立設計)。 多くのパソコンは中央より上方にCPUを位置しているので、これはHPの独特な仕様である。主な発熱源である電源ユニットとCPUを離れさせる狙いと、熱の発生源から即座に排熱しようという狙いがある。
ミニタワーの筐体であるが、「5.25インチベイ2基、3.5インチ外部ベイ1基、3.5インチシャドウベイ3基」とそこそこの拡張性がある。ただし、見ての通りかなり密集しており、スペースにゆとりはない。自前のパーツ(特にグラフィックカード)を搭載する場合には干渉の注意が必要だ。(独自のカスタマイズはメーカ保証対象外になるのでご注意を)。ケーブルの束はメッシュネットで綺麗にまとめてある。
マザーボードにFoxconnのロゴがみえるため、DELLと同じくフォックスコンでマザーボードを委託生産していると判断できる。
600WのATX電源ユニット詳細
ENVY Phoenix810シリーズには、総出力600WのATX電源ユニットを搭載。主力となる+12Vが4系統あり、それぞれ16A,18A,12A,10Aの出力を持つ。そして+12Vの総出力は540Wまでとなっている。ミドルレンジ機とするならば充分な総出力であるが、ハイエンド機を語るならば若干少ないというポジション。しかしENVY Phoenix810-190jpではデュアルグラフィックという選択はないので、600W電源で適度なスペックである。
hpのロゴが印字されているが、デルタ・エレクトロニクス社のOEM製品だった。HPサイトによると「Active PFC(Power Factor Correction)」回路を採用とある。PFC回路を省いた激安電源ではないことは確かだ。
採用しているのは自作でお馴染みのATX電源規格なので、メーカー保証対象外だが市販品を独自に搭載することが可能である。
ラストレムナントのベンチマークテストでは、200Wあたりの消費電力。この電源ユニットの変換効率は不明だが、高負荷時に総出力(600W)の1/3ほどで済んでいるので、長時間使用でも安心できる。
ドライブベイ~完全ネジフリーの機構
光学ドライブ用に5.25インチベイが2基あり、レバーで固定できるネジフリー機構である。5.25インチベイの下には3.5インチ外部ベイがあり、そこにはメディアカードスロットが標準搭載されている。
ENVY Phoenix810-190jpには3.5インチベイが3基あり、このレビュー機では「1TB HDD2台+マウンタ付き128GB SSD」を搭載。(オプションで複数のストレージを使った、RAID1/RAID0/RAID5構成やISRT構成が選択可能)。
レバーのロックを解除すればスライドしてドライブを取り出すことができ、ここでもネジフリーの機構である。HDDがやや斜めの角度で搭載されているが、おそらく最下層のHDDに少しでも放熱用の空間を確保するための工夫だと思われる。
ISRT(インテル スマート・レスポンス・テクノロジー)とは、インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジー(インテルRST)の追加機能。SSDをHDDのキャッシュとして使用することでシステムの読み込みを高速化する。システムデータそのものはHDDに保存されているので、SSDの容量の少なさを心配することがない。
レッド・イルミネーションの水冷式CPUクーラー
ENVY Phoenix 810シリーズの水冷式CPUクーラーでは、「水冷ヘッド + ポンプ」一体型の簡易水冷キットを採用している。この筐体サイズでは空冷システムのパフォーマンスアップに限界があり、水冷を用いることでミニタワーでハイエンド構成が可能となったようだ。HPの公称では、空冷よりも約26%の冷却効率を高めたという。
「HP自社調べにおいて全コア100%使用率の状態を5日間ノンストップで継続したところ水冷システムは空冷システムに比べ常に10度以上低い温度を計測しました。」とHPサイトに記載されている。長時間のゲームプレイにおいて安定した動作が期待できそうだ。
高負荷時では高速回転せざるを得ない空冷式と違い、安定しているため消費電力が比較的小さくて済むというのが水冷式CPUクーラーの通説。
PCケースファン兼用のラジエーターファン。レッドカラーのイルミネーションが幻想的である。
水冷式CPUクーラーは静音性が売りであるが、ラジエーターファンがあるため格別に静音PCというわけではない。しっかりと風切り音はするし、微かに水の流動する音が聞こえる。(水流音は心地よい・・)。ただし長時間の高負荷をかけた時に、回転数を上げていく空冷式と比べて静音性効果が発揮される。どの水冷パソコンでも言えることだが、アイドル時での静音性は期待しないほうが良い。
初心者向けにアドバイス!クーラント(冷却液)
一般的に冷却液は純水に防腐剤を混ぜたもので、クーラントという。簡易水冷式CPUクーラーでは密閉度が高いので蒸発はほとんどなく、ユーザーが冷却液を補充することはない。 ※組み立て式は非常に面倒で別途タンクが搭載され、蒸発が起きるのでタンクに補充する必要があった。
水冷ヘッドの下にヒートシンクとそれを冷やすファンが付いているが、VRM(電圧レギュレータモジュール)の冷却用ではないかと思われる。ハイエンドモデルならではの冷却システムである。
ENVY Phoenix810-190jpのメモリスロット
ENVY Phoenix810-190jpには4基のメモリスロットがあるが、物理的干渉のため実際には2基までしか使えない構成になっている。
レビュー機では8GB (4GB×2) DDR3(1600MHz)メモリを搭載している。なお、CPU供給電源には一般的なATX12V(4ピン)ではなく、高い電源に対応できるEPS12V コネクタ(8ピン)が採用されている。HPサイトではオーバークロックをアナウンスしていないが、構成から見るとOCモデルを思わせる。
ラジエーターファンの奥にメモリスロットが2基あるが、物理的干渉のため使うことは出来ない。
NVIDIA GeForce GTX 760(192-bit)と拡張スロット
ENVY Phoenix810-190jpではNVIDIA GeForce GTX 760(192-bit)ならび770が搭載可能となっているが、このレビューではGeForce GTX 760(192-bit)を搭載している。このグラフィックカードの補助電源用に、PCI Express電源6ピンコネクタが接続されている。
PCI Express x16を2スロット、PCI Express x1を2スロット装備する。GeForce GTX 760(192-bit)を搭載していると、あと使えるスロットは「PCI Express x16を1スロット、PCI Express x1を1スロット」となる。
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