64bit Vista搭載には、パソコンパーツの対応が必須
64bit Vistaを動かすにはCPUやマザーボード、BIOSが対応している必要があります。
インテルCPUに至っては、2005年ごろ主流だった「Pentium D」以降、すでに64bit CPUになっています。AMD製CPUではAthlon(旧名:Athlon 64)以降、64bit CPUとなっています。ちょっとマニアックな用語を使うと「Intel 64 Architecture」や「AMD 64」という規格が64bit CPUになります。
このように実はハード技術は随分前から64bitの準備はできており、これまで互換性で32bit OSに合わせてきたのです。(32bit OSにも高速動作する設計になっています。)
ですから現在主流なCPUを本領発揮させるには64bit OSが必要といえます。
64bit Vistaで32bitソフトが使えると聞いたけど
64bit Vistaには64bitソフトを使わなければなりませんが、32bitソフトも一部使えるという話があります。これは互換性というより、64bit Vistaが持つエミュレーターによって動作させています。
具体的にいうと、64bit OS内部に「32bit OSの仮想PC」を作り出し、これによって32bitソフトを動作させます。このエミュレーターをWOW64(Windows on Windows 64bit)呼びます。
たとえると、WindowsでMacを動かすようなもので、バーチャルPCとかの類ですね。
当然のことながら、64bit OSで32bitソフトを動かすには時間がかかり、32bit OSで動作するほうが速いのは言うまでもありません。
また、このWOW64は万能ではなく、たとえば、64bit版IE(Webブラウザ)でネット動画をみたところ、再生プログラム「Flash」が32bit対応のため動画が見られない場合があります。
つまり、64bitソフトと32bitソフト間のプログラム参照ができません。そのため、ドライバーを参照するようなソフトでは不具合が生じます。
32bitソフトを64bit Vistaで使うなら、動作が遅くなるか不具合が生じるかしかないので、64bitソフトを使うなら64bit Vista、32bitソフトを使うなら32bit Vistaが正しい選択です。
64bit Vistaだからメモリもたくさん搭載して、より速くなると思わないことです。
2008年12月現在、サウンドカードや地デジチューナーカード、無線機器などのドライバーがまだ64bitに対応しきれておらず、どうしても64bit化したいならメーカーのホームページをちゃんとチェックする必要があります。
フォトレタッチ・ソフトで有名な「Photoshop」の次期バージョンで64bitに対応する話もあるので、これから普及時期に入るかどうかというところです。
いずれにしても、現時点でリスクを背負ってまで64bitへ移行すべきでないでしょう。
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